一般質問 令和5年11月29日定例会

2023/11/29

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質問項目

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質問

脱炭素社会実現に向けたロードマップについて

中里光夫 議員

 通告に従い質問します。

 初めに、脱炭素社会実現に向けたロードマップについてです。

 ゼロカーボンを実現した社会とはどのような社会でしょうか。化石燃料を使用するエネルギー源は使わず、再生可能エネルギーで賄っている。省エネルギーが進み、高断熱の建物や電気自動車が普及している。二〇五〇年までにCO2排出量を実質ゼロにする必要があります。では、そのためには、世田谷区では何をどれだけ、どのようにすればよいのでしょうか。世田谷区の目指す社会の姿や、そこに向かう道筋を具体的に示すことが、目標達成のためには必要です。

 長野県は、二〇五〇ゼロカーボン達成シナリオというロードマップを示しています。このように脱炭素までの道筋を分かりやすく具体的に示していくことが必要です。

 世田谷の地域特性に合わせ、区民が取り組みやすく効果の高い取組についてのロードマップをつくることが、世田谷での脱炭素社会を推進する力になります。

 世田谷区の脱炭素社会に向けたロードマップをつくることを求めます。見解を伺います。

 二〇五〇年の脱炭素社会は、化石燃料を使わず、新しいライフスタイルを実現した社会となっていなければならず、経済産業のありようは今とは大きく変わっていることが求められます。

 化石燃料を使う産業、事業は、その転換を求められます。例えば、ガソリンエンジン車がなくなれば電気自動車に全て転換され、自動車の製造ではエンジンの製造に関わる機械加工の需要はなくなっていきます。ガソリンスタンドも不要となります。関連産業は大きく転換を迫られます。

 建設業なども、建物の断熱化の推進とともに、化石燃料を使用する機材や材料を使わないよう転換が求められます。製品の脱炭素化が求められる下で、サプライチェーン全体の脱炭素化が求められます。

 一方、再生可能エネルギー関連事業や新しいライフスタイルを進める新たな産業を育てることも重要となるでしょう。

 世田谷区地域経済発展ビジョン(素案)では、将来生じると想定される地域産業を取り巻く変化として、脱炭素・環境志向の深化、経営上の優先順位の変化などが予想されるとして、意識の醸成と実践の後押しをするとしていますが、受け身の姿勢であり、認識が甘いのではないでしょうか。

 世田谷区地域経済発展ビジョン(素案)で、脱炭素社会実現を推進していく積極的な姿勢を示す必要があります。脱炭素社会へのロードマップづくりと併せて、具体的な世田谷の未来の産業の姿を示し、その推進のための産業政策をつくるべきです。見解を伺います。

区営住宅の省エネ化について

中里光夫 議員

 次に、区営住宅の省エネ化についてです。

 前回の質問で、区営住宅の断熱化、省エネ化の促進を求めました。区は、定期的な改修の際に屋上の遮熱塗装などを進めると答えましたが、二〇三〇年までにCO2を半減させるという目標に対し不十分です。

 比較的大きな工事を伴わず、省エネ効果が大きいことは、屋上の遮熱塗装のほかに、窓ガラスをペアガラスに変えることや照明のLED化などがあります。これらをまず進めていくべきです。

 共用部分のLED化は、三十九団地中十三団地で完了、残り二十六団地を年二団地ずつのペースで実施する計画ですが、完了までに十三年、二〇三六年までかかってしまいます。

 区営住宅は全部で八十四棟、遮熱塗装はこれからです。区営住宅の総戸数は約千六百戸、区が民間事業者の見積りを参考に試算したところ、全団地でサッシ改修をするのに、サッシ総枚数約五千枚、総額約二十億円です。計画的に予算化し、進める必要があります。

 脱炭素化のロードマップの検討と併せ、完了の目標年度を定め、遮熱塗装、ペアガラス、共用部LED化を計画的に実施することを求めます。

低所得世帯の光熱費削減支援について

中里光夫 議員

 次に、低所得世帯の光熱費削減支援についてです。

 物価高騰、光熱費の高騰が暮らしに重くのしかかっています。家庭の省エネを支援することは、脱炭素化に貢献するとともに、光熱費を引き下げ、暮らしを応援することになります。

 効果が大きいとされるメニューの一つが、古い冷蔵庫を最新の省エネタイプに買い換えることです。しかし、エコポイントなどの支援があっても、低所得世帯、特に生活保護世帯などでは、経済的理由で古い冷蔵庫の買換えは困難です。

 社協からお金を借りるなどしなければ実現せず、命に関わるような問題ではありませんから、壊れない限り借金をしてまで古い冷蔵庫を買い換えるということにはなりません。低所得世帯の古い冷蔵庫の更新は進みません。

 そこで、区が低所得世帯を対象に、古い冷蔵庫を新しいものに買い換える支援を行うことを提案します。低所得世帯の継続的な光熱費の削減となり、暮らしを支援する福祉政策としての意味があります。同時に、省エネが進まない低所得世帯での省エネの推進となり、環境政策としての意味があります。さらに、購入を区内の個店に限定することで、地域経済の振興となり、経済政策としての意味も持ちます。

 福祉、環境、産業の各部門が連携して、低所得世帯向けに古い冷蔵庫の買換えの支援を実施することを求めます。見解を伺います。

痴漢など性被害ゼロを目指すことについて

中里光夫 議員

 次に、痴漢など性被害ゼロを目指すことについてです。

 二〇二〇年に共産党都議団が行った痴漢被害実態調査をきっかけに、その撲滅のために国や都が動き出しています。

 都議団の調査では、回答者の八二・八%が女性、回答者の九六%が被害を受けた。その多くが電車の中、路上、駅の構内、図書館などで被害を受けている。初めて被害に遭った年齢は、十八歳以下が七一・五%、そのうち小学生以下が三四・五%、子どもの頃から被害に遭っている、被害を誰にも話せなかった人が約四割、話せた場合も被害を軽視されたり、逆に被害者が責められたりの二次被害に遭っています。

 多くの人が痴漢被害に遭いながら、表に出てこなかった実態、これが私たちに突きつけられました。多くの人たちが相談もできずに苦しんでいます。

 軽く扱われてきた痴漢が、被害者に深刻な影響を与える性犯罪であるという認識が広がってきました。駅のポスターも「痴漢に注意」と被害者が悪いかのような啓発から、「痴漢は犯罪です」と変わってきました。

 昨年六月には、内閣府が国として初めて大規模な調査を行い、今年の三月に痴漢撲滅政策パッケージがまとめられました。

 区として、痴漢・性被害をなくすための取組が必要です。痴漢・性被害を防ぐためにも、区内での被害の実態に基づいた対策を進めていく必要があります。世田谷区として実態調査を行うことを求めます。見解を伺います。

 共産党区議団の調査では、小中学生も被害に遭っている実態が明らかとなりました。まずは学校で、安心して相談できる体制をつくることを求めます。見解を伺います。

 以上で壇上からの質問を終わります。

答弁

岩本 副区長

 私からは、脱炭素社会実現のための産業政策について御答弁申し上げます。

 区では、地域経済の持続可能な発展条例において、経済発展と非経済的な価値の両立により持続可能な地域経済の構築を目指すことを掲げています。その上で、現在、時代の変化を踏まえた新しい課題に対応し、条例の理念の実現に向けて展望や具体的な目指す姿、取組などを整理した(仮称)地域経済発展ビジョンの策定を進めているところです。

 地域経済発展ビジョンにおいては、既存産業の活性化を軸に置きつつ、社会課題解決や持続可能性の観点から、産業界における脱炭素の取組を推進することは重要であり、意識の醸成や普及啓発、実践の後押しをしていくとともに、新たな産業活性化拠点等の活動を通じて、環境配慮を促す事業者や環境関連産業の育成についても支援していくことを掲げております。

 経済産業活動における脱炭素の取組は、事業経営や消費行動、サプライチェーンなどを含めた産業構造などに大きな影響を及ぼし、今後ますます重要性が増すものと考えられることから、関係所管と連携し、一層の具体的な取組について検討してまいります。

 以上です。

中西 環境政策部長

 私からは、脱炭素社会に向けたロードマップについてお答え申し上げます。

 区では、令和二年に世田谷区気候非常事態宣言を行いまして、また、今年度からスタートいたしました地球温暖化対策地域推進計画におきましても、二〇五〇年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロとする長期目標を掲げております。

 まずは、この計画で定めました二〇三〇年までの取組を実施していくとともに、脱炭素地域づくりや再生可能エネルギー利用の促進など新たな施策を追加したり、また拡充をしたり、こういったことを検討いたしまして、国や東京都の施策動向なども踏まえながら、さらに施策の充実を図ってまいります。

 一方で、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けましては、区民一人一人の意識を変えて行動に取り組んでいただく必要がございます。そのためには、区民に具体的な将来像や、時代、時期に応じた社会や暮らしに求められる変化を示していくことが有効であると考えております。

 既に国や東京都において、二〇五〇年までの脱炭素ロードマップが示されておりますので、これに加えまして、区の特性を踏まえた取組及び目標、プロセス、さらには脱炭素社会が進むにつれて変化していくライフスタイルを、具体的にこのようになるよと区民に示していくことで、行動変容につなげていくことができるようなロードマップを今後検討してまいります。

 以上でございます。

笠原 都市整備政策部長

 私からは、区営住宅の省エネ化について御答弁申し上げます。

 脱炭素社会を実現する上で、区営住宅の断熱化、省エネルギー化を進めることは重要であると認識しております。区では現在、住宅共用部の照明のLED化を年間二団地ずつ進めており、民間借り上げ分を除く三十九団地のうち十三団地で設置済みとなっております。

 また別途、世田谷区公営住宅等長寿命化計画に基づき、年間二団地ずつ実施しております外壁改修工事の際には、今後、遮熱性能や断熱性能を有する材料を使用することを検討しております。

 一方、ペアガラス等を用いるサッシ改修につきましては、財政負担が課題であり、今後、区営住宅の改築を控えている中では、費用対効果の面から慎重に検討する必要があると認識しております。

 今後は、住宅共用部のLED化をさらに促進することを検討するとともに、令和九年度からの新たな世田谷区公営住宅等長寿命化計画の策定において、長寿命化の視点に加え、断熱化の促進に向けた視点から外壁改修工事の在り方を検討するなど、区営住宅の省エネルギー化に向け計画的に取り組んでまいります。

 以上です。

田中 保健福祉政策部長

 私からは、冷蔵庫の買換え支援について御答弁いたします。

 二〇二〇年度の環境省調査では、家庭におけるCO2排出量構成の中で、冷蔵庫の占める割合は約六・八%です。また、東京都によれば、十年前の四百五十リットル程度の冷蔵庫を買い換えた場合、年間電気代が約六千五百円削減、年間CO2排出量が九十四キログラム削減できるとなっており、冷蔵庫の買換えは、電気代やCO2の削減に一定の効果があるものと考えています。

 東京都では現在、省エネ性能の高い冷蔵庫に買い換えた場合は、最大二万五千円分の商品券を付与する事業を行っています。

 現在、環境政策部で省エネ家電の普及拡大の方策を検討しています。お話のあった産業部門では、せたがやPayのポイント還元キャンペーンを支援しており、加盟している中小個店等で冷蔵庫を購入した場合、購入額の最大五%の還元対象となり、十二月には還元率が最大一〇%となる予定です。

 なお、低所得などで生活にお困りの方への支援については、ぷらっとホーム世田谷において、引き続き生活全般のお困り事を丁寧に聞き取り、光熱費をはじめ、各種の支払いが困難な方には、家計改善支援員が家計の見直しや滞納状況を整理し、今後の支払い計画を立てることや、必要に応じて就労支援等を行うなど、個々の御希望や課題に応じた寄り添った支援を行ってまいります。

 私からは以上です。

渡邉 生活文化政策部長

 私からは、痴漢被害の実態調査について御答弁申し上げます。

 内閣府が令和四年に行った若年層の性暴力被害に関する調査によりますと、十六歳から二十四歳の女性の十人に一人が痴漢被害に遭っており、令和元年からの三年間、都内で検挙された痴漢事犯のうち、被害者の約四分の三、七六・九%が十代、二十代となってございます。また、全体の三%は、男性が被害者となってございます。

 このような状況から、国では内閣府、警察庁、法務省、文部科学省、国土交通省の関係五つの府省庁が連携しまして痴漢対策に取り組んでいく上での基本的な考え方と、併せて痴漢を防ぐ取組や、加害者の再犯を防ぐ取組など五つの取組をまとめた痴漢撲滅に向けた政策パッケージを令和五年三月に公表したところでございます。

 具体的には、鉄道事業者間で効果的な取組の共有や、通学路における安全確保と安全教育、また被害申告、相談しやすい環境整備などの取組がこの中で示されてございます。

 犯罪被害実態調査につきましては、法務省が令和五年度中に、痴漢や性的な被害を含む各種被害者経験の有無や被害内容などの調査を実施すると聞いており、御質問の痴漢被害に関する実態調査に関しましては、これら国等による調査結果などが活用できると考えてございます。

 今後は、こうした調査結果を十分に活用しながら、区といたしましては、痴漢の被害に遭った方への対応について、現在進めております犯罪被害者等支援条例の制定に向けた検討の中で、被害者に寄り添った支援の在り方を検討してまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。

小泉 学校教育部長

 私からは、性被害に関する学校での相談体制についてお答えいたします。

 性被害は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、重大な人権問題として、その被害から児童生徒を守るとともに、仮に被害を受けた児童がいた場合には、カウンセリング等の措置を行う必要があります。

 学校では、教職員が日頃の児童生徒の表情や言動等から不安や悩みを把握し、適宜相談を行っており、学級担任だけでなく、養護教諭やスクールカウンセラー、関係機関と連携して、児童生徒が様々な形で相談できる体制を構築しております。

 また、今年度、子どもSOS相談フォームを開設し、児童生徒がタブレット端末から直接、悩みや不安を相談できる取組を始めており、教職員や教育委員会の専門の相談員が面談等を行っています。

 なお、性被害に遭ったことに気づかない子どももいることから、生命の安全教育を通して生命の貴さを学び、性暴力の根底にある誤った認識や行動、また、性暴力が及ぼす影響などを正しく理解した上で、生命を大切にする考えや、自分の大切さとともに他人の大切さを認める態度を、発達段階に応じて身につけることができるよう努めてまいります。

 以上でございます。

再質問

中里光夫 議員

 区営住宅の問題ですけれども、ペアガラスが財政的、費用対効果の面から慎重に検討という答弁でしたけれども、ZEB化、ZEH化を進めていくという中で、公共施設全体もそれを進めていくという中で、区営住宅のこういった問題は、これまできちんと検討されていなかったのではないかと思います。

 財政的な問題だということであれば、財政当局、しっかりここを位置づけて、公共施設全体の改修の中に、区営住宅の断熱化などもしっかり位置づけて検討していただきたいと、予算も取るようにしていただきたいということを要望します。

 それから、冷蔵庫の問題ですけれども、環境、福祉、それから経済、産業、それから福祉の分野、それぞれのやっていることが答弁で示されたということで、ここから先には一つも進まないと、縦割りの弊害がもう表れている問題ではないかということを強く感じました

 この福祉の視点で環境問題、気候危機問題を考えるとか、地域産業促進の視点で気候危機対策を進めるということは、そもそも区が進めるべき政策の柱の一つとなるべき問題です。

 それぞれの所管と議論してきましたけれども、それぞれに皆さん必要性は認めながら、これまでの守備範囲、自分たちの守備範囲を超えることができないということなんです。それを超えて、区全体の大きい目標のために新しい政策に踏み出していくという必要があると思います。これまでの領域の枠を超えた取組が必要だと思いますが、政策経営部はこの点、どう考えているでしょうか。

再答弁

有馬 政策経営部長

 これまでの領域の枠を超えた取組が必要だということの再質問についてお答えいたします。

 区では多様化、複雑化、個別化する新たな区民ニーズに対応するため、組織を適切に、そして柔軟につくり、職員の専門性も高めてまいりました。これまでも組織間の連携や調整などの庁内連携により、課題の解決に向け対応してきておりますが、最近では、窓口改善をはじめ多くの課題に関し庁内でPTを立ち上げ、各所属の権限の下に取り組んできているところでございます。

 しかしながら、お話の気候危機対策や、例えば少子化への対応など、一つの事業の執行に複数の目的が、また複数の部署にまたがるなどの事例もあり、これまで以上に幅広い視野、高い視点での仕組みや体制を整える必要があると考えております。

 現在策定中の新たな行政経営への移行実現プランにおきましても、区民サービスの向上を図り、多様化する区民ニーズに対応するため、先ほど申し上げました幅広い視野、高い視点を踏まえた新たな仕組みづくりであったり、また、組織体制について検討していくこととしております。

 今後も多くの所管にまたがるような課題に対しまして、様々な観点から各所管の横の連携を取りながら、区全体で一体となって取組を進めてまいります。

 以上でございます。

中里光夫 議員

 連携して各部署が取り組むという問題で、気候危機の問題などは遅れていたということですから、しっかりと前に進めていただきたいと思います。

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