一般質問 令和4年11月30日定例会

2022/11/30

質問項目

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質問

平和と憲法をめぐる問題について

中里光夫 議員

 日本共産党区議団を代表して質問します。

 まず、平和と憲法をめぐる問題についてです。

 十一月十九日、アジアの三十か国一地域六十九政党が参加したアジア政党国際会議、ICAPPが採択したイスタンブール宣言は、軍事ブロックの対抗ではなく、対話と交渉を行うことが紛争解決への唯一の道だと確認しました。

 会議に参加した日本共産党は、ウクライナの主権と領土保全を尊重しつつ、対話による平和的解決を求めること、ASEANと協力し平和の枠組みを発展させること、核兵器のない世界を発信することの三点を提案しました。我が党の提案の中心点が宣言に反映されました。

 一方、岸田政権は、改憲、軍事費倍増を強引に進めようとしています。政府の有識者会議が報告書を出しました。その内容は、敵基地攻撃能力の保有、国民の増税で軍拡するというもので、外交戦略は欠如しています。大増税で国民生活を犠牲に、軍事対軍事の戦争国家への道を突き進む危険なものです。我が党は、軍事費倍増に反対し、憲法九条を生かした平和外交を進めるべきと考えます。

 自民党の憲法改正案は、九条への自衛隊明記、緊急事態条項、家庭を社会の基本として国家を支えるという考えが柱となっており、それは統一協会の考えと一致しています。

 地方政治でも、統一協会が推進した家庭教育支援条例が全国十県六市で制定され、世田谷区議会でも、自民党がこの条例の制定を求める質問を行っています。自民党は統一協会との関係を区民の前に明らかにするべきです。

 十一月十二日、全国首長九条の会総会が開かれ、保坂区長は、憲法九条を守るとともに、ジェンダー平等を敵視する統一協会と地方議員との癒着問題も指摘し、一人一人の人権を大切にする行政の実現を訴えました。首長九条の会が採択したアピールでは、九条を守り抜くことを宣言しています。

 日本共産党は、統一協会との闘いは憲法の基本的人権を守る闘いであり、日本の民主主義を守る闘いと位置づけています。憲法と平和をめぐる問題についての区長の認識を伺います。

グランドビジョン、区立保育園統廃合について

中里光夫 議員

 次に、グランドビジョン、区立保育園統廃合についてです。

 保育待機児は国基準でゼロになりましたが、実際には認可保育園を希望しながら入れない人を残しています。ある北沢地域の方は、今年出産、地域の認可保育園を探したが見つからず、電車を乗り継いで職場の認可外保育施設に預けることになりました。

 さきの議会で、区長は隠れ待機児の存在を認め、課題として認めている、保育の必要性があって保育園を利用したい方々がひとしく保育園を利用していただける環境を整備することが私の責任だと答弁しています。また、弾力化は、元来の定数を緩和して詰め込みを行ったものです。お昼寝の布団が重なり合うような状況です。

 区長は、やむなく緊急避難的に取った措置、早急に解決しなければならないし、そのための具体的な日程を確定しなければならないと答弁しています。隠れ待機児、弾力化解消を急ぐよう求めます。具体的取組はどうなっているか、検討の状況などについて答弁を求めます。

 保育の質を守りながらの待機児解消は道半ばです。隠れ待機児をゼロにして、保育を希望する人が保育園へ入れる環境、詰め込み保育からゆとりある質の高い保育へ進めていくことが課題です。

 この間、保育の規制緩和で、園庭のない園まで認められるようになりました。広い園庭のある区立保育園は貴重な保育のための資源です。保育環境を守るためにも手放してはなりません。何より地域全体の保育の質を守る、保育人材の育成、緊急時の対応など区立園の役割を果たすことと統廃合は矛盾します。

 区立保育園の統廃合には区民の理解は得られず、保護者など当事者を含めた区民参加での検討、見直しが必要です。区立保育園統廃合は、参加と協働で見直すことを求めます。今後の区民参加の検討をどうするか示すことを求めます。

介護保険の改悪について

中里光夫 議員

 次に、介護保険の改悪についてです。

 二〇二四年の次期介護保険改定に向けて、国での議論が始まっています。国の審議会に出ている主な改正ポイントは、介護利用料を原則二割負担に、ケアマネジメントの自己負担導入などの利用者負担増、そして要介護一、二の訪問介護、通所介護の総合事業への移行など、サービスカットです。

 国は、経団連など財界の要求に応え、介護に対する財源の縮小を狙っています。行うべきは、国による公費投入を増やし、利用料、保険料を抑え、介護報酬を増やすことです。そして、介護人材を確保するために、介護職員の賃金を全産業平均並みに引き上げ、労働条件の改善をすることです。

 認知症と家族の会が、利用料の原則二割負担や、要介護一、二の総合事業への移行などをしないよう求めた要望書、八万四千人の署名を添えて、厚労省に提出しました。また、区内でも介護関係者が集まって、「どうするつもり?総合事業」という集会が行われました。関係者は、総合事業を要介護に広げるなどできない、国に対し反対の意思を示そうと声が上がりました。

 利用者の負担増についてです。

 高齢者は、物価高騰に加え、年金削減、後期高齢者医療の窓口負担二倍化など大変な負担増です。医療では既に、薬を減らせないか、訪問診療の回数を減らしてなど、医療抑制が始まっています。この上、介護の負担増が加われば、経済的理由から必要な介護が得られず重症化したり、生活の質が下がる方が続出するのではないでしょうか。負担増となれば、高齢者世帯の経済状況、利用抑制など利用者、高齢者の実態をどう認識しているのか、区は状況をよくつかみ、国に伝えていくべきです。見解を伺います。

 サービス削減についてです。

 国は、軽度の介護にボランティアなどの活用を広げようとしており、問題です。介護度が低くても、末期がんや脳卒中の後遺症で重い麻痺がある、認知症や精神疾患があるなど病気や障害があり、それぞれの特性を理解した専門的な対応が必要です。ボランティアでは必要な配慮ができず、気づきが遅れ、重症化につながることが危惧されています。また、家族介護の負担が増え、介護離職が増えてしまうと心配されています。要介護者とその家族に大きな負担です。

 要介護一、二は、区内要介護者二万四千四百十三人中一万四百九十一人、四三%を占めています。要介護認定者の中で、認知症の日常生活自立度二、これは日常生活に支障を来す状態、これ以上の方が五九・六%です。要介護一、二の方の介護をボランティアなどに任せることは問題です。区はどのように考えているのか、見解を伺います。

 介護人材不足が深刻な状態です。渋谷のハローワークでは、求人倍率は介護一般職で七・九三倍、パートだと九・六倍です。現場では多忙化で余裕がなくなり、人材育成が困難になってきたとの話も聞きます。要介護一、二の保険給付外しで事業所への収入が減れば、さらに経営環境が悪化し、労働環境の悪化や多忙化が加速し、人材不足はますます深刻な事態となります。

 介護の仕事を専門性のある魅力的な誇りのある仕事として確立したいという関係者の皆さんの願いや、区の政策からも逆行するのではないでしょうか。介護保険改悪で介護人材の確保がますます難しくなるのではないか、区としての認識はどうか、国に対し制度改悪をやめるよう区として声を上げるべきです。見解を伺います。

小田急線上部、雨庭広場周辺の交通安全の対策について

中里光夫 議員

 次に、小田急線上部、雨庭広場周辺の交通安全の対策についてです。

 下北沢周辺の小田急線上部利用は、メディアでも紹介され、全国から注目を浴びています。世田谷代田駅周辺がテレビドラマのロケ地となり、多くのファンが訪れています。週末には大変な人混みとなります。

 地域の方々は、交通安全対策で心配の声を上げています。特に区が整備した雨庭広場に隣接する元踏切だったところは、元線路だったところを人が行き交う。そして、踏切がなくなったので、車は止まらずにそのまま通り抜ける。大変危険です。

 小田急線上部の人の流れが大きく変わりました。雨庭広場周辺の元踏切だったところに、横断歩道などの対策をとるべきです。区の見解を伺います。

 以上で壇上からの質問を終わります。

答弁

保坂 区長

 中里議員にお答えします。

 今日における憲法、平和についての私の考え方についてでございます。

 私は、唯一の被爆国として、核兵器によるこれ以上の犠牲者を生むことのないよう、ロシアによるウクライナ攻撃、そして侵略、核使用のプーチン大統領の示唆などがあるからこそ、日本は核兵器禁止条約早期批准に動くべきだと考えています。全世界の人々がひとしく平和のうちに生存する権利を有するという憲法の理念から、日本の立脚点である憲法九条を変えるべきではないと考えております。

 憲法で保障される平和は、全ての人が生きていく上で必要不可欠なものであり、区民の生命と財産を守る首長の責務を自覚し、日本が再び戦争によって区民に惨禍をもたらすことのないよう、憲法九条を守り、次世代の子どもたちに平和を希求する思いを継承していきたいと考えております。

 今日、統一教会による被害者救済をめぐる議論が国会で続いていますが、この問題と同時に、半世紀にわたり政権中枢に影響力を持ち、家庭教育問題から男女共同参画やLGBTQの皆様の人権保障、そして改憲案にまでその影響力が及んでいることは無視できません。今、民主主義を取り戻すことが重要です。

 そして、昭和の歴史を振り返っても、軍備拡張によって平和を維持することは大変難しく、国の内外戦争により多くの人々が結果として犠牲になった歴史を持っています。憲法九条は、不戦平和の決意を今に引き継ぐものとして、私は大切にしていきたいと考えております。

和田 保育部長

 私からは、保育について二点御答弁いたします。

 まず、希望する保育園に入園できていない方の問題や弾力化定員についてです。

 待機児童は令和二年度から解消しておりますが、まだお子さんの年齢によっては希望する保育園に入園できていない方が一定数いらっしゃることは認識しており、今後も希望される方が利用できるよう引き続き努力してまいります。

 令和四年四月時点で、区立保育園で二百六十八人、私立保育園で百四十四人分の定員弾力化を行っておりますが、就学前人口が減少する中にあっても、入園希望者数が高止まりしていることや、弾力化の解消が私立保育園の運営に影響する点であることも踏まえ、法人の意見等も伺いながら、適宜、弾力化解消を進め、一層の保育の質の向上につなげているところです。

 令和五年四月に向けましては、弾力化定員の多い区立保育園に加え、私立保育園と合わせ八十人近くの解消を進める予定ですが、引き続き運営法人の意向や施設周辺の保育需要等を見極めながら、早期の定員弾力化の解消を進めてまいります。

 また、就学前人口の動向や入園選考結果等を受け、来年度の早い時期に解消量や時期等、弾力化解消に向けた計画の目安をお示ししてまいります。

 次に、区立保育園の再整備に係る区民参加の検討についてです。

 区立保育園の今後のあり方に基づく新たな再整備計画につきましては、保育のごあんないや区ホームページにおいて区民の方に周知を行ってまいりました。また、十一月八日に行われた第三回子ども・子育て会議においても、再整備計画の内容を御報告させていただいたところです。

 子ども・子育て会議では、区立の施設が減ることに対する不安の声が寄せられた一方、医療的ケア児などの多様な保育ニーズへの対応の必要性や、就学前人口が減少している中での乳幼児施設の運営について危機感を抱く声が寄せられました。

 今後も、区立保育園の再整備計画を進めるに当たっては、区立保育園が、引き続き子どもの育ちのセーフティーネットとしての役割を担っていくことに加え、グランドビジョンにありますように、子どもの人口が減少する中においても、単に支援や施設等を縮小するのではなく、子ども・子育て関連施策全体で必要な施策に組み替え、全ての子ども・子育て家庭を対象に施策を再構築していくということを丁寧にお伝えするとともに、機会を捉えて、保育現場や利用者からの声もよく聞き、保育需要を慎重に見極めながら行ってまいります。

 以上でございます。

山戸 高齢福祉部長

 私からは、介護保険制度に関して三点御答弁いたします。

 最初に、要介護一、二の方の介護についてです。

 要介護一、二の方の総合事業への移行については、「#要介護一と二の保険外し」がツイッターで一時トレンド入りするなど高い関心が示されており、区としても、国の動きを注視しているところです。

 現在、世田谷区では、総合事業のサービスとして、指定事業者が実施する従前相当の訪問型サービス及び生活援助サービスなどのほか、住民参加型、住民主体型サービスである支えあいサービスや、地域デイサービスなどを実施しております。本年四月、新たに総合事業の対象者となった継続利用要介護者の方は、地域デイサービス団体の受入れ意向やケアマネジャーによるケアプランへの位置づけなど、国のガイドラインで記された要件が必要です。各団体の運営スタッフが安全に配慮しながら、三名の継続利用要介護者に対して、身体介護を伴わない支援を工夫して行っているところです。

 要介護一、二の方の総合事業への移行につきましてはいまだ不明な点が多く、ボランティアの住民等が対応できるのかについても判断できない状況でございますので、区の対応といたしましては、引き続き情報収集に努めつつ、適切に判断してまいりたいと考えております。

 次に、介護サービス事業者は人材が不足している、区の見解を伺うについてです。

 現在の区における総合事業では、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護を実施する指定事業者による従前相当サービスの提供が中心となっており、平成二十八年度の開始以降、大きな問題も生じることなく安定的に事業が展開されていると認識しております。

 一方で、要介護一、二の方の利用についての総合事業への移行が国における次期介護保険制度改正の検討事項の一つとして議論されており、その動向は先ほど申し上げましたように注目されているところです。

 区といたしましては、これらの要介護一、二の方を対象とするサービスが総合事業へ移行されることとなった場合、その制度設計にもよるところではありますが、利用者、御家族の意向も踏まえた適切なケアマネジメントにより必要なサービスが選択できること、提供するサービスに見合った報酬が受けられる制度であることが必要であると考えております。

 引き続き、次期介護保険制度に関する社会保障審議会での議論など、国の動向を注視しながら、必要に応じて特別区長会、全国市長会などを通じた働きかけや問題提起等に努めてまいります。

 最後に、高齢者の負担増についてです。

 議員御指摘のように、昨今の社会状況においては様々な負担が重くなっており、特に高齢者の生活に与える影響は大きいものと認識してございます。現在、国の社会保障審議会では介護保険の利用料増につながるような制度改正について議論が進められておりますが、法定制度である高額介護サービス費や高額医療合算介護サービス費の改正は俎上に上っていないことから、利用者に過度な負担にならないよう、制度上の配慮が引き続きなされると考えております。また、法定外の区独自制度として、生計困難者等に対して利用者負担の軽減を実施しているところです。

 介護保険サービスの利用者負担の在り方の検討自体は、制度の持続可能性の観点から必要なものと考えております。しかしながら、今後の制度改正の議論の状況によっては、区としても国に必要な働きかけを行うとともに、区制度に関しては、第九期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定を進める中で議論してまいります。

 以上です。

木本 北沢総合支所長

 私からは、小田急線上部雨庭広場周辺の元踏切部分に、横断歩道などの対策をすべきという御質問にお答えいたします。

 下北沢駅西側の鎌倉通り沿いの緑地広場につきましては、今年七月にシモキタ雨庭広場として開園し、約四か月が経過した現在、特に休日など多くの利用者でにぎわいを見せているところです。地域の方々からは、散歩途中の休憩場所や子どもたちの遊び場ともなる広場ができたことに喜びの声をいただくところでありますが、この広場が道路に囲まれた立地であるため、安全に広場に出入りするための対策として、横断歩道の設置を求める声を伺っており、広場周辺の道路や通路などの利用状況を確認しながら、交通管理者である北沢警察署と協議を行ってまいりました。

 先般、交通管理者より、当該横断歩道の設置要望箇所については、横断歩道の設置可否の基準となる交通規制基準に定める勾配の急な坂、もしくは坂の頂上付近、または見通しの利かない道路の曲がり角及びその付近に該当するものであり、横断歩道の設置は難しいと回答をいただいたところです。

 こうした中で、区といたしましては、既に実施している通路を利用する歩行者等に向けた掲示物による注意喚起に加え、電柱幕や看板等によるドライバー等への注意喚起の検討も併せて行っていくとともに、引き続き、交通管理者である北沢警察署に地域の声を伝えながら安全な通行の確保に取り組んでまいります。

 以上でございます。

中里光夫 議員

 保育の問題ですけれども、質を守りながらの待機児解消と区立保育園の統廃合は、これは矛盾するということを改めて指摘したいと思います。詰め込み解消の見通し、計画がまだ立ってもいない。その中で区立園を減らす計画だけ出てくるということには、私は納得できません。やはりこの統廃合の計画は立ち止まって見直すべきだということを改めて申したいと思います。

 それから、介護保険について。軽度の介護者でも高い専門性が必要なんだということで、ボランティアの活用は無理があると思います。必要なサービスが選択できる、サービスに見合った報酬が得られる、これが必要だという答弁は重要だと思います。しっかりやっていただきたいと思います。

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