文教委員会所管分の決算審査 令和2年10月06日

2020/10/06

質問項目

 

保育施策の方向性と区立保育園の役割について

中里光夫 委員

 それでは、私からは今後の保育施策の方向性と区立保育園の役割について伺っていきたいと思います。

 区立保育園の緊急対応などの役割が、今ますます重要になってきています。平成三十年度の区立保育園の今後の在り方が示されました。その中で、子どもの育ちのセーフティーネット、区内保育の質を高めるなど、新たな役割が規定されています。昨年の台風十九号で浸水被害に遭った私立認可園の子どもを緊急に受け入れたり、コロナ感染が発生し一時休園した園の子どもを緊急に受け入れたりと、そういったその役割が発揮されています。また、緊急時に備えた余裕のある保育体制が今切実に求められています。

 改めて、区立保育園の在り方に書かれた役割について伺います。

大澤 保育課長

 令和二年九月二日の福祉保健常任委員会で報告いたしました今後の保育施策の方向性については、今般の待機児童解消を契機に、保育需要の地域偏在や短時間勤務者等の保育ニーズといった課題、今後の保育施策に係る取組と方向性を明らかにし、その中で区立保育園の役割について検討する旨をお示しをさせていただきました。

 現在、区立保育園の今後の在り方に基づき、区立保育園が公的なセーフティーネットとしての役割を担うべく、地区における保育施設の支援体制の強化や、質の高い乳幼児教育のための調査研究、より質の高い教育、保育の提供、また、ひろば事業などの地域子育て支援機能の充実など様々な取組を行っており、その重要性は高まっていると認識しております。

中里光夫 委員

 九月二日の福祉保健委員会で、今後の保育施策の方向性についてという報告がありました。待機児が解消され施設に空きが生じている一方で、地域偏在で新規施設が必要な地域もあると。また、区は保育ニーズの現状分析を行い、来年度中に保育定数の達成目標の見直しと定員拡大量の方向性を提示するなどとしています。そして、新たな課題に対する方向性の検討として、柔軟な定員設定の仕組みを検討するとしています。そこで、具体的には定員弾力化の解消が挙げられています。
 区立保育園が行っている定員の弾力化というのは、保育待機児解消のために定員を増やして子どもを詰め込んだという、これは不正常なものです。また、この弾力化を解消することで、先ほども言ったような緊急時に備えた区立園での余裕を生み、その役割を発揮するための条件を整える余力も生まれる、そういうことにもなると思います。この弾力化の解消は一刻も早く行うべきです。弾力化解消について、区の考えを伺います。

大澤 保育課長

 区立保育園では、待機児童対策のために現在約三百三十名の定員の弾力化を行っております。令和二年四月をスタートとします子ども・子育て支援事業計画では、令和三年、四年度の二か年で、主に定員拡大による定員弾力化の解消を図ることとしております。

 一方で、今般保育待機児解消が計画の一年前倒しでこの四月に達成されたことや、保育ニーズの地域偏在がより鮮明になってきたことなどから、保育ニーズが一定程度満たされた地区につきましては、保育の需要見込みを見定め、施設整備による定員拡大によらず、弾力化の解消を図れるのではないかと考えております。

 今後、新型コロナウイルスによる影響をはじめ、令和三年度の入園申込み状況等も踏まえ、どのように弾力化を解消していくべきか、現場の声も伺いながら、私立保育園の弾力化解消も含めて、その方法やスケジュールなどについても検討してまいります。

中里光夫 委員

 弾力化の解消、これはぜひともしっかり進めていただきたいというふうに思います。

社会的検査の充実について

中里光夫 委員

 それでは最後に、社会的検査の充実について伺いたいと思います。

 PCR検査の社会的検査、今般社会的検査を国費をもって一歩踏み出した、この意義は大変大きいというふうに思います。この間、介護関係者のお話を聞く中で、区の現在のスキームを合理的だと評価する声もありますけれども、クラスター抑止などのために職員や入所者の一斉かつ定期的検査の要望を伺いました。今回のスキームで、実際には検査を行わないような施設も生まれてしまうということで、今後特に感染リスクの高い高齢者施設などの一斉かつ定期的な検査、早急に踏み出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

小泉 保健医療福祉推進課長

 社会的検査につきましては、重症化の回避、クラスター化の抑止を目的として、感染者または感染疑いのある方に接触した可能性が高い職員に対する早期対応の視点も加えまして、このたび十月一日より定期検査の第一段階ということで、介護事業所において優先的に開始をしたところでございます。

 介護事業所については優先実施するとともに複数回実施するということで、先ほど申し上げたクラスターや重症化を未然に防ぐという考えがございます。

 現在、東京都においても高齢者施設等を対象とする定期的な検査を実施する方針が出ておりますが、また、行政検査として今回国費ということも見込める状況となったことから、今後の国とか東京都の施策の活用状況を確認しながら対応してまいりたいと考えております。

中里光夫 委員

 同時に、この社会的検査によって陽性者が出たことでの事業継続を不安視する、そういう声もあります。区として一定程度対策を示したことを評価しますけれども、それが十分なのか不安があると。現場の事業者の声をよく聞いて、今後拡充も検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

小泉 保健医療福祉推進課長

 対象施設で陽性者が発生した場合など、事業を継続する上での感染の不安などいろいろございますが、今回はその十月からスタートした定期検査のスケジュールによらず、随時検査というものを開始してございます。引き続き所管部と連携しながら、施設側の不安や困り事などに丁寧に対応させていただきたいと思います。

 また、先ほども御答弁しましたが、今般の国や東京都の動向も注視しつつ、検査対象施設や手法などの見直しを適宜行ってまいりたいと考えてございます。

中里光夫 委員

 この社会的検査は非常に期待も高いものがございます。しっかりと進めていただきたいと思います。

 ちょっと早いですが、以上で終わりにします。

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