2016年文教委員会での論戦

文教委員会速記録第1号

2016年2月15日(月)

◆私立高校の授業料軽減補助について 

○里吉委員 それでは、請願に対する質疑を行ってまいります。
 請願27第47号、教育費負担の格差を無くし、子どもたちに行き届いた教育を求めることに関する請願は、50万5804人からの署名が寄せられるなど、今回も多くの方々から私学の拡充を求める請願が出されました。
 日本は、子供の6人に1人が貧困だという現状、そして、世界の中でも特に教育費が高いという中で、この請願の中身は本当に切実だと思います。
 本来であれば、教育費は無償であるべきだと思いますし、例えば東京では、高校生の6割が私立高校に進学することから、少なくとも一層の公私間格差是正に向けての取り組みが求められています。
 まず、私立高校の授業料軽減補助について伺います。  私立高校の授業料軽減補助には、国の制度である就学支援金、都の独自制度である授業料軽減補助金があります。そのほかに、私立高校が独自に授業料減免を行ったときに、その一部を東京都が補助する特別補助があります。
 この特別補助についてですが、現在どれくらいの私立高校で使われているのか、実績を伺います。 

○加藤私学部長 平成26年度は、対象私立高等学校237校中、32・5%に当たる77校に対して補助を実施しております。

○里吉委員 全体の約3分の1、77校では、学校独自の授業料減免があるということでした。  その学校独自の授業料減免ですが、2014年度からだったと思いますが、制度が拡充されました。それまでは補助の対象が授業料だけだったのですが、その他納付金も含めるようになったわけです。
 これは、一歩前進だと思うのですが、改めて、この補助の対象が授業料と学校納付金となっているのはどうしてなのか、その理由について伺います。
 あわせて、学校納付金とは、例えば、どのようなものなのかもお答えいただきたいと思います。

○加藤私学部長 授業料減免補助につきましては、国の就学支援金や都の特別奨学金の制度改正に伴い、授業料に対する公費助成が充実されましたことから、各学校が行う保護者負担軽減の取り組みを促進するため、補助の対象範囲を授業料だけではなく、その他納付金まで拡大したものです。
 また、その他納付金でございますが、これは学校によって内容は異なりますが、例えば教育内容の充実を図るための教育拡充費、実習費などが挙げられます。

○里吉委員 学校納付金は、実習費など、いろいろ学校によってはその内容は違うということですが、授業料と同様に、ご家庭で負担しなければならないものだということだと思うんですね。
 ですから、今ご説明いただいたように、国の制度改正で公費助成が拡大されたことに伴って、保護者の負担軽減の促進のために補助の対象範囲を拡大したというご説明だったと思います。  今回の請願では、東京都が行っている東京都独自の授業料軽減補助についても、補助対象を、授業料だけではなく施設整備費など、学費全体に広げることを求めています。
 特別補助と同じ考えに立てば、こちらも対象範囲を拡大して当然だと思いますが、現在、東京都の授業料軽減補助は、厳密に授業料だけが対象となっていて、学費全体となっていないのはどうしてなのか、対象範囲を拡大すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○加藤私学部長 都はこれまでも、私立高校に対し全国でも高い水準となっている経常費補助を通じて授業料や施設費等学校納付金の抑制に努めてまいりました。
 また、国の就学支援金や都の特別奨学金により、授業料の保護者負担軽減を図るほか、育英資金や奨学給付金により、授業料以外の教育費負担についても軽減を図っております。
 都は、こうした幅広い施策を総合的に活用し保護者負担の軽減に努めており、今後もこの考えに基づき実施してまいります。

○里吉委員 この東京都の制度を説明するときに、育英資金を入れるというのは、私はやめていただきたいと思うんですね。これは借金ですから、返さなければいけないお金なわけです。高校を卒業してから、また大学に行ったときに、そこでもやはり、今、支給されるということではなくて、返さなければいけない奨学金しかないわけですから、そのことはよく考えていただきたいと思います。
 それで、前回の請願の質疑のときにも議論したんですが、生活保護世帯以外で年収250万円以下の世帯は授業料が発生しているわけです。そして、入学金も施設費も負担しています。
 国の制度で就学支援金が増額はされましたけれども、そのときに、東京都独自の授業料補助は13万9400円から8万8000円に5万1400円減らされました。
 奨学給付金というものはありますが、これは、学校に支払う費用以外の学用品や修学旅行費として支払われる、学校生活を送る上で必要な経費の負担軽減のためのものとされていますから、これがあるからよしとはいえません。
 授業料として徴収すべきものと、施設費やその他の名目で徴収すべきものの区別は、公的にはあるのかという質疑を前回も行いましたが、各学校の学則で定めるものということも確認いたしました。どちらも必ず学校に支払うべきものであり、全体として学費とすることの方がむしろ自然ではないでしょうか。
 来年度は、国の就学支援金が1年生から3年生まで全学年での実施となります。この機会に、都としても、授業料負担軽減の対象拡大を行い、全体として支援拡充となるように強く求めておきます。
 次に、入学金について伺います。
 先ほどご説明にもありました私立高校の入学支度金貸付制度とは、どのような制度なのか伺います。

○加藤私学部長 入学支度金貸付制度は、私立高校に入学する生徒の保護者の負担軽減を図るため、東京都私学財団が、学校を通じて、入学時に必要な費用のうち20万円を無利子で貸し付ける制度でございます。
 私学財団は、貸し付けの条件として、学校が借り受け人と連帯保証人の連署のある借用証書を徴していることと定めており、連帯保証人の要件やその責任範囲については、各学校が定めております。

○里吉委員 それでは、現在、この制度を使っている方はどれくらいいるのか、実績について伺います。

○加藤私学部長 平成26年度は、827人が利用し、貸付額は1億6540万円でございます。

○里吉委員 一定数これを使って入学金を払っている方がいるということだと思います。827人ということでした。
 以前にも、この問題を取り上げたんですけれども、実は、この話を聞くと、連帯保証人が必要だということと、それから金額が20万円ということで、これでは入学金に足りないということで、なかなか使いにくいという声を何人もの方から私は伺っています。
 貸付金額20万円というのは、前回も伺いましたが、昭和62年、1987年度の当時の入学金の平均が21万円で、それに合わせて20万円にしたというご答弁をいただきました。30年近くも前の金額がそのままなんですね。
 社会福祉協議会の教育支援資金というのがあるんですが、こちらは上限50万円で、連帯保証人も原則不要ということです。こちらの方が助かるかもしれません。
 一方で、こちらは貸付対象者が本人なので、高校を卒業してから本人が返済しなければならないということになっています。
 学校で独自の授業料負担軽減、今、約3分の1の学校でやっているということを答弁いただきましたが、こういう学校の先生にお話を伺いました。
 そうしましたら、生活保護世帯の生徒が私立高校に通う場合、国や東京都の制度で、基本的には授業料負担はないんですが、それでも入学金が高いために、入学をちゅうちょしてしまう生徒が少なくないそうなんですね。貸し付けの制度しかないというのでは困るとおっしゃっていました。
 他県などの入学金への支援はどうなっているか見てみますと、近隣で見ますと、神奈川県や埼玉県では、所得制限はありますが、10万円の入学金補助を行っています。千葉県も金額は少ないですが、入学金補助の制度があります。
 今回も請願に上がっていますが、東京都としても、入学金についても補助制度を創設すべきと考えますが、改めて都の見解を伺います。

○加藤私学部長 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、都はこれまでも、私立高校に対し経常費補助を通じて授業料や施設費等学校納付金の抑制に努めております。
 また、国の就学支援金や都の特別奨学金により授業料の保護者負担軽減を図るほか、育英資金や、先ほどご説明いたしました入学支度金及び奨学給付金により、授業料以外の教育費負担についても軽減を図っております。
 都は、こうした幅広い施策を総合的に活用することによりまして、保護者負担の軽減に努めております。
 今後も、この考え方に基づき適切に実施してまいります。

○里吉委員 東京都の私学助成が大変拡充しているということは、私も何回もこの場でお話ししているんですけれども、十分承知しているんです。
 もう一方で、東京都の私学の学費も高くて、所得が低い方、生活保護を受けている方や、それと同水準の所得しかない家庭のお子さんが私学に行ったときに、他県よりも本当に多くの負担をしているという現実があるわけですね。
 それで、私は、入学金について補助制度を創設すべきということで、これからも申し上げていきたいと思いますが、少なくとも今ご説明いただいた親が借りる入学支度金貸付制度、20万円では、入学金、全額借りられないんです。
 この金額については、ぜひ金額を引き上げることなども検討していただきたいということを要望しておきます。

◆私立小中学校の授業料軽減について

 次に、私立の小中学校の授業料軽減について伺います。
 請願では、私立小学校、中学校の授業料を軽減する制度を新たにつくることを求めていますが、このご説明を読みますと、今の私学部のご説明ですと、小中学校は義務教育のため、国公立では授業料が無償で、経済的に困窮している家庭は区市町村が就学援助を実施している、こういうご説明を繰り返しいただいているんですね。
 しかし、昨年の質疑で、就学援助について、全ての市区町村で私立の小中学生が対象になっているのかと質問をしても、就学援助は、区市町村の事業として行われていると答えるだけで、きちんとしたお答えがいただけませんでした。
 そこで、改めて伺いますけれども、公立の小中学校は区市町村の所管、都立高校は都の教育庁の所管、私立高校は私学部の所管、私立の小中学校の所管はどこなんでしょうか、改めて伺います。

○加藤私学部長 私立の小学校及び中学校の教育振興につきましては、私ども生活文化局私学部が所管しております。

○里吉委員 私立の小中学校の教育振興は、生活文化局の私学部が所管しているんです。
 それで、少なくとも私が文教委員会に来てから、毎年、この私立の小中学校の授業料を軽減する制度を新たにつくってほしいという請願が出されているわけですから、これをきちんと受けとめていただきたいと思います。
 それで、今ある制度で就学援助というご説明をしているんですけれども、これは区市町村の事業ですから、この就学援助の項目や対象は、自治体ごとにばらつきがあるんですね。
 私立の小中学校を就学援助の対象にするかどうかの判断も、それぞれの自治体の判断に任されていると思いますが、それでいいですね。確認だけします。

○加藤私学部長 昨年のこの委員会でもご答弁させていただいておりますが、その事業につきましては区市町村が実施してございます。

○里吉委員 つかんでいないんでしょうか。私、自治体のホームページを見ましたけれども、少なくとも、23区も三多摩も、半数以上は、ホームページ上に就学援助の項目のところに、公立もしくは国公立のみが対象というふうに書いてありました。
 ですから、私学部の方で、生活が困窮している家庭は就学援助があるというご説明をいただいているんですが、この説明はちょっと成り立たないんではないかと思うんですね。
 話を前に進めますが、じゃ、私立小中学校に子供を通わせている保護者の皆さんへの負担軽減の制度は何かあるのかということなんですが、あるとしたらどのような制度なのか、お答えいただきたいと思います。

○加藤私学部長 私立の小学校及び中学校に対しましては、経常費補助金を交付しており、これをもって保護者の経済的負担の軽減を図っております。
 また、経常費の特別補助である授業料減免補助は、小学校及び中学校についても、高等学校と同様に実施しております。

○里吉委員 確認しますが、経常費の特別補助というのは、学校独自でやっている制度のことでよろしいでしょうか。

○加藤私学部長 先ほどご説明しましたとおり、そのとおりでございます。

○里吉委員 そうすると、私立高校と同じように、中学校も高校も、学校そのものに経常費補助を入れることで学費が高くならないように抑える、こういう制度はある。
 それから、学校独自で授業料の補助をする、そういう学校には、経常費補助を通じて支援している。
 唯一、高校の保護者にある、直接の保護者の負担軽減、これはやっぱりないということなんですね。具体的に私立高校に出されているような保護者の負担軽減は、東京都の制度としてはないということだと思うんですね。
 低所得の家庭への補助が高校で拡充されてきました。国の制度もあります。そうなった分、私立の中学、高校と通わせていると、高校の方が負担が少なくて、小中学校は義務教育なのにおかしいではないかという声を最近私はよく聞くんですね。
 お金がないなら、義務教育なんだから公立に行けばいいという方もいますが、東京都内にはさまざまな私立の小中学校があって、通える範囲に自分の子供に合った学校があれば、そこに子供を通わせてあげたいと思うのは当然のことだと思うんです。
 私の知り合いにも、地元の公立の小学校ではなじめずに、いじめのようなこともあって、小学校1年生の途中から私立に転校して通った方がいます。その後は、本当に楽しく学校に通って、逆に高校、大学は公立に進学したんですね。そういう方もいました。
 また、ある私立小学校にお子さんを通わせているお母さんは、うちの子は軽度の発達障害があるので、どの学校に入れようか悩んだけれども、今の私立小学校がうちの子には合うと思い入学をさせたら、経済的には本当に厳しいけれども、毎日楽しく学校に通っているので、何とか最後まで通わせたい、こういうお話も伺いました。
 決して経済的余裕がある家庭ばかりが私立小中学校に通わせているわけではありません。世帯の所得に応じた授業料軽減制度が求められています。私学部が私立小中学校の教育振興の担当なんですから、ぜひ検討していただきたいと思います。

◆専修学校への授業料軽減について  

 最後に、私立専修学校について伺います。
 私はこれまで、私立専修学校、各種学校の学生への授業料軽減についても、繰り返し求めてきました。
 職業人の育成という点でも重要な役割を果たす専修学校に、授業料軽減の制度をつくるべきという議論が国でも行われてきました。就職に役立つ学校ということで、通っている生徒、学生の皆さんは、実際には大学に進学する方々よりも低所得の家庭の子供が多いということも指摘をされています。
 今年度から、私立専修学校、専門学校に通う生徒の皆さんへの授業料補助を行う実証実験がスタートいたしましたが、現状はどこまで進んでいるのか伺います。

○加藤私学部長 私立専修学校修学支援実証研究事業は、今年度から国の委託を受け、私立専修学校専門課程に在籍し、経済的理由により修学困難な生徒を対象に、授業料に対する補助や生活設計等に関するアドバイスなどを行うものでございます。
 都はこれまで、全学校を対象とする事業説明会を行うとともに、本事業の活用を希望する0校にファイナンシャルプランナーを派遣し、生徒に対して個別相談などを実施したところでございます。

○里吉委員 まだ、補助を希望している学校が0校ということでした。都内には、いろいろな専修学校、専門学校があると思うんですけれども、この実証実験についても、この先どうなるのか注視をしていきたいと思います。
 あわせて、これまで繰り返し要望が出ているように、東京都としても、独自の助成を行うように改めて求めておきます。
 今、各学校について議論してまいりましたけれども、日本は本当に学費が高い、教育費が高いということで、これは飛び抜けて世界でも高いわけです。
 一方で、子供の貧困も深刻な事態になっている中で、どの子も本当に自分たちに合った学校に、公立でも私立でも通えるような、公私間格差是正、そのための私学の振興にしっかりと取り組んでいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

◆路上パフォーマンス申請制の導入に関する陳情への意見表明 

○里吉委員 陳情27第108号、東京都内の路上パフォーマンス申請制の導入に関する陳情について一言意見を申し上げます。
 ヘブンアーティスト事業については、都民が身近に良質な芸術文化に触れる機会を提供することを目的とするもので、陳情者のいう路上パフォーマンスとは少し性格が違うと思われますが、陳情で例として挙げられているのは、柏市のストリートミュージシャン認定のことだと思われます。
 柏市では、ストリートミュージシャンによる行き過ぎた行為が目立ち、市民から苦情が出てきたときに、一般のストリートミュージシャンを守るためにつくられたと伺いました。  今回の陳情は、東京都でも一定のルールをつくって、それを守るストリートミュージシャンを認定するような制度をつくってほしいというものです。
 交通の妨げとならないように、ルールを設けた上で路上パフォーマンスの活動の場を保障することを東京都としても検討していただきたいということで、趣旨採択を求め、意見といたします。

◆東京都平和祈念館(仮称)の建設について

○里吉委員 それでは、東京都平和祈念館(仮称)の建設に関する陳情の質疑を行います。
 ことしは戦後71年目です。陳情にもあるように、当時、国民学校1年生であった方々は75歳前後になっています。
 戦後50周年を迎えるに当たり、建設が具体化されていた東京都平和祈念館の計画が凍結されたまま、戦後70周年を超えてしまいました。
 当時、この話が具体化されていたときも、議事録を読みますと、既に次世代にいかに戦争の惨禍を語り継ぐかということがいわれていましたが、それから20年以上の時が過ぎています。
 東京都平和祈念館の建設をめぐる陳情は、平成13年、21年、24年と出されて、今度で4度目の陳情になります。私は、この陳情を重く受けとめ、一刻も早く平和祈念館建設を進めるべきという立場から質疑を行いたいと思います。
 東京に平和記念館をという話は、1970年代から東京都に寄せられていましたが、具体的に動き出したのは平成4年、1992年です。
 当時の鈴木都知事は、東京都平和記念館基本構想懇談会への諮問文手交の際に、東京都平和の日記念行事企画検討委員会から、平成7年、1995年には、戦後50周年を迎えることもあり、犠牲者を慰霊するとともに、平和の大切さを内外に伝えるモニュメンタルな平和記念館のような施設について検討してほしいという提案を受けた、この提案は、大空襲の犠牲者を慰霊、鎮魂するとともに、平和を願う都民の気持ちを内外に示す上で極めて有意義なことと考え、早速、平和記念館の検討を始めることとした次第でありますと述べています。
 東京都平和記念館基本構想懇談会は、当時の都議会全会派から都議会議員も参加し、有識者の方々など、委員会では大変活発な議論を行っています。
 大阪国際平和センター、広島平和記念資料館、さらに沖縄のひめゆり平和祈念資料館等の視察も行って、東京都にふさわしい平和資料館とはどんなものか、なぜ今、東京に平和資料館が必要なのかといったところから議論がなされていました。
 懇談会の議事録を、全て改めて読ませていただきましたが、小委員会などでも議論を深めながら、本当に苦労してまとめたものだということがよくわかりました。
 東京都平和記念館(仮称)の建設に当たっては、当時の全ての会派がこの懇談会に参加し、検討を進めたと認識していますが、そこで一致した内容について伺いたいと思います。
 一つは、この平和記念館の設置の意義について、そしてもう一つは、施設の基本的性格について、あわせてお答えください。

○鳥田文化振興部長 平成5年に作成された東京都平和記念館基本構想懇談会報告においては、平和記念館の設置の意義は、
1、戦争の惨禍を語り継ぎ、都民一人一人が平和の大切さを確認する拠点、
2、都民の平和への願いを世界に向けて発信する拠点として設置されることとされております。
 また、施設の基本的な性格は、
1、戦争犠牲者を悼み、都民の戦争体験を継承すること、
2、平和を学び、考えること、
3、東京の平和のシンボル、
4、平和に関する情報センターとされております。

○里吉委員 今ご説明いただいたように、東京都平和記念館基本構想懇談会報告では、平和記念館の基本的な考え方について、設置の意義や基本的な性格等が示されています。ここまでは合意できていたということです。
 その後、平成8年、1996年から東京都平和祈念館(仮称)建設委員会での議論となったわけですが、付帯決議には、展示内容のうち、いまだ議論の不十分な事実については、今後さらに検討を加え、都議会の合意を得た上で実施することということで、最後、こうなっているわけですね。
 これは、建設は中止ではなくて、いずれ建設するということだと思うんですが、これまで東京都として話し合いを再開させるための取り組み、どういうことを行ってきたのか伺いたいと思います。

○鳥田文化振興部長 東京都平和祈念館(仮称)の建設については、平成11年3月の都議会における予算審議の中で、都議会の合意を得た上で実施することとの付帯決議が付されました。  その後、平成13年、平成21年、平成24年と3回の陳情が出されており、その都度、文教委員会において議論が行われております。

○里吉委員 今の答弁は、私は余りにも無責任ではないかと思います。都民の皆さんから陳情が出てきたから、議論の場ができたということだけではありませんか。
 平成4年、1992年から始まった平和記念館をつくろうという取り組みは、改めて資料を読んで思いましたけれども、発案は東京都平和の日記念行事企画検討委員会でした。
 都として、この提案を受けて、先ほどもいいましたけれども、基本構想懇談会で議論を深めて、報告を出しました。
 さらに、建設を具体化するための東京都平和祈念館(仮称)建設委員会が設置されました。この委員会も、都議会全会派の代表、都議がそれぞれ出ました。公募委員の方も出ました。関係団体の方々、有識者の方々が集まって議論が進められてきたわけです。
 私は、当時、東京都も、都議会も、そして都民の皆さんも、できるだけさまざまな意見を出して、それをお互い聞きながら議論を進めてきたんだなということを資料を見て思いました。
 平和祈念館で活用するという前提で集められた330人の証言ビデオや、遺族や戦争体験者の方々から寄せられた5千点以上の遺品が、ほんの一部だけしか使われず、倉庫に眠っている状態をこの先何年続けようというのでしょうか。  凍結したままで仕方ないとは絶対にいえません。都議会は都議会として、議論を再開させて、合意のための努力をすることは当然のことです。  我が党の小竹議員も、昨年、第4回定例会の一般質問で、知事と都議会各会派の皆さんに、東京平和祈念館、都立の戦争資料館の建設に向けた議論を開始し、一日も早く実現することを呼びかけました。
 東京都としても、東京都平和祈念館を所管している生活文化局として、その建設に向けてどのように取り組むのか、改めて見解を伺います。

○鳥田文化振興部長 東京都平和祈念館(仮称)に関しては、平成9年から平成11年にかけて、当時の都議会において、展示内容に係る歴史的認識や見解に相違があり、大方の合意が得られずに、付帯決議がなされたと理解しております。
 したがって、その建設については、改めて都議会での一定の審議と合意がなされなければ、対応が難しいと認識しております。

○里吉委員 対応が難しいということは十分わかっています。だから、ずっととまったままなんです。しかし、だからできませんということでいいのですかということを私は伺っているのです。東京都の平和行政への取り組む姿勢が問われています。
 私は、昨年、広島市の平和行政について学んでまいりました。お話を伺ってきました。
 広島市の平和担当は、現在、平和推進部で3課体制、課長が3人、職員14名という体制です。
 そして、平和記念資料館は、条例で、原子爆弾による被害の実相をあらゆる国の人々に伝え、広島の心である核兵器廃絶と世界平和の実現に寄与するため広島平和記念資料館を設置すると目的が定められています。
 今でも、新たな事実の発掘にも力を入れていて、時にはアメリカ公文書館にも出かけていくそうです。
 また、現在でも、毎年60人から70人の方々から、300点から900点程度の寄贈があり、遺品の寄贈があったときには、原爆を伝える資料として残すために、誰の遺品なのか、どこで被爆し、その後どうなったのか詳細に調べて、展示の際には、よりリアルにそのことが伝わるよう努力しているというお話でした。
 新しい寄贈が一定数あるので、毎年、新着資料展も行っているそうです。
 広島には、こうした受け皿があるので、資料がまだ毎年新しく寄せられているのです。被爆の事実を後世に伝えたいという被爆者の思いに応えることのできる、そういう取り組みになっていると思いました。
 平和祈念館の建設も含め、首都東京にふさわしい平和行政を進めるためには、その体制も、ふさわしく拡充する必要があると思います。
 そこで、改めて伺います。
 生活文化局は、東京都平和の日の記念式典や東京空襲犠牲者名簿の収集などを行っていますが、東京都の平和事業などに関する仕事、どのようなことをすることになっているのか、改めて伺います。

○鳥田文化振興部長 生活文化局の平和事業に関する事務は、東京都組織規程第23条により、東京都平和の日に関することと定められております。

○里吉委員 お答えいただいたように、平和に関することを所管しているのは、文化振興部の文化事業課です。そして、そのいろいろある仕事の中の一つとして、東京都平和の日に関することとあるだけなんですね。
 広島市も、最初は市長室に平和記念資料館が所管されていたそうです。20年ほど前に、市民局に平和推進課が設置されて、課長が1人に、そこからだんだん大きくなって、平和推進部、課長3名体制に拡充してきたということでした。
 東京都としても、本腰を入れて平和行政に取り組む体制を要望しておきます。  繰り返し、東京都の平和祈念館の建設を求める陳情が出されてきました。東京空襲を初め、戦争を体験した方々が高齢化し、資料の収集なども、今後さらに大変になってまいります。
 私も、これを全部読ませていただきましたけれども、この東京都平和記念館基本構想懇談会の報告は、結びにこう書いてあります。
 世界情勢は大きく揺れ動いています、人々の平和に対する考え方もさまざまであると思われます、この報告書は、こうした多様な意見があることを前提に、その中で都民の平和を願う率直な気持ちを代弁できればと願いつつ、世界都市東京に設置するにふさわしい平和記念館のあり方について検討してきた、そして、これから具体化するに当たって、さまざまな意見が出たら、その意見に耳を傾けながら、検討を深めるように期待し、最後に、平和記念館が都民の平和を願うシンボルとなる施設として、世界の平和に寄与することを願ってやみませんと締めくくられています。
 私も、本当にそのとおりだと思います。戦争の惨禍を語り継いで、平和と命のとうとさを伝える平和祈念館の建設を早期に実現するために、ぜひとも陳情を趣旨採択して、一刻も早く進めたい、このことを申し上げまして、私の質疑を終わります。

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文教委員会速記録第2号

2016年2月16日(火)

◆35人学級について

○里吉委員 それでは、請願に対する質疑を行ってまいります。
 まず、35人学級について伺います。
 この請願も毎年、たくさんの署名とともに提出され、都民の強い要望となっています。ちょうど1年前の昨年2月には、安倍首相が予算委員会での答弁の中で、義務標準法に関する国会の附帯決議の話を受けて、そうした全会一致ということの重さもかみしめながら、先ほど申し上げましたように、小学校1年生、2年生では実現をしているわけでございますが、さらに35人学級の実現に向けて鋭意努力をしていきたい、このように思っておりますと述べました。
 いよいよ35人学級を3年生以上に前進させてくれるのかと、首相が国会で答弁したからには、やってほしいと期待も高まっているわけですが、今のところ、まだ国は足踏み状態が続いております。
 国の中でも、特に財務省が国民の強い願いに背を向け、教育にはお金を出したくない、教員をふやしたくないと信じがたい態度をとっている中で、全国的には少人数学級の前進のための独自の努力が続けられています。
 実は、東京都では小学校1、2年生に加え、中学校1年生でも35人学級を独自に実施していますが、さらに前進させたいというのが保護者、都民の皆さんの願いです。
 そして、実は都内でも幾つかの区市町村では、独自に教員を加配して、35人学級など実施しているところがあります。
 具体的にはどこがどのような取り組みを行っているのか伺います。

○粉川地域教育支援部長 杉並区と品川区が都教育委員会の学級編制基準に基づく学級数に応じて置かれる教員に加え、独自に採用した教員を配置しております。
 平成27年度、杉並区では原則として小学校全学年を対象に、1学級34人の学級編制とし、また、品川区では一部の小学校において学級規模の縮小を行っております。

○里吉委員 小学校全学年を34人学級にするなど貴重な努力が行われていることがわかりました。
 同時に、区市町村が独自に教員を採用することは、さまざまな難しさがあり、また自治体の財政力により左右されてしまうことを考えれば、やはりここは東京都の出番だと思います。
 先ほど申し上げましたように、東京都は中学校1年生では独自の教員加配を行っています。そして、小学校2年生、これは国の財源措置がありますが、も含めて35人学級とチームティーチングの活用のどちらかを選択できる柔軟な制度を実施しています。
 実際、小学校2年生、中学校1年生ではどのくらいの学校が35人学級を実施しているのか伺います。

○粉川地域教育支援部長 小学校第2学年の35人学級対応と中1ギャップの予防、解決のための教員加配を受けた学校のうち、学級規模の縮小を選択している割合は、平成27年度、小学校では94・6%、中学校では53・5%でございます。

○里吉委員 小学校2年生はほとんどが35人学級、中学校では約半数が35人学級を選んでいるということです。小学校と中学校で違う傾向が出ているということですが、小学校2年生、中学校1年生でのそれぞれの効果、どのようにつかんでいるのか伺います。

○伊東指導部長 教員の加配について、小学校においては、児童とコミュニケーションをとる機会がふえ、児童理解を深めることができたという意見や、中学校においては問題行動の未然防止や早期解決に効果があったなどの報告を受けております。
 特に一人一人の習熟の程度に応じた指導を行う少人数指導は、学習到達度に着目し、個々の状況に応じて前の学年の内容に立ち戻る指導を行うなど、指導方法や教材を変えることにより、都が行う調査において正答率が上昇するなど、確かな学力の向上に効果がございます。
 なお、学力向上や問題行動の未然防止などの教育効果につきましては、教員の指導力を初めさまざまな要因が関係しておりまして、私どもが把握している範囲では、小中学校ともに学級規模の大小と学力、問題行動などの相関について明確な結論は出ておりません。

○里吉委員 私は、教員が加配されたほとんどの学校で35人学級を実施している小学校2年生と、35人学級とTTなどが半分半分で使われている中学校1年生で、それぞれの効果ということで伺いましたが、教員がふえているということでいえば、小学校では児童とコミュニケーションをとる機会が増加したと。中学校では、問題行動の未然防止や早期解決に効果があったと。よい効果があったということがわかりました。
 都教委の報告も読ませていただきましたが、コミュニケーションや問題行動の解決だけでなく、学習に当たっても、学級規模を小さくしたことで、丁寧に細かく個別指導を行うことが可能になった、それから、学習につまずきがある生徒の早期発見、早期対応ができるようになったということも効果があったということが述べられていたと思います。
 それから、今、部長おっしゃいましたけれども、少人数学級について、学力向上には教員の指導力などさまざまな要因が関係すると。学級規模の大小と学力の相関関係には明確な結論は出ていないというご答弁がありましたけれども、少人数指導の場合も、ただ習熟度別にクラスを編制しただけで効果が上がっているわけではなくて、指導方法や教材を変えることによって、正答率が上昇したということですから、それはやはり少人数指導の場合も、少人数学級の場合も、そうしたからそれだけで何か効果が上がるということではないという意味では同じことだと思うんですね。
 学級規模の縮小、すなわち少人数学級も、指導方法を工夫することが必要だということは当然のことなんです。それで、全国に先駆けて少人数学級を実施していた「さんさん」プランで有名な山形県ですが、まさにそのことに着目して、少人数に合った指導方法の改善に力を入れて、効果を上げているということも広く知られていることです。
 学級規模を縮小しても効果が上がるかどうかわからないと、少人数指導だと効果が上がるという印象を与えるようなご答弁はちょっといかがなものかなと私は思いました。
 最近、国の財務省が少人数学級の効果があるかどうかわからないということを盛んにおっしゃっていますけれども、私は、それは世界中の教育の研究の中で積み上げられてきた蓄積を見ようとしない、大変乱暴ないい分だと思います。
 国立政策研究所の報告などもありますけれども、さまざまな研究者の論文などを読みますと、外国も含め、多くの研究で学級規模が小さいほど、児童生徒の学力が高い傾向があるという結果が示されていることがわかります。
 その先行研究の上に立ち、さらにさまざまな角度からの研究が行われていて、例えば指導方法も含めた研究では、指導方法と規模が小さいことの両方が重要であるという結果も得られています。
 また、例えば前の学年では、学年40人で1学級だったのが、次の学年では41人になって、20人と21人の2学級になったと。ある学年だけたまたま少人数学級になったこういうケースよりも、少人数学級が何年も継続した方が効果が上がりやすいという報告もあります。
 学力は、例えば親の経済力との相関が強いことも指摘されるなどさまざまな要求が影響しますから、効果がはっきり見えないときもあるかもしれませんが、やはり積み上げられてきた事実は、都教育委員会の皆さんもしっかりと受けとめていただきたいと思います。
 そして、私が何よりも感じますのは、繰り返し述べていますが、小学校1、2年生で35人学級を経験し、そのよさを実感している保護者、学校現場の先生方の意見に耳を傾けるべきだということなんですね。
 特に小学校3年生で引き続き35人学級を望む声、大変多く伺っています。例えばある学校では、学年78人、2年生のときは26人ずつの3クラスだったのが、3年生になったら39人ずつの2クラスになってしまう。その差は13人です。子供たちへの目の届き方、一人一人の授業の理解度の把握のしやすさが全然違ってくるそうです。一人にかけてあげられる時間も全然違ってきます。
 保護者の方は、今は若い先生も多く、また産休に入るなど、学年の途中で先生が交代することも多い、そうした中で、35人学級というけれども、35人でも多い、20人から25人ぐらいにしてもらわないと行き届きません、実はこういう声も本当に多いんです。
 都教育委員会の皆さんもご存じだと思いますが、小中学校の校長会、副校長会からも毎年35人学級の学年の拡大の要望が上がっています。せめて小学校3年生だけでもすぐに35人学級にしてほしいというのが現場の声です。
 都としてぜひ応えるべきだと考えますが、見解を伺います。

○粉川地域教育支援部長 義務教育における今後の学級編制のあり方は、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任が大きいと考えております。

○里吉委員 国の責任といいますが、よいことは東京都が先駆けてやっていただきたいんです。しかも、先駆けといいましても、他の道府県を見れば、毎年、文科省の資料も出していただいていますけれども、既に多くの道府県では、東京都以上に学年を進めて少人数学級を実施しています。秋田県もいよいよ来年度で全学年の35人学級ができるということで、新聞報道もされていました。
 財務省がストップをかけたもとでも、独自に他県は前進させています。東京都もせめて小学校3年生ぐらいは直ちに35人学級にしていただきたい。そして、さらに進めて小中学校全学年に広げていただくことを私からも強く要望し、次の質問に移ります。

◆都立高校の増設について  

 次は、都立高校の増設について伺います。
 請願では、都内公立中学校卒業生の増加に見合う、都立高校の増設が求められています。都内公立中学校卒業生は今後増加が見込まれていますが、具体的な増加見込みと、それに伴う都立高校建設計画について伺います。

○早川都立学校教育部長 平成27年11月に公表いたしました教育人口等推計では、都内公立中学校の平成28年度の卒業予定者数は7万9677人となっておりますが、平成32年度の卒業予定者数、すなわち33年度入学予定者数でございますが、7万6296人まで減少する見込みでございます。
 その後、増加傾向に転じ、平成40年度の卒業予定者数、すなわち41年度入学予定者数は8万5036人となる見込みでございます。
 こうした動向を踏まえまして、先ほど策定についてご報告いたしました都立高校改革推進計画新実施計画には2校の新設を盛り込んだところでございます。 ○里吉委員 我が党は、この間繰り返し都立高校の増設を求めてまいりました。私も昨年取り上げました。今回やっと2校新設を示したことは一歩前進だと思います。
 都立高校改革推進計画新実施計画についての質疑は次回に回しますので、今回はこの高校増設の問題に限って質問をいたしますが、これまで都立高校の規模について、1学年6学級、18学級が標準規模といってきたと思うんですが、新設の高校の学校規模はどのように考えているのか伺います。

○早川都立学校教育部長 これまで都立高校の規模につきましては、毎年度の就学計画に基づき、1校当たり3学年合計で18学級を基本として、それぞれの学校の状況に応じ最大24学級程度で調整し、各学校において適切に受け入れております。
 今後も、都内公立中学校卒業予定者数の中長期的な動向等を踏まえ、適切に受け入れを行ってまいります。

○里吉委員 今のお答えですと、新設校についても、基本は1学年6クラス、18学級だけれども、1学年8学級、24学級程度もあり得るということだと思うんですね。
 こうなってきますと、都教委が標準規模といってきた学校の規模は一体どういう意味があるのかというふうに思ってしまうんですね。昨年質疑したときにも明らかになったんですが、既に都立高校の半分以上がこの標準規模を超えている、そういうことです。
 最大も24学級程度ということですが、現在、3学年合計で、それを超えて、25学級以上の学校は何校あるのか伺います。

○早川都立学校教育部長 平成27年度の全日制課程の高校173校のうち、25学級以上の学校は11校でございます。

○里吉委員 昨年伺ったときには25学級以上が9校でしたから、さらにふえましたね。この標準規模を大きく上回る学校がどんどんふえているわけです。現在24学級など、大規模化した学校も18学級、標準化するという方向で、これから高校を新しく新設するのであれば、そういう策定をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○早川都立学校教育部長 都教育委員会は、これまでも学ぶ意欲と熱意のある生徒を確実に受け入れていくため、毎年度、都内の公立中学校卒業予定者のうち、都立高校及び都内私立高校で受け入れる人数を定めた就学計画を私学側と協議の上策定しております。この就学計画に基づき、都内公立中学校の卒業予定者の増減に応じて募集人員を定めております。
 現在、18学級を基本としつつ、それぞれの学校の状況に応じ、最大24学級、最小12学級程度で調整し、各学校において受け入れており、今後も適切に対応してまいります。

○里吉委員 また、これはどこかで標準規模というのをどう考えるのかという議論はしたいと思うんですが、私は、新しく計画をつくるのであれば、学校規模は標準規模を上回らないような計画をつくるべきだというふうに思います。
 先ほどご答弁いただきましたように、今後、公立中学校卒業予定者数、今年度に比べて5千人以上ふえるという推計を出しているわけですから、もっと大幅に都立高校は増設するべきだということを申し上げておきます。

◆特別支援学校の寄宿舎について  

 次に、特別支援学校の寄宿舎について伺っていきたいと思います。
 まず、通学困難の入舎基準に該当する全特別支援学校児童生徒に寄宿舎の存在を周知するということについて伺います。
 この寄宿舎ですが、島しょ地区在住や90分以上の通学時間を除く、家族に複数の障害者、障害児がいたり、家族に介護が必要な人がいるなど、付き添いが困難な場合など、寄宿舎の入舎基準に該当する、こういう家族理由という方が今、寄宿舎に入っている人ではなくて、全特別支援学校に通っている人の中でどれぐらいいるのか、つかんでいるのかどうか伺いたいと思います。 

○松川特別支援教育推進担当部長 寄宿舎の入舎基準では、通学困難に該当するものとして、家族理由による基準も定めております。この基準に該当するか否かにつきましては、そうした状況の発生する時期やその対応が一様ではないことから、個別具体的な状況に応じて判断する必要がございます。
 都教育委員会では、都立特別支援学校への就学や転学について、全ての事例において東京都特別支援教育推進室の相談を経る仕組みを整えており、家族理由による基準への該当については、就学や転学に関する相談を通じて状況を把握しております。

○里吉委員 家族理由に該当する人が何人いるかということについては、特につかんでいないということなんですね。
 家族理由があったとしても、その方が入舎するかどうかはまた別として、対象となる人が何人いるかということはぜひつかんでいただきたいと思うんです。
 伺いたいんですが、実際には、個別に説明を行っているということでしたけれども、新たな入学、転学などの相談はどのように行われ、どの部分で寄宿舎の話が保護者に説明されるのか具体的に伺いたいと思います。

○松川特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校への就学、転学につきましては、全ての事例において、東京都特別支援教育推進室の相談を経て就学先の学校を指定しております。
 相談の際には、児童生徒の障害の状態、生育歴、家庭環境、教育内容に関する意向等の確認を行っており、この中で通学困難と認められる場合や保護者が寄宿舎の入舎を希望する場合は、入舎基準や利用方法など、寄宿舎に関する説明を行っております。

○里吉委員 今説明しているということだったんですけれども、その中身がどうなっているのかなということなんですね。家族理由で入舎が認められるかどうかというのは、いろいろな条件がありましたけれども、全員が寄宿舎を希望するわけではないかもしれません。でも、あなたのお子さんは希望すれば寄宿舎に入舎できますが、希望しますかというくらい丁寧に周知をしていただきたいと思います。万が一もほとんど入れない、家族理由で入舎できるのは本当に本当にまれなケースというような印象にならないようにしていただきたいということを申し上げておきます。
 また、この間、東京都は寄宿舎を幾つも廃止してきました。その結果、本来行く予定の特別支援学校に寄宿舎がないというケースもあると思います。その場合は、転校して、寄宿舎に入舎して通学するということが可能だという説明も全てのケースでしていただいているのでしょうか。確認します。

○松川特別支援教育推進担当部長 東京都特別支援教育推進室におきまして、通学困難と認められる場合や、保護者が寄宿舎の入舎を希望する場合の相談を受けた際には、同一の障害教育部門の寄宿舎を設置する他の特別支援学校への転学につきましても、一つの選択肢として説明を行っております。

○里吉委員 ちゃんと周知しているというお答えで、本当に周知していただいているのだったらいいと思うんですけれども、実際は、例えば八王子特別支援学校の児童で、八王子盲学校の寄宿舎に入舎しているのが島しょ生だけだというふうに聞いています。ですから、周りのお母さん方は、島しょ生以外は寄宿舎について本当に知らされているのかというふうに思ってしまうということなんですね。
 そこで、周知をより効果的に進めるために、例えば全ての方がここで相談をするという、東京都の教育推進室で就学相談をしたときに、基本的な寄宿舎の案内のビラを渡すなどしてはどうかと思うんですが、見解を伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 寄宿舎は、通学困難な児童生徒の就学を保障することを目的として設置しているものでございます。
 寄宿舎の利用につきましては、児童生徒の適切な就学先を指定する際に、障害の状態や教育内容に関する意向などと一体的に検討されるべきものであると考えておりまして、都教育委員会では、就学相談等の中で寄宿舎に関する情報を適切に提供しております。
 また、入舎を決定する寄宿舎設置校におきましても、入退舎案内等の配布やホームページへの掲載により、保護者に対して詳細な情報を提供しております。

○里吉委員 今、ご説明があったので、私も、入退舎案内、学校でつくっているパンフレット、参考に一つ見せてもらいました。それから、学校のホームページも見せてもらいました。確かに、どういう目的でこの寄宿舎は運営されているだとか、一週間のスケジュールだとか、年間スケジュールだとか、そういうのは書いてあるんですね。
 ただ、肝心のどういうお子さんが入舎の対象なのかということについては、通学困難な方としか書いてありませんでした。少なくとも私が見たホームページにはそれしか書いてありませんでした。そうすると、そこで、もう既に寄宿舎に自分が入れる、自分のお子さんを入れることができるということがわからない、こういうことにもなりかねないと思うんですね。
 ですから、この請願も本当にきちんと周知してくださいということが、毎年のように寄宿舎連絡会の皆さんから出されているということは伝わっていないんじゃないかと。皆さんが周りにいるお母さん、お父さんを見てそう感じていらっしゃるということだと思いますので、ぜひ丁寧に周知をしていただきたいというふうに思います。
 ホームページなど改善していただけたら、すぐに改善して、家族理由、こういうことで入れますよというのもぜひ書いていただけたらというふうに思います。
 次に、寄宿舎指導員について伺いたいと思います。
 寄宿舎指導員の配置基準、ご説明いただきましたが、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律などによるものとのご説明でしたが、具体的に児童生徒の数に照らしてどのような配置基準になっているのか、また、都の独自基準についてもあわせて伺います。

○江藤人事部長 都におきましては、寄宿舎指導員の配置基準は、いわゆる標準法に基づき、肢体不自由特別支援学校では、寄宿舎の定員に応じて、児童生徒3人に1人の割合、肢体不自由以外の特別支援学校では、児童生徒5人に1人の割合となっております。
 ただし、児童生徒数が少ない寄宿舎につきましては、最低12人の指導員を配置することとなっております。
 また、都独自の基準として、肢体不自由者のうち、重度重複障害のある児童生徒2人に1人の割合としているところでございます。

○里吉委員 いろいろ基準はあるけれども、最低12人の指導員を配置しているということでした。私も調べてみましたら、どこの寄宿舎にも12人以上の指導員が配置をされていました。
 しかし、この12人の指導員という数ですと、複数以上の宿直勤務の体制を考えると、余裕があるとはいえないと思うんですね。私がお話を伺ったある指導員の方は、国の基準、12人以上とあるだけで、子供の実態に合った基準がないのが問題だといっていました。
 寄宿舎というのは、子供たちが基本的生活習慣を確立させたり、自立心の育成を図って、みんなと協力して生きていく力を育てるところ、障害が重複していたり、家庭にさまざまな困難を抱えている子供がふえている中で、その役割にふさわしい職員配置が必要だとおっしゃっていました。
 そもそもこの法律自体が古くて、実態に合っていないという声も聞きます。都としても、先ほどのご説明にもありましたように、教職員定数の一層の充実を求めて、従来から国に対してこれは変えるべきだと、解決するべきだと要望を出していただいているということでしたが、定数改善のために、都として実態に合わせた基準、これをつくるということも今、本当に求められていると思うんですが、どうでしょうか。これについての都の見解を伺います。

○江藤人事部長 寄宿舎指導員につきましては、標準法及び都独自の基準により、寄宿舎の収容定員を基礎として必要数を算定し、適切に配置をしております。

○里吉委員 寄宿舎の収容定員を基礎としてということなんですが、入舎している舎生の皆さんが、いろいろな障害がある方だったり、それから何泊もする方だったり、いろいろと状況は違うと思うんですね。
 基準はないということで、この請願にも基準をつくってほしいということが書かれています。5つの寄宿舎があって、指導員それぞれいますけれども、明確に表に出ている基準は、一つの寄宿舎に12人以上ということ以外基準はないと。
 ですから、島しょ生や障害の重度重複化に伴う加算の措置の基準とか、現在の舎生の実態に合った東京都独自の基準の作成をぜひ改めて求めておきたいと思います。  次に、就学奨励費について最後に伺いたいと思います。
 就学奨励費は、国の法令に基づいて、就学に必要な経費の一部を支払っているというご説明でしたけれども、帰省費と通学費については、残念ながら今、実費支給となっていないと。通常は全額保障だと思うんですけれども、そうなっていないというのが問題だというふうに請願でも書かれていますが、どうしてこういうことが起きているのか、まず伺いたいと思います。

○松川特別支援教育推進担当部長 就学奨励費は、国の法令に基づく支給基準により、特別支援学校への就学に必要な経費の全額、または経費の一部を保護者等の経済的負担能力の程度に応じて補助しております。
 通学費、帰省費に対する就学奨励費は、小中学部では、保護者の経済的負担能力にかかわらず対象者全員に実費の全額を支給しております。高等部につきましては、平成26年度から学年進行で全額支給の対象を全員とするよう支給基準が改定されており、平成28年度には全学年が対象となります。
 なお、国は、帰省費について、寄宿舎の常時利用を前提に、年間52週のうち、通学の必要がない夏季休業中等を除く39週を対象とし、児童生徒は39往復分、付添人は78往復分の支給を上限としているため、それ以上に帰省した場合は、支給の対象外となっております。

○里吉委員 地方の寄宿舎であれば、金曜の夜帰省して、月曜日の朝通学してくるので、1週間で1回の帰省費で間に合うということで、これは全国的には余り問題になっていないと伺いました。
 しかし、東京では、2泊して、1泊家でして、また寄宿舎に来て2泊してとか、1週間に何回か宿泊したりして、39往復では足りないということに実際なっているそうなんですよね。
 さまざまな費用がかかる障害児の就学を応援する、支援するということで出しているのが就学奨励費ですから、実費負担となるように国にも改善を求めていただきたいと思いますし、都としてもぜひ対応していただきたいと思いますが、都の見解を伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、特別支援教育の推進のため、国に対しまして特別支援教育就学奨励費に係る国の財政支援制度の維持と補助率に見合う国庫補助額の確保について、毎年要望しております。
 就学奨励費は、国の法令に基づく支給基準により支給しており、都独自で実施することは考えておりません。

○里吉委員 今、都が単独実施することは考えていないということなんですが、先ほどお話がありましたように、国の方で帰省費の負担、改善されているということを先ほどご説明いただきました。
 小中学生は全額支給で、高校生は来年度から全額支給ということなんですが、特に負担の大きい島しょ生の帰省費についても、これは高校生も全額実費が出るということでよろしいのか確認したいと思います。

○松川特別支援教育推進担当部長 島しょ地域の生徒を含めまして、高等部の生徒及び付添人の帰省に対する就学奨励費は、国の基準の改定によりまして、平成26年度から学年進行で全員を全額支給の対象とすることとされておりまして、平成28年度には全学年の生徒及び付添人が支給の対象となります。

○里吉委員 島しょ生も、全員が支給の対象になるということで、これは本当に助かると思います。
 あわせてご要望が出ているのは、島しょの舎生の人が始業式から出席できるようにするためには、その前日に宿泊を認めてほしいということも要望として出されております。こうした要望にもぜひ対応していただきたいということも求めておきます。
 最後に、今回ここに出されております請願は、全て子供たちの教育をさらに充実させることを求めるものであり、都教育委員会としてぜひ積極的な取り組みをしていただきたいということを求めまして、私の質問を終わります。

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文教委員会速記録第3号

2016年2月29日(月)

◆海の森水上競技場について

○里吉委員 資料ありがとうございました。
 それでは、3つの施設の契約案件に対する質疑を行います。
 我が党は、オリンピック・パラリンピックのそれぞれの競技場について、アスリートファーストは大前提ですが、その上で、整備費は必要最小限に抑えること、また、大会後は、競技団体はもちろん、都民スポーツの場などの拡充となることを求めてきました。
 この視点から3つの施設について質疑を行いたいと思います。
 まず、海の森水上競技場についてです。
 我が党はこれまで、この場所は海風があり、波が立つという立地条件がボート、カヌーの競技場としては適切でないこと、491億円という整備費も都民の納得は得られないこととして、別の場所、彩湖など、仮設会場として使用することを提案してまいりました。
 まずお伺いしますが、風対策として盛り土や防風林を行うというふうにされていますが、防風林は全体の4分の1程度の風しか軽減できないというふうに書かれております。まず、この風対策で十分という認識なのか伺います。

○花井施設輸送担当部長 海の森水上競技場につきましては、これまでもたびたびご議論をいただいてございますが、改めてお答え申し上げます。
 風の対策につきましては、これまで国際、国内競技団体と協議しながら取りまとめを行ってまいりました。
 その結果、風速シミュレーションを踏まえまして、競技水域内でほかの場所よりも風速の大きな区間に対しまして効果的な位置に防風林を設置することといたしました。
 防風林の設置によりまして、競技水域内の他の場所と比べて風速の大きい区間を含む2000メーターコース全体の約4分の1程度の範囲で風速が低減すると予想しており、国際競技団体から一定の理解を得ているところでございます。
 引き続き、効果的な対策につきまして競技団体と協議し、後利用も含め、よりよい競技環境の確保に努めた対応を行ってまいります。

○里吉委員 一定の理解を得られているということでしたが、一方で、引き続き効果的な対策を協議していくというご答弁でした。
 これ、オリンピック・パラリンピックの特別委員会の方には配られたと思うんですが、この基本設計の概要を私も読ませていただきましたけれども、まだ風対策ができていない地域が残されていることは明らかになっておりますし、新聞などでもこの問題が持ち越しされているということが報道されております。
 同じように、波対策ですけれども、これも垂直護岸だと波のはね返りが強いので、傾斜をつけたこういう護岸にするべきというのが当初から競技団体から要望が出されていました。
 しかし、基本設計では、消波装置というんでしょうか、波を消す装置をめぐらせることで対応することになっています。これで不十分だということで、特別委員会でも議論されたと思うんですが、この装置を使って競技を行った会場、オリンピック会場として使ったところはあるんでしょうか、事例についてお伺いいたします。

○花井施設輸送担当部長 ボート競技会場で類似の消波装置を設置している例といたしましては、世界ボート選手権等の競技会場になっておりますスロベニアのブレッド湖などがございます。
 なお、波の対策につきましては、これまで国際、国内競技団体と協議しながら取りまとめを行ってまいりました。
 その結果、護岸におけます反射波を低減させるために、国際競技団体から紹介された事例を踏まえまして、消波装置を護岸沿いなどに設置することといたしております。この消波装置の設置によりまして、波の高さが約6割程度低減すると想定しております。
 引き続き、効果的な対策につきまして競技団体と協議し、後利用も含め、よりよい競技環境の確保に向けた対応を行ってまいります。

○里吉委員 五輪会場としては使ったことはないということでしたね。そして、6割の軽減でいいのかということも課題として残ると思います。引き続き効果的な対策について、よりよい競技環境の確保に向けた対応を求めていくというわけですから、引き続き考えていくということだと思うんですね。
 そうすると、問題になるのが事業費です。今でさえ、当初予算から比べれば7倍の491億円という総事業費になっていますけれども、この内容について伺います。

○花井施設輸送担当部長 整備費につきましても、これまでたびたび取り上げていただいてきております。改めまして、経緯なども含めましてお答えいたしますので、少々答弁が長くなりますが、ご容赦をお願いしたいと思います。
 立候補ファイル時の整備費は、本体工事費のみを計上したものでございました。開催決定後、本体工事費の見積もりを実勢に合わせて精査したことや、基本設計等の調査委託費、上下水道等のインフラ整備費や支障物の撤去、移設経費等の周辺整備費を計上いたしますとともに、着実に会場整備を進める観点から、今後の建設物価上昇分や工事中のセキュリティー経費、消費税の増分も見込んだものでございます。
 さらに、開催決定後に実施いたしました地質調査の結果を踏まえまして、締め切り堤の構造変更や、廃棄物処分場に建物を整備するために必要な基礎構造の変更などを行いました。この結果、整備費が1038億円と大きく増加することがわかりました。
 そこで、整備内容の抜本的な再検討を行いまして、競技団体の協力のもと、競技コースやウオーミングアップエリアを初めとする会場レイアウトを大幅に変更することに伴いまして、新設締め切り堤の延長を縮小すること等により、整備費を491億円に縮減いたしました。
 基本設計におきましては、締め切り堤につきまして、経済性を考慮した比較検討を踏まえまして、構造形式の見直しを行うなど、コスト縮減に努め、追加工事費等が生じた場合の対応費を確保しております。
 引き続き、実施設計などを進めていく中で整備費の縮減に努めてまいります。

○里吉委員 今、私、聞いていないこともいろいろお答えいただきましたけれども、そもそも廃棄物処分場につくるということで、土壌としてどうなのかということ、これ以外にも特別委員会の方でいろいろ議論されてきたと思います。
 だからこそ、途中経過の中では1千億円を超える試算も示されて、ここまで縮減したというご説明だと思いますが、立候補ファイルで、幾ら本体工事だけだといっても、そこから現在でも7倍もの予算に膨れ上がっている。縮減、これからも考えていくといいますけれども、アスリートファーストの立場に立てば、風対策も波対策も不十分であり、レースの公平性という点からもさらなる対策が求められると思います。
 そうなれば、さらなる整備費がふえる可能性もあるということで、この場所での整備は見直すべきだということを改めて申し上げたいと思います。

◆アクアティクスセンターについて

 次に、オリンピックアクアティクスセンターについて伺います。
 アクアティクスセンターの観覧席なんですが、IOCの基準では1万2000席で整備すればよいことになっておりますが、改めて2万席で計画したのはなぜか伺います。

○根本競技担当部長 オリンピックアクアティクスセンターの計画につきましても、これまでもご質疑をいただいているところでございますが、改めてご答弁をさせていただきます。
 水泳につきましては陸上競技、体操と並んでオリンピックの中でも主要競技といわれておりまして、競泳会場の観客席は北京大会で1万7000席、ロンドン大会で1万7500席を用意しておりました。
 これら過去大会の状況や競技団体の意向を踏まえますとともに、日本におきましては水泳はメダルも期待され、非常に人気のあるスポーツであり、多くの観客を見込めるということから2万席の計画としているところでございます。

○里吉委員 しかし、大会のときは2万席だけれども、その後は1万5千席を減築するということになっています。残るのは5千席ですよね。
 大規模な工事となると思いますが、どのような工法が考えられているのか伺います。

○小野寺施設整備担当部長 アクアティクスセンターにつきましては、大会後の建物の規模の適正化や将来の維持管理費の低減等の観点から、約2万席の観客席を約5千席に縮小する計画でございます。
 基本設計段階におきましては、約1万5千席の仮設席部分を撤去いたしまして、撤去した部分の外壁を新たに設置する設計としております。

○里吉委員 仮設の座席を撤去して、そこに外壁をつくるという簡単な説明でしたけれども、将来の維持管理を考えて減築するというご説明でしたけれども、減築にかかる費用、現在のところ74億円かかるといわれています。具体的な工法をこれから決めていくわけですから、その金額でおさまるのかどうかということも心配されるところだと思います。
 観客席が2万席埋まるのは、オリンピック・パラリンピックのときしか考えられないと。世界大会でも5千席あれば十分だと。だから5千席に減らすということだと思うんですね。
 しかし、だからこそ開催国に多大な負担とならないように、IOCの基準も1万2千席となっているわけです。それを仮設も含めて2万席分整備するということ、そのために減築費用に74億円もの費用がかかるということでは都民の理解は得られないと考えます。

◆有明アリーナについて

 次に、有明アリーナについて伺います。
 これもメーンアリーナの問題なんですが、バレーボールコートが4面分とれる広さがあるということなんですが、床がコンクリートとなっているということで、改めてこの理由について伺います。

○小室施設調整担当部長 有明アリーナの後利用につきましては、これまでも特別委員会にて質疑されておりますが、改めてお答えいたします。
 有明アリーナは、国際大会を含みますスポーツ大会に加え、コンサートを初めとする各種イベントなど、都民がさまざまに楽しめる多目的な活用を想定しております。そのような用途を考慮し、メーンアリーナの床は、アリーナ内に車両が直接乗り入れ、資機材の搬出入や設営が容易に行えるコンクリート床仕様としております。

○里吉委員 コンサートを初めとする各種イベントなど、多目的な活用を想定しているというお答えでした。
 つまり、メーンアリーナは一般都民のスポーツ利用は考えていないということでしょうか。資料を出していただきましたが、これ、見ていただきますと、同じような大きい体育館、東京体育館のメーンアリーナの稼働率は今年度99・7%、駒沢オリンピック公園の体育館も96・7%と、ほぼ満杯ですよね。
 ですから、有明アリーナのメーンアリーナも、大会後、都民がスポーツ施設として使えるようにするべきだと考えますが、いかがでしょうか。見解を伺います。

○小室施設調整担当部長 有明アリーナのメーンアリーナは、1万5千席の観客席を有することから、国際的なスポーツ大会に加え、コンサートを初めとする各種イベントなど、都民がさまざまに楽しめる多目的な活用を想定しております。
 有明アリーナのメーンアリーナにおきましては、1万5千人規模の大人数の観客を擁するような都民利用の大会を催す頻度は少ないと考えております。都民のスポーツ利用に応える場としましては、主にサブアリーナを想定しており、メーンアリーナの可動席の観客席をサブアリーナの応援席として利用可能とするなど、小規模なスポーツ大会でも、皆で楽しめる工夫を講じております。

○里吉委員 小規模なスポーツ大会を楽しめるような工夫もしていただくのは大事なことなんですが、大規模なスポーツ大会も、アマチュアのスポーツ団体も開きたいと思っているんですね。  都民のスポーツ利用はサブアリーナで十分だということではありません。確かに1万5千席もの観客席は必要ないと思います。しかし、一度にたくさんの試合を一堂に行える会場として、このメーンアリーナと、それからサブアリーナを使って、アマチュアのスポーツ団体が大会を開く場所としてだって使ってもらいたい、使わせてあげるべきだというふうに思うんですね。こういう要望が出てくると思うんです。
 床をコンクリートにすると、スポーツ仕様に一々張りかえる必要があるわけですから、お金がかかります。世界大会など大きな大会、そういうものでなければ使えないというふうになるんじゃないかと思いますね。
 ほかに床がコンクリートの施設、調べてみましたら、さいたまスーパーアリーナが該当するということで、お話を伺いました。床をスポーツ仕様にかえる料金、普通のスポーツ団体が出せる金額ではないと。いろいろな軽減を使っても、2桁違うと。百万円台だということをおっしゃっていました。
 私は、オリンピック・パラリンピックの競技会場として東京都が新しく整備する施設なのだから、やはり一部の興行とか世界大会も大事ですが、それだけじゃなくて、それよりももっと大事にしなければ、一番大事にしなければいけないことは、都民がさまざまなスポーツの大会を開ける会場、そういうものとして整備することが大事だと思うんですね。
 近くの有明コロシアム、ここもスポーツ以外の利用をふやしておりますけれども、資料を見ていただくとわかりますように、稼働率は6割台です。この資料を見ますと、今スポーツ以外の利用が25ということで、ほかのものに比べて一番多くなっています。それでも稼働率はまだ6割台という、60%ということですから、ここで十分対応できると考えます。
 すぐ近くの有明アリーナをイベント会場というようにする必要はありません。都民がもっとスポーツを楽しめるように、体育館として整備するべきだと考えますが、改めて見解を伺います。 

○小室施設調整担当部長 有明コロシアムはテニスのための全天候型コートとして整備されたものであり、有明アリーナのように、各種イベントなど多目的な活用を想定した仕様の施設ではございません。
 そのため、結果としてイベント会場としての稼働率は必ずしも高くない状況でございます。有明アリーナは、国際大会を含むスポーツ大会に加え、コンサートを初めとする各種イベントなど、都民がさまざまに楽しめる多目的な活用を想定しており、そうした用途にふさわしい仕様を備えた施設として整備してまいります。

○里吉委員 稼働率が高くないのは、多目的を目的にしたものではないからというお答えでしたが、でも、これ、見ていただくと、スポーツ以外の利用、単位は件数ですから、何日間やったのかというのはちょっと比べられませんが、東京体育館から5つ、今、東京都の体育施設でスポーツ以外の利用を見せていただきましたが、資料をいただきましたが、25件で一番多いじゃないですか、これ、活用しているんじゃないですか。24年度6回、25年度17回、26年度25回ということで、ふえていますから、これからここをもっとそういうふうに使えるようにしていけばいいんじゃないかと思いますよ。
 それからもう一つ、交通の便もあるんじゃないかと思います、稼働率が低いということは。私も世田谷からここに何回か行きましたけれども、そういうふうに感じました。その近くにもう一つ同じような施設をつくる必要はないと思います。
 それから、私が気になっているのは、この予定地のすぐ近くに小学校、中学校、それから私立の中学校、高校、たくさんの学校があるということが大変気になっております。この場所をスポーツ、文化やにぎわい機能を配置するとしていますが、すぐ近くに小中学校などがある地域にさまざまなイベント、興行が中心となる施設はふさわしくないと考えますが、見解を伺います。 

   〔発言する者あり〕

○植木委員長 ご静粛に願います。

○小野寺施設整備担当部長 有明北地区のまちづくりの指針でございます臨海副都心有明北地区まちづくりガイドラインでは、有明アリーナの敷地について、公共公益系用地として位置づけており、土地利用の基本方針といたしましては、東西両入り江の周辺にはウオーターフロントの景観を生かした公園や公共公益施設を配置する、公園はにぎわい機能を初め多様な機能を備えるものとして整備していくとしております。
 また、都市計画区域マスタープランでは、有明北地区は、緑豊かな旧防波堤や海の眺望、景観を生かし、潤い豊かな都市型住宅と活力とにぎわいのある商業・業務機能、魅力あるスポーツ、文化、レクリエーション機能、学校などの公共公益機能、都市型工業、流通機能などがバランスよく複合した市街地を形成することを地区の将来像としております。
 有明アリーナの整備に当たりましては、これらの方針を踏まえ、まちの活性化やにぎわいの創出につなげ、地域にふさわしい施設となるよう計画しております。

○里吉委員 今いろいろおっしゃいましたけれども、にぎわいですとか文化、レクリエーション機能というのが、すなわち1万5千席もあるコンサートなどの興行を中心に行うための施設だということにはならないと思います。小学校、中学校のすぐ近くにこういう施設ができるというのは、私は子供たちが日々学ぶ環境としてふさわしくないと思います。
 さらにいえば、この有明アリーナの建設予定地は第1種住居地域です。有明アリーナの施設用途は体育館、観覧場等となっておりますから、江東区の用途地域を見ますと、使えないということになっていますよね。
 今後、都市計画審議会を行って有明アリーナの建設予定地を使えるようにするということだと思うんですけれども、この都市計画審議会はことし5月の開催予定ですから、まだ決定されていないと思うんですね。
 都市計画審議会でまだ議論されていないところにこういうイベント中心の施設をつくるということで、先に契約までして行ってしまうというのは、私は手続上も問題があるのではないかと考えます。
 体育施設として一度にバレーボールコートが6面もとれる都立の体育館であれば、基本は体育館として整備するべきであり、床をコンクリートにして、メーンアリーナを一般都民が使えないような施設はつくるべきではないと、これからスポーツを楽しむ都民をもっともっとふやしていく、その受け皿として整備するべきだということを申し上げまして、私の質問を終わります。 

◆3つの施設についての意見表明

○里吉委員 それでは、意見を述べます。
 第95号議案、オリンピックアクアティクスセンターについて。
 観客席数が仮設を含めてIOC基準から見て大幅に多くなっていること、その分、建築費は増大する。さらに、その観客席を2万席から5千席まで減築するのに74億円かかる。整備費は当初見込みより大幅にふえている。5輪の他の経費の膨張も懸念され、都民の心配の声がある。開催都市の経費節減を目指したアジェンダ2020の方針をどう実行していくかは、今後の五輪開催都市にも影響を与える重大な問題である。
 以上のことからこの議案に反対いたします。
 第96号議案、有明アリーナについてです。
 バレーボール競技場であるのに、床がコンクリートとなっています。後利用として国際大会など大きな大会は開けるが、アマチュアのスポーツ団体はメーンアリーナを使えません。周辺は住宅地で学校が多い地域であり、興行イベントを誘致することを中心とする施設はふさわしくありません。床を木製にするなど、体育施設として整備するべきです。  以上のことから反対いたします。
 第97号議案、海の森水上競技場について。
 海風があり波が立つという立地条件がボート、カヌーの競技場としては適切ではありません。当初の立候補ファイルでは整備費について69億円でしたが、総事業費491億円、7倍にも膨れ上がりました。しかし、風対策、波対策などまだ不十分であり、場所を変更すべきです。
 以上のことから反対いたします。

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文教委員会速記録第4号

2016年3月14日(月)

◆東京都体育施設条例の一部改正(都立駒沢オリンピック公園テニスコート利用料金)について 

○里吉委員 それでは、まず私からは、第46号議案、東京都体育施設条例の一部を改正する条例について伺っていきたいと思います。資料を用意していただき、ありがとうございました。
 東京都は長期ビジョンの目標でも、都民のスポーツ拡大を目標に掲げるなど、都民が身近なところでスポーツに楽しめる、そういう場を広げていくということを大きく掲げております。
 オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、各種スポーツへの都民の関心も高まっていくときですから、改めて、いつでも、誰でも、いつまでも、気軽にスポーツに取り組める環境整備が大切になってまいります。
 都内には、民間のスポーツ施設も含めればたくさんの施設がありますが、だからこそ公共のスポーツ施設は、私は安価で利用しやすいものでなければならないと考えます。ところが、都の体育施設の利用料金の決め方にはそういった観点が大変不0分だと思います。
 そこで、体育施設の利用料金の決め方について伺いますが、受益者負担の考え方から、条例に定める利用料金は、施設を維持管理する上で直接必要となる経費について原価計算を行い決定すると聞いております。施設を維持管理する上で直接必要となる経費とは、具体的にはどのようなものなのか伺います。

○田中スポーツ施設担当部長 原価計算では、施設を管理運営する上で直接必要となる経費をもとに算出しており、対象となる経費は人件費、維持管理費及び減価償却費の3つであります。

○里吉委員 維持管理費というのは、多分、水道光熱費なんかだと思うんですね。それから、人件費、これはわかるんですけれども、減価償却費というのがちょっとよくわからないんですが、これは建物を改築したとしたら、その改築費を例えば耐用年数40年とか45年で割って、それを減価償却費という理解でよろしいんでしょうか。減価償却費ということだけもう一度お答えいただきたいんですが。

○田中スポーツ施設担当部長 減価償却費の内訳でございますが、地盤測量、基本設計、実施設計等々の設計業務、あるいは電気設備工事、建築工事の内容でございます。建物の解体に係る費用は含まれておりません。

○里吉委員 解体の費用までは含めないけれども、新しく設計して、全部工事するお金も入れるということで、つまり、原価計算においては、利用者が全ての原価を負担するという考えでよろしいんでしょうか。
 あわせて、利用料金の上限を決めるのにほかの要素はないのか、改めて伺います。

○田中スポーツ施設担当部長 利用料金は、必要な経費を利用者に負担していただくものであることから、料金の設定は先ほど答弁した原価が基本となっております。
 ただし、利用料金の上限額の決定に当たっては、原価を基本としつつ、国や他団体、類似施設の利用料金などを勘案しながら設定いたします。
 また、現行利用料金と原価との間に著しい乖離が見られる場合には、倍率1・5倍を限度として改定を行います。

○里吉委員 原価が基本だけれども、周りの利用料金も勘案すると。一気に値上げはできないので、上限額を決める際にも1・5倍を限度というご説明でした。
 しかし、前回、私、この委員会で同じ駒沢公園のテニスコートの利用料金の値上げ、質疑したんですが、そのときは2000円から3600円への値上げだったんですよね。限度を超えている、こういう例もありました。それから、実際の適用料金は、指定管理者がさらに周辺の類似施設の状況など総合的に判断して、配慮して設定しております。
 この間値上げされました駒沢のテニスコート、料金を聞いてみましたら、2000円から3600円に上限額は値上げをされましたけれども、問い合わせたところ、現在、2時間2600円ということになっておりました。ですから、現場ではそうやって判断して、利用料金が高くなり過ぎないように、さらにきちんと対応されているということだと思うんですね。
 私がいいたいのは、そういうことを指定管理者にやらせるのではなくて、1・5倍ということではなくて、本当に都民に利用しやすい料金、東京都として、公共の体育施設として、どういう金額がいいのかということを考えて上限設定もしていただきたいということなんです。  今回、資料を提出していただきましたけれども、前回、東京都が条例で利用料金の上限を上げましたけれども、実際の利用料金は平成18年から据え置かれたままだということですよね、この資料を見せていただきましたけれども。つまり、今、本当に利用料金の上限、値上げする必要がないんじゃないかということも思うわけですね。
 都民の中にもっとスポーツ人口をふやしていこうというときに、公共の施設の利用料金はどうあるべきかと。本当に広く多くの皆さんに使っていただけるためにはどういう料金設定がいいのかということをぜひ考えていただきたいということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。

◆障がい者スポーツについて  次は障害者スポーツの問題です。

 今回東京都と、それから東京都障害者スポーツ協会が作成しました障害者のスポーツ施設利用促進マニュアル、きょう持ってまいりましたけれども、これについて伺いたいと思います。
 さまざまな障害のある方が区市町村等のスポーツ施設を利用しようとしたときに、施設の側がどのようなことを気をつけたらいいのか、どのような工夫をしたらいいのか、具体例もさまざまここには書かれております。
 私も、例えば視覚障害の方などがプールを利用するときに、案内してくれる人がいれば、別に地元のプールでも利用できるんだという話も聞きました。実際に視覚障害の方ですとか聴覚障害の方、内部障害の方など、建物がまだバリアフリー化が完全にされていなくても、スポーツ施設で働いている方の援助があれば、使える施設がまだまだ実はあるんだということなんです。そういった話は、障害者スポーツ協会の方からも伺ってきました。
 このマニュアルの中でも、視覚障害の方がプールで泳ぐときにどういうことを注意したらいいのか、周囲への注意喚起の事例などが示されておりました。こういった一つ一つの気づきというんですかね、一つ一つ気をつけていくことが、障害のある方が各スポーツ施設を利用するときにすごく役立つなというふうに思いました。
 そういうことを含めて、各スポーツ施設の現場で、障害者の立場に立って改善しようと、そういう人がいかに育つかが大事だと思うんですね。このマニュアルは大変役立つと思うんですが、都としてこの促進マニュアルは具体的にどのように活用していくのか伺いたいと思います。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 都は今年度、障害のある人のスポーツ施設利用を促進するためのマニュアルを作成し、施設管理者が配慮すべきポイントとして、コミュニケーションのとり方など人的対応による配慮のほか、きめ細かい施設面の工夫など、障害者の視点に立った使いやすい施設のあり方を示してございます。
 このマニュアルは、区市町村がスポーツ施設を全ての人にとって使いやすい施設として整備を行う際にも参考になるものであり、スポーツ施設整備費補助制度の申請の際にマニュアルを紹介し、障害の特性に応じた配慮のポイントを踏まえて整備を行うよう呼びかけ、アドバイスを行い、区市町村の取り組みを支援してまいります。
 マニュアルは、区市町村スポーツ施設への配布に加え、ホームページ上でも公開し、誰もがダウンロードできるようにしております。
 今後、民間のスポーツ施設に対しても、会議の場などを活用し、広く情報提供を行ってまいります。
 また、先週には、区市町村及び公立スポーツ施設の管理者を対象として、このマニュアルの研修会を実施したところであり、今後、多くの施設管理者の方に活用していただきたいと考えてございます。

○里吉委員 私も地元の世田谷区の担当者の方に聞いたんですけれども、2月にこれが送られてきて、早速担当の所管のところでみんなで回して読んでいて、大変参考になるというふうにいっておりましたので、ぜひこれを普及していただきたいというふうに思います。
 そして、スポーツ施設で働く方が具体的に支援しようと思ったときに、これまでも東京都が進めてきました初級障害者スポーツ指導員の資格取得を一層支援していくこと、また、この促進マニュアルも使って講習会を行うなど、積極的にスポーツ施設が障害者を受け入れられるような支援が大切だと思いますが、この点での取り組みについて伺います。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 都は、平成26年度から日本障がい者スポーツ協会公認の障害者スポーツ指導員養成講習会を実施しており、資格取得促進に向けた取り組みを進めております。
 初級講習会については、公立スポーツ施設職員や指定管理者職員、スポーツ推進委員を含む区市町村職員を対象としており、積極的に受講を呼びかけております。
 先週開催した研修会では、障害別コミュニケーションのポイントがわかりやすかった、設備を整えるには費用がかかるので障害者の受け入れ促進は難しいという思い込みがあったことに気づいたなど、受講者からマニュアルに対して高い評価をいただいたため、障害者スポーツ指導員養成講習会での活用についても検討しているところでございます。
 こうした取り組みを通じて、身近な地域における障害のある人のスポーツ施設利用を促進してまいります。

○里吉委員 実際にスポーツ施設の人が、施設がバリアフリー化されていないと障害者の人が使えないんじゃないかと、もちろんそういう点もあるんですが、ちょっとした工夫で、さまざまな障害のある方が地域のスポーツ施設を活用できるといういろいろなアドバイスをしているという点で、本当にいろいろな気づきを与えてくれるマニュアルだなというふうに私も思います。
 それから、初級講習会は、指定管理者の職員なども含めて広く呼びかけていくということでしたけれども、今、区市町村のスポーツ施設の多くが指定管理者になっているもとで、スポーツ施設の現場で働く方に障害者スポーツ指導員の資格を取ってもらえるようにしていくことが本当に大切だと思います。障害者が身近な場所でスポーツに取り組めるようにぜひ進めていただきたいというふうに思います。
 また、この促進マニュアルでは課題も幾つか書かれているんですが、その一つが車椅子を使用するスポーツ環境の整備、それから地区内在住、在学、在勤要件を満たせない障害者スポーツクラブが登録団体になれない問題です。
 車椅子を使用すると傷がつくということで、車椅子バスケができる体育館が少ないという問題、それから、区内在住の人が半分以上いないと団体登録できないなんていうルールがありますと、障害者の方、いろいろな自治体を超えて集まって団体をつくっているので、なかなか団体登録できないという問題なんですが、この2つの課題をそれぞれの自治体でも解決するために考えてくださいということが書かれているんですが、あわせて今回、同時に、この解決策の一つとして、東京都が5つの特別支援学校の体育館を改修して、障害者スポーツ団体に貸し出すということが示されまして、これは大きな前進だと思います。
 今後、具体的にはどのように活用することを検討しているのか伺いたいと思います。

○早崎スポーツ推進部長 都は、来年度、都立特別支援学校を障害者スポーツの拠点の一つとして位置づけ、区部や多摩の地域バランス等を考慮して、5校をモデル校として選定いたします。  当該校については、施設管理を委託し、学校の負担を軽減するほか、競技用備品の設置やスポーツ指導者などの人材活用により、誰もが気楽に障害者スポーツを楽しめる場とするとともに、競技団体の活動拠点にしてまいります。

○里吉委員 先ほども質疑がありましたけれども、私の地元世田谷区は、23区でありながら、なかなか23区の北区の方のスポーツセンターに行くのも大変だし、多摩の方に行くのも大変だしということで、本当にそういう意味では、特別支援学校の体育館が使えるようになると大変ありがたいなという声も地元から出ておりました。
 あわせて、障害者の方が気軽にスポーツできる場所を拡充するということでは、プールが本当に今、希望がたくさんあります。障害者の方がたくさん利用したいと思って、人気があるスポーツ、水泳がありますが、ぜひ特別支援学校のプールを温水化して、そして障害者の方がもっと身近な場所でプールに通えるようにしていただきたい、このこともあわせて要望しておきたいと思います。

◆JR浜松駅を歩行する視覚障害者への配慮について  

 そして最後に、オリンピック・パラリンピックに向けたアクセシビリティー確保について1点だけ伺いたいと思います。
 先日、Tokyo2020アクセシビリティ・ガイドライン暫定基準が発表されましたが、大会に向けて各会場や会場までのルート、主要駅などのアクセシビリティーの確保、また五輪を通じて、障害の有無にかかわらず、誰もが暮らしやすい東京をつくり上げていくことは重要な課題です。
 先日、パラリンピック関係者の方から、まず都内の危険なところを改善してほしい、以前から機会を見て要望しているが、なかなか改善されないとの声をいただきました。それがJR浜松町駅なんですね。JR浜松町駅の点状ブロックの上に柱が立っていて、視覚障害者がぶつかってしまうというのです。写真も撮ってまいりましたが(資料を示す)点字ブロックの上に柱が立っていて、点字ブロックのところを通って歩いていくとぶつかってしまうおそれがあるということなんです。
 もちろん障害者の方が利用する駅は、どの駅でもバリアフリーが重要ですが、特にこの浜松町という駅は羽田空港からのモノレールの終点でもあります。オリンピック・パラリンピックの観客などのアクセシビリティー確保が重要だと思いますが、都の見解を伺います。

○花井施設輸送担当部長 大会時の観客等のアクセシビリティーの確保につきましては、現在、最寄りの公共交通機関から会場までのアクセシビリティーに配慮が必要な観客等の動線となりますアクセシブルルートの選定に向けまして検討を行っているところでございます。
 アクセシブルルートにつきましては、現在策定中のTokyo2020アクセシビリティ・ガイドラインを踏まえまして、適切に対応してまいります。
 このほか、空港の結節点となります駅など主要駅のバリアフリー化につきましては、引き続き国や地元区市、鉄道事業者及び関係各局と連携し、アクセシビリティーの確保に向け検討してまいります。

○里吉委員 この浜松町駅を初め、オリンピック・パラリンピックにおけるアクセシビリティーの確保に当たっては、空港、駅、港湾、道路などのバリアフリーが必要です。各施設の所有者や鉄道事業者の協力も必要です。
 東京都からも、事業者任せでなく積極的に働きかけていただきたいと思いますが、見解を伺います。

○花井施設輸送担当部長 アクセシビリティーの確保につきましては、組織委員会と連携いたしまして、必要に応じて駅や道路のバリアフリー化等の改修を各施設管理者に働きかけてまいります。

○里吉委員 私もお話を伺ったものですから、知り合いの視覚障害の方にお願いして、実際に浜松町に行ってもらいましたが、本当にこれはぶつかってしまうと大変危険だとおっしゃっていました。
 駅のホームというのは、誰かにぶつかってしまうと、それで方向性を見失ったりすることが多いものですから、一歩間違うと線路に落ちてしまうなど、視覚障害者の方にとって大変危険ですし、点状ブロックは大変重要なわけです。この問題は、アクセシビリティー以前の課題だと思うんですね。危険箇所の点検、改善、ホームドアの設置など強く要望したいと思います。
 パラリンピックの成功とあわせて、まだまだ日常生活の中で残っているこうした課題についても、その解決のために積極的に働きかけを行っていただくことを改めて求めまして、私の質問を終わります。

◆文化ホールの不足問題ついて

○里吉委員 それでは、私からは、まず文化ホールの不足問題について伺ってまいりたいと思います。
 私は、昨年3月の文教委員会で、劇場、ホールの閉館が相次いでいる問題を取り上げました。
 東京都が、劇場、ホール不足という問題で初めて、都内にある国公立や民間などの全施設の状況を把握する調査を実施するとともに、関係団体からヒアリングを行うなど、動き出したことは大きな前進だと思います。
 そこでまず、このホールの問題について、都は、今年度、どのような調査を行っているのか、また、来年度は、さらに詳細な調査を行うと伺っていますが、これはどのようなものを考えているのか、あわせて伺います。

○鳥田文化振興部長 都内におけるホール、劇場などの現状を把握するため、本年度は、都内全施設の所在場所や施設設置年、客席数などを調査しております。また、来年度は、施設の稼働率や改修動向などを調査する予定です。

○里吉委員 都内の全てのホール、劇場の全容をつかむ調査というのは初めてのことだそうで、結果は本当に注目されていると思います。
 今後の詳細調査では、ぜひ舞台装置や照明、音響機材などについて、また、貸し出すときの料金設定などについても、あわせて調査をしていただきたいと思います。要望しておきます。
 また、あわせて、クラシックやバレエを初め、13分野の文化団体やホール設置者等から直接実情をヒアリングしているということでしたが、これはどのような内容をヒアリングしているのか伺います。

○鳥田文化振興部長 本ヒアリングでは、クラシックやバレエなど、13の文化団体やホール設置者などから、使いやすいホールの特徴や、ホール、劇場問題について、団体が現在抱えている課題などをお聞きしているところでございます。

○里吉委員 団体が抱えている問題を具体的に聞いているということでした。
 あわせて、昨年も既に11月に、日本芸能実演家団体協議会を初めとする10の文化関係団体が共同してアピールも発表しております。東京都の方、皆さんよくご存じだと思いますけれども。そこで私も読ませていただいたんですけれども、そこでは、改めて、潜在する文化芸術施設をもっと公演活動に生かすために貸し館のルール等の規制緩和を求めるものですとか、これは文化芸術施設に利用、広げてほしいということですよね。それから、まちの品格、イメージを高める文化芸術施設の建設を促進する諸制度、固定資産税などの優遇措置を。また、老朽化が進む文化施設の機能高度化への改築への支援措置など、多岐にわたる要望が既に出ております。
 私も昨年の質問で、ぜひ主税局と協議して、固定資産税の減免など、検討を求めましたが、こうした多岐な要望を受けとめて対応していただくことを求めておきます。
 まだこれは調査中ということで、きょうはいろいろお伺いしてもご答弁いただけないということでしたから、ご要望にとどめておきたいと思いますけれども、あわせて、前回も、これ、申し上げたんですけれども、都立の芸術文化施設というのは23区に集中しています。都立の劇場、ホールなどを多摩地域にという要望、これも昨年、要望させていただきました。
 青梅市には、都立文化施設建設予定地というのがありますが、17年前の財政再建推進プランのときに凍結されたままになっています。こういったものも、地元市や西多摩地域の住民の皆さんの意向などももちろん踏まえてですけれども、凍結を解除して、建設に向けた検討を開始することも求めておきたいと思います。

◆私立高校における常勤講師問題について

 それでは、次の質問に移ります。次の質問は、これも私、2013年の11月の事務事業で行ったものなんですけれども、私立高等学校の常勤講師の問題について伺います。
 私立高等学校で、非常勤で働く教員がふえていることが社会問題になっているということで、その当時も取り上げました。
 今回は、それに引き続いて、特に専任の先生と同じように、週5日、フルタイムで働く、常勤で働く有期雇用の教員、常勤講師がふえ続けているということについて伺っていきたいと思います。
 まず、都内の私立高等学校で働く常勤の教員数と、そのうち、有期雇用の教員数について、私学部ではつかんでいるでしょうか。もしつかんでいれば、それぞれの人数についてお答えください。

○加藤私学部長 学校教育法上、教員につきまして、常勤や有期雇用といった概念はございません。教員数など、学校教育行政に必要な基本事項は調査、把握しておりますが、雇用形態までは調査しておりません。

○里吉委員 昨年と同じご答弁なんですね。学校教育法では概念がないし、調査も行っていないというお答えでした。法律で概念がなくても、実際の学校現場では、有期雇用の常勤講師がふえることでさまざまな問題が起こっています。例えば、1年契約だと、来年も続けて雇用してもらえるかがわからないので、短期間で結果を出そうとして、無理な指導を行う可能性があったり、保護者の評価を気にして、逆に指導を手控えるなど、生徒に不利益になる可能性も高いと、この問題、専門家も指摘をしております。
 前回もこうした問題点を指摘しましたが、実態をつかむつもりがないということなんでしょうか。実際には、その気になれば、この数、すぐにわかる数字だと思うんですね。
 全国私学教職員連絡会の調査によれば、これは2014年の数ですが、都内私立高等学校の常勤の教員数は9372人で、うち常勤講師は581人、全体の6・2%ということでした。これは、全国の平均からすると大分少ないということで、東京の私学は、全国の私学に比べて、まだ常勤講師の数、割合は少ないということが報告されていました。
 ただ、これ、だからといって、私は絶対放置しておけない問題だと思っていて、この改善を求めているわけですが、どうやって解決していくかということで、まずこの私学助成で対応できないかということを考えているわけですが、私立高等学校への私学助成、教育職員割という部分があります。これは、本務職員当たり、公立高等学校の平均給与額の2分の1が算定されるというふうに伺っていますが、現在、1人当たりの金額を伺いたいと思います。

○加藤私学部長 平成27年度の全日制高等学校の教職員割単価は418万3700円でございます。

○里吉委員 東京都は、先ほどのご答弁からつなげて考えますと、正規であろうと、有期雇用であろうと、特に区別なく、本務職員当たりの金額、1人当たり単価として418万3700円支払っているということだと思います。
 一方で、この私学助成の経常費補助金の支払いを通じて、1年契約などの常勤講師を専任化、つまり、期限を切らずに働く教諭に切りかえていく誘導策を既に幾つかの自治体が行っています。
 例えば、先ほどの教職員割単価ですが、現在、東京都では専任、すなわち正規雇用でも、常勤の有期雇用でも同じように、配分基準は一だと思うんですが、福岡県では専任1に対して、常勤講師は0・8としています。同様に、埼玉県では、専任1に対し、常勤講師0・9としています。また、愛知県では、常勤講師など、非正規の教員の割合が学校の中で一定数超えると減額査定するという対応をしているそうです。
 ある都内の私立高等学校では、2014年度、専任教諭が15名なのに対し、1年契約の常勤講師が何と27名、再任用が5名、非常勤講師が22名、非正規率78・3%ということでした。現在は、ようやく常勤講師8名が専任化されたそうですが、それでも専任教諭は23名、1年契約の常勤講師が19名、非正規率はまだ67%です。
 この結果、どういうことが起きているか。常勤講師の先生たち、特に若い先生は、先が見えないので、3年以内にほぼ100%離職されるそうです。入ったばかりの先生が、担任もやり、クラブ顧問もやり、専任教諭と同じ仕事をこなしている。しかし、この先生たちが、3年以内にほぼ入れかわっているわけですから、いつも学級担任の少なくない部分を新任の方が受け持つということになっています。
 この学校では、常勤講師の方は、年契約なので、定期的な昇給もないし、退職金もない、一時金もない、年収は200万円強だそうです。こういうことでやめていく先生も多いのかなというふうに思うんですが、これでは、常勤講師を雇えば雇うほど学校法人がもうかるということになってしまい、本来の私学助成のあり方を正しく行使しているとはいいがたいのではないでしょうか。
 先ほど紹介しましたが、他県でも対策が始まっています。都としても、何らかの対策を行うべきです。生徒の教育環境を守る立場からも、常勤講師など、非正規が例えば過半数を超えるような場合、私学助成の経常費補助、教職員割単価の配分基準を変更するなど、検討するべきではないでしょうか。見解を伺います。

○加藤私学部長 私立学校は、それぞれの建学の精神に基づきまして、よりよい教育活動を、各学校の責任において目指しております。
 各学校が、その教育活動を実現するための教職員の雇用のあり方につきましては、各学校が判断すべきものでございます。

○里吉委員 いわれることは当然大前提なんです。しかし、それでは、その学校で学ぶ生徒たちの教育環境が守れないのではないかと。私学助成の本来の目的に照らしても、正しく活用されていないのではないかと。この現状を私は大変危惧しています。
 非正規の教諭が半数を超えて、常勤で働く先生が毎年のように入れかわる状況で、どうして建学の精神に基づく教育ができるのか。このことは、学校法人の方にもぜひ考えていただきたいと思いますが、あわせて、既に他県では動き出しているわけですから、東京都としても、他県の経験もしっかりと見ていただいて、私学で学ぶ生徒の教育環境を守る立場から、常勤講師がふえ続ける問題に対して、ぜひ東京都らしい取り組みを行っていただきたいということを求めまして、私の質問を終わります。

◆都立公衆浴場条例(日本共産党都議団提案)についての提出理由の説明

○里吉委員 それでは、今回の条例案の提出理由について説明いたします。
 公衆浴場、銭湯は、都民の公衆衛生とともに、健康増進や住民相互の交流など、福祉の向上に重要な役割を果たしています。さらに、日本の庶民文化を継承、発信する存在として、その文化的価値を楽しむ人がふえ、また、スポーツ愛好家や観光客などからの注目も高まっています。
 一方で、2007年に改定された公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律のもとでも、都内の銭湯は今では最盛期の4分の1、630件まで減少しており、振興は喫緊の課題となっていると考えます。
 東京都生活文化局は、これまでも公衆浴場の振興のためにさまざまな努力を重ねてきましたが、オリンピックを好機として、新たな注目が高まっているもとで、英知を集めて、この危機を乗り越える必要があると考えています。
 そこで、都と都議会の英知を集めた総合的、計画的な施策を推進するための公衆浴場振興条例を提案するものです。  条例案の主な内容は、まず、公衆浴場振興は、浴場経営者や関係団体の主体的な努力を促進するものであること、経営の規模や形態、地域の特性、立地条件等に十分配慮して行うことなどを定めています。また、都の責務として、政策を総合的かつ計画的に実施することや、浴場経営者や関係団体、区市町村の取り組みに必要な支援を行うことを明記しました。
 2つ目に、施策の総合的、計画的な推進を図るため、公衆浴場の振興に関する計画を策定することを定めました。計画策定に当たっては、浴場関係者や都民の意見を反映するよう努めなければならないとしています。
 また、浴場振興施策として、
1、都民等の公衆浴場の利用の機会の確保、
2、情報の提供、
3、次世代への継承、
4、東京都の他の施策との連携、
5、経営安定への支援、
6、資金の円滑な供給、
7、必要な助成や上下水道料金の軽減等の措置、
8、事業継承への支援、
9、文化的、歴史的価値の保存、継承及び活用の9つを挙げ、東京都が必要な財政措置を講じて推進することとしました。
 これら一つ一つは、これまで実施してきたことと重なる部分もありますが、今日的な深刻さに対応するため、改めて条例で位置づけ、推進することとしました。
 また、東京都銭湯の日については、既に東京都公衆浴場商業協同組合、東京都公衆浴場業生活環境衛生同業組合が、日本記念日協会の登録認定を受けている10月10日を東京都銭湯の日と定めることとしています。例えば京都市では、春分の日を伝統産業の日と定め、さまざまなイベントを実施しています。銭湯は江戸文化の一つとして発展してきたという歴史があるもとで、都としても銭湯という庶民文化の伝承、発展という立場から記念日を定めて、イベント等に取り組むことも意義のあることだと考えます。
 公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律も含め、さまざまな対策が行われてきたもとでも銭湯の減少傾向が続いている現状に対して、これ以上銭湯を減らさないために抜本的な対策をとる必要があると考え、皆様のお力添えを願うものです。
 各会派の皆さんのご賛同を心からお願い申し上げて、提案説明といたします。

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文教委員会速記録第5号

2016年3月16日(水)

◆小中学生の不登校対策について

○里吉委員 では、私からはまず初めに、ことし2月に出されました不登校・中途退学対策検討委員会報告書、特に小中学生の不登校対策について伺っていきたいと思います。
 都内の小中学校の不登校児童生徒数は、2014年度で、小学校で2565人、中学校で7514人となっております。私の身近なところにも、小学校の低学年からの不登校のお子さんがいて、最初はびっくりしたのですが、不登校の親の会の方などから話を聞くと、最近はそんなに珍しくないといわれました。
 そこでまず、不登校に対する基本的な認識について伺いたいと思います。
 この報告書では、不登校は特定の子供に起こり得る心の問題ではなく、どの子にも起こり得ることであり、進路の問題として捉えることが必要とありますが、これは具体的にどういうことなのか伺います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 不登校は、心の問題のみならず、さまざまな要因によって引き起こされるものであることから、どの児童生徒にも起こり得るものとして捉えることが適当でございます。
 また、不登校という状況が続くことは、児童生徒の進路選択や社会的自立のために望ましいことではないことから、不登校を児童生徒の進路の問題として捉え、児童生徒の将来の社会的自立に向けて支援していく必要がございます。
 先月公表いたしました不登校・中途退学対策検討委員会の報告書では、こうした考え方を示したものでございます。

○里吉委員 さまざまな要因なので、どの子も不登校になる可能性があるんだと。特別な子に起きていることではないんだという認識なんですね。これは、文部科学省の報告などにも書いてありました。
 不登校というと、本人が怠けているんではないかとか、親が甘いんではないかとか、昔はそういわれたこともありましたけれども、そんなことではないさまざまな要因があるんだということです。
 次に、そのきっかけ、背景についてですけれども、この報告書には不登校の要因については、きっかけも背景もさまざまであり、複雑だと書かれております。このことについても具体的にどのようなことがあると捉えているのか伺います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 文部科学省の児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査によりますと、不登校のきっかけは、不安など情緒的混乱や無気力が多く、次いで親子関係など家庭に係る状況、友人関係、学業の不振、教職員との関係などとなっております。
 また、中学3年生のときに不登校であった生徒を追跡し、5年後に不登校のきっかけについて尋ねた文部科学省の別の調査によりますと、友人との関係や生活リズムの乱れ、勉強がわからない、先生との関係などとなっております。
 前者の調査は学校から見た、後者の調査は本人から見た不登校のきっかけではございますが、いずれの立場から見ても、不登校のきっかけは多様かつ複合的であると捉えております。

○里吉委員 これは、どちらも文部科学省の調査を使っての結果がここに載っているわけですが、文部科学省とか都教委が行った調査で不登校の要因として、無気力とか生活リズムの乱れ、インターネットやメール、ゲームに夢中、そういうことが挙げられていますけれども、当事者の方にお話を伺いますと、無気力だから、生活のリズムが乱れているから、ゲームに夢中だから学校に行かないのではなくて、学校でさまざまなことがあって、そのことから自分を守るために、つらい気持ちを和らげるために昼夜逆転の生活になったり-昼間起きていると、この時間、みんな学校にいるんだなと思うわけですよね。そうすると、その時間、どうしても起きて行きたくない、そうしてみんなが寝た夜中に起きてくる、こういう心理的なものから昼夜逆転が起きる、こういうこともかつて不登校を経験したお子さんから聞きました。
 そして、今自分が置かれている状況、本当は学校に行かなきゃいけないのに行けない、そういう状況から、現実から目を背けるためにゲームに没頭してしまう、こういうことが学校に行けない原因としてたくさん報告されています。私も本人からも、お母さんからも、そういう話を聞いています。原因と結果が逆転しているんじゃないかと。
 捉え方を誤りますと、ゲームをやめさせれば学校に行くのではないかと、こういう働きかけになってしまいかねませんので、ゲームをやっている背景になるのが何なのかということをしっかりつかむことが必要だと思うんです。
 また、本人から見た学校を休み始めたきっかけで多いのは、友達との関係ですね。学校、友達との関係が本当に大きな割合を占めています。しかし、これをよく見ますと、学校の中での教育が競争的だったり、指導が一面的、画一的であったりして、とにかく息苦しく感じられる。そういう中で、子供同士の人間関係も、お互いを尊重し、助け合う、思いやる、温かい人間関係を築きづらくなっているのではないか、こういうことを、親の会もそうですし、教育関係者の方ですとか、いろんな方から私はお伺いしております。
 多くの先生が頑張ってくださっていますが、本当に忙し過ぎて、子供たちのトラブルがあったときに、その場で子供とじっくり向き合って対応をし切れない。不登校とは欠席30日以上ですが、そこまで行く前のちょっと欠席してしまったときに、丁寧な対応をする余裕がないのではないか、こういう声も少なくないわけです。
 お伺いしますけれども、文部科学省は、学校を休み始めたきっかけの中で、不登校だった方の後追い調査もやっているんですね。これは、平成18年、不登校であった中学3年生の5年後に不登校であった本人に追跡調査したアンケートの結果ということなんですが、この中で学校を休み始めたきっかけについて、26・2%が先生との関係と回答しているんです。これはどういう内容なのか、つかんでいるようであればお伺いしたいと思います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 お話の文部科学省の調査は、先ほどの答弁の中にありましたが、不登校であった生徒本人から見たアンケート調査でございます。  学校を休み始めたときのきっかけについて14の選択肢を設け、複数回答により調査をしておりますが、回答の割合が多い上位5つは、友人との関係が52・9%、生活リズムの乱れが34・2%、勉強がわからないが31・2%、先生との関係が26・2%、クラブや部活動の友人、先輩との関係が22・8%の順となっております。
 先生との関係の選択肢につきまして、先生が怒る、注意がうるさい、体罰などが例示として示されております。

○里吉委員 例示があるだけで、これ、文部科学省の調査を用いているので、具体的にはわからないということだと思うんですが(発言する者あり)この前のページ、8ページには、学校に対して……

○植木委員長 ご静粛に願います。

○里吉委員 行った調査で、不登校になったきっかけを聞いているんです。これは教職員の方が答えているんですが、不登校になったきっかけ、本人の調査と大きく異なって、小学校で1・7%、中学校では0・5%となっておりまして、この開きが大変気になったわけです。
 今の学校がどういう場所になっているのか、子供たち一人一人を本当に大切にする場所になっているのかということも、もう少し掘り下げて考える必要があるのではないかと思いました。  この報告書の中に出てくる文部科学省、そして都教委の調査の全体を見せていただきたいといったんですけれども、これはなかなか公表していただけないので、全体像がよく見えないんですけれども、ここに発表されているものを見ただけで-全体を後でぜひ示していただきたいと思うんですが、ちょっと質問項目が不登校の原因を主に子供の心理的な問題だとか、家庭環境の問題として捉える向きが強いんじゃないかなというふうに感じました。
 ぜひ、どういう目的で都教委が、どういう方たちにどういう調査をやったのかというのは示してほしいと思いますし、今後、ぜひ学校のあり方という角度からも、不登校の問題を調査していただきたいというふうに申し上げておきます。
 そして、今回は小中学校の不登校対策ということで、この問題をずっと都教委としても、それから各区市町村の教育委員会も、学校現場も頑張って対応していただいていると思うんですが、本当にこれがなかなか解決できていないということが、こういうものが出てきたきっかけだと思うんですね。
 私は、不登校になってしまった後のさまざまな対策とか、子供の心に寄り添った対応、将来社会でしっかりと自立していける力をどう身につけさせるのか、このことを考えることは大変大切なことだと思うんです。
 特に義務教育の小中学校で、学校に行けない、行かないということは、本人にとっても、周りの親や家族にとっても苦しいことだと思います。
 現在の相談窓口や学校での対応はどうなっているのか、また、こういう報告書も出して、新しい対策をこれから進めていかれるということなんですが、不登校対策の課題と今後の対応についてまとめてお伺いいたします。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 児童生徒が不登校となる要因や背景は多様でございます。そうした一人一人の状況に応じた適切な支援を実施するためには、学校や教育委員会による取り組みのみならず、関係機関や専門家と連携した取り組みを強化していく必要がございます。
 このため、都教育委員会は、来年度、区市町村教育委員会と連携して、学校や関係機関との支援ネットワークを構築するモデル事業を実施することとしております。

○里吉委員 学校だけでは解決できない場合に、関係機関と連携していくことは本当に重要だと思います。例えば不登校のきっかけ、要因が学校にあった場合は、先生がさらに何度も家に連絡をとることが逆効果になる場合もあると伺いました。
 また、親の虐待、ネグレクトや、親が病気で子供が学校に行けない場合などは、地域の保健師さんが訪問したり、場合によっては児童相談所との連携も必要になってくると考えます。
 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーもさらに拡充するとともに、福祉分野との連携を推進するべきと考えますが、今後どのように進めていくのか伺います。

○伊東指導部長 不登校問題の解決を図るためには、教員がスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの協力を得て、児童生徒一人一人に応じた適切な支援を行うとともに、必要に応じて学校と福祉分野の関係機関が連携し、家庭環境の改善に向けて働きかけることが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、学校と児童相談所が連携して家庭を支援し、不登校の改善が図られた取り組み等を学校間で共有できるよう、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによるパネルディスカッションなどを開催してまいりました。
 平成28年度は、全小中学校に配置しているスクールカウンセラーの勤務日数を年間35日から38日に増加するとともに、区市町村におけるスクールソーシャルワーカーの配置の拡充を図り、学校と福祉分野との連携を一層推進してまいります。

○里吉委員 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーという方は、学校の中で福祉的な対応、自治体との橋渡しなど、先生とは別の角度で不登校の子供や家族の支援ができる方です。
 来年度も若干勤務日数を拡大するというご答弁でしたけれども、引き続きこの拡大、拡充に力を入れていただきたいと思います。
 また、報告書では、教育支援センター、適応指導教室とも呼ばれていますが、この適応指導教室について、児童生徒にとって心の居場所となり、少しでも気軽に通えることができるような仕組みについて検討することが必要だと、指導内容や指導員等の充実が挙げられております。
 私は、この適応指導教室という呼び方も考えていった方がいいのではないかというふうに思うんですけれども、教育支援センター、これまで学校復帰に向けた支援を行う施設として設けられてきたわけですが、これをもっと不登校児童生徒の状態に応じた支援を、より一層充実させるという観点から、より幅広く社会的自立を支援していくことを目的として位置づけることが望ましいというのがこの報告書の結論なんですね。
 本当に、より幅広く受け入れる体制、それから、専門的な知識を持った指導員を配置できるようにしていただきたいと思います。
 私が聞いたあるお子さんは、教育支援センターにやっと行ったら、ちゃんと頑張って通ってくださいね、そういうふうに一言いわれただけで、あれでは学校と一緒だ、あそこに行けるなら学校に行けると、お母さんにいったそうです。毎日同じ場所に通えないからここに来たのに、毎日ちゃんと通ってねと。悪気はなかったと思うんですけれども、そういうところなんだなというふうに、私もお母さんの話を聞いて思いました。
 まずは、学校に行けない子供の安心できる居場所として、教育支援センターが各区市町村に配置されるように考える必要があると思うんです。
 これまで教育支援センターは、区市町村の事業として、特に国や都の支援はなかったわけですが、都として今後はどのような対策を検討していくのか伺います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 不登校の小中学生の学校復帰を支援するため、区市町村教育委員会では、学校外の施設として適応指導教室を設置しております。
 不登校児童生徒の支援のためには、再チャレンジのための教育の場の充実が必要であり、都教育委員会は今後、適応指導教室のあり方について、設置主体である区市町村教育委員会とともに検討していくこととしております。

○里吉委員 ぜひ子供たちの安心できる居場所として拡充していただきたいと思います。  そして最後に、この報告書、70ページですかね、未然防止ということで、基本的に不登校を生まない、そのための対策について書かれております。
 魅力ある学校、学級づくりを推進していく必要があるというふうに書かれておりますが、どう対応するのかということが問題なんですね。学校が一人一人の個性を認めるようなゆとりがないんじゃないかという声もあります。
 先ほどいいましたけれども、先生が忙し過ぎる、子供と向き合う時間が少ないという問題を解決しないと、現実、実現することは難しいんではないかという声もあります。
 都教育委員会として、この未然防止についてどのように対応を考えているのかお伺いいたします。

○伊東指導部長 小中学生の不登校を未然に防止するためには、児童生徒にとって、学校や学級が確かな学力を獲得できる場であるとともに、豊かな心や体力、健全な人間関係を身につけられる場であることが重要でございます。
 都教育委員会は、こうした魅力ある学校、学級づくりを推進するためには、子供に直接指導する教員の指導力を高めることが必要であると考えておりまして、研修等を通して、教科の指導力だけでなく、カウンセリングマインドなど、子供に寄り添い、悩みを受けとめることができる教員を育成しております。
 また、不登校傾向にある子供への対応は、校長を初めとして学校内の全ての教員が適切な役割分担のもと、組織として丁寧に行うとともに、関係機関とも連携を図るなど、校内体制を整備するよう、区市町村教育委員会と連携して各学校を指導しております。

○里吉委員 いろいろお答えいただきました。不登校の親の会の方などから、何人かからお話を聞く中で、不登校対策の未然防止として、学校ができることはまだまだあると私は感じました。それは、学校がみんな違ってみんないいという、一人一人を本当に尊重した場になることだと思います。子供一人一人が学校で、教室の中で自分を認めてもらっているという実感が持てることです。少人数学級にすることや先生の多忙化を解決することがやっぱり必要だと思いました。  今後、この報告書を具体化して対策に取り組んでいただくと伺っておりますので、この問題については引き続き注視してまいりたいと思います。

◆夜間定時制高校の廃止問題について

 それでは、次の質問に移ります。次に、都立高校改革推進計画新実施計画の中の特に夜間定時制高校廃止問題について伺います。
 この計画案が昨年11月26日に発表され、寄せられたパブリックコメント252件中177件が定時制に関する意見で、そのほとんど、170件以上が小山台、雪谷、江北、立川の定時制の存続を求める意見だったということが報告されました。
 都議会にも冒頭にご説明いただいたとおり、学校それぞれの存続を求める会や廃止に反対する会、同窓会、また夜間中学の会などから請願陳情が出されています。夜間定時制は大切な学校である、これは多くの都民の共通の思いだと思います。
 我が党は、白石たみお議員の本会議の代表質問でもこの問題を取り上げて、廃止撤回を求めました。白石議員が本会議でも伺いましたが、夜間定時制高校の中でも、なぜたくさんの生徒の通っている学校、交通の便がよく通いやすい学校を廃止にするのかというのは、都民の素朴な疑問です。
 そこで改めて伺いますが、なぜ立川高校定時制のような生徒数の多い人気のある学校を廃止にするのか伺います。

○出張教育改革推進担当部長 立川高校定時制は、交通利便性が比較的よいため、生徒は広範な地域から通学しております。そのため、閉課程を行っても代替して受け入れ可能な夜間定時制高校が多数存在しております。
 具体的には、請願陳情審査説明でもご説明したとおり、周辺に福生高校、町田高校、神代高校、農業高校普通科、青梅総合高校、五日市高校併合科、瑞穂農芸高校併合科などの夜間定時制課程が存在しており、これらの夜間定時制課程の平成27年度の募集人員480人に対する在籍生徒数は354人、割合は73・8%であり、立川高校定時制課程の閉課程後も、夜間定時制課程を希望する生徒を受け入れられます。
 また、立川高校定時制の第1学年の募集人員に対する在籍生徒の割合は、平成27年5月1日現在107・8%でありますが、今後、立川地区チャレンジスクールの新設開校や近隣にある砂川高校の夜間部の増学級により、相当程度低下することが見込まれます。
 このようなことから、立川地区チャレンジスクールの新設や既存のチャレンジスクールと昼夜間定時制高校の夜間部の規模拡大の進捗や、夜間定時制課程の応募倍率の推移などの状況を考慮しながら、立川高校の夜間定時制課程を閉課程してまいります。

○里吉委員 代替として受け入れ可能な夜間定時制が多数存在、たくさんあるというのは、私は驚くべき答弁だと思いますよ。今周辺の高校として挙げた7校、これは多摩地域にある夜間定時制の普通科と併合科のほとんど全部ですよね。定員いっぱいに生徒が入学している東久留米総合だけ外れていましたけれども、多摩地域というのはとても広いです。それを一まとめにして、募集人員に対する充足率が73・8%だからあきがある、そこへ通えというのは余りにも乱暴です。
 例えば、私も実家が八王子市ですのでよくわかりますが、八王子というのは本当に広くて、八王子の駅に出るまでだって大変なところがたくさんあるわけです。そして、かつて八王子市内には、南多摩、富士森、第2商業、八王子工業の4つの定時制がありました。それが前回の統廃合のとき、全てなくなりました。かわりにできた昼夜間定時制の八王子拓真は、前期試験も後期試験も高倍率で、極めて入りにくい学校です。だから、八王子の生徒はみんな立川に通っているんです。
 そこで、改めて伺いますが、八王子市内の生徒の周辺のどこに夜間定時制高校があるというんでしょうか。お答えください。

○出張教育改革推進担当部長 先ほど答弁いたしましたが、具体的には八王子周辺ですと、福生高校、町田高校、神代高校、農業高校普通科、青梅総合高校、五日市高校、瑞穂農芸高校等がございます。
 なお、八王子の中から立川高校に通う場合ですが、自宅から立川高校への経路でございますが、さまざまな場所に住んでいると思います。その中では41分ほどかかりまして、通学定期代は1万2320円というような状況でございます。
 なお、この立川高校に通わず、京王線を使って農業高校などに参れば、45分で参れまして、金額は9810円となっているところでございます。そのようにさまざまなところで受け入れてまいりたいと考えております。

○里吉委員 そうなんです。さまざまいるんです。だから、行ける子もいるかもしれません。でも、例えば、じゃ、八王子はJRと京王八王子、分かれているわけです。歩いて7、8分かかります。ですから、京王線を使うのに、JRの八王子駅から歩いていかなければならない生徒、そういう生徒さんはさらに余計時間がかかります。
 今、私は、JRの西八王子駅までバスで15分というところから通っている方からお話を聞きましたけれども、今部長がお答えになったように、まず家からJR西八王子駅までバスで15分、立川駅まで15分、駅から学校まで10分弱、40分ほどあれば行けます。
 ところが、町田高校に行こうと思えば、まず駅までバスで15分、西八王子駅から八王子で乗りかえて、町田駅まで35分、町田駅から学校まで15分弱、1時間以上かかります。
 私も全部調べましたけれども、本当にたくさん時間がかかるんですね。立川定時制高校が廃止になれば、八王子の子供たちは、さらに遠い学校に通うしかなくなることは事実ではありませんか。そのことについてはどうですか。

   〔発言する者あり〕

○植木委員長 ご静粛に願います。

○出張教育改革推進担当部長 先ほど答弁させていただきましたように、八王子から立川高校に通うお子さんが農業高校の方に行った場合のことでございまして、町田ですと西八王子に出ていくというのは、やはり非常に不自然な経路ではないかと思っております。

○里吉委員 八王子はすごく広くて、どこに住んでいるかで議論してもしようがないのでやめますけれども、

 〔発言する者多し〕

八王子市内は……

○植木委員長 ご静粛に願います。

○里吉委員 八王子に住んでいる子供たちの多くが立川定時制高校に行っているのは事実なんですよ。立川の次に八王子から通っている子が多いことは事実なんですよ。
 それはなぜかといえば、4年間通い切れるという場所にあるからではありませんか。4つの定時制高校を八王子市内から廃止しておいて、最後、中央線沿線ではもうここしかないという立川定時制高校を何でなくすのか。
 通えるところがあるじゃないか、それは本当に心身ともに健康な子供で、本当に根性がある子は通いますよ。でも、定時制高校に通う子というのはそういう子ばかりじゃないんです。だから、身近なところに高校があることが大事なんだということをこれまでも繰り返し求めてまいりました。
 それから、チャレンジ高校のことについても、かわりにあるんじゃないかということで、最初の説明のときにお話がありましたけれども、多摩地域にチャレンジ高校はぜひつくっていただきたいと思います。
 しかし、それは多摩地域にチャレンジ高校がない、入試倍率が高いということを解決するためです。先日の入試でも、1次試験だけで八王子拓真と砂川合わせて216人の不合格者が出ています。3月10日の2次でも99人が不合格です。チャレンジ校1校では吸収できませんよ。
 立川定時制高校の廃止とは関係なく、八王子の地域、多摩の地域にチャレンジスクールはつくるべきなんだということをいいたいと思います。そして、それをつくったからといって、八王子定時制の受け皿にはないということもあわせていっておきたいと思います。
 それでは、もう一つ代表質問にかかわってお伺いしたいんですけれども、江北高校のかわりに通学可能な周辺校として板橋区の大山高校を代表質問で挙げました。白石議員はその話で、大山高校に行くには、電車だけで50分、3回乗りかえが必要だと、そういう質問をしました。

(発言する者あり)

そうしたら……

○植木委員長 ご静粛に願います。

○里吉委員 足立高校に通学するのが自然だという答弁でしたよね。
 しかし、2015年の進学実績を見れば、40人通っているんですが、いただいた資料によれば、高校の生徒の8割は足立区民ですから、単純計算では32人程度足立区民が行っています。
 足立高校は定員90名ですが、72人が入学手続しております。ですから、足立高校に全部入り切らないんじゃないですか。足立高校で全部吸収できるんですか。お答えください。

○出張教育改革推進担当部長 夜間定時制課程の閉課程後の通学についてでございますが、江北高校では現在、地元の足立区を中心に葛飾区、江東区、北区から通学しております。このように、夜間定時制課程に在籍する生徒はさまざまな地域から通学しており、江北高校の定時制課程の閉課程後も周辺の定時制高校に通うことで、時間的にも、交通費の面でも影響は受けないと判断しております。
 具体的に申しますと、江北高校の今年度の第1次募集、夜間定時制に希望して入ろうとしているお子さんの数でございますが、定員60名のところに16名で、一方の足立高校でございますが、これは定員90名のところに第1次募集で29名でございますので、まだ61名収容が可能な数がございます。先ほどのように、16名以外の30余名、これも入れていくことができると考えるところでございます。

○里吉委員 今、ことしの募集でいっていただきましたけれども、まだこれから2次募もあります。先ほど紹介していただいた校名、陳情説明のときに挙げていただいた南葛飾高校だとか荒川商業というのも挙げていただきましたよね。それもやっぱり八王子と立川高校のときと一緒で、本当にすごい広い地域を挙げているんですよね。(発言する者あり)具体的にはそこを名前で挙げないでいただきたいんですよ。

(発言する者あり)

南葛飾高校は常磐線沿線にあるならまだしも……

○植木委員長 静粛に願います。

○里吉委員 2回も乗りかえが必要なわけですよ。荒川商業は、足立区でも荒川の向こう側ですよね。ほとんど荒川区の区境ですよね。本当に通いにくいところなんです。荒川商業には現在、夜間定時制が3クラスあります。その生徒が行かなきゃいけないわけですから、そこはなかなか募集の対象にはならないんじゃないかということです。
 そして、実際に通えないようなところを対象に入れないでいただきたいということ、そして足立区だけでは入り切らない場合のことをいっているんです。そして、夜間定時制の卒業生は皆さんが周辺校として挙げた学校を見て、都教育委員会は心身ともに健康な高校生しか想定していないのではないかと、実際に自分が在籍していたクラスには心身障害者のある生徒などもいたと、そういう生徒は遠くの学校にはとても通えない、そういうことを全く考えていないのではないかといっておりました。生徒の実情を見ていただきたいと思います。
 さらに、教育庁は、全定併置の問題で、PTA団体から定時制課程専用の教室、フリースペース等確保してほしいなどの陳情が毎年出されていると答弁をしました。それは、議会に毎年陳情をいただいている定時制通信制PTA連合会のことだと思うんですが、この陳情は夜間定時制の教育課程の改善を求めるものであって、夜間定時制を廃止してほしいという要望ではないと思いますが、確認したいと思います。

○出張教育改革推進担当部長 代表質問で白石たみお議員がご質問された内容は、全日制定時制併置校は、生徒の施設利用や学習時間に制約があるとするが、定時制併置校だからこそできるかけがえのない教育効果を生み出しているという内容がありましたので、その中で、全定併置の課題について述べさせていただいた中にPTA団体から、全定併置校の施設の共用を改善して、定時制課程専用の教室、フリースペース等を確保してほしいなどの陳情がございましたということをご答弁させていただいているところでございます。

○里吉委員 PTAの皆さんがいったのは、全定併置校でも、例えばあいている教室一つ定時制のために確保することができないか、そういうことを実際やっている全定併置校もあるので、ほかの全定併置校でも定時制課程の子供たちの学習環境をもっとよくしてほしい、こういう立場から出したものですよね。
 PTAの方々、保護者の皆さんからは、夜間定時制高校が家の近くにあってよかった、子供は定時制に入学して大きく成長した、こうした大切な役割を果たしている夜間定時制をなくさないでほしいという意見を伺っています。
 しかも、全定併置の課題の解決といって、結局定時制がそのしわ寄せを受けるというのはおかしいんじゃないでしょうか。定時制高校の教育環境の改善を求めた陳情を定時制高校廃止の説明に持ち出すなどということは、PTAの皆さんにも本当に失礼だと思います。
 そして、都教委の皆さんはいろいろおっしゃいますが、結局、45校ある夜間定時制のうちなぜこの4校なのかというのは、12月の文教委員会でも伺いましたが、納得できるお答えはいただけませんでした。
 都教委の皆さんはいえないでしょうけれども、さまざま大方都民の見方は、この4校の全日制が進学指導重点校などに挙げられているからではないかということがいわれております。表立ってはいえないけれども、施設や時間の制約なしに進学実績を上げられるようにしたいということではないかと皆さんおっしゃっていますよ。
 全日制の生徒が将来の希望を実現するために頑張ることは大事なことです。大切なことです。でも、生徒や保護者、地域の皆さんは、だからといって定時制を邪魔になどしておりません。工夫して勉強して、部活も頑張って甲子園にも行った。定時制と全日制は心の交流もある。教育効果も大きいといっている。このことを考えていただきたいと思います。
 そして、きょう、たくさんの請願陳情が出ておりますが、PTAの皆さんだけでなく、4校の定時制廃止計画の見直しを求める声は今もどんどん広がっています。先ほどもこの請願陳情の審査に間に合わなかった、時間が過ぎてしまって千通を超える陳情署名を受け取ってもらえなかったということで持ってきました。そういう意味では、請願の仕組みをよくわからない方もあわせて、今も一生懸命集めている。どんどんふえ続けているんです。
 一昨日、陳情を出している会の方が会派回りということでお見えになりました。皆さんのところにも行かれたんじゃないかと思います。署名が2万3千を超えたとおっしゃっていました。1月末時点でも2万以上集まっている。定時制高校廃止の見直しを求める署名が11月末から1月末までの短期間に2万筆も集まっていることを都教育委員会はどのように受けとめているのか伺います。

○出張教育改革推進担当部長 都教育委員会に対しましても、定時制に関する請願等の声が寄せられたこと、また、新実施計画の審議に際して、都民に対して丁寧に説明を行っていくことについて、教育委員から意見があったことなども踏まえ、先ほどお答えしたとおり、さまざまな場面を活用いたしまして、新実施計画に理解を得られるよう説明してきているところでございます。
 今後とも、ご理解とご協力を得られるよう努めてまいりたいと考えております。

○里吉委員 理解と協力を得られるように努めるといいますけれども、立川定時制高校の廃止については、昨年12月22日、都教委宛てに地域で説明会を開いてほしいという要望がありましたが、都教委は1月26日に説明会は開催しませんと回答、説明会開催を拒否したと聞いています。
 しかし、その後開催された1月28日の都教育委員会では、夜間定時制の閉課程に反対する意見が170件以上あったことが報告され、何人もの教育委員から丁寧に説明していくことが大事だと、大切だという意見も出ていました。
 都教育委員会の対応はこの意見と矛盾するものではないかと考えますが、見解を伺います。

○出張教育改革推進担当部長 先ほどもご説明いたしましたが、新実施計画の策定に当たっては、昨年11月の新実施計画案の骨子公表に先立ちまして、新配置計画の対象となっている学校に説明するとともに、校長からの要請により、同窓会等の学校関係者に個別の説明を丁寧に行うとともに、中学生への進路指導にかかわる区市町村教育委員会へも説明を行い、周知しております。
 また、都教育委員会に、骨子に対する都民からの意見及び都教育委員会宛ての請願等についても報告し、新実施計画とともに審議に付しております。
 新実施計画決定後は、新実施計画とあわせて、新実施計画案の骨子に対する都民からの意見とそれに対する都教育委員会の考え方についてプレス発表を行い、東京都ホームページに掲載して都民に周知しております。
 また、都教育委員会宛の請願の審査結果を請願者に個別に回答しているところでございます。  さらに、新実施計画案の骨子、新実施計画とともに、都民の代表である当委員会に報告いたしまして、審議をしていただいているところでございます。
 このように、都民、特に立川高校の関係者に対して、決定計画前からさまざまな場面で新実施計画の内容と都教育委員会の考え方を十分説明していると考えているところでございます。

○里吉委員 さまざま説明しているというご答弁でしたが、本当に丁寧に説明していくという対応をとられたいのであれば、最低限求められた場所に行って説明はするべきではないでしょうか。
 各学校関係者の方、保護者やOBの方が中心になって、学校近くの駅前などで署名を集めていました、ここに出すためにね。小山台高校の前では、武蔵小山の駅前では1時間で400筆集まったそうです。
 立川駅前では、毎回30人以上の方々が参加して、何回も署名を集めているそうです。立川駅前では、立川定時制のOBだという方が話しかけてきて、この宣伝を見て立川定時制の廃止計画を知ったけれども、本当かと。今の自分があるのは立川定時制があったからだと。絶対になくさないでほしいと署名をしてくれた、こういう話がいろんなところで出ているわけです。こういう声が広がっているから説明会の要望をしているわけです。
 少なくとも都教育委員会は責任を持って、説明会をしてくれという要望があれば応えるべきだと思います。そして、私は、そこに署名した人たちの思いを受けとめて、計画は見直すべきだというふうに思うことも申し上げておきたいと思います。
 そして、次に、定時制高校はこれまでもいろいろ議論がありましたけれども、いろいろな生徒のニーズを受けとめている学校だということについて幾つか伺っていきたいと思います。
 夜間定時制は、高校に行きたい生徒たちにとって最後のセーフティーネットの役割を果たしています。募集人員に達していなければ、基本的には申し込んだ生徒全員を受け入れてくれるのが夜間定時制です。
 今回、夜間中学の会からも陳情いただいていますが、夜間定時制高校には夜間中学の卒業生の多くが進学しています。この10年間の推移、私も見せていただきましたが、進学した方々のうち、この3年間は70%以上が定時制に進学しているということです。
 ちょうどこの4校の近くにも夜間中学校があって、4校にそれぞれ進学していらっしゃいますし、小山台など13人も進学している年もありました。
 働きながらでも、日本語がそれほど上手でなくても、高齢でも、不登校の経験を持っていても自分らしく学べることを志せた人は、受け入れるセーフティーネットとして夜間定時制高校がなければ、夜間中学卒業生の進学の道は閉ざされてしまいますと訴えていらっしゃいます。
 また、昼間の中学に通っている外国につながる生徒の皆さんたちにとっても、夜間定時制は大事な進学先です。先日、福生市内で外国につながる生徒の支援を行っているNPO法人の方にお話を伺いました。多摩地域では、全日制高校の入試での外国人枠はないので、日本語が母語でない生徒の高校進学は大変なんですけれども、最後は、青梅総合の定時制高校にみんな行くんだと。最後はそこが救ってくれるんだとNPO法人の方はおっしゃっていました。
 関東弁護士会連合会では、2月25日、外国につながる生徒の権利の保障の見地からも、東京都教育委員会の夜間定時制高校4校の廃止決定に反対する理事長声明を出しております。
 4校の中には、外国につながる生徒のために特別の取り組みをしてきた学校があって、計画で廃止した場合、どう継承、実施していくのかが示されていないと指摘されていますが、どう対応するのか伺います。

○伊東指導部長 お話のような取り組みにつきましては、小山台高校以外の学校でも行われております。
 今後、都教育委員会は、定通教育指導体験発表会など定時制課程の特色ある取り組みを発表する場におきまして、このような取り組みについても情報を提供するなど、全都に普及してまいります。

○里吉委員 日本語指導が必要な外国人が在籍している都立学校では、どこでも対応していただいているということはお伺いしました。しかし、学校設置科目に多文化理解のようなものを設置して、対応するさまざまな取り組みを重ねてきた小山台高校のような蓄積は、すぐには他の学校ではまねができないものではないかというふうに考えます。
 私も、この学校が文部科学省の研究指定校にもなっているということで、ホームページも見せていただきましたし、直接お話も聞かせていただきましたけれども、給食もそれぞれの生徒の国の伝統食を出して、そこにはメニューやその背景、原材料もルビ振りで用意して、いろんな国の食文化も学べる。また、保護者会には何人もの通訳の方を用意して、どの国の保護者の方も先生とコミュニケーションがとれるようにしている。こういうきめ細かな対応がされているわけです。
 だからこそ、小山台高校、2014年度、16カ国から34人が通っていると。駅前30秒という立地のよさもあって、ここの場合は、特に外国籍の方の場合は遠くからでも通ってくるということでした。
 一昨日、卒業生らが都庁内で記者会見も行って、存続を求めました。東京都は、多文化共生社会を目指すといっているわけですから、こうした学校は廃止すべきではありません。
 また、不登校経験のある子供の進学としても、チャレンジスクールとは違う意味で重要な進学先となっているのが定時制高校です。ある不登校を経験したお子さんは、人混みが怖い、電車に乗れないので自転車で行ける学校に行きたい、ずっと学校に行っていないので、ゆっくり勉強がしたいので、夜間定時制に行きたいと、ある日、自分から定時制高校の見学に行ったそうです。そこで、いろんな人がいて、みんな違うから、俺もいやすいんだといって、今、毎日定時制高校に通っているそうです。そういう大事なセーフティーネットの学校ですから、通いやすいところにあることが大切なんです。
 改革推進計画には、中卒で正規の仕事などない今の時代に、正規職についている生徒だけを捉えて、勤労青少年が減っているので、夜間定時制の役割は終わったといわんばかりの書き方がされていて、アルバイトで家計を助けている生徒もたくさんいるので、これはおかしいと思います。
 夜間定時制は、それに加えて、ぜひ今申し上げた多様なニーズに応えるセーフティーネットとしての役割も認めて、中学卒業後の進学先の一つとして都民に知らせていただきたいと思います。
 例えば今、全日制に行けなかったり、自分のペースで学びたいと考えている子供たちの進学先の一つとして、通信制高校と連携したサポート校がふえています。都立のチャレンジスクールでは、入試の合格発表の日に、学校周辺でサポート校の立派なチラシ、パンフレットが配られているそうです。不合格だった人は、ぜひサポート校にということだと思うんですね。
 サポート校も進路の一つでありますが、学費がとても高いのが現状です。あるサポート校に通う子にお話を聞きましたが、高校就学支援金約10万円をもらっても、通信制高校の授業料とサポート校の授業料を合わせて年間80万円以上の負担になるとのことでした。
 私は、経済的心配なく学べる学校として、夜間定時制ももっと認知されていいのではないかと思っています。
 夜間定時制高校は募集人員に対して在籍生徒数が下回っているといいますけれども、勤労青年が多く通っていたかつての夜間定時制高校とは違う、現在の存在意義や教育内容などについてももっと広く都民に知らせていただきたいと思いますが、見解を伺います。

○出張教育改革推進担当部長 都教育委員会は、都立高校について、受験生や保護者などの理解を促進するため、毎年、東京都立高等学校に入学を希望する皆さんへと題する冊子を公立中学校3年生全員に配布しております。
 また、中学校の進路指導担当を対象に、公立中学校における進路指導のための都立高校説明会を実施しております。
 さらに、各高校のホームページを活用した情報発信のほか、都立高校入試相談コーナー、教育相談センター等における個別の進路相談の場面などでも情報提供しているところでございます。
 このほかに、夜間定時制課程に関しましては、定時制課程、通信制課程入学案内を毎年度作成いたしまして、公立中学校に配布するなどの取り組みを行っており、今後も同様に実施してまいります。

○里吉委員 私も定時制課程、通信制課程の入学案内を見ましたが、夜間定時制高校の案内が、日中働きながら高校に通いたいなという生徒に適した学校と昔ながらの案内なんです。今もっと多様なニーズにも応えているわけですから、この書き方もぜひもうちょっと工夫していただきたいなと思いました。
 それから、サポート校に行った子供たちにお話を聞いたんですけれども、定時制は4年かからないと卒業できないと思っていたというんですね。幾つかの学校では3年で卒業できる夜間定時制もあります。こういう制度もぜひPRしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○出張教育改革推進担当部長 ただいま、定時制課程、通信制課程入学案内がございますが、この中に適切に3修制のことについて書いてございます。
 学校数といたしましては、21校にこういう3修制があるということも紹介をしているところでございます。

○里吉委員 ぜひこういう制度もわかりやすく周知していただきたいと思います。
 そして、最後に、我が党の白石都議の代表質問での夜間定時制廃止撤回を求める質問に都教育委員会は、チャレンジ、昼夜間の整備の進捗や夜間定時制の応募倍率の推移等の状況を配慮しながら、一部の夜間定時制を閉課程していくと答弁されました。これは、夜間定時制への希望者が多ければ、4校の閉課程を再検討するということなのでしょうか。
 また、一部の夜間定時制を閉課程ということで、名前をいいませんでしたけれども、4校に加えて、さらに閉課程する可能性があるということなんでしょうか。あわせて伺います。

○出張教育改革推進担当部長 今答弁したとおりでございますが、社会情勢の変化等により、夜間定時制課程の応募倍率が大きく変動した場合は、計画している4校の閉課程の時期を配慮する場合もあるということでございます。
 また、一部の夜間定時制課程とは、小山台高校、雪谷高校、江北高校、立川高校の4校をいいまして、新実施計画では、4校のほかの夜間定時制課程を閉課程することは予定しておりません。

○里吉委員 今、大事なご答弁だったと思います。計画している4校の閉課程の時期については配慮する場合もあるということでしたので、これは確認したいと思います。
 夜間定時制全体の応募倍率が大きく変動した場合とおっしゃいましたが、やはり都教育委員会の皆さんのいうとても通えない周辺校にあきがあるからということではなくて、4校それぞれの入学希望者がたくさんいるのですから、入学希望者が多いのに廃止するべきではないと考えます。
 例えば立川などは、最低でも、新しいチャレンジ校の開校とあわせて募集停止などにするのではなく、両方存続させて様子を見ることが必要だと思います。チャレンジ校の新設と直接関係していない学校も拙速に廃止すべきではありません。
 都教委の推計では、今後、中学卒業生数は一旦、3500人程度減ります。その後増加するんですね。2028年度には、今年度より5287人もふえると推計されています。  卒業生がふえれば、定時制に来る生徒もふえることも予想されます。そのときに、夜間定時制があれば学級増で対応できますが、廃止してしまったものを再開することは容易ではありません。
 これまでも夜間定時制高校は、募集人数が何年も少ないと学級数を減らすというやり方で、学級数の増減で対応してきたと思うんですね。今ある4つの学校をなくすということではなくて、そういった柔軟な対応をこれからも行うべきだと思います。
 そして、夜間定時制高校のかわりにチャレンジスクールをふやすということについても、私は、夜間定時制とチャレンジスクールは違うんだとこれまでも申し上げてきましたが、一番の違いは、夜間定時制は学年制でクラスがあることなんです。クラスがあるからこそ、クラスで支え合って頑張れた。何日も学校に行かないと、クラスの仲間が心配して電話をかけてきたり、バイト先まで押しかけてきて、どうしたのかと声をかけてくれる、そういう仲間や先生がいたから4年間頑張って卒業できた。本当に強いきずなで結ばれているのだということを感じました。
 一つメールを紹介したいと思います。送られてきたものなんですが、私も小学校からの不登校で、定時制高校が初めて通えた学校でした。4年間の学校生活の中でやめてしまおうかと思ったこともありましたが、先生の励ましで卒業することができました。先生とそういうコミュニケーションがとれたのも、気軽に通える場所に学校があったから、少人数のクラス編制だったからだと思います。定時制高校で自分の存在が認められた経験があるから、社会に出て働き、生きていけるのだと思っています。これ以上夜間定時制がなくなることなく、今の小中高校生のよりどころとして存続し続けることを願っています。これは、白石都議の質問を報道で知った方から都議会共産党に送られてきたメールです。
 都議会にも8本の請願陳情を出されております。署名数は今もふえ続けております。映画監督の山田洋次さんを初め、元都立夜間定時制の先生で、ノーベル賞を受賞した大村名誉教授を初め123人もの文化人や学者、また東京弁護士会が廃止反対の声明を出されています。こうした声に向き合って、都教育委員会は4校の定時制廃止を撤回することを求めます。
 請願陳情の採択を主張して、私の質問を終わります。  

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文教委員会速記録第6号

2016年3月17日(木)

◆東京都講習浴場条例(日本共産党都議団提案)他条例案に対する意見表明

○里吉委員 日本共産党を代表して意見を表明いたします。  まず、第47号議案、学校職員の定数に関する条例の……  

  〔発言する者あり〕

○植木委員長 ご静粛に願います。

○里吉委員 一部を改正する条例及び第46号議案、東京都体育施設の条例の一部を改正する条例について申し上げます。  この条例改正により、来年度の職員定数は6万3942人となり、今年度に比べ320名の増員となります。
 その主な要因は、生徒増、児童増に伴う定数増で、多くの教育関係者、保護者の願いである少人数学級、せめて小学校3年生まで35人学級をという要求には応えておりません。加配は英語の教科化に向けた取り組みや指導方法の改善だけです。
 一方、肢体不自由特別支援学校の介護職員導入校の拡大に伴い、55人もの自立活動教員の削減が進められ、国の標準法で複数配置となっている大規模小中高等学校への副校長や養護教諭の複数配置も認められませんでした。
 都立高校の事務職員、司書などについては34人も削減です。これら、本来必要な教職員が削減されていることは問題であり、本議案には反対いたします。
 第46号議案、東京都体育施設条例の一部を改正する条例については、駒沢オリンピック公園総合運動場の弓道場の改築によって機能が強化されたので、受益者負担の適正化を図るとして、利用料金の上限額等を改めるというものです。
 しかし、これまで指定管理者のもとで、現在の利用料金の上限額よりも実際は利用料金は低額、低料金に抑えられてきたし、周辺の弓道場では低廉な使用料が設定されて都民に親しまれています。
 施設利用料を初めとして、公共料金の設定に関しては、受益者負担の原則ではなく、可能な限り都民の誰でも利用ができ、また、利用を促進するため、低料金で設定すべきであり、本議案には反対するものです。
 都立高等学校改革計画について申し上げます。  さまざまな議論を行ってまいりましたが、なぜ生徒にとって通いやすく、1学年3クラスもあり、定員の107%もの1年生が在籍する立川高校を初め、小山台、江北、雪谷の4校の定時制を選んで廃止するのかについて、納得できる答弁がありませんでした。逆に議論を通じて、これら4校がいかにすばらしい教育を行っているかが明らかになったと思います。
 夜間定時制高校は、さまざまな事情を持った生徒が通える場所にあることが重要です。生徒数が減れば学校をいきなり廃止するのではなく、学級減で対応すればよいことです。一人一人の子供たちの学ぶ権利をきめ細かく保障していただきたい、そのことを強く申し上げます。
 2カ月で保護者、生徒、OBなど、多くの都民が4校存続のために行動し、2万人以上の方が署名をした。この声を重く受けとめていただき、4校は存続させることを改めて要望しておきます。
 将来の生徒増に関連してですが、全日制高校の新設などにより対応することは当然です。しかし、生徒がふえれば、割合やその他の要因などで、夜間定時制高校を希望する生徒もふえるかもしれない。そのときに、学校を廃止してしまっては対応できないということを申し上げました。
 都教育委員会の推計する5287人の中学校卒業生の増は、全日制高校22校分に相当します。今回の計画では、全日制の学校新設は1校のみ、その時期と設置場所は未定です。ぜひ都立全日制高校の新設にも取り組んでいただきたいと思います。
 なお、大島議員は先日、江北高校定時制を訪問しております。学校管理職だけでなく、地域や卒業生などのご意見も踏まえ、紹介議員になったものです。
 また、請願は請願者が書いたものですが、江北高校へのアクセスについては、同校の公式ホームページでも3路線も使えてアクセス便利、綾瀬駅徒歩10分、五反野駅徒歩15分、青井駅徒歩7分と記載をされております。  

  〔発言する者あり〕

○植木委員長 ご静粛に願います。

○里吉委員 次に、議員提出議案第3号、東京都公衆浴場条例について申し上げます。
 公衆浴場は、都民の公衆衛生とともに、健康増進や住民相互の交流など、福祉の向上に重要な役割を果たしています。
 公衆浴場は、江戸文化の一つとして長い歴史を経て定着してきたもので、庶民生活に溶け込んで発展してきた歴史があり、その中で独特の建物や浴場絵画を生み出してきました。日本の庶民文化を継承、発信する存在として、その文化的価値を楽しむ、あるいはスポーツ愛好家や観光客からも新たな注目も集まっています。
 一方、生活習慣も変化して各家庭に風呂が定着する中で、年々利用者が減少し、浴場経営も深刻さが増しております。この1、2年で浴場経営を諦めてマンションに建てかえたという方もおられ、減少が続いております。
 ある浴場経営者にもお話を聞くと、父親から浴場を引き継いで新しいニーズを掘り起こそうと、インターネットなども活用するなど頑張ってきたけれども、やむを得なかったとおっしゃっていました。もちろん、いろいろなご事情があったのだと思います。

   〔発言する者あり〕

○植木委員長 ご静粛に願います。

○里吉委員 東京都生活文化局や区市町村も浴場振興にあらゆる支援を行ってきましたし、都議会でも各会派、浴場の振興策についての充実のための質問もありました。その上で、とにかくこれ以上、浴場を減らさないように支援を頼むという経営者の訴え、この年になると自家風呂はかえって危険、銭湯があって助かるという利用者の声にどう応えたらよいかということで考えてきました。
 オリンピック・パラリンピック開催や観光振興などとあわせて、日本の文化、伝統への関心も高まり、江戸文化の一つとして浴場への注目が高まっているもとで、これを好機として、英知を集めてこの危機を乗り越えようではありませんか。条例を制定し、振興計画を策定することで、これまで以上に浴場振興を総合的、計画的に進めることができます。
 公衆浴場の方々と生活文化局のこれまでのノウハウ、都議会の皆様の英知を出していただければと思い、条例を提案いたしました。重ねて、東京都公衆浴場条例に各会派の皆さんのご賛同を賜りますようお願い申し上げまして、日本共産党の意見といたします。

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文教委員会速記録第7号

2016年5月31日(火)

◆軽度外傷性脳損傷・脳しんとうの周知と予防、危険性等の相談窓口等の設置に関する陳情について(陳情)への意見表明

○里吉委員 陳情28第5号の1、軽度外傷性脳損傷・脳しんとうの周知と予防、危険性等の相談窓口等の設置に関する陳情について意見を申し上げます。
 スポーツ中の脳震盪に関連して、2014年、フィギュアスケートの羽生結弦選手が、練習中に他の選手と衝突して、頭にけがをした直後に試合に出場したことは記憶に新しいところです。脳震盪が疑われたのではないかということ、その状況で選手を出場させてよかったのかということが議論になりました。
 文部科学省は、2013年12月20日に、スポーツによる脳損傷を予防するための提言に関する情報提供についてという事務連絡を都道府県に送付しています。
 日本脳神経外科学会の発表したスポーツによる脳損傷を予防するための提言を情報提供し、頭や首のけが、頭頸部外傷に関する知識と対応について周知し、事故防止と安全管理の徹底を呼びかけるものです。
 提言では、スポーツによる脳震盪は、意識障害や健忘がなく、頭痛や気分不良などだけのこともある。つまり、意識があるから大丈夫、脳震盪ではないとはいえないということです。
 それから、スポーツによる脳震盪は、そのまま競技、練習を続けると、これを何度も繰り返し、急激な脳腫瘍や急性硬膜下血腫など、致命的な脳損傷を起こすことがある。そのため、スポーツによる脳震盪を起こしたら、原則として直ちに競技、練習への参加を停止するとされています。
 こうした提言の周知を初め、先ほどのご説明でも、スポーツの現場で事故防止のためにさまざまな努力が払われていることがわかりました。脳損傷の恐ろしいところは、将来にわたって重い後遺症が残ってしまったり、そのときは大したことはないと思っても、後から症状が出て、しかも検査をしてもなかなか正確な診断が得られず、原因のわからないまま、記憶障害やだるさ、目まいなどに苦しめられ続けるということもあると聞いています。
 今回の陳情者の願いは、そのような事態を招かないよう、頭を打ったそのときにどんな対応をとることが必要なのかを、一層周知徹底してほしいということだと思います。その趣旨に賛同し、この陳情は趣旨採択を主張して意見といたします。

◆大学等への都独自の給付型奨学金制度を求める陳情について

○里吉委員 それでは、陳情についての質疑を行いたいと思います。
 これは、高等教育、大学等に進学する人に都独自の給付型奨学金制度をつくってほしいという陳情です。
 そこで、まず都内にどれぐらいの対象者がいるのかについて伺いたいと思います。都内の高校の卒業者数と、そのうち大学等、大学、短大、専修学校など、高等教育に進学する人数を伺います。

○加藤私学部長 平成27年3月の高校の卒業者数は10万635人であり、そのうち大学等への進学者数は7万9204人でございます。

○里吉委員 今のご説明で、都内高校生の約8割が大学等に進学していることがわかりました。今や、大学や専修学校などに進学することは、ごく普通のことになっています。
 厚生労働省によれば、高卒の求人は1991年の167万人に対し、2014年はその5分の1、32万人にまで減っています。また、平均初任給も大卒では20万2000円ですが、高卒は16万900円、就職のためにも高等教育が必要になっているのが現実です。
 しかし、いざ学ぼうとすると、世界一高い学費という問題にぶつかります。OECD加盟34カ国の中で見ると、17の国は大学の授業料が無償です。そうでない国も返済の必要のない給付型奨学金制度を持っています。
 一方、日本では、新入生が払う学費は、国立大で約82万円、私立大では平均131万円。私立大学で4年間にかかる費用は、自宅通学でも平均738万円といわれています。
 このため、今や学生の約半数が奨学金を借りています。さらに、その中の半数は有利子の奨学金を借りています。卒業と同時に数百万円の借金を背負いますが、奨学金が返せず自己破産になるケースなど、マスコミでも大きく取り上げられ、社会問題になっています。
 さらに、大学院まで進学するとなると、借金は1千万円にも膨らむことも珍しくありません。せっかく大学院にまで進んだのに、アルバイトに追われて十分な研究ができないとか、さらに研究を続けたいと思っていたが、お金が続かず、断念せざるを得ないなど、深刻な状態です。
 正規で就職できなかった場合、奨学金の返済が厳しくなるということで、あえて奨学金を借りない、または金額を少なく借りて、アルバイトで必死に生活費を稼ぐという学生もふえています。
 東京都が行っている奨学金について、ここで少しお伺いしたいと思うんですが、返済する奨学金、高校生対象のものがあります。これは都が所管しています。
 都が高校生を対象とした育英資金、これを実施していますが、現在、この都の育英資金を使っている高校生は何人いらっしゃるでしょうか。また、大学進学などを理由に、その返金を延期している学生はどれくらいいるでしょうか。それぞれ伺います。

加藤私学部長 平成26年度の高校生に対する育英資金貸付実績でございますけれども、4662人でございます。
 また、高校生のときに貸し付けを受けていた者で、平成26年度に大学等への進学などを理由に育英資金の返還猶予を受けている者は1779人でございます。

○里吉委員 育英資金を借りている人の中では、進学等の理由による返金猶予は半分以下と。これだけでは正確なことはわかりませんが、全体の進学率が8割というところから比べますと、大分違います。高校卒業までに既に借金を背負って、さらに大学等への進学となると、ハードルが高いということではないでしょうか。
 そこで伺いますが、都はこれまで大学などの高等教育の奨学金制度は、高等教育の所轄である国との役割分担に基づき、都は高校生向けの奨学金の貸付事業で実施していて、大学生等については国の責任だという立場をとってきました。しかし、大学生向けの貸与制の奨学金制度は、既に少なくない自治体で実施しています。
 また、給付制についても、既に長野県では実施され、沖縄県でも実施が決まっています。都内の足立区でも独自の制度を今年度新しく開始しました。これは返済免除にするというやり方ですけれども、開始いたしました。
 都は、役割分担といいますが、大学生などを対象とした奨学金は、自治体の判断でできるのではないかと思います。このことについて確認します。

○加藤私学部長 都は、国との役割分担に基づきまして、高等学校等に通う生徒を対象に、東京都育英資金事業を運用しております。
 大学生等の教育費負担の軽減を目的とする奨学金につきましては、自治体において実施することを否定されているものではありませんが、高等教育機関の所轄である国の責任において制度設計されるべきものであります。

○里吉委員 自治体において実施することが否定されているわけではないということですね。だとしたら、都の財政力があれば、国に率先して実施することも可能ですし、実施すべきではないでしょうか。
 本来、国の責任で実施すべきことでも、国に先駆けて東京都として実施していることは幾つもあります。必要な対策は、都として踏み出すことが求められています。ぜひ学生の教育を受ける権利に対して、それを保障するための給付制奨学金制度創設を求めたいと思います。
 また、大学生の給付型奨学金制度の創設は、もう一つの視点から見ますと、子供の貧困対策としても重要だと思います。実際に、足立区では子供の貧困対策の一環として、区の貸付型の奨学金の一部返済免除という形でスタートさせております。
 知事は、貧困の連鎖を断ち切るために、学習、生活、経済面など、切れ目なく支援を実施していかなければならないと予算発表の記者会見で発言していました。子供の貧困対策、貧困の連鎖を断ち切るためには、大学などへの進学は重要と考えます。
 東京都は、今年度、子供の貧困対策推進連携部会を設置いたしましたが、そうした中で、大学生や大学院生などの奨学金制度についても検討するべきではないかと思いますが、都の見解を伺います。

○加藤私学部長 現在、庁内各局で構成します子供・子育て施策推進本部の中に、新たに設置いたしました子供の貧困対策推進連携部会において、さまざまな分野で子供の貧困対策を検討してございます。

○里吉委員 親の経済状態にかかわらず、学ぶ意欲のある子供が大学や大学院へと進学できるようにすることは待ったなしの課題です。さまざまな分野で子供の貧困対策を検討するというお答えでしたが、その一つとして給付型奨学金の創設をぜひ検討していただきたいと思います。
 また、陳情では、学生寮の拡充と在京学生への家賃補助を求めています。私たちは、学生に限らず、若い世代にとって東京の家賃が重い負担となっていることに問題意識を持っております。
 東京私大教連の調査によれば、首都圏周辺の私立大学に昨年春に入学した学生のうち、自宅外通学生への仕送りは月額8万6700円で、15年連続で減っていると。家賃を除いた一日当たりの生活費は850円で、どちらも比較できる1986年度以降で過去最低を更新しました。実質賃金が下がり続けている中で、学費はどんどん高くなっているわけですから、当然といえます。
 大学院生の方からもお話を伺いましたが、少子化の影響もあって、今、地方の大学や大学院では、学部や学科などを減らしているところが多くあるそうです。そうすると、特に大学院に進むときに、自分の学びたい学科などが東京にしかなくて上京するという院生もふえているんだというお話でした。
 学ぶ意欲のある学生だからこそ、実家を出て、家賃が高くても都内の大学院に進むのだと思います。ここへの支援も重要であると考えます。
 スウェーデンの国家予算並みの財政力を持ち、大学と学生が集中している首都東京でこそ、家庭の経済状況に左右されず、意欲のある学生が大学、大学院へと学べるよう給付型奨学金の創設を、そして低廉な家賃での住宅確保とあわせて行うべきです。
 以上、陳情の趣旨採択を主張して質問を終わります。

◆特別支援学校の教室不足の解消を求める請願について

○里吉委員 それでは、質疑を行います。
 特別支援学校の教室不足を解消し、必要な教室を確保することは長年の課題です。障害者権利条約が発効し、ことし4月には障害者差別禁止法が施行されました。
 障害者権利条約の第7条、ここには障害のある児童ということで、条文が規定されております。  
1、締約国は、障害のある児童が他の児童との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を完全に享有することを確保するための全ての必要な措置をとること。
2、障害のある児童に関する全ての措置をとるに当たっては、児童の最善の利益が主として考慮されるものとするなど、こういうことが書かれているわけです。
 今回の請願は、特別支援学校の現状について、小中学校では教室がないことはあり得ない、なぜ障害のある子供たちがこうした状況に置かれなければならないのだろうかと訴えております。当然の訴えだと思います。教室不足の問題は、他の児童との平等ということから考えても、児童の最善の利益が主として考慮されるという観点から見ても、一刻も早く解決しなければなりません。
 そこで、まず都教育委員会の特別支援学校教育条件整備への重要性の認識と、教室不足解消に向けた思い、決意をお伺いしたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援学校において、できる限り多くの子供たちの自立と社会を実現していくことは重要でございます。
 都教育委員会では、平成16年11月に特別支援教育推進計画を策定し、特別支援教育の充実に努めてまいりました。在籍者数の増加の著しい知的障害特別支援学校については、規模と配置の適正化を図り、教育環境の整備に努めてまいりました。今後とも教育環境の一層の充実を図ることが重要であると考えております。

○里吉委員 ご答弁いただきましたが、その言葉のとおり、ぜひ一層の充実を図っていただきたいと思います。
 そのときに、教育環境の充実を図ることが大事なんですが、はっきりいって教室不足というのは教育環境の充実以前の問題なんですね。できるだけ努力していますということでは済まされる問題ではないと考えます。
 2014年3月の予算特別委員会で、我が党の小竹委員が、当時、今後整備する普通教室は479教室、2013年度、不足数は700教室、479教室を整備しても221教室足りない、こういうことを明らかにいたしました。
 現在、一つの教室をカーテンなどで間仕切りしている教室がまだたくさんあります。特別教室を転用している教室もたくさんあります。それぞれ幾つなのか、また、当時に比べて、現在どこまで改善したのか、第3次計画終了までに整備する普通教室数は幾つなのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校において、平成27年5月1日現在、必要な普通教室を管理関係諸室や特別教室などの転用により確保している教室の数は429教室であり、普通教室等の間仕切りにより確保している教室数は254教室、合計で683教室でございます。
 今後も全障害種別の特別支援学校について、新設3校、増改築14校の整備を引き続き進めてまいります。
 この中で、校舎の新築、増改築に際して、可能な限り多くの教室を確保するよう努めており、533教室が増加する見込みでございます。
 在籍者数の増加が著しい知的障害特別支援学校については、特別支援教育推進計画対象校の整備が全て完了すれば、第3次実施計画策定時に推計した学級数に必要な教室数を確保できる見込みでございます。
 なお、知的障害以外の特別支援学校については、それぞれの障害ごとに障害特性や教育課程、指導の内容、方法が異なっていることから、必要な施設設備や教室の利用状況も一様ではございません。
 こうした障害種別ごとの違いや、今後の幼児、児童生徒数の動向等を考慮しながら、今後の対応を検討してまいります。

○里吉委員 特別教室等の転用教室が429教室、間仕切りなど、カーテン教室といわれている教室、それによって確保している教室が254教室、合わせて683教室の不足ということでした。
 2014年3月のときには700教室といわれておりましたから、若干減っております。そして、全ての障害種別で新たに今後ふえる教室数は533教室ということでした。差し引きで150教室不足しております。
 先ほどこの150不足している部分については、さまざまな手法で解消するとの答弁がありましたので、私は質問はいたしませんが、一刻も早くこの解決をお願いしたいと思います。
 そこで、教室不足の解消、教室確保といった場合、それはこの間、私も何カ所もの特別支援学校を視察させていただいて痛感していることですが、やはり普通教室の数だけ確保されていればいいということではないと思います。
 特別教室やその他の学校施設整備、体育館やプール、運動場、空間の余裕、そういうもの一切含めた教育環境が、水準以上のものがしっかり確保されていなければ、子供たちにふさわしい教育を保障することはできません。
 町田の丘学園を改めて視察いたしました。2年前に伺ったときには普通教室46の校舎に77学級の子供たちが詰め込まれていました。本来、普通教室46分の子供の学校なんですね。77学級あるということは、1・6倍の子供たちが詰め込まれているということなんです。
 もちろん、カーテン教室で隣の声で聞こえない、授業に集中できないだとか、特別教室を多く転用しているので、音楽なども普通教室でやらざるを得ないとか、教室をあけるために、廊下に備品を置くコーナーを無理やりつくったりだとか、体育の授業を玄関前の通路で行ったりと本当に大変な状況でした。
 今回伺ったときは、少し離れた場所にプレハブの仮設校舎、山崎校舎をつくったことで、カーテン教室がなくなったことはもちろん、特別教室も確保されていました。廊下も広々としていました。
 校長先生からお話を伺いましたが、特に知的障害の高校生が、思春期でもあり、人が多い中で落ちつかなかったそうです。クールダウンする場もなかったため、トラブルも多かったそうですが、今は子供たちも大分落ちついているということでした。不0分さはありますが、緊急策としては本当に有効だったと思います。
 そもそも、なぜ小中学校ではあり得ない教室不足が、いいかえれば一つの教室をカーテンで仕切って2学級で使うとか、音楽室や美術室などの特別教室やPTA控室、さらには倉庫や更衣室まで普通教室に転用してしまって、それらの教室がなくなってしまう。また、先ほどもいいましたけれども、児童生徒数が100人から150人を想定して建設した学校に300人以上もの子供たちを詰め込むなどということが、どうして特別支援学校では許されるのでしょうか。
 その原因は、学校を設置するための基本となる設置基準が特別支援学校にだけないからだと、さまざまな団体の皆さんが国に対して設置基準をつくるように求めております。
 私も学校教育法施行規則を読みましたが、小学校、中学校、高校、大学、各種学校、全ての学校には設置基準があります。学級の編制から校舎や運動場の面積、校舎に備えるべき施設も明記されています。しかし、特別支援学校については別に定めるとありますが、つくられていないのが現状なんです。
 国の設置基準は示されていませんけれども、東京都として、都教育委員会として、特別支援学校にはどのような環境が必要だと考えているのか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 文部科学省は、特別支援学校の施設について、障害種別によって必要な施設設備が異なり、一律の設置基準を設けることが困難と考えており、幼児、児童生徒の教育的ニーズに対応した指導、支援を考慮した施設環境づくりのために、特別支援学校施設整備指針を策定しております。
 都教育委員会は、この指針に基づきまして、障害の状態、発達段階、障害特性に応じて、安全かつ快適な教育環境づくりに配慮した施設整備を行うことを基本としております。

○里吉委員 国の設置基準はないけれども、施設整備指針があるので、それに基づいて整備しているということでした。
 施設整備指針も私も読みました。安心して体を自由に動かせるゆとりのある面積とか、何々を配置することのできる面積を確保するというようなことが示されているので、これは重要だと思いますが、やはり設置基準とは異なって、児童生徒数に応じた最低限必要な校舎や校庭の面積などは、具体的な数字では明記されていないんですね。
 それでは、都教育委員会としては、特別支援学校の普通教室の広さの基準、具体的な数字での基準はあるのでしょうか。どのような考えで決められているのか伺いたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、文部科学省が定めた特別支援学校施設整備指針に基づき、障害種別ごとに普通教室の標準の規格を定めております。
 これは、障害種別ごとに定められた教育課程の円滑な実施に必要な環境を整備することを目的とし、障害の状態、発達段階、障害特性を考慮したもので、基本設計はこれを踏まえて実施しております。

○里吉委員 普通教室の広さの基準を都として持っているというご答弁でした。資料もいただきましたが、これによりますと、障害種別に若干大きさの違いはありますが、面積は大体60平米前後になっておりました。
 また、知的障害の標準には、面積約11平米の個別指導スペースも設けて、個別的な指導と教室での集団指導ができるようにしているということでした。
 ちなみに、前のご答弁で、文科省は、障害種別によって必要な施設設備が違うので、一律の設置基準を設けることが困難だと考えているということでしたけれども、こういって障害種別に普通教室の基準をつくっているのですから、国も障害種別にきちんとこういうものをつくっていただきたいと思うんです。これは、ぜひ国に対して求めていただきたいと思います。  そして、私は教室の確保といったときに、まず子供たちのホームベースともいうべき普通教室が、全てこの面積でしっかり確保できていることが重要だと思います。
 そして、普通教室以外の教室の施設についてはどうなのかと。例えば、東京都、知的の小中学校の校舎を新設する場合、どんな特別教室をそれぞれ何室ほど設けるのか、体育施設はどんなものを設けているのか、トイレはどんな基準で設置しているのか、具体的に伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援学校の施設整備については、学校の用地の状況や建築条件などを踏まえ、適用される法令等に基づいて必要な教室数を整備しております。
 したがいまして、特別教室や体育施設の数や種別については、一概には決まっておりません。 

○里吉委員 一概には決まっていないというお答えでした。しかし、例えば今回、新築工事の契約が議案となっています臨海地区の特別支援学校、これが知的の小中学部の特別支援学校なんですけれども、きょうも資料がありますけれども、これについて伺いましたところ、普通教室は48つくりますと。それから、図書室、音楽室、視聴覚室、コンピューター室、生活訓練室など、特別教室は19室つくる。校長室や職員室、会議研修室や保健室などの管理関係諸室は23室、ほかにもちろん体育館やプール、食堂、厨房、倉庫などもつくる予定になっているとのことでした。
 先ほどおっしゃった国の特別支援学校施設整備指針を真面目に積み上げていけば、それくらいの施設整備が必要になってくるということだというふうに私は理解いたしました。
 ところが、既存校に児童生徒がふえてくると、特別教室や体育施設などの数や種別については一概には決まっていないから、長期的に転用しても仕方がない、なくても何とかなるとなってしまうのは問題だと思います。
 それから、大規模校化の問題についても申し上げたいと思います。
 先ほど来、大規模校の問題をいってきましたけれども、児童生徒増に伴って300人、400人の特別支援学校が大変ふえているわけですが、教室は校舎の増築で確保したとしても、普通、体育館やプールは大体1校に1つしかありません。隣り合う2つの学校を1つに合わせてつくった併置校はプールも2つ、体育館も2つというケースもありますけれども、もともとの学校が大きくなっていった、そういう学校では、どんなに生徒数がふえてもプールは1つ、体育館は1つ、そういう状況で、増改築によって校庭は狭くなっていくという状況になるわけです。
 そういった学校では、体育館やプールの利用を調整するのが本当に大変だと。ことしの夏はプールに2回しか入れなかった、こういう話も私は毎年伺うんです。子供の教育環境が保障できていないわけです。
 都教育委員会は、こうした状況でよいと考えているのか、この点について伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、これまでも特別支援学校の障害種別や立地条件に応じて学校体育施設の整備を行っております。
 特に、複数の障害種別教育部門を設置する大規模校におきましては、学校の規模を考慮しながら、必要に応じて体育館を複数設置する等の対応を行っております。プールについては、障害種別や立地条件に応じて屋内に設置し、必要な場合には加温設備を整備しております。
 あわせて、指導計画の工夫や学習集団の弾力的な編制を行うなど、体育館やプールの有効活用を図り、円滑かつ適正な体育指導を実施しております。

○里吉委員 さまざまな工夫、それは現場で先生方は大変苦労してやっていらっしゃると思います。それでも年2回しかプールに入れない、こういう現状があるわけです。本当は体育館で学年全体の大きな集団での活動もやりたいけれども、使えないので、プレールームでの小さな活動だけになってしまう、そんなお話も伺いました。
 ことし2月25日の衆議院の予算委員会の分科会の質疑で、ある資料が示されました。これは全国の大規模校上位57校の一覧表です。1位は広島県の学校で、一つの学校で児童生徒数484人、大規模校の中で一番下の57位は大阪府の学校で302人でした。
 この委員会では、愛知県の特別支援学校の大規模化が取り上げられておりまして、馳文科大臣は、数えたらこの中の9校が愛知県の学校だ、正直、愛知県の教育委員会は今まで何をやってきたんだろうかと思わざるを得ませんといっております。
 ところが、数えてみますと、この57校のうち東京の特別支援学校は0校入っているんです。しかも、ベストテンの中に5つ東京なんです。  馳大臣は、4月の参議院の委員会でも、障害児が狭い学校に押し込められている状況は、このままではいいと思わない、こういうふうに答えております。300人、400人という大規模校、これは文科大臣が見てもおかしいという規模だということなんですね。
 都教委は、300人、400人以上となるような大規模校を解消していくべきだと考えますが、見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 児童生徒数が多い学校であるからといって、直ちに教育環境が過密であるとはいえません。
 都においては、大規模な都立特別支援学校は、いわゆる併置校がその中心となっておりますが、併置化する学校の規模は、障害種別のほか、建築条件や地域事情、施設設備の収容能力等によって、それぞれに異なるものになると考えております。
 また、併置校は複数の障害教育部門の専門性を相互に活用して、障害が重複する児童生徒に対する教育内容、方法の充実を図ることができるほか、併置化を進める中で、学部の改編や通学区域の調整をあわせて行い、児童生徒の増加が著しい知的障害特別支援学校の規模と配置の適正化を進めることができると考えております。
 いわゆる大規模校とされる学校の中には、例えば永福学園のように高い企業就労率を実現している学校もあり、大規模であることだけをもって教育上の問題があるとは考えておりません。 ○里吉委員 必ずしも悪くないというお答えでしたけれども、大規模校化の中に特別教室を転用して大きくなった学校ももちろんありますし、そもそもの面積が100人から150人の生徒を入れるという目的でつくった学校に300人、400人という形で東京の学校も大規模化しているわけです。それは、過密化を生むということは間違いないことだと思うんですね。
 それから、大規模併置校のお母さん方からも私は何回もお話を伺っていますが、大規模校になったとしても、併置になってよかったというお話は、私は1件も伺ったことはありません。教室を確保するに当たっては、学校を大きくしていく、そういうことではなくて、大規模校をなくす方向で進めていただくことを強く求めておきます。
 次に、重度重複学級についても伺います。
 重度重複学級は3人で1学級と、より教室がたくさん必要になりますから、教室不足が重度重複学級が制限されている要因の一つになっているのではないかという訴えが保護者の方や学校関係者の方々からあります。
 そこで、特別支援教育推進計画第1次計画が策定された2004年度と、昨年度ですかね、最近の直近の数で、特別支援学校の児童生徒数と重度重複学級の数について、それぞれ伺います。 

○浅野特別支援教育推進担当部長 平成16年度の特別支援学校の児童生徒数は8011人、重度重複学級は573学級で、同様の平成27年度の数値は、児童生徒数1万1893人、学級数は574学級となっております。

○里吉委員 約10年間で3882人も、67%--子供たちの数がふえているのに、重度重複学級の数は一つふえているだけということで、これはいかにも不自然だと思いますが、どうしてなのか伺いたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 重度重複学級については、これまでも学校からの事前相談を踏まえ、校長から申請のあった児童生徒について、社会性の発達や日常生活の自立の程度等を総合的に判断して、重度重複学級での教育が適切であるかどうか認定しております。
 重度重複学級の学級編制については、この認定した児童生徒数に基づき、必要な重度重複学級を編制しております。
 今後も引き続き、校長から申請のあった児童生徒の障害の状態等を総合的に判断して、必要な学級を編制してまいります。

○里吉委員 重度重複学級に入るかどうかは個々の判断だといいますけれども、重重学級のある学校の関係者の方、保護者の方などにお話を聞くと、ことしは重度重複学級の生徒が卒業したから、新しく入学する1年生は重度重複学級が認められるよね、こういう話が普通にされているそうなんです。皆さん、重度重複学級は枠があって、それ以上ふやせないという認識なんですよ。教室が足りないから、総合的に判断して重度重複学級の数がふえないようにしているなどということは、もちろんあってはならないことです。重度重複学級もきちんと認定できるような教室確保を求めます。
 我が党は、これまで第3次実施計画では不十分であり、教室不足を改善できないと計画の改善と前倒し、さらに次の計画を早く策定することを求めてまいりましたが、都教委は、新たな計画は何ら示してきませんでした。
 東京都特別支援教育推進計画第3次実施計画の計画期間は今年度末で終わります。都教委は第1回定例会で、障害のある人もない人も社会の一員として区別なく生活する社会を目指し、世界一の都市東京にふさわしい特別支援教育を推進するため、現在の計画に引き続く新たな計画の策定を検討するとしています。この計画策定のスケジュールはどのように考えているのか伺います。
 また、不足が明らかな150教室に、さらなる生徒増や重度重複学級の教室の確保などを見込んで検討する必要があると考えます。普通教室の確保はもちろんのこと、狭い敷地に増築するなどして、子供たちを詰め込む大規模化をなくし、特別教室や体育施設なども十分確保できるよう、学校の新設も含めた計画を策定する必要があると考えますが、見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援教育の新たな計画の策定については、現在検討しております。
 特別支援学校の施設整備の対応方針については、今後検討してまいります。

○里吉委員 今後検討するということなんですが、世界一の東京にふさわしい特別支援教育を推進するというのですから、少なくとも特別教室の転用などが解消されないような計画にすべきではないと思います。
 それから、そのために障害児がふえている現状を踏まえた計画とすることと、いつまでにこの問題を解決するのか、こういう目標が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

○浅野特別支援教育推進担当部長 繰り返しの答弁になりますが、特別支援教育の新たな計画の策定については、現在検討しております。

○里吉委員 一刻も早く計画を策定して、着手していただきたいと思います。  また、他会派の方からもご要望が出ておりますけれども、当面、早急に、少しでも教育環境を改善するために、町田の丘学園で行ったような緊急策など含めて、学校現場や保護者の要望も踏まえて実施することも有効だと思いますが、見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 繰り返しになって恐縮ですが、特別支援学校の施設整備の対応方針については、今後検討してまいります。

○里吉委員 ぜひ早急な検討を改めてお願いいたします。  障害者差別禁止法が施行されたことし、障害のある子供たちの教育を受ける権利を保障して、伸び伸び成長できる環境のもとで学べるようにするためには、関係者の要望も聞きながら、教育活動に必要な特別支援学校の教室確保に全力で取り組むことを求めます。
 以上、発言として、請願の採択を主張し質問を終わります。

◆平和教育に係る課題図書に関する陳情についての意見表明

○里吉委員 陳情28第31号、義務教育課程における平和教育に係る課題図書に関する陳情について申し上げます。
 この陳情は、平和教育を進める立場から、特定の書籍を課題図書にすることを求めています。また、学校図書館、都立図書館にその書籍を平和教育を思わせるフレーズを含んだ特別なスペースに置くことを求めております。
 陳情者の方が平和教育を推進してほしいという率直な思いからこのような陳情になったと推察しますが、学校の課題図書は学校の権限で責任を持って選定すべきものであり、議会が介入すべきものではありません。
 都立図書館は、東京都立図書館資料収集方針に基づき図書資料の収集を行っており、どのような図書資料を収集するかは図書館の判断ですべきもので、ここでも議会が介入すべきものではありません。
 以上の理由から、陳情28第31号は不採択を主張し、意見といたします。

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文教委員会速記録第8号

2016年6月10日(金)

◆大学生等奨学給付金条例案の提案理由の説明(共産党議員団の提案)

○里吉委員 議員提出議案第10号、東京都大学生等奨学金給付条例案の提案理由の説明をいたします。
 今日、都民生活が厳しさを増す中、大学などに進学の意欲がありながら、家庭の経済状況により諦めざるを得なかったり、非正規雇用の増大などで卒業後、低賃金の仕事につかざるを得ず、奨学金を返済できなくなるなどの深刻な事態が社会問題になっています。
 日本の高等教育の学費は世界的に見ても高く、学生の教育を受ける権利を脅かしています。新入生が大学に払う学費は、国立大学が年額約83万円、私立大学は平均で年額131万円にもなります。4年間の学費と生活費は、私立大学生の場合、自宅通学でも732万円にもなります。
 世界の少なくない国々は大学の授業料が無償で、そうでない国も返済の必要のない給付制奨学金制度を持っていますが、日本はそのどちらもありません。そのため、学生の半分が奨学金を借り、その半分以上が有利子です。奨学金を借りた若者は、社会人の一歩を踏み出すときに、既に平均300万円もの借入金を抱えなくてはならないのです。
 子どもの貧困対策の推進に関する法律は、その目的の中で教育の機会均等を掲げ、第13条では、国及び地方公共団体が経済的支援を講じることを求めています。
 全国では、長野県や沖縄県が独自の大学生向け給付制奨学金に踏み出しました。
 安倍内閣は、ニッポン一億総活躍プランで、大学生などを対象にした給付型奨学金を検討するとしていますが、実施時期などは決まっていません。
 東京都が国に先駆けて大学生などへの給付型奨学金を実施することが、学費無償の流れを前進させ、学生の学ぶ権利を保障するためにも大変重要になっています。
 今回提案する条例は、東京都出身の大学の学部、短期大学、専修学校の専門課程、高等専門学校の4年生以上の学生に月額2万円の返済不要の奨学金を給付するものです。  所得制限は、年収350万円未満で、対象者は約5万人、必要経費は約120億円と見込んでおります。実施は、来年4月を予定しております。
 大学生などへの給付制奨学金の必要性につきましては、各会派の皆様一致しているところだと思います。国に先駆けて東京都が実施することにより、未来ある若者に希望を与えることができると確信するものです。
 ぜひ各会派の皆様のご賛同を求め、提案理由の説明といたします。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

◆都立臨海地区特別支援学校(仮称)新築について

○里吉委員 私からも第137号、都立臨海地区特別支援学校(仮称)新築請負契約について伺ってまいります。
 さきの文教常任委員会で、特別支援学校の教室の確保を求めることに関する請願が全会一致で採択されました。子供たちに必要な教育環境をどう保障していくのかという立場から質疑を行っていきたいと思います。
 まず、この都立臨海地区特別支援学校は、知的障害部門の小学校、中学校ですが、新しい学校は、児童生徒数は何人ぐらいを予想しているのでしょうか。また、通学区域はどこになるのでしょうか。伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 臨海地区特別支援学校(仮称)の児童生徒数は、基本設計の段階においては230人程度を想定しております。また、通学区域につきましては、城東特別支援学校と鹿本学園の通学区域を中心に、児童生徒の在籍状況を勘案しながら、近隣の都立特別支援学校とも調整の上、設定する予定でございます。

○里吉委員 児童生徒数は230人程度とのことでした。普通教室は、議案の図面でも確認できますけれども、48ございます。2012年6月に作成した基本計画を読ませていただきましたが、ここでは40学級185人程度としておりましたから、45人ふやしたということだと思います。
 また、通学地域と設置場所についてですが、ここは臨海地区特別支援学校の設置場所、臨海部副都心の青海地区、テレコムセンターの南側です。私は先日、予定地を視察してまいりましたが、すぐ近くには倉庫が建ち並び、大型トラックなどがひっきりなしに走っておりました。
 また、コンテナビル、コンテナターミナル、大江戸温泉物語、こういうものがあって、住宅や商店などのお店はありませんでした。もともと学校をつくるような地域ではなかったので、地区計画を変更したと伺いました。
 先ほどの質疑で、具体的な用地の選定に当たっては、複数の都有地について検討したということでしたけれども、その都有地とは、どの地域に何カ所ぐらいあったのか、どこと比べたのか、そしてその結果、なぜこの場所になったのか、もう少し具体的にお伺いしたいと思います。 ○浅野特別支援教育推進担当部長 具体的な用地選定に当たっては、有明地域も含めて江東区南部及び江戸川区南部の複数の都有地について比較検討を行ったところでございます。 ○里吉委員 1カ所しか場所が出てこなかったんですけれども、複数の都有地、さまざま比較検討したということでした。  先ほどの答弁でも、いろいろ安全性についても検討したということでしたけれども、安全性という点では、どこと比較したのか、具体的に1カ所しか場所をいっていただけませんでしたが、私が訪問した平日の午前中でしたけれども、学校の隣の敷地にコンテナターミナルがあって、トラックだけではなく、大型トレーラーなども頻繁に通っていた、そういう道で、大変心配です。
 さらに、周辺環境という点では、文部科学省の特別支援学校施設整備指針では、地域の生涯学習やまちづくりの核として、地域と連携した施設環境の整備が求められております。
 ここでは、どうやって他の公立学校との交流や地域の方々との交流を行うのか--このことが大切とされていますが、この学校ではどうやって実施をしていくのかお伺いいたします。

○浅野特別支援教育推進担当部長 臨海地区特別支援学校(仮称)におきましては、立地特性を生かした交流方法等の工夫に努めてまいります。
 具体的には、近隣の施設を生かした交流活動のほか、スクールバスを活用した交流機会の確保などを予定しております。
 また、周辺に多くの企業が立地する環境を生かし、企業と連携した就業体験学習などができるような工夫を検討してまいります。
 加えて、児童生徒の居住地域において、副籍制度による交流を推進し、地域とのつながりを充実させてまいります。

○里吉委員 今、ご答弁の中にスクールバスを活用した交流機会の確保というご答弁がありましたけれども、要するにスクールバスに乗っていかなければ、いわゆる地域社会というものに触れられないということだと思うんですね。
 私は、特別支援学校の設置場所は、地域の人たちにも気軽に学校の行事に参加してもらって、子供たちの成長を一緒に見守っていただくような環境がふさわしいと思います。
 公立小中学校は、そもそも地域の中に建っていますから、このような問題は発生いたしません。障害のある子供たちがこれから地域の中で暮らしていくためには、さまざまな体験を社会の中で積み上げていくことが本当に大切になるわけですから、こういう地域の中に学校があるということが重要だということを指摘しておきたいと思います。
 それから、通学地域は、今の城東特別支援学校と鹿本学園、つまり、江東区と江戸川区の子供たちが通うことになりますが、学校の位置、地図で見ましても江東区の南西の、本当に大分端っこの方だと思うんですね。江戸川区からも、また江東区の住宅地からも少し離れたところにあると思います。
 スクールバスで通学することになると思いますが、バスの台数は、先ほど想定台数7台、具体的な台数はこれからというお答えがありましたけれども、通学時間は、都教委が掲げている1時間以内ということで、守れるということでよろしいのか確認したいと思います。 ○浅野特別支援教育推進担当部長 通学時間につきましては、在籍状況に応じたコース等の設定により、長時間にならないよう配慮してまいります。

○里吉委員 長時間にならないように、今も一生懸命配慮していただいていると思うんですが、ほかの学校では、残念ながら1時間を超えているところがまだ残っていると思うんですね。ですから、ここは絶対にそうならないように頑張っていただきたいと思います。
 私たちは、立地については、この場所が教育環境としてふさわしいのだろうかとずっと疑問を呈してきました。同じ臨海地域だとしても、有明北地区の方が近くに公立、私立の小中学校や住宅もあって、バスの乗車も短時間で済みます。
 特別支援学校の新設はずっと求めてきたことでもあり、もっと必要だという立場ですから、この契約案件も反対はいたしませんが、子供たちの安全確保、地域社会との交流などに最大限の配慮をお願いいたします。
 また、小学校低学年の、しかも障害のあるお子さんが毎日何十分もバスに乗って学校に行くというのは本当に大変なことだと思います。スクールバスは1時間以内といわれていますが、くれぐれもこの時間内に、通学時間は長時間にならないように要望いたします。
 さらに、震災のときなど緊急時に家族が迎えに行くことができるのか、交通の便が悪いので心配する声も聞きました。今後、新設の学校建設の際には、設置場所についてもこうした声に応えていただくよう要望いたします。  次に、学校の大きさについてですが、臨海地区特別支援学校の敷地面積、そのうち建築面積、また、建物の延べ床面積を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 臨海地区特別支援学校(仮称)の敷地面積は1万4960平方メートル、建築面積は6697平方メートル、建物の延べ床面積は1万5475平方メートルを計画してございます。

○里吉委員 特別支援学校の教室不足は、学校を設置するための最低基準となる設置基準が特別支援学校にないからだと指摘をさせていただきました。
 しかし、公立学校の校舎は、建設するときの国庫補助の上限である必要面積というものが定められています。国が、これぐらいの広さは必要でしょうから、ここまでは補助の対象にしましょう、こういう面積なんですね。
 特別支援学校の必要面積については、障害区分ごとに、学級数に応じて面積を算出することになっております。
 そこで伺いますが、臨海地区特別支援学校の建設に当たり、国庫補助を受けることのできる必要面積は幾らでしょうか。また、実際の面積は幾らでしょうか。伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律施行令に基づき算出される必要面積は1万545平方メートルであり、また、現在計画している建物延べ床面積は、先ほど答弁いたしましたとおり1万5475平方メートルでございます。

○里吉委員 国庫補助の対象となる必要面積の約1・5倍の延べ床面積の学校を建設しようとしていることがわかりました。
 それでは、次に、公立学校施設実態調査報告、ここには小中高等学校、そして特別支援学校の必要面積、保有面積などが書いてあるわけですが、それぞれの学校、小中高等学校、特別支援学校の必要面積に対する保有面積、実際の面積ですね、この割合はそれぞれ何%か伺いたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 文部科学省の平成27年度公立学校施設実態調査報告によると、必要面積に対する保有面積の割合は、全国では小学校106%、中学校111%、高等学校85%、特別支援学校66%でございます。
 また、都内公立学校では、小学校116%、中学校123%、高等学校103%、特別支援学校87%でございます。
 なお、都内の公立特別支援学校につきましては、全国を21ポイント上回っております。

○里吉委員 必要面積に対する保有面積の割合は、都内公立小中高等学校では100%を超えていますが、特別支援学校では87%ということでした。
 先ほど、特別支援学校は全国より21ポイント上回っているというご答弁をいただきましたが、小学校、中学校、高等学校では全て全国平均より上回っているわけですよね。財政力もある東京で、残念ながら特別支援学校だけ100%を下回っているというのは、やはり大きな課題であると思います。
 また、今回の案件であります臨海部に建てます都立臨海地区特別支援学校(仮称)、ここでは、必要面積の1・5倍の保有面積の学校を建てるわけです。これは、都教育委員会の皆さんが、都教委としてはこれくらいは必要だろうと判断していることだと思うんです。
 ところが、東京全体で見ると必要面積に達していない。これは、その分、狭いところに押し込められているということになるわけです。このことについては、国会でも我が党の質問に馳文科大臣がこのままでいいとは思いませんと答弁をしています。
 障害児の人口もさらにふえることが予想されます。教室不足の解消だけでなく、重度重複学級の教室確保、狭い敷地に増築して子供たちを押し込む大規模化を解消するために、さらなる学校の新築も含めた計画が必要です。
 そこで、特別支援教育推進計画について、現在の計画は今年度で終了します。新たな計画についてはいつまでに策定するのか、保護者や都民の意見はどのように反映するのか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 新たな特別支援教育推進計画は、今後10年を計画期間として年度内に策定いたします。
 策定の過程では、これまでの計画と同様に文教委員会に報告させていただき、委員の先生方からご意見をいただくとともに、パブリックコメントも実施し、都民や保護者の意見を伺う予定でございます。

○里吉委員 新たな計画を年度内に策定するということですが、障害者差別禁止法施行後に策定する新たな計画ですから、決定する前に、学校現場や保護者などに説明をしていただいて、十分に意見を聞いていただきたいと思います。
 そして、その法律にふさわしい、障害のある子供たちの教育を受ける権利を保障する計画としていただくよう要望いたしまして、意見といたします。

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文教委員会速記録第9号

2016年6月13日(月)

◆大学生等奨学金給付条例案(日本共産党都議団提出)について意見表明

○里吉委員 議員提出議案第10号、東京都大学生等奨学金給付条例案について申し上げます。  日本の高等教育の学費は世界的に見て高いにもかかわらず、給付制奨学金制度がありません。そのため、学生の半分が奨学金を借り、卒業と同時に平均300万円もの借金を背負い、返済できずに自己破産になるケースなどが社会問題になっております。
 さきの委員会で、国の責任でやるべきという発言がありましたけれども、これは国以外で、地方自治体でやってはいけないということではないということも確認をさせていただきました。
 また、今回は東京都の条例なので、まずは東京都出身の学生を対象にするということで、他県やほかの自治体でもそれぞれやっている、それに倣って、東京都出身の学生で大学や専門学校などに進学した7万6000人、これを対象とする、そういう条例案を出させていただきました。  子供の貧困対策としても、学費負担の軽減は重要な課題となっています。都議会にも、大学院生の皆さんから、都独自の給付型奨学金制度の創設を求める陳情がありました。私たちのところにも日常的に、大学進学、専門学校への進学の費用の負担が重い、何とかならないかとの相談がたくさん寄せられております。
 東京都として学生の教育を受ける権利の均等を図り、また貧困の連鎖を断ち切るためにも、国に先駆けて大学生等を対象とした給付型奨学金制度を都でつくる意味は大きいと考えます。ぜひ、各会派の皆様とともに可決することができますよう呼びかけさせていただいて、意見表明といたします。

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文教委員会速記録第11号

2016年10月6日(木)

◆都立江北高等学校の改築について

○里吉委員 それでは、私からも、まず都立江北高校の改築について伺ってまいります。
 今、質疑がございましたように、この高校は築48年経過したということで、老朽化した校舎等の全面反転改築を行うとされています。
 ただいまご答弁ありましたように、現在、江北高校には定時制課程がありますが、今後、閉課程となる予定だということで、このことに伴い、自校調理方式による給食提供のための厨房等は設けていないと。なお、閉課程後の転用可能である食堂については確保するということでした。  閉課程になる予定だから厨房等を設けないということなんですけれども、現在、自校調理方式で、できたての給食を食べているということで、それでは新校舎での夜間定時制の生徒に対して、給食の提供はどのようになるのか、改めてお伺いいたします。

○初宿都立学校教育部長 江北高校は、現在の校庭に新校舎を建設する計画であり、新校舎が竣工する予定の平成30年10月31日までは既存校舎で教育活動を行います。その間、定時制課程の給食につきましては、引き続き自校調理方式で提供してまいります。
 新校舎には食堂を確保してございまして、新校舎竣工後、定時制課程の閉課程までの間における自校調理方式以外の給食などの提供方法につきましては、江北高校の現状や学校関係者のニーズ、意見も踏まえまして検討を進めてまいります。

○里吉委員 あと2年間は自校調理方式で給食を提供することができるけれども、新校舎竣工後は、食堂のみで厨房はない学校になってしまうということですね。このことを知った江北高校の定時制の卒業生の方と在校生の方の保護者の方が、何とか厨房を存続してほしいと教育委員会宛てに要望書が出されました。
 定時制に通う高校生にとって、毎日学校でつくられる給食を食べることがどんなに貴重な経験かということを訴えておりました。栄養士さんが生徒の健康も考えて、栄養のバランスのとれた給食を用意していること、季節感のある給食であること、食育の観点からも自校調理方式の給食が大切であるとその要望書には書かれておりました。
 保護者の方が、現在、3年生の息子さんが毎日写真を撮っているという給食の写真の一部を持ってきてくださいました。1年の最初のときから毎日撮影しているそうなんですね。給食が本当においしくて、毎日写真を撮って家族にも見せてくれるということなんです。
 また、定時制高校の廃止の時期、決まっておりませんので、厨房も引き続き存続してほしいという強い要望にぜひ応えていただきたいと思いますが、見解を伺います。

○初宿都立学校教育部長 団体から厨房の存続に関する要望をいただきましたが、転用可能な食堂は確保し、将来不要となる厨房については設けないと回答してございます。

○里吉委員 定時制の閉課程が前提であり、そういうご答弁だということは私も伺いました。閉課程が前提だから厨房は将来不要になるということですが、定時制の廃止には反対している都民の皆さんが今も多くいらっしゃいます。新しい署名活動も行っており、2万筆もの署名が新たに集まっているということも伺っております。
 今後、こうした声に応えて、今、設計されていない厨房施設についても、しかるべき時期に再検討していただくよう求めて次の質問に移ります。

◆王子地区特別支援学校の改築について

 次は、165号議案、王子地区特別支援学校についてです。今回の工事は、都立王子特別支援学校及び都立王子第2特別支援学校を再編し、新しく都立王子地区特別支援学校を設置し、校舎の増改築及び改築を行うというものです。この2つの学校は、どちらも普通教室が足りず、転用や間仕切りなどで対応していると伺っております。
 そこで、まず王子特別支援学校と王子第2特別支援学校において、カーテン等の間仕切りにより確保している教室の数、また、特別教室などの転用により確保している教室の数など、それぞれ幾つあるのか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 王子特別支援学校では、学級数24学級に対し、保有している普通教室数が15教室、転用により確保している教室数が5教室、間仕切りにより確保している教室数が4教室でございます。
 王子第2特別支援学校では、学級数48学級に対し、保有している普通教室数が27教室、転用により確保している教室数が7教室、間仕切りにより確保している教室数が14教室となってございます。

○里吉委員 学級数が24と48ですから合わせて72学級、必要な教室数は72だということですが、それに対して現在保有している普通教室が15と27で42教室、つまり30教室足りないということです。
 新たに増築をするわけですけれども、今回の増改築によって、普通教室は幾つ整備される予定なのか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 今回の増築、改修工事によって、普通教室は79教室整備される予定でございます。

○里吉委員 現在、普通教室42教室ですから、37ふえるということだと思います。現在、30教室不足しているわけですから、転用教室もカーテン教室も全て解消されるということがわかりました。
 改めて今回の整備教室数を定めるに当たって、どのような根拠に基づいて必要教室数を算定したのか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 王子地区特別支援学校(仮称)は、平成22年11月に策定した東京都特別支援教育推進計画第3次実施計画に基づいて再編整備する学校であり、今回の増築、改修工事は、同計画策定時の児童生徒数の推計に基づいて実施するものでございます。

○里吉委員 これから新しい計画をつくるときに、また対象となるお子さんがふえるかもしれないというようなこともいわれておりますけれども、今のところ、第3次計画に基づいてつくられる教室数が若干余裕があるということで、これは大変よかったなというふうに思います。
 教室が足りているのであれば、多くの保護者から要望の強い重度重複学級の増学級なども、新しい学校においてはぜひ進めていただきたいということを要望いたしまして質問を終わります。 

◆都立図書館条例の一部改正条例について

○里吉委員 資料ありがとうございました。
 まず、私からは158号議案、東京都立図書館条例の一部を改正する条例について伺っていきたいと思います。都立多摩図書館のセミナールームの使用料について伺ってまいります。
 もともと多摩社会教育会館の廃止を検討したときに、その機能の一部は移転後の多摩図書館に引き継ぐとされました。そして、正式に多摩図書館の移転が決定した際、定員2百名程度のセミナールームを多摩図書館に設置することとなりました。
 今回の条例提案には、このセミナールームの使用料などが示されておりますが、いただいた資料を見ますと、今までの多摩社会教育会館に設置されていた会議室などに比べ、全く同じ大きさはないんですけれども、若干高いのではないかというふうに思いました。
 そこで、今回、都立多摩図書館セミナールームの使用料、どのように算定しているのか、算定方法について伺います。

○粉川地域教育支援部長 使用料は、光熱水費や建物管理委託料などの施設の維持管理経費及び建物の減価償却費をもとに算定しております。

○里吉委員 この算定方式は、どこの場合でも一緒だというふうに伺いましたけれども、同時に、これ、教育施設の中の、図書館の中のセミナールームですから、さまざまな教育団体の方にも借りていただく必要があると思うんですね。
 14条に使用料の減免についての記載がありますけれども、これは具体的にはどのような場合に減免になるのか、それから、社会教育会館の会議室なども減免があったと思うんですが、そのときも条件は同じなのか、2つお答えいただきたいと思います。

○粉川地域教育支援部長 今定例会に上程しております一部改正条例案におきまして、東京都立図書館条例に、教育委員会は、特別な理由があると認めるときは、使用料を減額または免除することができる旨の規定を加えることとしております。
 減額の割合につきましては、都内の区市町村教育委員会が使用するときは5割、都立を除く都内の小学校、中学校等が主催する教育活動のために使用するときは5割、都内の区市町村教育委員会以外の官公署が使用するときは2割5分とする予定でございます。
 なお、これまでの多摩社会教育会館の会議室との違いでございますけれども、今回、都立多摩図書館セミナールームの使用料を条例において定めるに際しまして、その辺を整理しまして、一部取り扱いに異なる点が生じております。具体的には、都立の学校が使用する場合は、今回は使用料の徴収対象外としております。

○里吉委員 都立の公共施設ということで、新たな料金を取らない対象が広がったということで、よかったというふうに思います。
 市民の社会教育を推進していくという意味では、図書館、学生だけでなく、さまざまな都民の方が使うわけですから、引き続き幅広い団体に対しても減免できるよう、改善できればお願いしたいということを申し上げまして次の質問に移ります。

◆都立光明学園の設置(都立光明特別支援学校と都立久留米特別支援学校の併置校)について

 続きまして、157号議案、東京都立光明学園特別支援学校の設置について伺ってまいります。
 都立光明学園特別支援学校は、東京都特別支援教育推進計画第3次実施計画に基づいて、肢体不自由教育部門の都立光明特別支援学校に病弱教育部門を併設し、都立久留米特別支援学校の教育機能を寄宿舎も含めて移転して設置される、こういう学校です。この計画に対しては見直しを求める声が多く寄せられて、私も陳情の質疑や事務事業質疑などで繰り返し取り上げてきました。
 なぜ久留米特別支援学校をなくすのかとの質問には、医療の進歩や社会状況の変遷等により、在籍する児童生徒の数が少ないこと、今後ふえる見込みがないこと、そのため、学力向上や社会性の育成等のための適正な学習集団の確保が難しいためというお答えを毎回されておりました。
 そこで、改めて伺いますが、そもそも病弱教育部門の対象となるのは、例えばどのような児童生徒なのかお答えいただきたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援学校の対象となる障害の程度につきましては、学校教育法施行令第22条の3に規定されております。
 同条では、病弱者の程度として、
1、慢性の呼吸器疾患、腎臓疾患及び神経疾患、悪性新生物その他の疾患の状態が継続して医療または生活規則を必要とする程度のもの、
2、身体虚弱の状態が継続して生活規制を必要とする程度のものと定められております。

○里吉委員 学校教育法施行令第22条の3ということで今お答えいただきましたけれども、なかなかこれだけ読んでもよくわからないというのが現状だと思うんですね。肢体不自由のお子さんとか知的障害のあるお子さんというのと違って、今ご説明いただいた病弱教育部門の対象となるのはどのような子なのかということは、今読んだだけでも、今聞いただけでもなかなか難しいと思いますし、そもそも余り知られていないというのが現状だと思います。
 久留米特別支援学校のホームページを見ても、どういう子が対象なのかというのはよくわからないんですね。就学相談に行くというのは当然なんですが、事前の知識として、どういったお子さんがこの学校に通っているのか、そういうことを都民が知ることができるようなものがあれば示していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校への就学につきましては、学校教育法等の関係法令に基づき、一人一人の障害の状態、教育的ニーズ、医学等の専門的見地からの意見などを踏まえて、総合的な観点から就学先を決定しており、都及び区市町村教育委員会における就学相談で対応しております。
 都教育委員会では、障害ある児童生徒の就学相談につきまして、ホームページ等で広く都民に周知しております。
 また、区市町村教育委員会の就学相談担当者に対する説明会におきまして、病気や障害の特性、病弱特別支援学校への入学等の手続について説明し、周知を図っております。
 また、特定疾患に罹患したことのみで判断されるものではなく、個別的に判断する必要があることから、対象となる疾病名等を単純にホームページ等で周知することはなじまないと考えております。

○里吉委員 就学相談で周知しているということでした。なかなか特定の病気の名前だけいっても、それが全て当てはまるわけではないので、誤解されては困るということで、病気の名前などでこういう子が対象ですよとはいわないということだと思うんです。
 私、これまでも繰り返し申し上げてきましたけれども、久留米特別支援学校にお子さんを通わせている保護者の方、これ、複数の方からなんですけれども、我が子が病弱でもこの学校の存在を知らなかった、なかなか教えてもらえなかった、そういう話を聞いているんです。
 地元の小中学校に通っていたときには、病弱ですから、学校のペースについていけずに休みがちだったけれども、久留米の存在を知って、就学相談で転校が決まって通うようになったら、見違えるように楽しく学校生活が送れるようになったと。もっと早くこの学校の存在を知りたかった、私たちの周りにもっとこの学校を必要としている子供たちがいるんじゃないか、積極的に知らせてほしい、こういう訴えを本当に何人ものお母さんたちから聞いているんです。
 資料をいただきまして、2ページのところに病弱の通っている子供の数が減っているということで、今回、光明と一緒にする理由の一つにも生徒児童の数が減っているということが挙げられていますが、いろいろと調べてみましたら、これは国立特別支援教育総合研究所ジャーナル、2016年3月号の研究報告のところに載っていたんですが、特別支援学校、病弱の現状というところがありまして、文部科学省の学校基本調査によれば、病弱、身体虚弱特別支援学校の在籍児童生徒数は増加傾向にあるものの、特別支援学校、病弱の在籍数は増減を繰り返し、大きな変化はないというふうにしているんですね。大きな変化はないと。
 それから、全国病弱虚弱教育連盟の病類調査の疾患分類では、特別支援学校の病弱部門に在籍する児童生徒は、主な疾患は肝臓疾患やぜんそくなどだったんですけれども、これは減少していると。心身症などの行動障害が増加の傾向にあるということです。
 ですから、ここで人数が減っているというふうに数字が出ているんですけれども、全国的に見れば病弱の中身は変わっても、今も重要な役割を果たしていて、国の調査でも減っていないということだと思うんですね。ですから、本当に積極的に知らせていけば、この学校に通うべき子供たちがもっといるのではないかというふうに思います。
 今回、1つの学校になるということで、今、工事がまだ続いている中で、こういうスケジュールで学校設置の条例が出ているわけですけれども、工事がまだ途中なんですね。この1ページ目の資料に出していただきましたけれども、これ、保護者の方、大変危惧しております。
 この1ページ目の資料を見ますと、既存校舎等の改修工事というのが今行われております。これはどのような工事が今行われているのか具体的に伺いたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 病弱教育部門の児童生徒を円滑に受け入れるため、今年度は現校舎北棟部分を中心に、管理諸室の改修による教室整備、トイレの改修、給食用のワゴンエリア整備等の工事を行っております。

○里吉委員 病弱の子供を今の既存施設の中に入れるために、今の校舎の北側のところを工事しているということでした。
 久留米から世田谷の光明に移ってくる病弱の子供たち、児童生徒たちは、どこでどのように学ぶことになるのか伺いたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 病弱教育部門の児童生徒は、現校舎の北棟2階部分を中心として学習活動を行う予定でございます。
 病弱教育部門の学習では、肢体不自由教育部門の準ずる教育課程の児童生徒との一部合同授業や学校行事等を通じて、学力の向上や社会性の育成を図ってまいります。

○里吉委員 それから、病弱の子供たちは、全員寄宿舎で生活しながら特別支援学校に通っているわけですから、光明の寄宿舎の方に移ってくると思います。
 肢体不自由の子供たちも寄宿舎に入舎している子供もおりますから、肢体不自由の子供と病弱の子供と一緒に生活することになると思います。施設内のエリア分けや医師や看護師の体制、病弱の子たち、いろいろと体制が必要な子供たちなんですが、これはどのようになっているのか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 寄宿舎につきましては、肢体不自由教育部門と病弱教育部門の入舎生がともに安全に生活できるよう、居室や多目的ルーム等の整備を進めております。
 利用に当たりましては、障害種別や性別の違いを踏まえて、利用するフロアやエリアを設定してまいります。
 また、病弱特別支援学校の寄宿舎機能を引き継ぐため、久留米特別支援学校と同様に、医師や看護師を配置するとともに、健康指導室を整備し、必要な体制を整えてまいります。

○里吉委員 学校の設備と寄宿舎についてお伺いしましたけれども、どちらも私が問題だと思いますのは、今、光明の子供たちが通っている学校、そして寄宿舎、そこに新しく増築するわけではなく子供たちを入れるということなんですね。
 それから、同時にもう一つ心配なのが、教員、栄養教諭などの数の問題です。合築されることで、2校でそれぞれ配置されていたものが、1校になると人数が減るということがこれまでさまざまな併置校で問題になってまいりました。
 今回の条例で光明学園特別支援学校が設置されることで、管理職や養護教諭、看護師の数は再編前後でそれぞれ何人になるのか伺いたいと思います。

○江藤人事部長 公立学校の教職員定数は、国のいわゆる標準法に基づく都の配置基準により定めております。
 平成28年度におきまして、光明特別支援学校につきましては、校長1人、副校長1人、養護教諭2人、看護師2人でございます。
 また、久留米特別支援学校につきましては、校長1人、副校長1人、養護教諭1人、看護師4人でございます。
 ただいまご審議いただいております光明学園につきましては、平成29年度におきまして、校長1人、副校長2人、養護教諭2人、看護師6人となる予定でございます。

○里吉委員 校長先生が、2校から1校になったら1人になってしまうのはしようがないと思うんですけれども、養護教諭が2人と1人ということで合計3人いたのが2人に減ってしまうわけですね。これまで知的障害と肢体不自由の併置校では、養護教諭をふやしてほしいという現場からの強い要望もあって、都独自で養護教諭の配置をふやしている、こういうことも行っていますが、今回はそのようなこともないと伺いました。
 現在の養護教諭の仕事に余裕があるわけではありませんから、新しく病弱の子供が来るということでは、担当の養護教諭を1人きちんと配置して3人にすることを強く求めておきたいと思います。
 そして、整備スケジュール、こちら下のところに書いてありますけれども、1期工事、2期工事、3期工事ということで行われます。これを見ると最後の工事が終わるのが2024年2月、今後、7年以上も工事を行いながら障害のある子供たちが学ぶというのは、教育環境としてはふさわしくないと私は考えます。都教委の見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 久留米特別支援学校の在籍者数は、近年、非常に少なくなっており、学力向上や社会性の育成等のための適正な学習集団の確保が難しい状況にあります。
 一方、光明特別支援学校におきましても、進学などを目指す児童生徒に対して、適正な学習集団による教科指導の充実が求められております。こうした状況を踏まえて、平成29年度に光明学園を開設することといたしました。
 なお、光明学園の改築工事に際しましては、児童生徒の安全確保を図ることはもとより、利用可能な空間を有効に活用して教育活動を展開するとともに、騒音、振動対策や粉じん対策を的確に行い、適切な教育環境の保持に努めてまいります。

○里吉委員 適切な教育環境の保持に努めるというご答弁でしたけれども、最初にもいったように、病弱教育の対象となる児童生徒はもっといると思うんですね。家の近くの小学校や中学校に休みながら何とか通っているという子供が、この久留米に来れば元気に学校に通えるようになる、こういう子がいると思うんです。ですから、きちんと都民に広く病弱教育の特別支援学校のことを広げていただきたいと思います。
 また、一番よい環境は今の久留米なんです。自然も豊かで、後ろに山があって、本当にいい場所だと思います。
 それでも移転するというのであれば、旧梅ケ丘病院跡地に建設する新校舎が完成して、そこに肢体不自由の子供を半分移動させて現在の校舎の半分の工事を行う、1期工事が完成したら、そこにもう半分の子供たちを移動させて2期目の工事を行う、そして全体が完成したら、初めて病弱教育部門の子供たちが移転してくる、工事終了の落ちついたところに移転してくるというやり方が、教育環境に配慮したやり方といえるのではないでしょうか。
 現在の肢体不自由部門と併置するということについても、改築工事が始まる前にスタートさせるというやり方についても、障害のある子供たちにとって本当に適切な教育環境とはとてもいえないということを強く申し上げて質問を終わります。

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文教委員会速記録第12号

2016年10月11日(火)

◆都立光明学園の設置、都立久留米特別支援学校の廃止条例に反対する意見表明

○里吉委員 第157号議案、東京都立学校設置条例の一部を改正する条例について申し上げます。
 東京都立光明学園特別支援学校については、なぜ病弱部門である久留米特別支援学校を併置するのか、なぜ新しい校舎の建築に入る前に、病弱の児童生徒にわざわざ久留米から移ってもらうのかなど質疑を行いました。
 文部科学省の調査でも、病弱部門の対象である子供の数は特に減少していません。しかし、病弱特別支援学校はまだ広く知られていません。もっと多くの都民に病弱特別支援学校の存在を広報し、必要な児童生徒が学べるようにすべきです。
 また、学校の規模が小さくても、人数が少数ですばらしい教育を行っている学校は幾らでもあり、病弱部門の児童生徒数が減っていることをもって久留米特別支援学校をなくし、光明と併置する理由にはなりません。今ある学校で学ぶのが病弱部門の子供たちには最善の教育環境だと思います。
 現在、光明特別支援学校の子供たちが学んでいる校舎の一部に病弱部門の子供たちを通わせ、3期に分けた7年にもわたる改修工事を進めている中で学校生活を送るということも、障害のある子供たちが学ぶ環境としてふさわしくありません。このような移行は避けるべきです。今通っている久留米の校舎があるわけですから、工事中はそこで学び、工事が終了した後に移ってくるというのが一番移転のストレスなどが少なく済む方法だと思います。
 2つの学校が一つになることで児童生徒数は変わらないのに、養護教諭の人数が減ることも問題です。
 以上の理由から、本件には反対とし、意見といたします。

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文教委員会速記録第15号

平成28年11月8日(火曜日)

◆日本語を母語としない生徒の都立高校入試制度について

○里吉委員 それでは、私からも質問を始めていきます。
 まず初めに、資料をご用意いただき、ありがとうございました。
 きょうは、まず初めに、日本語を母語としない生徒の都立高校入試制度について伺います。  現在、東京都立高等学校入学者選抜検討委員会において、日本語を母語としない生徒を対象にした入試制度について検討する特別部会を設置して検討が進められております。
 入学者選抜検討委員会に特別部会を設置するに至った経緯、目的、どのようなメンバーで構成されているのか、まず伺います。

○初宿都立学校教育部長 平成28年度入学者選抜から、外国籍生徒に対する特別措置として、一般の学力検査において共通問題に平仮名のルビを振る措置に加え、辞書の持ち込みと辞書の持ち込みに伴う検査時間の延長を行いました。
 この特別措置のあり方等について検討するため、外部有識者や日本語学級の教員などで構成いたします特別部会を設置しました。

○里吉委員 都立高校の入試が3教科から5教科になるということで、外国籍生徒に対する対応がどのようになるのか、関係者から大変心配する声が寄せられていましたから、今回の辞書の持ち込みと時間延長という特別措置のあり方について、特別部会で検討することは重要だと思います。
 また、この特別部会では、例えば在京外国人入試の試験科目や応募資格、資格確認の方法、都立高校1次、2次検査での特別措置などは検討対象になっているのでしょうか。伺いたいと思います。

○初宿都立学校教育部長 現在、特別部会では、一般の学力検査において昨年度導入しました辞書の持ち込みなど、外国籍生徒に対する特別措置のあり方等について検討を行っております。  あわせて、在京外国人生徒対象の入学者選抜の応募資格など、外国籍生徒の受検に関するさまざまな課題についても検討内容としております。

○里吉委員 さまざまな課題が検討内容に入っていることがわかりました。日本語の習得が十分でないのに、日本国籍を持っているために特別措置を受けることができないのは問題ではないかとか、在京外国人入試とか、1次、2次試験の特別措置対象者を来日、帰国、今3年以内ですけれども、7年以内にしてほしいなどなど、多岐にわたって改善を求める意見が繰り返し関係者から出されております。特別部会で丁寧に議論していただくよう要望いたします。
 また、全日制課程第1次募集で初めて5教科入試が行われて、日本語を母語としない特別措置対象の生徒の中には、辞書の持ち込みと時間延長で受検した方がいました。
 特別部会でこの影響についてアンケートを行うことになっているというふうに伺いましたが、このアンケートを行う理由とその内容、対象についても伺います。

○初宿都立学校教育部長 外国籍の受検者に対する特別措置の成果と課題を検討するに当たりましては、この措置を利用した受検者の入学後の学習や生活の状況等を確認する必要があり、外国籍生徒に対するアンケート調査を実施いたします。
 現在、アンケートの内容や対象者等についての検討を行っている状況でございます。

○里吉委員 民間団体の皆さんなどがこれまで実態調査を行ってきましたけれども、特別部会として外国籍の生徒に対するアンケートを行うということで、これは本当に大きな一歩だというふうに思います。より多くの生徒や教職員などから実態を聞く調査となるようにしていただきたいと思います。
 また、2016年度の生徒募集では、竹台高校と南葛飾高校の2校で在京外国人生徒対象枠が設定されましたが、来年度も府中西高校に対象枠を設定することが先日発表されました。なぜ府中西高校に新設することとしたのかその経緯を伺います。

○初宿都立学校教育部長 都教育委員会では、都立高校における在京外国人生徒対象枠の応募倍率が、普通科の一般枠と比べ応募倍率が高い状況にあったことや、都内外国人人口の増加傾向が続くと想定されることから、これまで計画的に設置してまいりました。
 平成28年度入学者選抜におきましても、普通科一般枠以上の倍率となったことや、これまでの設置校が全て23区内であることなどから、平成29年度の生徒募集において、多摩地区の高校に新設することといたしました。
 学校の選定に当たりましては、市町村の外国人中学生の在籍状況、各都立高校における生徒の学力状況などを考慮した上で、交通の利便性を有する府中西高校に設置することとし、学校と事前に協議を行い、新設の理解を得た上で決定いたしました。

○里吉委員 今回やっと多摩地区に新設されたことについては、本当に待たれていたことですし、我が党も求めてきました。ほかの会派の議員の方も繰り返し求めてきたことですので、これは評価できることだと思います。
 そして、さらに在京外国人の方、人数は今後も増加が想定されますから、これまで設置してきた普通科にこだわらず、都立高校全体で設置校をふやしていくべきだと考えますが、都教育委員会の見解を伺います。

○初宿都立学校教育部長 今後の都立高校におけます在京外国人対象枠の設置につきましては、受検を希望する在京外国人生徒の学力や、進路希望の多様性について配慮していく必要がございます。
 そのため、中学校に在籍いたします在京外国人生徒の状況やニーズを適切に把握した上で、今後の適正な規模と配置について引き続き検討してまいります。

○里吉委員 多様性に配慮して、ニーズなども適切に把握した上で検討するということですから、普通科以外、例えば工業科、商業科なども含めて検討していただきたいと思います。
 次に、教員配置について伺います。
 この在京外国人入試は、英語か日本語の作文と面接での入試になっているために、英語入試で合格した生徒の中には、ほとんど日本語のわからない生徒さんもいるそうです。極端なことをいえば、あいうえおがわからなくても入学できるということだそうです。また、中国から来たお子さんの中には、漢字はわかるけれどもしゃべれないなど、日本語の習得状況が本当にさまざまだそうです。
 小中学校の日本語教育を見ますと、日本語学級の教員配置は10人から20人の子供に対して1人の配置になっております。21人から40人だと、教員の数3人というふうになっております。
 しかし、在京外国人枠を設けている学校では、15人とか20人の定員にかかわらず、1人しか配置していないというのは少ないのではないかと思うんです。在京外国人枠を持つ高校も日本語教育の必要な生徒の数や実情に応じて教員数をふやすなど、教職員体制の拡充が必要だと考えますが、都教育委員会の見解を伺います。

○江藤人事部長 在京外国人生徒枠のある都立学校につきましては、多様な外国人生徒に対する指導を行うために教員を1人加配しております。
 また、学校の実情に応じて、いわゆる取り出し授業を行うために時間講師を配置しているところもあり、適切に対応しております。

○里吉委員 時間講師も配置しているというご答弁でしたけれども、先ほど特別部会でアンケートを行うという話がございました。英語受検で受かったお子さんが、生徒がどういうふうに日本語指導を受けているのか、十分なのかどうかもぜひ聞いていただきたいと思うんです。
 これまでですと、英語で受検して入学した生徒の中には、日本語習得がなかなかできないまま残念ながら退学してしまった生徒さんもいるということも伺っております。ですから、そういう意味では十分な体制ではないのではないかというふうに私は感じております。
 それから、3部制の学校なんですが、ここも3教科受検で、日本語が余りできなくても、英語と数学が高得点をとれる生徒さんが入学してくるそうです。ことしは特に、5教科受検を避けてこの3部制の学校に、日本語ができないけれども英語と数学はとてもできるという生徒さんが集まってきているというふうに伺っております。
 ここは特に教員の加配もなく、今現場の工夫で何とか授業を行っているということですが、こうした現状もぜひつかんでいただいて、日本語を母語としない、日本語の勉強が必要な子供たちのための必要な教員の加配を求めまして、次の質問に移ります。

◆医療的ケアが必要な子どもに対する教育を受ける権利を保障することについて  

 次は、医療的ケアが必要な子供に対する教育を受ける権利を保障することを求めて質問を行ってまいります。
 私は、これまでの委員会でも、何回か医療的ケアが必要な子供たちが教育を受ける権利が保障されていない、これをしっかり保障してほしいということを求めて質問を行ってまいりました。
 東京都は、全国に先駆けて障害児の全員就学を実現してきたという歴史があります。医療の進歩により、重度障害、重度重複障害の子供の数もふえていますが、そうした子供たちにも就学を保障するのは都教育委員会の責任です。
 医療の進歩で、経管栄養や気管切開、人工呼吸器等が必要なお子さんでも、自宅で生活し、学校に通える子供たちがふえてきました。現在、医療的ケアを必要とする子供は、都立肢体不自由特別支援学校全体の約3分の1にも上っております。一言で医療的ケアといってもその内容はさまざまで、子供によってその対応も違います。
 そこで、まず特別支援学校に通う医療的ケアが必要な児童生徒への対応について、都には要綱があると聞いておりますがどのようなものか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、学校において日常的に医療的ケアが必要な児童生徒に対し、安全かつ適切に医療的ケアを行うための実施体制の整備を目的として、都立肢体不自由特別支援学校における医療的ケア実施要綱を制定しております。
 この要綱では、学校における医療的ケアの実施者及び実施することができる範囲などを規定してございます。

○里吉委員 私も読ませていただきましたが、医療的ケアを必要とする子供が、健康で安全な学校生活を送るために、誰がどのような医療的ケアを行うことができるのかということが書かれております。看護師さんができること、教員や学校、介護職員ができること、またできないことなどが示されておりました。
 今回はその中の一つ、経管栄養について伺いたいと思います。  学校での給食、食事ですが、この経管栄養できることになっているんですが、半固形物にしてほしいという要望が出ていますが、この要綱を見ますと、実施できる要綱の中には、胃瘻または腸瘻による経管栄養とあるだけで、これができるのかどうかというのがわからないんですね。実際には、半固形物による胃瘻などは行われていないと伺っております。
 例えば、市販されている半固形物などは利用できないのでしょうか、現状、見解を伺います。 

○浅野特別支援教育推進担当部長 学校で実施することができる医療的ケアの範囲は実施要綱で規定してございます。この実施要綱には経管栄養の項目がございますが、具体的な内容までは定めておりません。
 市販されている半固形物の利用につきましては、医療機関ではない学校において安全かつ適切な実施が可能かどうか、医学的知見に基づいた慎重な検討が必要でございます。

○里吉委員 医学的見地に基づき検討が必要ということでした。
 医療的ケアを必要とする児童生徒に対する学校での医療的ケアを実施するために、医療的ケア運営協議会というものが設置されております。年数回開催されていると伺いました。ここには、要綱もいただきましたけれども、医療関係者の方や保護者の方、学校職員の方、それから都教育委員会の方などが参加をされております。こういうところでぜひ実現に向けて、専門家のご意見も聞きながら検討していただきたいということを要望しておきます。
 次に、通学保障について伺います。
 医療的ケアの必要な子供の中にはスクールバスに乗ることができず、自家用車、その他の方法で通学しているお子さんが多くいらっしゃいます。
 現在、どれくらいの児童生徒がスクールバス以外の方法で通学しているのかまず伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 平成28年5月1日現在、肢体不自由特別支援学校に在籍する児童生徒のうち、スクールバス乗車中に医療的ケアが必要なため、スクールバスに乗車していない児童生徒は193人でございます。

○里吉委員 5月1日現在ですが、193人の子供たちがスクールバスの利用ができないことがわかりました。
 このスクールバス利用できない方はどうやって学校に行っているかというと、自家用車で行っている場合、おうちに車がなかったり運転して送迎できる方がいなかった場合は、福祉タクシーを利用するなどしないと学校に通うことはできないわけです。
 自分のうちに自動車がないとか、送迎するお母さんが免許を持っていない、こういうときに保護者の中からは、せめて保護者同伴でスクールバスに乗せてほしいという要望が毎年出されているのも当然だと思うんですね。
 スクールバスを小型化にした福祉タクシー、学校としてこれを、福祉タクシーをスクールバスとして活用するだとか、さまざまな方法を検討して、親御さんが連れていく手段がないから本当は学校に行けるのに学校に行けないということがなくなるように、これ繰り返し要望しているのできょうは要望にとどめておきますが、ぜひ検討していただくように要望しておきたいと思います。
 それから、肢体不自由特別支援学校で、医療的ケア実施のために、付き添いが送り迎えだけではなくて学校にずっと付き添っていなければいけない、こういうお子さんもいらっしゃいます。
 現在、学校に保護者の方が付き添っている、こういう人数と、特に教室で待機している保護者の方、どれぐらいなのか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 平成28年9月15日現在、肢体不自由特別支援学校の医療的ケア実施のために付き添いが必要な保護者は33人でございます。そのうち、教室内で待機している保護者は16人でございます。

○里吉委員 4月はもうちょっと付き添いをしているお母さんたち多いと思うんですが、いろいろ看護師さんに対応してもらって、2学期からは付き添わなくてもいいという方もいらっしゃるということで、9月15日現在だと付き添いが必要なお子さん、33人ということだというふうに思います。
 しかし、9月になっても付き添っているこの33人の保護者、多くはお母様だと思うんですけれども、ここはずっと付き添いが必要な方が多いと思うんですね。子供たちが授業を受けている間中ずっと待機しているということです。
 医療的ケアが必要なお子さんですから、家に帰っても、お母さんはほぼ子供につきっきりだと思います。本当に休む間もなく対応しなければいけないということで、これでは親の方が参ってしまうわけです。
 それで、どうしようかと学校に相談すると、学校から示される解決策が、訪問学級もありますよというふうに勧められるそうです。でも、子供たちは学校で、今、楽しくお友達と一緒に毎日過ごしているわけです。家の中で先生と一対一の訪問学級とはまるで違います。
 先生やお友達もたくさんいて、さまざまな刺激を受けることのできる学校は、訪問学級に比べたら子供の発達も全然違います。訪問学級になったら、お友達との関係も切れてしまいます。
 訪問学級は、子供本人の体力などの理由で、学校に通うことのできない子供に就学の機会を保障するために必要な制度であり重要だと思いますが、子供本人に気力も体力もあって本来学校に通えるはずが、通学手段がなかったり親の都合で付き添いができずに訪問学級になっているとしたら、これは問題だと私は考えます。
 保護者の付き添いが必要な医療的ケア、これがなかなか減らないということが、これまで私もずっと質問してきたわけですが、具体的にはどのような場合なのか改めて伺いたいと思います。 

○浅野特別支援教育推進担当部長 保護者の付き添いが必要な医療的ケアとは、学校が実施することが困難な高度な医療的ケアであり、主として人工呼吸器の管理が必要な場合でございます。 

○里吉委員 主には人工呼吸器をつけているお子さんについて、保護者の付き添いが必要ということでした。しかし、今述べましたように、全ての保護者の方が送迎や付き添いができるわけではありません。
 私が以前お話を伺ったお母さんは、子供が小学生なんですけれども、呼吸器をつけています。今、小学校1年生です。毎日お母さんが付き添って学校まで行って、トイレ以外は全て隣にいる状態で授業を受けている、こういう状態なんですね。この子も、もしお母さんが倒れてしまったら、訪問学級がいいですよというふうに勧められているんです。
 そこでちょっとお伺いしたいんですけれども、スクールバスに乗れないとか、それ以外の対応もとれなくて訪問学級になっているというお子さん、保護者が付き添えないために訪問学級になっているお子さん、現在どれくらいいるのか伺いたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 平成28年5月1日現在、在宅で訪問教育を受けている児童生徒は157人でございます。
 なお、健康面や体力面での負担や感染症への危険性などの医療面や医療機器の運搬や通学方法の準備などの通学に係る負担などの要因が複合的に組み合わさっているので、通学できない理由を特定することは困難でございます。

○里吉委員 今、分けるの困難というふうに答弁ありましたけれども、具体的には、先生に相談して、訪問がありますよといわれた方とか、それから看護師さんを自分で雇ったらいかがですかといわれたお母さんもいらっしゃるんですね。ということは、お金があれば看護師さんを雇ってお子さんは通学できるわけですから、本人の原因ではないということだと思うんですね。
 今お話しした方なんですけれども、小学校入学して、毎日週5日、お母さんが付き添って通っていました。ところが、お母さんが過労で体調を崩してしまって、今は週3回の登校に控えているそうです。
 お子さんは、学校が楽しくて友達もいるので、あしたは〇〇君はお休みだよというと泣いてしまうそうなんですね。お母さんは毎回、ごめんねお母さんが疲れてしまって、謝っている。本人は元気なので本当は連れていってあげたいけれども、自分が倒れてしまっては元も子もないということで、仕方なく今、週3回、それでも頑張って通学しているということでした。
 この方も都教育委員会の方に相談したら、ご自分で看護師さんにお願いして付き添いをしてもらっている方もいらっしゃいますよというふうにいわれたそうですが、経済的にはそれが難しいので諦めているといっておりました。
 また、来年入学する予定のお子さんも、下に兄弟がいて学校への付き添いは難しいので、今から訪問にせざるを得ないと諦めているというお話も聞きました。
 子供の体調ではなく、通学の手段がなかったり付き添いができないために、訪問学級になっている子供の数、カウントできないというご答弁でしたが、これはちゃんと調べればわかると思いますので、今後明らかにしていただきたいと思います。
 また、学校現場も、都教育委員会も、本当に努力をしていただいていることは私も理解をしております。それでも、やはり今の医療の進歩に学校の対応が追いついていないのではないかということも感じます。
 東京都は、医療的ケアの必要な子供について、さらに学校で教育が受けられるよう、要綱の見直しや看護師の配置をふやすなど、さまざまな角度から検討していただきたいと思いますが都教育委員会の見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、これまでも社会福祉士及び介護福祉士法の一部を改正する法律の施行に合わせて、特定の研修を受講した教職員が学校で医療的ケアを実施できるようにするなど要綱を改正してまいりました。
 また、学校で実施可能な医療的ケアを適切に実施するために必要な看護師については、常勤看護師の配置に加えて、学校からの申請に基づいて非常勤看護師の配置に必要な予算を確保しております。
 さらに、学校で実施できる医療的ケアの範囲につきましては、児童生徒の生命の安全と健康の維持を第一に考え、医学的知見に基づいた慎重な検討が必要であると認識しております。

○里吉委員 現在、厚生労働省では、医療的ケア時の支援について新たな検討、具体化が進められていると伺っております。
 また、私の地元世田谷区には国立成育医療センターがありまして、医療的ケアの必要なお子さんが比較的多い地域ではないかと思います。
 世田谷区では、医療的ケアを要する障害児者に関する実態調査を昨年度行いました。そこでも、就学前から17歳までの課題として、福祉と医療と教育の課題ということで、医療的ケアがあると、通学できなかったり、保護者が付き添わないと通学できない場合が多い、学校で一緒にいることが負担になっている、こういうことが挙げられておりました。
 児童生徒の生命の安全と健康の維持を第一に考えるのは、当然のことですし大切なことです。
 一方、医療も進歩しており、要綱をつくったときには想定されていなかったものもあるのではないかと思います。医療的ケアを必要とする子供たちの教育を受ける権利を保障するために、要綱の改定や看護師配置の拡充など、さまざまな工夫を行っていただいて、積極的に取り組んでいただくように要望し次の質問に移ります。

◆特別支援教室(公立小学校での特別支援教育)について

 続きまして、ことしから本格的に始まりました特別支援教室について伺ってまいります。
 資料もいただきましたけれども、改めてこれまで通級といわれていたところ、情緒障害の通級学級が特別支援教室に変わって、今改めて全体どれくらいの公立小学校で特別支援教室が実施されているのか。昨年と比べて通っている児童数、そして教員数の人数はどうなっているのかまず伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 平成28年度に区市町村教育委員会が特別支援教室を設置した学校数は1286校中602校でございます。
 また、小学校において在籍学級を離れて、一部特別な指導、支援を受けている発達障害の児童数は、平成27年度は7190人であり、平成28年度は9469人でございます。
 特別な指導、支援を行う教員数は、平成27年度は1061人であり、平成28年度は1132人でございます。

○里吉委員 今、数を示していただきましたけれども、いただきました資料にも、15、16ページにございますが、児童数は16ページの一番下のところにあります。これ引き算すると、2279人児童数はふえております。教員は71人増です。教員一人当たりの児童数がふえているのがわかると思います。
 私の住む世田谷区で見ますと、教員数は59人で変わりませんが、児童数は401人から504人と100人以上もふえております。
 これは、これまで10人で1学級プラス1人という教員配置だったものが、自治体ごとに10人に1人となったので、世田谷区では子供の数が590人になるまで、教員数は5年間の経過措置の間ではこのままだということだと思います。
 拠点校への登校の負担がなくなったこともあって、特別支援教室に通う児童がふえたこと、本来行くべき子供が通えるようになったことは評価できますが、一方で教員の配置基準が引き下げられたことの影響が私は既に出ているのではないかと思うんです。
 いろいろお話聞きますと、今までと同じだけの時間数が確保できていない、今まで通級を4時間受けていたけれども現在は2時間になっている、こういう実態も寄せられております。
 都教委が保護者向けにつくったリーフレットには、これまでどおり必要な時間数の指導を受けることができますというふうに書かれておりましたが、実際にはできていないのではないかと思います。
 それから、教室の整備はどうか。実際に始まった特別支援教室は、専用の教室の場合や既存施設の転用の場合、巡回があるときだけどこかの部屋を借りて、特別支援教室として使っている場合などがあると思いますが、この教室整備について都教育委員会の基本的な考え方を伺います。 

○浅野特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、特別支援教室の導入ガイドラインにおいて、教室整備の基本的考え方につきまして、専用のスペースを設ける場合や既存施設を有効活用する場合、巡回指導の日にのみ使用する兼用とする場合など、さまざまな工夫があることを示しております。
 小学校における特別支援教室の施設や設備は、各校の実情に応じて区市町村教育委員会が適切に判断し整備するものでございます。

○里吉委員 そうなんです。通級指導学級の設置校は、通級専用の教室そしてプレールームなど、専用施設が必ずありましたが、今ご答弁にもありましたように、特別支援教室については、都教育委員会のガイドラインで既存施設の有効活用や兼用などでも可能というふうにしているわけですね。
 結局、専用の部屋を用意できない場合は、さまざまな教材を置く場所もないし、私がお話聞いた先生は、教員が全部の必要な教材を持って移動している、こういう先生もいらっしゃいました。集団指導を行うためのプレールームがなければ、その場所の確保もしなければならないわけです。
 都教育委員会は、この部屋を用意するために、既存施設を転用する、いろいろ準備をするためのお金も出して工事をされたと思いますが、この補助金を使って工事を行った学校、どれくらいあるのか、どのような工事が行われたのか伺いたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援教室の環境整備に当たり、東京都公立小学校特別支援教室設置条件整備費補助事業による補助を行った学校数は、教室設置校602校のうち263校でございます。
 また、環境整備の主な内容は、部屋の分割や個別スペースを設けるための間仕切りの設置、照明の増設や位置の変更などでございます。

○里吉委員 602校のうち263校が補助金なども使って整備をしたというご答弁だったんですが、それでは、専用の部屋をつくった学校はどれくらいあるのかとか、既存施設を転用した特別支援教室はどれくらいあるのか、また巡回指導があるときにだけ、どこかの教室を借りている特別支援教室はどれくらいあるのかというふうに伺いましたら、それはわからないというお答えでした。
 これはぜひ、そういうことも今、途中だと思いますが、例えば導入1年目の年度末などにきちんとどういう体制になっているのか、都教育委員会の責任でつかんでいただきたいというふうに思います。
 4割を超える学校で間仕切りの設置など、何らかの改修工事を行ったことがわかりましたが、学校現場の話を聞きますと、個別の部屋がなくてパネルで仕切っただけで、声が丸聞こえで集中できない、兼用の部屋で余分なものが多くあって刺激になってしまうなど、せっかくの個別指導の場、集中して勉強できる環境になっていない、ぜひ改善が必要だという要望が多く寄せられておりました。
 それから、集団指導については、広い部屋がなくて体を動かすスペースがない、窓ガラス、蛍光灯に安全対策がないのでボールが使えないなど、そういった課題も寄せられておりました。  こういったことについても、まだ導入1年目ですから、これから改善することができないのか、それぞれの区市町村の教育委員会とも一緒になって、改善のために取り組んでいただきたいと思います。
 小集団指導について伺います。
 情緒障害等通級指導学級では、特別指導と小集団指導を適切に組み合わせて、大きな成果を上げていました。
 ところが、現在行っている特別支援教室への移行の中で、小集団の指導を行わないとか、行えないというところが出ているようなんですね。これまでの情緒障害等特別支援学級で行ってきた小集団指導が学校によっては行われていない、その理由について伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 小集団の指導は、例えば特別支援教室の中で行うほか、学校の実情に応じてさまざまに既存施設を有効に活用して行っております。
 また、小集団の指導は、児童の障害の状態等に応じて実施するものであり、小集団という指導方法によらない場合もございます。

○里吉委員 小集団という指導方法によらない場合もあるということなんですが、必要な場合は小集団指導をやれるというふうにこれまでお答えになっていたと思うんですね。
 実際には、小集団指導が例えば場所がなくてできないとか、メンバーがうまくそろえられなくてできないとか、私いろいろ聞いているんです。都教育委員会としては、本人の実情ではなくてそれ以外の理由で、小集団は必要だと思っているが実際にはできていないという現状はつかんでいないんでしょうか、お伺いします。

○浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援教室における指導では、児童の障害の状態等に応じて指導計画を個別に作成することが基本であり、指導の目標を達成する上で効果的である場合に、小集団による指導を実施するものでございます。
 また、自立活動の指導を小集団で行う場合でも、必ずしも専用の施設や広いスペースが必要なものではなく、学校の実情に応じた工夫は可能と考えております。

○里吉委員 いろいろな工夫で小集団指導が必要な場合はできているというお答えだったんですけれども、小集団は必要だと思っているが、実際にはできていない現状は、特につかんでいないということでよろしいんでしょうか、お伺いします。

○浅野特別支援教育推進担当部長 自立活動の指導を小集団で行う場合でも、必ずしも専用の施設や広いスペースが必要なものではなく、学校の実情に応じた工夫は可能と考えております。その判断は、区市町村教育委員会が適切に判断するものでございます。

○里吉委員 同じ答弁なので、ちょっと違う話をしたいと思うんですが、多分、教育委員会の人もご存じだと思うんですが、東京都市長会からの重点要望、来年度に向けての要望、5項目にわたって、主には教員をふやしてほしいということ、それから、小集団指導するための場所を用意するための財政措置が欲しい、このような要望が出ているわけですね。
 ということは、区市町村として、これは市長会ですから、多摩の方の方々、教育委員会では、小集団したいけれども、なかなか場所ができなくて、それを何とかしたいと。東京都に対して、国に対しても財政的支援を求める要望になっておりますけれども、そういうことをいっている。これはごらんになっていますか、それだけ確認します。

○浅野特別支援教育推進担当部長 はい、見ております。

○里吉委員 見ているというお答えでしたので、これからぜひ検討していただけると思いますが、5項目にわたって書いてありますので、全部は読みませんけれども、例えば発達障害等の児童生徒の指導と支援には、集中して学習できる環境と小集団指導にも対応できる施設設備の整備が必要である、整備に係る予算の拡充を国に強く働きかけるとともに、都においても十分な財政措置を講じられたい、こういうことも書いてあるわけです。
 いろいろな項目、多岐にわたっていますけれども、おしなべてもっと先生をふやしてほしい、基準をもとに戻してほしい、そして、きちんと施設を用意するための財政的支援してほしいということが出されているっていうことからしても、やっぱりこれ、まだ不十分だということではないかということで、ぜひこれは検討していただきたいということを申し上げておきます。
 それで、これは2014年の事務事業質疑で当時の金子指導部長も、発達障害の児童生徒は、怒りやいらいらなどの感情や行動の自己制御が難しいから、対人関係のトラブルを生じやすい傾向があると。だから、通級では人とのかかわりの中で感情や行動を自己抑制する力を養うことを目的に、勝敗のわかりやすいゲーム活動やロールプレーを取り入れた学習などいろいろ行っているんだと。今後、導入を予定している特別支援教室でも、児童生徒一人一人の障害の状態を踏まえて、小集団による指導を必要に応じて行っていくといっているわけですね。
 今のご答弁だと、必要がある生徒児童にはやっているけれども、それが必要なくなったかのようなご答弁に聞こえたんですけれども、決して現場ではそうは思っていないということだと思いますので、ぜひ対応していただきたいと思うんです。
 現状をつかんで、小集団指導を行うために、教員配置や拠点校への通級を認めることや、何らかの対策をとっていただきたいと思うんですが、最後にいかがでしょうか。

○浅野特別支援教育推進担当部長 特別支援教室については、今年度から始まったものでありまして、区市町村教育委員会や学校の実情をよく聞きながら、適切に検討していきたいと思っております。

○里吉委員 ぜひ現状つかんでいただいて、対応していただきたいと思います。  そして、教員の指導力向上についても、先ほども質疑がありましたので、これは質問いたしませんけれども、拠点校に5人、10人、先生がまとまっていたときには、経験のない先生もベテランの先生も一緒に授業をつくっていく中で専門性を磨くことができました。
 今、特別支援教室は、先生がばらばらに通うので、新人の先生にはきついのではないかという不安が出されていて、先ほどOJTという話がありましたけれども、経験豊かな先生と新人の方が一緒になって学校を巡回する、そういうこともやっている区市町村もあるということだったと思うんですね。
 そういう区市町村がある一方で、それができていないところもあります。ですから、これから子供もどんどんふえていきますし、特別支援教室で専門性を発揮していただく先生を育てるために、この現状についてもぜひつかんで、対応を今から考えていただきたいということを申し上げて、最後の質問に移りたいと思います。

◆少人数学級、35人学級の拡充について

 最後は、少人数学級、35人学級について伺います。
 東京都では現在、小学校1、2年生と中学校1年生が35人学級となっていますが、小学校3年生以上に拡大してほしい、全学年で実施してほしいというのが保護者や校長会、副校長会から都民の強い願いとして出されてまいりました。
 文部科学省の中央教育審議会初等中等教育分科会は、2010年、暴力行為やいじめの増加、不登校の深刻化、特別支援学級の割合、日本語教育が必要な外国人児童生徒の増加などなどの事例を示しながら、生徒指導等の課題が複雑化、多様化し、学級の秩序が確保できなくなるなどの事態も生じるなど、40人という学級規模では学級経営が困難になっているという見解を示しております。
 そこで伺いますが、都教育委員会は、このような現状認識をどのように受けとめているのでしょうか、伺います。

○粉川地域教育支援部長 都教育委員会は、小1問題、中1ギャップの予防、解決のため、小学校第1学年、第2学年及び中学校第1学年において、35人学級編制を可能としております。
 また、学校が直面する複雑化、多様化している教育課題に対し、児童生徒一人一人の確かな学力の定着と伸長を図るため、習熟度別指導、少人数指導が可能となる教員加配や課題のある児童生徒等にきめ細かく対応できるよう、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど教職員以外の専門的人材の配置など、適切な学校経営を行えるよう対応しております。
 なお、義務教育における今後の学級編制のあり方は、教育の機会均等や全国的な教育水準維持の観点から、国の責任が大きいと考えております。

○里吉委員 私は、現状認識をお伺いしたんですけれども、対応についてお答えいただいたと思います。
 学校が直面する複雑化、多様化する教育課題に対して、少人数指導のための教育配置やスクールカウンセラーの配置などの対応を行っているということですが、私が伺いたかったのは、その複雑化、多様化している教育課題とは具体的にどんなことだと捉えているのかという認識や、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを都教育委員会として配置した理由についてです。ぜひお答えいただきたいと思います。

○粉川地域教育支援部長 学校が直面する複雑化、多様化する教育課題とは、経済社会のグローバル化や高度情報化社会の進展、少子高齢化などの時代の変化の中で、みずから考え行動する力や社会の発展に貢献する力を培うことであり、具体的には個々の子供に応じたきめ細かい教育の充実、これは基礎、基本の定着と学ぶ意欲の向上などでございまして、ほかには社会的自立を促す教育の推進、これは社会的、職業的自立を図る教育の推進や、不登校、中途退学対策など、さらには子供たちの健全な心を育む取り組み、これはいじめ、暴力行為、自殺等防止対策の強化などでございます。

○里吉委員 大きな観点から細かい具体的な話までしていただいたんですけれども、今、私が最初に紹介したような学校の中での暴力行為やいじめの問題、それから不登校がふえている問題、日本語教育が必要な外国人の児童生徒がふえている問題、それから子供の貧困の問題など、こういった問題も都教委が考える複雑化する、対応しなければいけない現状ということでよろしいでしょうか。

○粉川地域教育支援部長 大変失礼しました。まず、先ほどのご質問で、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーについてのご質問、漏れましたので、改めてご答弁させていただきます。
 スクールカウンセラーの配置は、いじめや不登校など、児童生徒の抱えるさまざまな課題に対応する教育相談体制の充実を図るためであり、スクールソーシャルワーカーの配置は、関係機関との連携を構築し、福祉分野から児童生徒の問題解決を図るためでございます。
 また、先ほどの学校が直面する複雑化、多様化する教育課題への対応についての認識でございますけれども、都教育委員会は、小1問題、中1ギャップの予防解決のため、画一的な学級規模の縮小ではなく、学級規模の縮小や少人数指導、チームティーチングの活用など、各学校の実情に応じて最適な方策を検討できる弾力的な制度として実施をしております。
 また、先ほどお話のありました文部科学省の中央教育審議会の提言についてでございますが、ご指摘の箇所のほか、提言では国に対し学級編制の改善を行うに際しては、国が全国的な教育水準の維持向上を図るため、その財源を国の責任で担保することが極めて重要であるとしております。
 また、国が学級編制の標準を引き下げて、少人数学級を実施する場合には、新たに必要となる教室等の施設整備について、全国で教育条件に格差が出ないよう、国として所要の財源を確保する必要があるとも提言しております。
 このように、お話の提言においても、義務教育についての国の責任が大きいとしているため、引き続き国の動向を注視してまいります。

○里吉委員 国の責任が大きいのは当然であります。しかし、資料で1ページ、2ページ目、3ページ目、出していただいたように、全国47都道府県のうち、40はもうそれを超えて、東京も超えているわけですから、それを入れると全てが国の基準を既に超えて独自にやっているわけですよね、東京都も含めてね。
 ですから、国に対してきちんと学級編制の基準をもっと小さくするように求めることは当然ですが、だからといって、東京都が何もしなくてもいいということにはならないと思うんですね。
 それで、中教審で何をいっていたかということで少し具体的にお話ししますと、私も調べてみたんですけれども、現在の学級編制の基準である40人学級が実施されたのは1991年です。25年経過しました。
 この25年間のうちに、子供たちを取り巻く環境は大きく変化しました。貧困世帯の子供、発達障害、外国人の子供など丁寧に対応する必要のある子供の数が大きく増加をしています。
 そして、例えば東京の小中学校で就学援助を受けている子供はこの17年間で約1・5倍ふえています。通級指導に通う児童生徒も25年間で20倍にもなりました。不登校の割合も25年前の約2倍になって、小学校でも0・46%、中学校で3・17%と全国平均より高く、しかも学年が上がることに増加する傾向にあるということが報告されております。
 日本語指導が必要な外国人の子供も、これも先ほどの資料にありましたけれども、毎年のようにふえているわけです。そういう中でどうするのかということが求められていると思うんですね。
 私は、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど、教職員以外の専門的人材を配置して対応することも非常に大事だと思います。いじめへの対応や子供の貧困への対応など、そういった専門家の力をかりることは大事ですけれども、それとあわせて、やはり学校の先生そのものがふえなければ、クラスの人数が減らなければ、本当に今の現状、大変なんじゃないかというふうに思うんです。
 ある小学校の先生にお話を聞きましたら、その学校の学区の関係で、1学年の人数、75人程度になることが多いそうなんですが、学年75人ですから、1、2年生は35人学級で、1クラス25人、それが3学年になると38人ですから1・5倍になるわけです。一気にクラスの人数が13人ふえます。すると、パニックを起こしやすい子や教室を飛び出してしまう子供への対応や、保護者に細かく連絡が必要な子供への対応など、そういうきめ細かに対応しなくちゃいけない子供がクラスに1人とか2人だったのが3人、4人になってしまう。
 勉強が苦手な子供のフォローも、1人、2人だったら授業中にカバーすることもできたけれども、3人、4人とふえてくると授業中だけでは難しい、放課後に居残りさせて、今勉強させているということもありました。  また、単に子供が1・5倍になるというだけではなくて、25人のとき、クラスは落ちついていたそうですが、やっぱり38人になると落ちつかなくなったりするそうです。
 貧困家庭の子供の話を聞いて、必要な手当をしてあげたり、不登校の子供も1人から2人にふえれば、対策会議や家庭との相談や電話、訪問など、子供への働きかけなど、全てが2倍になるということで、本当に大変だというふうにお話ししておりました。
 そして、私も経験ありますけれども、先生が余りにも忙しそうだと、親も相談したくても先生に話せない。そして、子供たちも先生に話したいことがあっても遠慮してしまうということもあるんじゃないかと思うんですね。
 単純に伺いますけれども、1クラス25人と38人、より丁寧な対応を必要とする子供だけでなく、ほかの子供たちにとってもどちらがよいか明白だと思いますがいかがでしょうか。

○粉川地域教育支援部長 先ほどご答弁した複雑化、多様化している課題に対応していくためには、画一的な学級規模の縮小だけではなく、校長のリーダーシップのもと、学校のマネジメントを強化し、組織として教育活動に取り組む体制をつくり上げることが必要であり、その上で学校や教員が専門スタッフや専門機関と連携、分担する体制を整備し、学校の機能を強化していくことが重要でございます。
 例えば、いじめ問題は学校の規模によらず起こり得るものであり、大切なのは特定の教員が一人で抱え込むことがないよう、管理職やスクールカウンセラーを初め、全教職員が複層的な視点から子供たちの変化をいち早く把握し、組織的に対応することなどにより、学校全体で取り組んでいくことでございます。

○里吉委員 今、資料の1ページ、2ページ、全国の国の基準を下回る学級編制の実施状況について、これ、毎年出していただいているんですけれども、見ていただくとわかるように、47都道府県のうち、40は東京都以上の取り組みを進めているんじゃないかというふうに思うんですね。
 中には岩手県とか宮城県とか上の方から見るとそういうところなんですが、個別の実情に応じた弾力的な学級編制、市町村教育委員会からの要望とか、全部を一遍にやらなくても、市教育委員会の考え方によってやりたいというところには、県が多分対応して少人数学級をやっているんじゃないかと思うんです。
 都内でも、23区の中には自治体の単費で少人数学級を実施しているところがございます。それから、区議会などで少人数学級の推進を求める、これは国に対しても含めてですけれども、そういう意見書が採択されているところもありました。
 35人以下学級を求める要望は、東京でも現場では強いものがあるわけです。全国の多くの県で少人数学級が実施されているところでは、いじめが早期発見できたとか、不登校が減ったなどの効果も報告されております。
 ですから、1学級の子供たちの人数を減らしていくことで、先生たちと生徒が日常的に触れ合う時間がふえる、子供たちの小さな変化に気づいたり個に応じた対応をしていくことができる、教職員以外の専門家の力をかりるときも、その力を発揮してもらう体制をつくることができるのではないかと思います。
 それで一つ、中学校1年生の少人数学級について伺いたいんですが、都教委は中学校1年生の少人数学級を行っていますが、実際にこれ、少人数学級となっている中学校、どれぐらいなのか伺います。

○粉川地域教育支援部長 平成28年度、中1ギャップの予防、解決のための教員加配の対象となった学校260校のうち、学級規模の縮小を選択している学校は145校でございます。

○里吉委員 6割弱の学校が35人学級を選択して、4割弱がチームティーチングの少人数ということでした。  中1ギャップに効果がある少人数学級が広がっていないのはどうしてか理由を伺いましたけれども、特に調査していないということでした。
 私は、これはぜひ調査してほしいと思うんですが、校長先生初めとする現場の先生にお話を聞きましたら、少人数指導を選んでいる学校でも、必ずしも積極的に少人数指導がよいと思っているわけではないようなんですね。
 少人数学級は歓迎しているけれども、1年生だけ35人学級で、2年生に進級したとき40人学級に戻ってクラスが減るというのは、思春期の生徒が在籍し、また教科担任制という条件の中学校では、学校運営が大変難しくやりづらいなどの理由で、少人数指導を選んでいる場合も少なくないと聞きました。
 ですから、3年間を見通した学校運営のためには、2年生以上への拡大が必要、生徒が著しく変化する2年生への対応をしてほしい、受験がある3年生への対応をしてほしい、こういう声が多く寄せられておりました。
 都教委は、こういった学校現場の意見は聞いたことはないのか最後に伺います。

○粉川地域教育支援部長 学級規模の縮小を選択した学校とチームティーチング等を選択した学校のいずれにおきましても、小1問題、中1ギャップの予防、解決のための教員加配は、学習指導や生活指導を初めとするさまざまな側面に対し、よい影響をもたらしたことがわかっております。
 そのため、学級規模の縮小とチームティーチング等の活用を各学校の実情に応じて選択できる柔軟な制度として実施しております。小学校第2学年、中学校第1学年における加配の活用は、各学校、各区市町村により判断された結果であり、あえて都として調査するつもりはございません。

○里吉委員 少人数学級をやりたくてもできないという声、私、複数聞いております。ぜひ学校現場や保護者の声を聞いて、この問題解決のために、少人数学級実現のために取り組んでいただきたいことを申し上げまして、私の質問を終わります。

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文教委員会速記録第16号

平成28年11月22日(火曜日)

◆私立特別支援学校に対する補助について

○里吉委員 それでは、私からはまず初めに、私立特別支援学校に対する補助について伺ってまいります。
 都内には4つの私立特別支援学校があります。私は先日、その一つ、旭出学園に視察に行ってまいりました。旭出学園は、知的障害部門の特別支援学校です。創立66年、幼稚部、小学部、中学部、高校、さらに就労に向けた高等部専攻科までの一貫教育を行い、また生活自立に向けた寮を持ち、知的障害児者の自立を目指しております。
 私が伺ったときは、小学校でも中学校でも2、3人の児童生徒に1人の先生がつき授業が行われておりました。寮も見させていただきましたが、ここでは生活自立の訓練をするため、最長3週間、そこで生活するそうです。お風呂に体を洗う順番が書かれてあったのが大変印象的でした。
 また、麦を育てたり、豆腐づくりなど、独自の取り組みを幾つも行っておりました。  私学ですから、建学の精神、そして独自の教育理念に基づいて特色ある教育を展開していることが大変よくわかりました。
 その一方で、一つ一つの学校は規模も小さいために、保護者負担もそれなりに本当にかかること、老朽化対策などもなかなか厳しいというお話も伺ってまいりました。  私立の特別支援学校に対しても、私立の高等学校、中学校、小学校、幼稚部などと同じように経常費補助が交付されておりますが、高等学校の経常費補助は、標準的運営費補助の2分の1で算定されているのに対し、特別支援学校については、まだ2分の1に達していないのではないかということも伺いました。
 そこで、まず私立の特別支援学校に対する経常費補助の算定方法について伺います。

○加藤私学部長 都は、私立の高等学校等の経常費の算定に当たっては、原則として公立学校の決算値をもとに標準的な運営費を算出し、それに補助率である2分の1を乗じて算出しております。
 しかし、現在、特別支援学校については、標準的運営費方式の2分の1で算出した単価が、教育環境の最低水準を維持するために必要な金額である国庫補助の単価よりも下回っております。そのため、都は、国庫補助単価で算定しております。

○里吉委員 現在は、標準的運営費方式の2分の1で算定された単価より高い国の補助制度と同額で、特別支援学校に対する補助が実施されているとの説明でした。
 しかし、先ほどお話ししましたように、私学の特別支援学校は、ほかの私立の学校に比べて規模も小さいため運営状況は厳しく、校舎が老朽化しても財源もなく工事が実施できない学校もあると伺っております。もともと特別支援学校はほかの学校よりも費用負担が高いわけですから、2分の1負担でも相当大変なわけです。
 国では、こうした私立の特別支援学校の現状を踏まえて、私立高等学校等施設高機能化整備費の中に、私立特別支援学校の老朽改築工事及び附帯工事の補助項目を昨年、2015年度に新設をしております。これは、老朽改築制度で、構造上危険な状態にある特別支援学校の建物について、その改築の経費を3分の1以内で国が補助するというものだと伺いました。私立特別支援学校の施設改修に補助が必要だということを認めたということだと思います。
 しかし、該当校では、さらに学校の保全、長寿命化を図り、改修への補助なども必要であり、さらなる支援を求めております。
 都においても、私立の特別支援学校に対する独自の支援策を実施すべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○加藤私学部長 都は、これまでも児童生徒の自立や社会参加に向けた特色ある特別支援教育を実践し、障害のある児童生徒の教育に大きな役割を果たしている私立の特別支援学校の運営に対し、毎年度、予算額の確保に努めてまいりました。
 今後も、私立特別支援学校に対する支援策につきましては、国の動向や各学校からの要望などを踏まえ、必要に応じて検討してまいります。

○里吉委員 国の動向や各学校からの要望なども踏まえて、必要に応じて検討するというご答弁でした。
 国も昨年度からそういう意味では新たな補助を始めたということで、私学として独自の障害児への教育を進めているこの特別支援学校に対して、さらなる支援の拡充について検討していただくように要望したいと思います。
 次に、私立専修学校支援実証研究事業補助について伺いたいと思います。
 この質問は、私、この委員会で繰り返し何度か質問させていただいております。
 この事業は、意欲と能力のある専門学校生が経済的理由により修学を断念することがないよう、専門学校生に対する経済的支援策について、総合的な検討を進めるためということで、実証研究事業が行われているものです。
 具体的には、私立専修学校専門課程に在籍する生徒を対象に、ファイナンシャルプランナーによる生活設計などに関するアドバイス、また経済的理由により修学困難な生徒に対して、学校が授業料の一部を減免した場合に、その2分の1以内の額で補助を行っております。  そこで、東京都の現在の協力校は何校になっているのか、また、対象の生徒数など、取り組みの現状について伺います。

○加藤私学部長 お話の私立専修学校修学支援実証研究事業は、昨年度から国の委託を受けまして、私立専修学校専門課程に在籍し、経済的理由により修学困難な生徒を対象に、授業料に対する補助や生活設計等に関するアドバイスなどを行うものでございます。
 昨年度の本事業への協力校は10校、生徒数は60名でございました。
 今年度分は、現在のところ、17校、89名の申請がございます。

○里吉委員 初年度に比べて、ある程度協力校も生徒もふえていることがわかりました。
 しかし、都内の専門学校は300校とも400校ともいわれており、まだほんの一部にしか取り組まれていないということだと思うんですね。
 この事業は、もともと文部科学省で専門学校生への効果的な経済支援についての検討が行われたことから始まりました。専修学校生への経済的支援のあり方について、中間のまとめが出されておりますけれども、ここでは専修学校で学ぶ学生は、同じ年齢層の生徒、学生が学ぶ学校種と比べて低所得層の者が多いこと、学費は専門学校も大学もほとんど変わらないこと、専門学校の方が資格取得などのためにカリキュラムも多く、朝早くから夜遅くまで授業もあり、アルバイトの時間を確保することが難しいことなどが調査結果としてありました。
 そして、家庭の経済状況が厳しいからこそ、資格を得て働きたいという学生が専門学校に行くのだという分析をしておりました。
 こうした意欲ある学生が経済的理由で修学を断念することがないよう、専門学校生への経済的支援が求められております。
 来年度は実証実験の最終年度となり、その後に専修学校生への支援につなげるためにも、都としてさらなる取り組みが必要だと思います。
 都としても、この事業を引き続き推進していくべきだと思いますが、例えばどのように協力校をふやす努力をしているのか伺いたいと思います。

○加藤私学部長 この事業につきまして、昨年度は年一回の募集でありましたが、今年度は8月の第1回募集に続き、今月中に第2回募集を行う予定です。
 募集に当たっては、対象となる全ての専修学校に広く周知を図るとともに、制度の利用を検討している学校には個別に丁寧に説明をしてまいります。

○里吉委員 周知のために、昨年度よりもことし、さらに頑張るということで、募集をもう一度行っていただくということでした。
 この制度を、実証実験はあと1年ですから、さらに拡充するための課題について、この間の取り組みでどのようなことが課題となっているか、都の認識を伺いたいと思います。

○加藤私学部長 本事業は、国の委託を受けた実証研究事業でございまして、その仕組みにおいて、学校の協力が不可欠でございます。より多くの学校が参加できるよう、引き続き情報提供などに努めてまいりたいと思います。

○里吉委員 そうなんですね。この実証研究事業では、学校が学費を引き下げるということをしないと、ここに参加できないということで、なかなか参加校がふえないということがあると思うんですが、国は、この結果を受けて、専修学校生への経済的支援のあり方についての検討会を改めて行って、今後、どのようにしていくかということを判断していくということでしたから、何とか専修学校生への授業料補助が制度化するように、都としても取り組んでいただきたいと。
 この3年間の実証研究事業が終わった後、できるだけ多くの専修学校で学費軽減の制度に取り組めるように、都としても独自の制度の検討やさまざまな研究をしていただくよう、要望しておきます。
 専修学校の問題の最後に、私立学校安全推進事業について伺います。
 都において、2015年度から、AEDや防犯カメラ、非常通報装置の設置等に要する経費の一部を補助する私立学校安全推進事業を実施しております。
 ところが、この補助事業について、専修学校が対象となっておりませんでした。ぜひ対象にしてほしいという声もありましたし、今後は対象にすべきだと考えますが、都の見解を伺います。 

○加藤私学部長 私立学校安全推進事業につきましては、幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校を対象としております。
 これは、本事業が学校保健安全法に基づく国の学校安全の推進に関する計画を推進するための制度であり、当計画の対象学校種には専修学校が含まれていないためでございます。
 なお、本事業は、平成27、28年度の事業であり、今年度で終了いたします。
 私立学校に対する新たな助成策の実施に当たりましては、その事業目的に応じ、適切な対象学校種を検討してまいります。

○里吉委員 AEDや防犯カメラ、非常通報装置の設置、高等学校も対象になっていたわけですから、本来でしたら専修学校も対象にすべきだったのではないかなというふうに私は思います。  今後、ぜひ必要な安全対策事業から専修学校が漏れないように要望いたしまして、次の質問に移ります。

◆情報公開制度について

 次に、情報公開制度について伺ってまいります。
 情報公開制度は、全て公開が原則であり、都民の知る権利を保障し、住民自治への参加を促進するものとして大変重要な制度です。ところが、実際に開示請求をすると、都民の知りたい情報が黒塗りになっていて、十分に開示されていない状況が続いてきました。都政改革本部の会議で、都庁の政策立案の過程や意思決定の理由が必ずしも十分に公開されていないと指摘がありましたが、私もそのとおりだと思います。
 9月29日、都政改革本部の情報公開調査チームは、検討状況報告を行い、その中でこれまでの都の情報公開への姿勢を大幅に転換、原則公開を徹底し、非開示部分を最小限にとの方向性を示しました。
 この情報公開調査チームの報告後、情報公開制度においてどのような改善を行ったのかまずお尋ねをします。

○濵田都政情報担当部長 平成28年9月の都政改革本部におきまして、情報公開チームより、これまでの都の情報公開への姿勢を大幅に転換し、また、原則開示を徹底し、非開示部分を最小限にする方針が掲げられました。この方針に基づき、速やかに各局における非開示理由の公表など、具体的な取り組みを全庁に周知し、徹底を図っております。
 具体的には、各局等における条例の趣旨を踏まえた非開示判断の厳格化、各局等のホームページでの非開示理由の公表、複数回請求を受けました公文書については、公文書開示制度によらない積極的な情報公開に取り組むこととし、これを徹底するため、10月には生活文化局と総務局との連名で各局宛てに通知文を発出するとともに、全庁の担当課長会を開催して、各局等に周知徹底したところでございます。

○里吉委員 これまでの姿勢を大幅に転換し、非開示部分を最小限に判断を厳格化するように通知したということです。判断を厳格化とのことですが、非開示や一部非開示、つまりこの部分は黒塗りにするという判断は誰が行うのか伺いたいと思います。

○濵田都政情報担当部長 公文書開示におけます開示、非開示の判断につきましては、実施機関である各局が行うものでございまして、具体的には請求の対象となる公文書を保有するそれぞれの局におきまして、東京都情報公開条例の趣旨及び条例の運用の指針を明らかにいたしました通達の趣旨に沿って、開示、非開示の決定をすることとしております。
 なお、条例所管局でございます生活文化局は、知事部局等が公文書の全部または一部を非開示とする場合には、条例の統一的な運用を図る観点から、各局における決定前に協議を受けております。

○里吉委員 基本的には、資料を持っている局が自分で判断しているということですね。そうすると、やはり運用の指針があるといっても、これは大変抽象的なものですから、局として都合が悪かったり、都民に知られたくない情報は隠しておくというふうにバイアスがかかってしまうのではないかという懸念が生じます。
 生活文化局が決定前の協議を受けているとのことですが、生活文化局がチェックをして、他局、つまり資料を保有している局が非開示と判断した部分でも、ここは開示が適当ですよ、開示しなさいということはあるのですか。その場合の基準はあるのでしょうか。伺います。

○濵田都政情報担当部長 生活文化局の協議では、各局におけます開示、非開示の判断が条例等に基づき適正に行われているかなどの観点から、必要に応じて助言等を行っております。

○里吉委員 必要に応じて助言を行っているということです。
 しかし、事前にお伺いしましたら、最終的に判断するのはやっぱりそれぞれの局だということで、これは開示した方がいいという例えばアドバイスがあっても、最終的にその局がそのとおりにしたかどうかはわからないということだったんですね。
 それから、大量の開示資料もありますから、生活文化局が他局の事業一つ一つについて理解し、開示、非開示を判断することは困難だと。一つ一つの非開示部分についてチェックすることはできないというお話でした。確かに、都庁全体でも昨年度だけでも1年間で1万441件の開示決定があったわけですから、逐一、生活文化局がチェックするのは難しいのかなというふうに私も思います。
 しかし、せっかくこれまでの姿勢を大幅に転換し、非開示部分を最小限に判断を厳格化するという通知を出したわけですから、生活文化局としてもどこをどう転換し改善するか、積極的な提案と情報発信を行っていただきたいと思います。
 ここで資料を配らせていただきます。1枚ずつとって回してください。今、資料を配らせていただきましたが、これは、私たち日本共産党が情報開示請求で入手した文書です。都市計画道路のうち、今後10年間でどの道路を優先して整備するかの計画、第4次事業化計画がことし3月末に決定、公表されました。地元住民や議会から強い反対や見直しの声が上がっている路線も数多く含まれ、なぜ自分の地元の道路が整備されることになったのか、計画決定前からその過程や理由を知り、パブコメなどで参画することは都民の当然の権利です。
 第4次事業化計画では、道路の選定の基準に安全という項目が新設されました。この開示資料は、それに関する専門アドバイザー委員会の議事録です。黒塗りだらけの左が計画決定前、右が決定後に開示されたものです。一部非開示、つまり黒塗りは見直し候補路線が特定される部分、優先整備路線が特定される部分、建築制限についての部分、スケジュールの4つとなっております。要するに、どこがいつ優先整備路線になりそうかわかってしまう部分は、非開示にしましたよということだと思います。
 それで、左と右を比較していただきたいのですが、例えば一番上の黒塗り、何が隠されているのかというと、ここを見ますと、事故軽減に資する道路について、どういう事故を考慮しているのかという部分が黒塗りですね。これのどこで見直し候補路線や優先整備路線が特定できるのかと。非開示理由と全然関係ないんじゃないかと思いました。他の部分もほとんどそうなんですね。
 結局、これ全部よく見ていただきたいんですが、何が黒塗りになっているかというと、上から2番目の黒塗りのところなんですが、道路整備と事故件数との因果関係を明確に示すものはないが、生活道路では安全な道路が整備されれば事故は減るという前提としたということが書かれています。
 つまり、新しい選定の基準に安全を加えたけれども、実は道路を整備すれば交通事故が減るというはっきりした因果関係はありません、根拠はありませんというふうに述べている部分なんですね。安全を道路選定の基準とする根拠がないことを事務局、つまり東京都自身がいっていることを隠すために黒塗りにしたんじゃないかとしか私には思えません。一たび優先整備路線に決定されれば、住民は住環境を破壊され立ち退きを迫られる、死活問題です。こんなやり方が許されるはずはありません。
 これまでの姿勢を大幅に転換するというのでしたら、ぜひこうした一部非開示が起こらないように、生活文化局としてもイニシアチブを発揮していただきたいと思います。
 また、これ納得できなければ不服申し立てができるというかもしれませんけれども、黒塗り文書だけ渡されたら、ここだけ黒塗りの部分だけ半分に折って見てください。何が書いてあるかわからなかったら、不服申し立て、不満だということが、私、いえないと思うんですね。何て書いてあるのかわからないわけですから、申し立てのしようがないんじゃないかというふうにも思います。
 生活文化局として、全部チェックするということは難しいかもしれませんけれども、ぜひ幾つかの事例をピックアップして検討して、情報開示のあり方、姿勢を具体的に示していく、この程度までは開示すべきだという例を各局に具体的に示していくなどもしていただきたいと強く要望しておきます。
 それから、もう一つ慎重に対応していただきたいものがあります。それは、企業の競争上、または事業運営上の地位が損なわれることを理由に非開示にすることです。例えば、東京都の税金支出の根拠や金額について、都民は知る権利があるわけですが、契約や委託調査など、そこに企業が絡む場合、その企業の利益が損なわれるからと非公開になる場合が多々あります。
 しかし、この場合、企業の利益は守ったかもしれませんが、都民の利益は損なわれるわけです。非公開にして企業などの利益を守ることと、公開して都民の利益を守ることが相反する場合、どのように判断するのか、この点について伺います。

○濵田都政情報担当部長 東京都情報公開条例では、公文書に記載された法人等の情報については、公にすることにより、当該法人等の競争上または事業運営上の地位、その他社会的な地位が損なわれるものは開示しないこととしております。
 一方で、事業活動によって、人の生命、健康、生活の保護、もしくは消費生活その他都民の生活を保護するために、公にすることが必要であると認められる情報については、開示することが同条例で定められております。具体的には、事案ごとに個別の事情を考慮して各局が判断しております。 ○里吉委員 具体例を挙げると、これまた長くなりますので、次の機会にしたいと思いますが、都民の税金を使う以上、企業にも公的な責任が生じてくるわけですから、非開示は最小限にとどめていただくように、この条例の7条の3号というところに書いてあるわけですけれども、ここに関する非開示も厳格に対応していただきたい。
 また、生活文化局としても、よく事例研究をして、各局に示していただきたいと思います。  そして、一部非開示になったときの都民への説明ですが、どの開示でも情報公開7条の各号の文章がほぼそのまま記載されているだけで、抽象的ではっきりいってさっぱりわからないという声をよく聞きます。一部非開示の理由は、具体的に都民に説明する必要があると思いますが、いかがでしょうか、見解を伺います。

○濵田都政情報担当部長 一部開示決定、非開示決定を行う場合には、東京都情報公開条例に係る事務の取扱要綱等で、該当する非開示条項及び当該条項を適用する理由について、専門的な知識を有しない人にも十分理解できるよう、決定通知書にわかりやすく記載することと定められております。
 このことにつきましては、先ほどご答弁申し上げました各局宛ての通知や担当課長会においても改めて周知徹底を図ったところでございます。

○里吉委員 改めて周知徹底していただいたということなので、これから注目していたいと思うんですが、大体、事務取扱要綱で、Aの部分は何々の理由により条例7条の2号に該当、こういう例文が示してあって、実際には条例に書いてあること以上の理由はほとんど示されていない。私は、大体これが今までの非開示の理由だったというふうに感じています。
 なぜ開示ができないのか、都民にもわかるように理由をきちんと示すことは、むやみに非開示をふやさないことにもつながると思いますので、こちらもぜひ少し細かく改善を図っていただくよう、今ちょうど通知を出したところですから、今後の現状も見ていただきたいと思います。
 最後に、開示手数料について伺います。
 情報公開条例の全部改正が行われたのは1999年ですから、もう17年が過ぎました。公文書の作成方法や記録媒体も大きく変化し、時代に合わせて変えるべき部分も生じてきていると思います。
 東京都の場合、公文書の写しの交付は、白黒コピーの場合は1枚20円、カラーコピーの場合は100円となっております。東京都の文書もどんどんカラーがふえ、それを白黒コピーで交付してもらうと判読できない、理解できないという場合も少なくありません。
 しかし、カラーだと1枚100円、たった10枚で1000円もかかってしまいます。これは本当に高過ぎるという声が上がっていますが、ぜひもっと安くするべきだと思いますが、都の見解を伺います。

○濵田都政情報担当部長 公文書の開示手数料は、地方自治法第227条に基づきまして、特定の者のためにする事務について徴収するものであり、その金額は事務に要する実費等を基準として定めております。
 多色刷りの文書に係る写しの交付手数料につきましては、開示に要する人件費、複写機の費用、あるいは用紙の費用を積算したものをもとに、1枚につき100円としているものでございます。

○里吉委員 今、カラーコピーの話をしましたけれども、そもそも東京都の白黒コピー1枚20円も、行政オンブズマンなどからは高いと指摘され続けております。他の自治体は10円のところがほとんどだと思うんですね。カラーの文書が当たり前に近くなる中で、1枚100円も手数料を徴収していては、都民がこの制度を利用できません。
 生活文化局の東京都情報公開条例運用状況年次報告書によれば、請求の半分、2015年度は49・8%は工事設計書で、その大半は事業活動に利用するための請求、つまり、企業による営利目的での請求とのことです。
 営利目的のものは、人件費なども含め費用の徴収があってしかるべきだと思いますが、都民の非営利目的の利用については、白黒でもカラーでも、複写機費用と用紙費用のみの請求にする、国などで実施しているように、PDFファイルにして、CD-ROMで交付するなど、都民の知る権利を阻害しない範囲での手数料とすることを強く要望いたします。
 それから、CD-ROMでの交付については、東京都でも複写したものの交付が容易であるときには、紙媒体をPDFファイルにして、CD-ROMなど電磁的記録媒体で交付するということを伺いましたけれども、これはほとんど知られておりません。ぜひこうした大変受け取る側にとって便利な制度ですから、このことについては、都民に対しても、また各局に対しても、広く広報していただきたいと思います。
 また、都議会議員に対する情報提供について申し上げたいと思います。
 議会の審議に必要な情報であっても、都議会議員や会派が情報公開条例に基づいた請求を行うよう求められることがあります。しかも、開示決定の期限が条例の限度ぎりぎりまで延長され、決議までに必要な情報が提供されないことがあります。
 これらは、情報公開条例を逆手にとった情報隠しであり、議員が議員としての都民への責任を果たすことを妨害するものです。議員が求める情報は速やかに提供するよう、この部分での改善も強く求め、質問を終わります。

◆障がい者スポーツの推進について

○里吉委員 それでは、私からは障害者スポーツの推進について質問を行ってまいります。
 スポーツを行うことは人権の一つであり、障害があってもなくても誰でもスポーツを楽しめる環境を整備することは、4年後にオリンピック・パラリンピックを開催する東京都に求められていることです。
 特に障害者のスポーツ参加は、健常者に比べ、まだまだ少ないのが現状であり、思い切って支援を強めることが必要です。
 東京都も、既に東京都障害者スポーツ振興計画を策定し、これまでさまざまな取り組みを進めてまいりました。
 私は、これまでも障害者スポーツの振興について質疑を行ってまいりましたが、今回は、特にこの9月からスタートした都立学校活用促進モデル事業について伺ってまいりたいと思います。
 この事業は、都内にある特別支援学校の体育館やグラウンドなどの体育施設を学校教育活動に支障のない平日の夜や土日、祝日に開放し、障害のある方や障害者スポーツ競技団体などが身近な場所でスポーツ活動ができるように活用を促進するものです。
 きょう、資料も出していただきましたが、それ以外にもさまざまなスポーツ教室なども今取り組まれているところです。
 そこでまず、ことし9月から始まったこのモデル事業、資料には76団体が登録したとありますけれども、具体的にはどのような団体が登録しているのでしょうか、伺います。

○小室スポーツ推進部長 これまでに登録した団体は、公益社団法人東京都障害者スポーツ協会の加盟団体、同協会に未加盟の法人格を持つ団体、その他の任意団体に分類されます。
 競技種目としましては、車椅子バスケットボールや車椅子テニス、ゴールボールやブラインドテニスなどの活動を行っております。

○里吉委員 さまざまな団体が登録していること、そして、いろんなスポーツが行われていることがわかりましたが、さらに任意団体は、例えば作業所仲間でつくっている団体だとか、地域の健常者の方も含めた団体だとか、そういったことももう少し詳しくぜひつかんでご報告いただきたいと思います。
 それから、障害種別についても差異があるのかどうか、そんなこともこれから1年ぐらいたったところでまとめていただけたらと思います。
 そして、資料に利用実績も載せていただきましたけれども、だんだん埋まってきているように見えますけれども、資料の3ページ目にいただきましたが、まだ貸出可能日数と貸出日数であいているところがあるようですが、この利用時間が平日の夜間と土日、祝日ということで、実際に利用されている時間はどこが多いのか伺いたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 昼間に利用可能な土曜日、日曜日、祝日に利用が多い状況でございますが、開始から約3カ月が経過しまして、現在では、平日夜間においても利用がふえております。

○里吉委員 だんだん利用する団体もふえてきたり、夜間も定着してきたということで、引き続き進めていくことだと思うんですけれども、私、気になるのは、特別支援学校をスポーツの活動場所として開放することで、実際に新たな障害者スポーツサークルが生まれたり、今までは定期的に練習できなかった団体が、ここがあるから安心して練習できるようになるなど、実際に障害者のスポーツ団体がふえていくとか、安定的に活動できるとか、裾野が広がっているのかどうかということが重要だと思うんですね。
 そこで伺いたいんですけれども、今、このモデル事業で特別支援学校を使っている団体は、今まではどこか別の場所で活動していたところから移ってきたのか、それとも新規の団体なのか、この点についてお伺いしたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 これまでに東京都教育委員会で実施しております都立学校施設開放事業で利用していた団体が、継続して同一施設を活用している事例はございます。
 それ以外の従前の活動場所につきましては、本事業のさらなる周知を図る観点から、把握に向けて準備を進めているところでございます。

○里吉委員 これから把握していただくということでしたので、ぜひ期待したいと思います。結果を見させていただきたいと思いますが、今まで学校開放事業で利用していた団体ばかりがもし利用しているとしたら、それだけでは大変もったいないと思うわけです。
 学校開放事業で既に学校を利用していた団体以外に、今まで練習場所に苦労していた団体、それから、これを機会に新しくつくった団体があるのかなど、ぜひ全体把握していただきたいと思います。
 また、これ今、開放しているのが体育館とグラウンド、テニスコートということになっていますが、特別支援学校の学校開放事業は、障害者を対象にプールも開放しております。教育庁の方でやっている事業ですけれども、これ、2015年実績ですけれども、27校で208回、夏季休業期間中に都内在住、在勤等の障害者団体を対象に、利用希望を踏まえてプール施設を開放しているということで伺っています。
 学校開放事業で行っているわけですから、プール施設もぜひこのモデル事業に加えていただけないかと、加えていただけるんじゃないかと思うんですね。
 プールというのは、障害のある方にとても人気があります。障害者総合スポーツセンターがこれから改修に入りますけれども、改修に向けても、プールのコースをふやしてもらえないかという要望が大変多く出されましたし、休館中も代替のプール施設を用意してほしいという声がたくさん出されました。
 自閉症のお子さんや知的障害の方や肢体不自由の方、重度の障害の方も、水の中なら浮力で体のこわばりもほぐれて、ふだんよりずっと体が自由に動かせる。そして、ふだんなかなかスポーツする場所がなかったり、そういう方も水の中だったら体が動かせて、ストレス発散にも健康増進にも役立つと。また、チームとかグループではなくても自分のペースで楽しむことができる。こんな点が人気がある点ではないかと思うんですね。
 ぜひ今後、モデル事業ですから、これからいろいろ検討していかれると思うので、使用施設にプールを加えるなど、拡大していただきたいと考えますが、都の見解を伺います。 ○小室スポーツ推進部長 都立学校活用促進モデル事業の対象施設にプールを加えることにつきましては、利用者の安全確保と、それに伴う人員の配置、指導者の育成、確保など、さまざまな課題があるとともに、あらかじめ学校側の理解を得る必要もございます。そのため、現段階では予定しておりません。

○里吉委員 課題があり、現段階では予定していないということでした。これはぜひ教育庁と協議をしていただきたいと思うんですが、私は、特別支援学校を障害者スポーツの拠点にするということで、このモデル事業、始まっていますので、そういうことであれば、そういった地域の障害者のスポーツ拠点になるような学校については、ぜひプールは温水化して、日常的に地域の障害者に開放するくらいのことができて当然だというふうに思います。
 私の住む世田谷区では、現在4つの区立中学校で、地域に開放する目的で温水プールが整備されています。夏は中学生が授業として使っていますけれども、それ以外、授業で中学生が使わない時期は、一般の区民が温水プールとして活用しているわけです。
 ですから、東京都でも、これから改築する学校など、新しく特別支援学校のプールを建設する際には、ぜひ温水プールにしていただいて、地域の障害者がもっとプールを楽しめるように、また、温水プールにすると、そこに通う子供たちにも大変いいと思うんですね。
 特別支援学校に通う児童生徒たちは、その多くが体温調節が難しい子もいまして、少し水温が低いとプールに入れない。毎年、お父さん、お母さんたちからの要望で、ことしも年に3回しかプールに入れなかった、何とかもっとプールに入れるようにしてほしい、こういう要望も聞いているわけです。
 ですから、特別支援学校のプールを温水化すれば、子供たちにもプールの機会を保障することができる、地域の障害者の方のスポーツの場としても活用できるというふうになると思いますので、教育庁と協議して、ぜひこれを進めていただくよう強く要望をいたします。
 最後に、このモデル事業の参加者からは、どのような感想が出されているのか、また、モデル事業ですから、取り組んでみて明らかになってきた今後の課題があれば伺いたいと思います。

○小室スポーツ推進部長 団体利用者からは、今まで使用できるテニスコートがなかったので助かるなど、好意的な意見をいただいております。
 また、体験教室の参加者からは、とても楽しかったので、学校やお友達に広めたいなどの意見をいただいております。
 課題としましては、利用団体をふやすための広報活動の強化が挙げられます。
 今後は、障害者スポーツに取り組む地域スポーツクラブやスポーツ推進委員等に対して積極的に周知を行うほか、福祉施設等の職員連絡会や研修会等に出向き、本事業の利用促進を働きかけるなど、きめ細かな広報活動を行ってまいります。
 加えて、体験教室の参加者同士によるグループでの施設利用を促すなど、さらなる利用者の確保に努めてまいります。

○里吉委員 最後の体験教室の参加者同士によるグループでの施設利用を促すというお話がありましたが、これ、私、本当に大事なことだと思うんですね。
 障害者スポーツの裾野を広げるためには、体験教室で楽しいと感じた障害者の方が、引き続きスポーツに取り組めるような場をつくっていくことが必要だと思います。
 利用団体をふやすためにも、もちろん福祉作業所などに出向いていただいて、利用者のニーズをつかむことなどもしていただきたいと思うんですが、継続的にスポーツ団体をふやしていくためには、障害者スポーツ協会などの協力も得て、ぜひ体験教室の参加者の皆さんが、今度は継続的にサークルをつくっていけるような取り組みのお手伝いもしていただくとか、区市町村とも連携するなど、ぜひそうした取り組みも進めていただいて、この特別支援学校の施設が地域の障害者の方のスポーツの場として発展するように取り組んでいただくことを要望いたしまして質問を終わります。

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文教委員会速記録第17号

平成28年11月25日(金曜日)

◆定時制、通信制課程の高校生のための奨学金制度の拡充を求める陳情について

○里吉委員 それでは、質疑を行っていきたいと思います。
 定時制、通信制課程の生徒のための入学時から卒業時まで利用することのできる奨学金制度の整備拡充を求めているこの陳情ですが、今ご説明にもありましたように、現在、高校生が使っている奨学金制度では、育英資金の貸付制度があります。
 そこで、まず、過去3年間の都立高校の定時制、通信制の生徒に対する育英資金の貸付人数について伺います。

○加藤私学部長 都立高校の定時制、通信制における育英資金の貸付者数でございますが、平成25年度、155人、26年度、139人、27年度、133人でございます。

○里吉委員 2年前から、2014年度、平成26年度から、実は高校生に対しては国の奨学給付金の制度が始まりました。しかし、これを借りている方がそんなに減っていないというのが私の率直な感想なんですね。
 国の奨学給付金の金額は、公立高校の場合、生活保護受給者世帯でも年額3万2300円、非課税世帯では、第一子で定時制の場合、年額5万9500円、通信制の場合は年額3万6500円ですから、これではなかなか足りないと、もしくはこの奨学給付金の対象外の方でも生活が苦しい方がいて、そういう方が借りているんじゃないかというふうに想像いたします。
 奨学給付金の所得制限は、区市町村民税所得割非課税と厳しいため、生活保護の6割程度の所得しかない家庭でも受給できない場合があるということで、今年度で国の制度は3学年全体を網羅することになりましたけれども、この制度があってもなお、こういう育英資金を借りる高校生がいるとしたら、この部分こそ、今検討されている都独自の給付型奨学金で救うべき対象だと思います。
 また、本陳情では、入学時の諸費用の納入が困難なケースがあるということで、できるだけ早く育英資金の貸し付けを開始してほしいという要望だと思いますが、育英資金を貸し付けるまでの事務の流れについてお伺いしたいと思います。

○加藤私学部長 育英資金貸付事業の一般募集では、高校に在学する生徒が年度当初に申し込み、審査を経て、その年の8月に、4月からの5カ月分をまとめて貸し付け、以降は毎月貸し付けを行っております。
 一方、予約募集では、中学3年次に申し込みを行い、高校入学決定後に、在学確認及び住所確認を経て5月から貸し付けを行っております。

○里吉委員 定時制、通信制の場合は、合格発表の時期が遅い学校もありますので、3月末という場合もありますので、手続が4月以降となって5月からの貸し付け開始となるのは、入学を確認してから貸し付けを開始するという制度のもとではやむを得ないと思いますが、一方で、今、義務教育の小中学生向けの制度では就学援助というのがありますが、これは、今までは入学準備金が7月に出されていたものを、世田谷区も含め幾つかの自治体では、入学準備にお金がかかる小学6年生の3月に出すように改善してきているんですね。ここはちょっと、義務教育とそうではない学校ということで研究課題だと思いますが、ぜひ研究していただきたいと思います。
 また、今ご説明にもありましたように、ちゃんと予約募集に申し込めば、5月には貸し付けが開始できるわけで、それをもししないと、夏休みまで全く貸し付けが受けられないということになりますので、その違いは大変大きいと思います。
 必要とする生徒が予約募集を利用できるように、積極的な制度周知をお願いしたいと思います。
 また、育英資金の議論でいつも問題になるのが、借りるときに連帯保証人を探すのが大変なので、せめて1人にできないかという問題です。こういうご相談は私もよく受けます。
 育英資金では、なぜ連帯保証人を2人立てなければならないのか、見直す考えはないのか伺います。

○加藤私学部長 育英資金貸付事業においては、返還金が新たな貸付原資となることから、適切に債権回収を行う必要があり、第2連帯保証人制度は、第一連帯保証人である親権者以外に連帯保証人を立てることで、より確実な債権回収を可能とするために設置しているものでございます。
 平成27年度包括外部監査においては、第2連帯保証人の設定をさらに促進するための方策を検討されたいとの指摘もあり、現在、その要件等、制度のあり方について検討を進めているところでございます。

○里吉委員 より確実な債権回収を可能とするためというご答弁でしたが、これは本当に入り口のところでなかなか借りることが難しいという生徒の方はたくさんいらっしゃるということがありますので、ぜひ検討していただきたいと思うんですね。
 それと、先ほども述べましたけれども、本来であれば高校卒業とともに修学に必要な借金を背負うということがなくなるのが一番いいわけで、今議論しております東京都独自の給付型奨学金でこうした育英資金を借りなくて済むようにしていただきたい。このこともお願いしておきたいと思います。
 そして、この陳情は趣旨採択を求め、私の質問を終わります。 ◆教育施策大綱について ○里吉委員 それでは、質疑を始めてまいります。
 教育施策大綱は、地教行法の改定により知事が策定することが義務づけられました。東京都では、ちょうど1年前の昨年11月に策定されたばかりですが、今回、知事が舛添知事から小池知事になったことにより、つくり直すことが法的に決められているわけではないけれども、小池知事としては策定し直すということだというふうに伺っております。
 政治が、また知事が教育に果たすべき責任は、条件整備などにより、教育の営みを支えることです。政治が教育に介入したり、知事の特定の思想や価値観などを持ち込む、または政治の目的を遂行するための教育を行うなどして教育をゆがめることがあってはなりません。
 教育の目的は人格の完成であり、平和で民主的な社会の形成者としての国民の育成でありますから、教育施策大綱の策定に当たっても、そのことを大前提として踏まえて、そのための条件整備などを重視していくべきだと考えます。
 そう考えたときに、昨年の議論でも私、申し上げましたが、この教育施策大綱は人格の完成よりも人材育成に重点が置かれているという問題を指摘せざるを得ません。大綱骨子案では、グローバル化の進展に伴い、世界中の人々とコミュニケーションを図る能力が必要、新たな価値を創造する能力を持つ人材が必要、そして能動的に社会を生き抜く力が必要だということが強調されています。
 新たな価値とは現在の教育施策大綱にはない新しい言葉だと思いますが、どういう意味なのか。新たな価値を創造する力とはどのようなものなのか伺います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大綱骨子では、加速度的に変化する社会にあって、知識や技能を活用し、新たな価値を生み出す創造的、論理的な思考力、探求力の育成などが重要とされており、重要事項Ⅱとして、新しい価値を創造する力を育む教育の推進が位置づけられております。
 10月27日に開催されました総合教育会議では、新しい価値を創造する力について、知事からは、加速度的に変化する社会にあって、東京や日本の成長を支えるイノベーションを生み出せる力や、未知の状況にも対応できる力、答えが一つではない問いに対応できる力との発言があったところでございます。

○里吉委員 東京や日本の成長を支えるイノベーションを生み出せる力。イノベーションとは、調べましたら、オーストリアの経済学者、シュンペーターによって初めて定義された言葉で、新しいものを生産する、新しい方法で生産するという意味だということですが、大綱ではそうした経済成長をつくり出すことのできる人材が必要だといっているわけです。
 そして、大綱骨子案では、世界中の人とコミュニケーションを図るためには英語教育だよ、新しい価値を創造する力をつけるためには理数教育だよということが強調され、そのための教育に重点を置く特定の高校、中高一貫校、小中高一貫校をつくっていくということが書かれております。まさしく経済のグローバル競争に勝ち抜くための人材育成、エリート養成です。
 しかし、現在、多国籍企業や国際金融資本が利潤を求めて動き回るグローバル資本主義のもと、貧富と格差の拡大や中間層の疲弊、タックスヘイブンを利用した税逃れなどが大問題になっています。グローバル競争を野放しにしていたら人類は幸福にはなれないと、その是正と規制を求める新しい流れが世界中には広がっています。
 教育の役割とは、ただ今のシステムに乗って競争に勝ち抜くための能力を育てるのではなく、今起きているさまざまな世界の動きを多角的に捉え、多様な考えがあることを知り、一人の人間としてどう生きるかを、一人一人が自分の頭で考えていく手助けをすることではないでしょうか。
 また、子供たちの成長の方向として、英語や理数系だけでない、さまざまな道があると思います。経済界の要請に応えた人材育成だけに重点を置くのではなく、まず全ての子供たちの主体的な成長を支える普通教育のための条件整備を重視していただきたいと思います。

◆道徳教育について

 次に、道徳教育に関連して伺います。
 民主的な市民道徳を子供たちにきちんと伝えていくことは重要です。しかし、子供の心や価値観を評価することや、特定の善悪や規範を押しつけることは憲法に反します。大綱骨子案では、日本人としてのアイデンティティー、我が国の礼節を重んじてきた伝統、互いに助け合って生活する国民性、日本人のよき行動規範、日本人としての規範意識など、日本人としてという言葉が随所に出てきます。
 私は、日本人としての規範意識という言葉、余り聞きなれないんですが、規範意識というのは法律や社会のルールを守ろうとする意識だと思いますが、日本人としてルールを守ろうという意識というのはどういう意味なのか伺いたいと思います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大綱骨子では、礼節を重んじ他者を思いやり助け合う日本人の行動規範は海外からも高く評価されており、日本人のよき行動規範を子供たちに確実に伝え、守ることが大切であるとの認識が示されており、重要事項Ⅳ、社会的自立に必要な力を育む教育の推進の中に、他者を思いやる心や日本人としての規範意識を醸成するため、道徳教育を推進することが今後の取り組みの方針として位置づけられております。
 先日の総合教育会議の中で、日本人としての規範意識について、知事からは、日本には礼節を重んじお互いに助け合うという国民性、美徳があり、このよき日本の伝統を家庭や地域と連携しながら、子供たちにしっかりと引き継いでいくことも重要との発言があったところでございます。

○里吉委員 礼節、すなわち相手に敬意を持って接することや他者を思いやる心は大切です、重要です。しかし、それは日本人だからとか、それが日本の伝統だから大切にしなさいと教えるのは、私は子供たちに本当に敬意や思いやりを教えることにはならないと思います。
 伝統といいますが、かつては身分による序列で、目下の者は目上の者に従うのが社会のルールだった時代もありました。また、戦前の教育勅語のように、夫婦仲よくなどという言葉もありながら、結局は天皇のために命をささげることが日本人の美徳規範とされていたこともあります。  私は、やはり規範意識や思いやりの心というのは、日本と世界の歴史の中で確立され、フランスの人権宣言や日本国憲法にうたわれている基本的人権や平等を子供たちがしっかり理解してこそ育まれるものだと思いますし、それがナショナリズムといわれず国際的にも通用するものになると思います。
 また、政治が日本人としてといった場合、国家に都合のよい特定のものを指すことが危惧されます。私も愛国心は十分持っているつもりですが、それは私の心の中の自由なもので、誰かに強制されるものではありません。道徳は必要だと思いますが、それは政治や行政が強制するものではありません。大綱で日本人としての道徳を強調することは、特定の価値観を押しつけることになり、するべきではないと考えます。

◆給付型奨学金について

 次に、貧困と格差の解消を求めて、給付型奨学金の問題について伺いたいと思います。
 今回の教育施策大綱骨子案には、給付型奨学金の創設が盛り込まれました。子供たちの教育を受ける権利を保障するものとして重要だと思います。東京都独自の給付型奨学金の必要性について都教育委員会の方に、これは知事の考えだということで伺いました。
 私たちも、日本共産党都議団としても知事にも提言も行っておりますので、これはぜひ実現していただきたいと思うんですが、その前提として、総合教育会議で配布された資料データ集に、文部科学省の子供の学習費調査に基づく学校種別学校教育費の現状のグラフがありまして、公立高等学校は大変お金がかかっているということが示されております。高等学校の学校教育費は年間で24万2692円となっています。
 この項目の内訳とそれぞれの金額について伺います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成26年度における全日制公立高等学校の1年間の学校教育費の主な内訳は、通学費が4万5253円、制服代が2万236円、修学旅行や遠足等の費用が3万436円、部活動やホームルーム活動などの教科外活動費が3万9840円となっております。

○里吉委員 これも資料をいただきましたけれども、2014年度の調査なので、1年生で高校無償化に所得制限が導入されて授業料を払った生徒もいます。平均すると7595円ということです。したがって、24万2692円、ほとんどが授業料以外にかかっている学校教育費ということです。
 一方、現在、国の奨学給付金、高校生向けの返済不要の奨学金、国の制度ですが、これは、公立高校生の場合、生活保護世帯で3万2300円、市町村民税所得割非課税世帯の場合は5万9500円、所得割非課税世帯で兄弟、大学生などのお兄さん、お姉さんがいる場合は12万9700円です。つまり最高でも13万円弱しかもらえません。学校教育にかかる費用が24万円ですから、奨学給付金だけでは学校教育全てを賄うことができないということです。
 私たちが保護者などに伺ったお話では、年間所得160万円の母子家庭でも住民税所得割をほんの少し払っているため奨学給付金の対象外になってしまったということです。1カ月13万円ですから、余りにも所得制限が厳しいと思います。
 ぜひここを今具体化しているこの給付型奨学金、都独自の制度では解決していただきたいと思いますが、ここでいう給付型奨学金の創設について改めてお伺いしたいと思います。 ○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都独自の給付型奨学金の検討につきましては、第3回都議会定例会の知事所信表明において示されました。その後に開催されました総合教育会議においても、知事からは、現在、一定の給付制度があるが、保護者の教育費負担の現状などを踏まえ、都立高校や私立高校の実情に応じた都独自の制度について検討を進めてまいりたいとの発言があったところでございます。

○里吉委員 現在の奨学給付金では金額も所得制限も不十分であることは明らかで、私もいろいろな家庭の話を聞きましたが、部活の道具が買えずに、お古を譲ってくれる人を探し回っているだとか、修学旅行に参加しない友人がいたなどの話が現在でも幾つも聞けるわけですね。
 小中学校の教育にかかる費用を支援する就学援助は、所得制限を生活保護の1・2倍程度としている市区町村が多いので、中学校では約3割の生徒が受給をしています。改善を国に求めることも重要ですが、同時に都独自の給付型奨学金の実施に当たっては、こうした状況を考慮して、所得制限を高く設定するとともに、高校生活を送るのに十分な金額を支給することを求めます。
 また、高校生の学費負担軽減では、高校就学支援金の所得制限も改善を求める声が上がっています。子供が複数いても扶養控除は16歳未満は廃止され、16歳以上でも控除額が33万円から45万円ですから、実際にかかる生活費や学費に比べて所得制限の傾斜がつかず、負担感が多いというご意見を伺っています。
 本来、国連人権規約の批准国として、所得に関係なく学費無償にすれば、こうした問題は生じないわけですが、そうなる前でも、国と力を合わせて実情に合わせた改善策を検討していただきたいと思います。

◆小中学校の不登校の増加について

 次に、大綱骨子では、東京都の小中学生の不登校の問題について触れております。不登校者数は2013年度から増加していることに触れておりますが、都教育委員会として、不登校の増加の原因について分析していることがあれば伺いたいと思います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 小中学校の不登校の数につきましては、不登校の児童生徒の出現率が、中学校では全国平均を上回っておりまして、小学校では全国平均と同等というふうなことが調査結果で判明しております。
 この要因でございますが、児童生徒をめぐるさまざまな課題がいわれておりまして、現在、はっきりとしたところまでは特定できていないという状況でございます。

○里吉委員 さまざまな原因があるということで、これから不登校の問題の解決に向けて、今も都教委としていろいろ対策をとっていることは私もよく理解しているつもりですけれども、やはり今の対応が対症療法的になっているような感じがするんですね。
 私は、やはり不登校がなぜふえているのかという原因をきちんと分析することが必要だと思うんです。私が受けるご相談などでも、1年生から毎日5時間授業で、朝読書やドリル、体力づくりのためのマラソンや縄跳び、朝から休み時間、放課後まで、やることが全部決まっていて子供が休む時間がないとか、学校スタンダードで挨拶の仕方、手の挙げ方、教科書の出し方など、細かく決められている。学校が息苦しい。こういった子供たちにとって学校が楽しい場所ではなくなっているとの声が本当に多いわけです。
 知事と教育委員の皆さんで大綱骨子案を議論した10月27日の総合教育会議でも、教育委員の方から、例えば学校でどうしても評価という枠組みが出てくる場合に、偏差値のあり方であるとか、点数の意味であるとか、学力とは何であるかといったときの中身であるとか、そういう大きな、いわば哲学を考え直すところから始めていかなければいけない、それを原因としたいじめや不登校が根本的に解決できないのではないか、こんな意見も出されておりました。
 たくましく生き抜く、競争を勝ち抜くこと、上からの道徳、価値観に従うことが強要されるような学校では、子供たちは伸び伸びと育つことはできません。都教育委員会がどのようなメッセージを発しているのか、改めて考え直していただきたいと思います。
 最後に、大綱骨子案の子供たちの学びを支える教師力、学校力の強化について、これは意見を申し上げたいと思います。  私は、先生たちが子供たちの学びを支えられるようになるためには、第一に、教員の長時間過密労働を解消すること、そのために35人学級の拡大や正規教員の増員を図ることを行うことが必要だと考えます。
 中学校の先生の持ち時間を18時間にすることや、副校長先生の事務仕事を軽減し、授業の準備や研究、自主的な研修などの時間の保障ができるよう、条件の整備に努めていただきたいと思います。
 これらは校長先生や副校長先生、また現場の先生から切実に、繰り返し要望されている問題です。総合教育会議でも、教師の多忙化のしわ寄せは子供たちに来ます、教員が子供たちの声を丁寧に聞く環境を保障することが大切という意見ですとか、また、ICT教育で教員の手が省けるという意見に対し、ICTは人間的に身につける部分が一緒になって初めて効果を上げるもので、教員の手を省くためのものではないと、教員の多忙化の解消や役割の重要性についての議論も交わされておりました。
 教員が教育の専門家として子供たちの教育に直接責任を持ち、生き生きと働ける環境づくりをお願いし、私の質問を終わります。

◆都立江北高校定時制「廃校計画」の決定の凍結・見直しを求めることに関する請願について

○里吉委員 それでは、都立江北高校定時制「廃校計画」の決定の凍結・見直しを求めることに関する請願について質疑を行います。
 我が党は、都内4校の夜間定時制高校の廃止計画が明らかになったときから、計画の撤回を求めてきました。
 夜間定時制高校は、高校に行きたい生徒にとって、最後のセーフティーネットの役割を果たしています。募集人員に達していなければ、基本的には申し込んだ生徒全員を受け入れてくれるのが夜間定時制です。不登校や中途退学の経験者を初め、さまざまな困難を抱えた子供たちが通っています。だからこそ、どの地域に住んでいても、通いやすい場所にあることが大切です。  しかし、都教育委員会は、かつて100校以上あった都立夜間定時制高校を、生徒や保護者、都民の反対を押し切って次々廃止してきました。現在半分以下にまで減っているのを、さらに4校減らすというのが今回の計画です。
 今回は、江北高校定時制の廃校の見直しを求める請願ですので、まず初めに、なぜ江北高校定時制課程を閉課程の対象に選んだのか伺いたいと思います。

○増田教育改革推進担当部長 夜間定時制課程を志望する生徒が減少し、各学校の在籍率が低下している中、23区東北部の足立区、葛飾区周辺にある複数の夜間定時制課程についても、入学者の減少に伴う学級減により、小規模化の傾向がございます。
 一方、チャレンジスクールや昼夜間定時制高校は高い応募倍率が続き、都民の希望に十分応えられていない実態があることから、都立高校改革推進計画新実施計画において、足立区内にある荒川商業高校をチャレンジスクールに改編することとともに、桐ヶ丘高校、浅草高校等の既設の昼夜間定時制高校等の学級増を行うことといたしました。
 このことに伴い、足立区南部に位置し、足立高校、飛鳥高校、南葛飾高校、葛飾商業高校普通科等の夜間定時制課程設置校に囲まれている江北高校定時制を閉課程することとし、23区東北部の夜間定時制課程全体の規模の適正化を行うことにしたものでございます。

○里吉委員 これ、2015年5月の数なんですけれども、都教育委員会にいただいた資料では、江北高校定時制の生徒、どこに住んでいるかという資料をいただきましたが、180人中142人が足立区でありました。足立区は広いですけれども、どこからでも江北高校は通いやすい場所にあるんだなというふうに思いました。
 自転車通学の生徒も多いと伺いましたが、電車でも3路線使えてアクセス便利と学校のホームページでも宣伝をしておりました。綾瀬駅徒歩10分、五反野駅徒歩15分、青井駅徒歩7分ということがホームページにも書かれておりました。
 いろんな学校を今挙げていただいて、かわりに受け入れる学校があるよと示されましたけれども、繰り返しになりますが、定時制高校に通うお子さんは、元気なお子さんばかりではありません。一般的にこの距離だったら通えるだろうという距離が、そういう子にとって、4年間通い切ることが大変だということもぜひ理解していただきたいと思います。
 また、夜間定時制は、募集倍率が下がっている。一方で、昼夜間定時制やチャレンジスクールの倍率が高いから、チャレンジスクールなどをふやしていくと。そういう学校で受け皿をつくるんだというお話だと思いますけれども、私は、これまで再3、学年制でクラスがある定時制と、自分で科目を選んで履修する単位制、3部制、学校としての特徴が違うというお話をしてまいりました。  夜間定時制高校とチャレンジスクールなども含めた昼夜間定時制高校のそれぞれの特色、どのようなものか、また、どのような生徒が通っているのか、改めて伺います。

○増田教育改革推進担当部長 夜間定時制高校には学年制と単位制があり、また、学科は普通科のほか、専門学科もございます。
 全日制課程と併置されているため、ほとんどの学校が午後5時30分ごろに始業し、1日4時間の授業を4年間かけて学ぶ教育課程をとっていますが、高等学校卒業程度認定試験等、単位認定することで、3年間での卒業を可能としている学校もございます。
 当初は、主として勤労青少年を対象としておりましたが、現在では、全日制課程の高校などへの進学希望をかなえられなかった生徒、不登校や中途退学を経験した生徒、外国人の生徒、学習習慣や生活習慣に課題がある生徒など、多様な生徒が在籍しております。
 一方、チャレンジスクールを含む昼夜間定時制高校は、単位制、多部制の定時制独立校であり、学科は普通科のほか、新宿山吹高校に情報科が設置され、また、チャレンジスクールは選択科目の幅が広い総合学科としております。
 生徒は、午前部、午後部、夜間部の時間帯の中で、自分の所属する部での授業を年間20単位まで履修でき、他の部の授業を受けることで3年間での卒業が可能となっております。
 主として不登校を経験した生徒を受け入れているチャレンジスクール以外の昼夜間定時制高校には、夜間定時制高校と同様に、多様な生徒が在籍しております。

○里吉委員 チャレンジスクール含む昼夜間定時制高校は、単位制、多部制の定時制独立校というご説明が今ありました。
 単位制だと、大学のように、好きな科目を自分で選んで授業を受けるということで、クラスのまとまりがないということも課題としてありまして、最近では、ロングホームルームなども行っていることは知っておりますが、やはり夜間定時制とはクラスのまとまりが違うんですね。
 ここで、我が党の白石議員の例を挙げたいと思うんですが、我が党の白石議員は、夜間定時制高校の卒業生です。少なくとも4日学校を休んだら、クラスの友人から携帯に電話が来る、メールが来る、さらに心配してバイト先に来てくれて、どうして来ないのかと声をかけてもらったといっておりました。先生の方は、さらにバイト先に電話をかけて、上司に、学校に行くように話してくれというふうに頼んだということもいっておりました。はっきりいって、この仲間や先生がいなかったら、僕は高校を卒業できなかったといっております。
 また、別の、これは最近定時制高校を卒業した女性の方ですけれども、彼女は小学校から不登校だった。定時制高校が初めてちゃんと通えた学校だったとおっしゃっています。4年間の学校生活の中では、彼女自身ももうやめてしまおうと、もう無理だと思ったことも何度もあったけれども、少人数でコミュニケーションがとれていたこと、ゆっくりと学べたこと、気軽に通える場所にあったこと、こうしたことで最後まで通うことができた。だから、これ以上定時制高校をなくさないでほしい、こういうメールを寄せてくださいました。
 チャレンジスクールや昼夜間定時制とは違う夜間定時制高校の存在意義があるということを、都教育委員会の皆さんには改めて認識していただきたいと思います。
 さて、私は先日、江北定時制高校を視察してまいりました。現在、独自のスクールカウンセラーも配置され、また、自立支援チームも継続的に派遣され、丁寧な指導が行われていると感じました。  ことしの4年生は特に優秀でと校長先生がおっしゃっていたんですが、もう今の時点で、半分以上が正規の就職が決まっている、推薦枠で大学進学が決まっている子もいるというふうに伺いました。  さらに、私がお話を聞いて感心したのが、江北高校定時制課程で、近くの都立城東職業能力開発センターと連携をしているというお話でした。この連携とはどのような内容であるのか伺います。

○増田教育改革推進担当部長 江北高校定時制課程では、今年度から体験学習等を通じて自己の適性を知り、就労に対する興味や関心を引き出すことを目的に、4年時の必修選択科目として、学校設定科目キャリアデザインを設置しております。
 このキャリアデザインの授業の一部で、城東職業能力開発センターと連携し、センターが開講している訓練科目の内容を体験できる授業を年6回実施しているところでございます。

○里吉委員 城東職業能力開発センターが主催する訓練科目の内容を体験できるということでした。  この都立城東職業能力開発センターは、本当にさまざまな資格が取れて、就職率も100%と聞いております。いろんな訓練科目を体験し、自分に合ったものが見つかれば、例えば、卒業後にセンターに通って資格を取ることもできるのではないでしょうか。
 学校から歩いて行ける距離にこの城東職業能力開発センターがあるので、授業時間を使って体験できるというお話でした。今年度からということですが、すばらしい取り組みだと思いました。改めてこういう定時制をなくさないでほしいという思いを強くいたしました。
 都教育委員会が、こういう定時制4校を廃止すると、夜間定時制課程の閉課程計画を決定されたわけですけれども、その後も計画の凍結を求める署名が続々と集められて、この文教委員会ではなくて、都教育委員会の方に2万8千筆を超える署名が提出されたと聞いております。
 このことについて、都教育委員会はどのように受けとめているのか伺います。

○増田教育改革推進担当部長 本年9月下旬に、都教育委員会に提出された請願は、これまでの都教育委員会への請願や都議会への陳情等とほぼ同じ趣旨でございました。
 この請願に対しては、昨年度から説明してきた夜間定時制課程の入学者選抜の状況や、生徒の在籍状況には改善が見られず、夜間定時制課程をめぐる特段の事情変更が認められない中にあって、都立高校改革推進計画新実施計画を着実に実施していく旨を請願者に回答したところでございます。
 このように、都教育委員会としては、これらの意見に対し、これまで説明を尽くしてきていると考えております。

○里吉委員 入学者選抜の状況や生徒の在籍状況に改善が見られない。つまり応募人数がふえない、特段事情変更が認められないので、計画は実施するというお答えでした。
 私は、以前の質疑のときにも申し上げたのですが、夜間定時制高校のPRが本当に不足していると思うんです。都教育委員会の発行している定時制課程、通信制課程の入学案内の冊子には、あなたが行きたい学校はどのタイプとありまして、日中働きながら高校に通いたいな、それなら定時制高校ならできますと、こういう説明なんですね。現在の状況とも全く違うんじゃないかと思うんです。
 中学校の先生や、周りに今の夜間定時制高校の特徴をよくわかってくれる方がいれば、丁寧に説明して、夜間定時制高校を勧めてくれる、そういうこともあるでしょう。でも、そういう人が近くにいなければ、選択肢の中に入ってこない可能性もあります。
 かつて定時制に通うような生徒が、今、通信制高校と連携したサポート校に通っているという話をよく聞きます。こうした学校は、全日制の入試の合格発表の日に、その学校周辺のサポート校のきれいなチラシを配布して、もし全日制に受からなかった方はこっちに来てください、こういうPRをしているわけです。
 しかし、通信制高校とサポート校と、事実上2つの学校に通うだけのお金を払わなくちゃいけないわけで、私が話を聞いた方は、年間80万円かかるといっておりました。
 経済的な心配もなく学べるセーフティーネットの学校としての夜間定時制高校を、もっと広く都民に知らせる努力をしていただきたいと思います。
 そして、今回、請願にある高校をぜひ廃止を凍結して見直していただくこと、これから皆さんがきちんとPRしていただければ、こんなにすばらしい実践を行っている学校ですから、入学する人もふえるんじゃないかと思います。そうすれば、見直すこともできるんじゃないかと、私、今の答弁を聞いて思いましたので、ぜひそういうことを検討していただきたいということを求めて、江北高校定時制の廃止は凍結していただくことを求め、請願の採択を主張して質問を終わります。

◆定時制課程の給食について(陳情)

○里吉委員 それでは、定時制課程の、まず給食について伺います。
 定時制課程の高校の給食は、勤労青少年の在籍割合の低下や生徒のライフスタイルの多様化、外食産業等の変化に伴い喫食率が低下しているというご説明でしたが、定時制高校の先生に伺うと、生徒たちと給食を食べることでいろいろなコミュニケーションがとれるとか、おいしい給食を食べることを楽しみに頑張って通ってくる生徒も多いと伺いました。
 さらに、高校生は体をつくる大切な時期であり、食育という点でも、夜間定時制高校の給食は大きな役割を果たしていると考えます。
 バランスのよい食事など工夫していただいていると思いますが、現在の都教育委員会としての工夫について伺います。

○初宿都立学校教育部長 都教育委員会は、学校給食法に基づく学校給食実施基準に従い、栄養バランスを確保し、多様な食品を組み合わせた食を提供し食に関する指導や食の内容の充実を図っております。
 具体的には、季節感のある献立の作成や都内産食材の使用とともに、あわせて献立表の配布や掲示物などを活用し、学校給食を通した生徒の食に対する理解の推進に取り組んでおります。

○里吉委員 季節感のある献立、都内産食材の使用など、大変努力しているということがわかりました。
 先日、江北高校に伺ったときにも、ちょうど給食を食べているところだったんですが、みんなきれいに食べて残菜はほとんどありませんでした。
 自校方式の温かいおいしい給食で、おいしそうだなと思って生徒さんに声をかけたんですけれども、皆さん笑顔でおいしいですというふうに答えておりました。
 それでは、なぜ喫食率がこれだけ低いのかということになるんですが、もちろんさまざま理由はあると思いますが、私がいろいろな定時制高校で、先生たち、校長先生から話を聞くのは、やはり費用負担の問題なんですね。特に、1カ月分まとまって先に払ってからその次の給食を食べるという、こういうやり方だと思うんですが、まとまった費用負担が大変で、給食を食べない生徒も多いと聞いております。
 この点で、喫食率を改善するための都の取り組みについて伺います。

○初宿都立学校教育部長 給食費は、学校ごとに期間を定め、他の学校徴収金とともに納入することになっております。
 都教育委員会では、徴収回数の設定に関して、保護者に過度の負担がかからないことに留意するよう各学校に指示をしております。
 学校では、生徒、保護者からの申請により、分納の取り扱いも行われております。
 また、夜間定時制課程の夜食費補助金制度により、就労中の者や求職中の者等を対象に給食食材費の一部を補助し、給食費負担の軽減を図っております。
 現在、給食の提供に当たりましては、調理した給食を冷却や再加熱しないで配送するシステムを導入するなど、メニューを豊富にし安全を確保した上で、鮮度や味の保持にも努める給食の改善に取り組んでおります。

○里吉委員 先日視察した江北高校でも、徴収回数は月2回に分けて、1回の納入金額を少なくする努力をしておりました。また、今、お話にもあったように、おいしい給食を提供する努力もしていただいているということです。分納することで助かっている生徒さんもいると思います。しかし、まだ喫食率が低いことを考えますと、ここへの財政支援も検討するべきではないかと思います。
 高校生向けの奨学金制度の創設が検討されていますが、大事な食事への支援も、ぜひ検討していただきたいということを要望しておきます。

◆定時制課程の就学支援、就労支援の拡充について(陳情)

 次に、就学支援、就労支援について伺います。
 定時制高校に通う生徒の中には、不登校経験や中途退学を経験している生徒、また、家庭にさまざまな困難を抱えている生徒も少なくありません。そのため、スクールカウンセラーなどの支援が重要です。
 全日制と夜間定時制を併置している高校では、昨年度まで1人のスクールカウンセラーしか配置されていませんでした。今年度から、それぞれの課程に1人ずつ配置されるようになりました。
 そこで、昨年度までの相談実績とスクールカウンセラーを拡充した理由について伺います。

○出張指導部長 全日制課程と夜間定時制課程を併置している都立高校42校におきまして、スクールカウンセラーが平成27年度に生徒、保護者、教員等から受けた相談件数の合計は1万2525件でございます。
 そのうち、生徒からの主な相談内容については、多い順に友人に関すること、学習や進学に関すること、家庭や家族に関することなどとなっております。
 今年度から課程別にスクールカウンセラーを配置した理由は、それぞれの課程に在籍する生徒等からの相談に当てる時間を十分に確保することにより、学校教育、相談体制の一層の充実を図るためでございます。

○里吉委員 今までは全日制、定時制で1人のスクールカウンセラーの方に両方お願いしていたのを、1人ずつ配置されたということで、大きな前進だと思います。
 しかし、今回出ております陳情では、週に1回、各課程に1人の配置では、まだ相談に応じ切れないということも書かれております。実績を見てからだと思いますけれども、さらに必要であれば、拡充も検討していただきたいと思います。
 次に、自立支援チームの派遣について伺います。
 今年度から、都教育委員会にスクールソーシャルワーカー等から成る自立支援チームを新たに設置して、2、3人で一つのチームをつくると伺いましたが、在校生に対する進路決定等の支援に加えて、中途退学後の就労や再就職に向けた支援を行ってきたと伺いました。
 現在、定時制のうち、自立支援チームが継続的に派遣されている学校は幾つあるのでしょうか、また、具体的にはどのような取り組みが行われているのでしょうか、伺います。

○粉川地域教育支援部長 都教育委員会では、今年度から、全ての都立学校を対象として自立支援チームを派遣しており、そのうち継続的に定時制課程に派遣している学校数は23校でございます。
 自立支援チームは、面談等を通して生徒の状況把握や助言などを行うとともに、教員等と連携したケース会議を実施するなど、生徒一人一人の自立に向けきめ細かく対応しております。

○里吉委員 教員とも連携してケース会議まで開いて、一人一人の自立に向けて対応しているということで、中途退学をふやさない、また、もし退学となっても、その子たちがきちんと社会に出られるような支援をしていくということで、大変重要な取り組みだというふうに思いました。
 江北高校のときにもこの話について伺ったんですが、同じ方が継続して学校に来て相談に乗ってくれるので、本当に信頼関係が生徒たちとできているし、やむを得ず退学することになっても、高校に相談すれば、こちらのチームの方につないでもらえる、就労相談にも乗ってもらえる窓口があるということで、学校をやめても、学校と関係を切らない努力がされているということで、今後そういうことがあっても、子供たちが社会に出ていくための手助けができる、そういう体制ができたというふうにおっしゃっておりました。
 これは、継続派遣校以外にもきちんと対応しているということで伺ったんですが、要請があれば、このチームが訪問するということで、現在どれぐらいの学校に派遣を行っているのでしょうか、また、そのうち定時制高校への訪問は何校あるのでしょうか、相談内容とあわせてお伺いします。

○粉川地域教育支援部長 都立学校からの要請に応じて自立支援チームを派遣した学校数は、現時点で16校でございます。
 そのうち定時制課程に派遣した学校数は5校であり、就職を目指す生徒には、進路決定に向けた支援や、家庭環境への働きかけが必要な生徒には、関係機関と連携した福祉的支援などを行っております。

○里吉委員 就労相談も福祉的支援も両方を実施できるということで、本当にきめ細かい支援ができているというふうに感じました。
 家庭の問題についても支援できるスクールソーシャルワーカーの存在は本当に大事で、なかなか学校の先生、そこまでできませんので、これが本当に大きな対策になるというふうに期待しております。
 特に定時制高校の先生たち、校長先生にもよくいわれるんですが、本当にここに通ってくる生徒の多くが家庭に困難を抱えている生徒が少なくない。正規雇用で働けるように支援すること、家庭の経済的困難を乗り越えられるように相談に乗る、そういう丁寧な対応が本当に求められている学校だというふうにいわれておりました。
 一人一人に寄り添った支援で、就学、就労支援に引き続き取り組んでいただきますよう要望して、陳情については趣旨採択を求め、質問を終わります。

◆陳情への意見表明

○里吉委員 陳情28第80号、東京都内の公立小・中学校における「和楽器の表現活動」の推進に関する陳情について意見を申し上げます。
 この陳情は、都内公立小中学校において、豊富な洋楽器系指導内容の存在と、授業時間数削減の影響から、和楽器の指導について十分でないようだと訴えております。
 その上で、学校にどれだけの和楽器があるのか、どれくらい教えているのか、どのような指導内容なのか等を調査して、その改善を求めております。
 全都各地の中学校で三味線を教えている三味線のお師匠さん、私、知り合いにいるんですが、その方にお話を聞きました。そうすると、授業での和楽器の扱いは、学校によって本当に全く違うそうです。
 特に熱心な音楽の先生がいると進むけれども、その先生が転任してしまうと、せっかく楽器がそろっていても、倉庫にしまいっ放しになってしまうというのはよくある話だとおっしゃっていました。
 また、ある学校に近隣住民の方が、そのときは三味線をわざわざ張りかえて贈呈したのに、全く使われていなかった。私がお話を伺った三味線の師匠がそれを知って、引き取って、今、別の中学校で使っているそうです。
 このお師匠さんは、音楽の先生に直接三味線を教えたり、クラブ活動の時間など、さまざまな機会を活用している方で、年1回は全都の中学生を集めての発表会なども主催をしております。
 陳情者の方も、これまで邦楽普及の鍵は学校教育にありを信条として取り組んできたと、関係者の皆さんと和楽器が学校教育の中で取り組まれるよう努力をされてきた方です。
 今、学習指導要領にも示されているわけで、中学校では必修になっているはずなんですが、この日本の古くからの三味線やお琴、こういう音楽はなかなか私たちは聞く機会がないというのが現状だと思います。
 専門の方々が熱心に働きかけて、和楽器を学ぶ音楽の先生も少しずつふえているという ことですが、まだ全体の一部にすぎないということだと思います。音楽の授業も少なくなっているようです。
 具体的には、区市町村教育委員会の権限と責任において行われるということはそのとおりだと思いますが、さまざまな研究団体などが行っている研修会をさらに広く周知することや、すぐれた経験を紹介するなど、都教育委員会としても、子供たちに、洋楽器もいいけれども、日本にはこういう楽器があるよ、和楽器があるよ、無理なく教えられるように工夫していただきたいと思います。
 以上、この陳情は、趣旨を採択することを求めて意見といたします。

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文教委員会速記録第18号

平成28年12月9日(金曜日)

◆障害者総合スポーツセンターの改修工事について

○里吉委員 それでは、私からも障害者総合スポーツセンターの改修について伺ってまいります。
 東京都障害者総合スポーツセンターは築30年を経過しており、老朽化していることから改修を行うものです。
 さらに、今、質疑にもありましたように、利用者の要望にも応えて増築すると聞いております。
 改修により、駐車場の台数や家族更衣室、テニスコートなど、具体的にどれくらいふえるのか、また、トイレの改修など、改善について改めて伺います。

○田中スポーツ施設担当部長 東京都障害者総合スポーツセンターの改修計画の策定に当たっては、利用者の要望を踏まえ、利便性や快適性の向上を図ることとしております。
 具体的には、駐車場は33台から47台に、家族更衣室は男女別の更衣室の一角を区切って使用していたものを4室に、テニスコートは2面から3面に拡充いたします。
 また、トイレについても、車椅子で使用できるトイレをふやしたほか、オストメイト用流しやベビーチェアを追加で設置するなど、機能を拡充いたしました。

○里吉委員 ありがとうございます。プールの家族更衣室は、先ほどもお話がありましたけれども、今はプールの女子更衣室を入ったところに一つしかありませんが、これを2つにふやして、しかも廊下から直接入れる仕様にすると伺っています。
 成長してきた男の子をお母さんが介助する場合、気兼ねせずに使えるようになるということで、大変重要な改善だと私も思います。
 ほかにも、現在のトレーニング室を会議室にする、卓球室を拡張する、増築棟に現在より大きなトレーニング室と多目的スペースを設けるなどの拡張が図られるということで、利用者の皆さんも大変期待していらっしゃるというふうに思います。
 同時に、利用者の方や指導員の方などからは、障害があるだけにほんの少しの違いで使いやすさに大きな差が出てしまう、細かい仕様が実はどうなっているのかも大変大事で、そこが気になるというお話も伺っております。
 今後、ぜひ、細かい部分をつくってしまう前に情報提供もしていただいて、利用者の要望も聞く機会を設けていただくことを強く要望しておきます。
 また、今回は工事期間が長くなることから、これも利用者の声に応えて、全て閉館とせずに、一部利用しながら工事を進めると伺っております。具体的にどのように行うのか伺います。

○田中スポーツ施設担当部長 東京都障害者総合スポーツセンターは、単にスポーツ利用だけでなく、日常のリハビリテーションや利用者同士のコミュニケーションの場としても活用されており、休館期間中の利用者への配慮も課題であります。
 このため、グラウンドに代替となる仮設施設を設置し、多目的スペースやトレーニングルーム、卓球室などを設け、工事期間中も利用者が継続的に活用できるようにいたしました。

○里吉委員 障害者の方が使える施設がまだまだ少ない中で、仮設施設を設置していただくことは大変重要だと思います。
 同時に、改修のときにも要望の大きかったプール。プールはもう少し大きくしてほしいというものでした。これはなかなか実現はできなかったわけですけれども、閉館中も他のプールが使えるようにしてほしいという要望もたくさんいただいていると伺いました。
 今回、改修でプールは大きくできなかったわけですけれども、閉館中のプールの代替についてはどのようにするのか伺います。

○川瀬スポーツ計画担当部長 工事期間中に設置する仮設施設におきましては、スペースが限られることからプールの設置が困難であります。そのため、利用者の方には、早い段階から休止期間の館内への掲示や案内チラシの配布などにより、事前の周知を図っております。
 加えて、必要に応じて家族更衣室が設置されているかなど、バリアフリー状況に応じた公立施設を紹介してまいります。

○里吉委員 プールを個人利用する場合は、今お話があったような他のところを紹介していただけるということで、何とかなるというふうに障害者の方もおっしゃっていました。
 しかし、サークルをつくって団体利用している皆さんは、他の施設の団体貸しの場所に割り込むのがなかなか大変だという話も伺いました。
 私の知り合いの視覚障害の方もサークルをつくって利用しているそうなんですが、障害者スポーツセンターなら送迎バスもあって、一人でも行けるそうなんですね。そういうことも含めて、他の施設ではなかなか難しいということで、この団体は残念ながら改修中は休みにするしかないというふうに考えていると伺いました。
 プールは、障害のある方にも、健常者の方にもですけれども、大変人気のあるスポーツで、障害のある方にとっては気軽にスポーツできるところなんですね。ですから、やっぱりもっといろんなところにあることが必要だと思います。
 オリンピック・パラリンピック準備局さんで、今年度から特別支援学校の体育館を利用した地域スポーツ事業を開始していただいていますけれども、これには今のところプール活用が想定されていません。
 以前にも質問いたしましたが、特別支援学校のプールを温水化して地域に開放していく、障害者スポーツ振興の有力な手段の一つだと思います。ぜひ教育庁とも連携していただいて、前向きに進めていただきたいと思います。
 今回の改修は大変前向きな部分、大きくするということで、案件には賛成いたしますけれども、あわせて、もう一歩進めるためにプールを新しくつくるということもご要望させていただいて、私の質問を終わります。

◆都立文化施設の指定管理者の指定について

○里吉委員 私からも第206号議案、都立文化施設の指定管理者の指定について伺います。
 今回は、江戸東京博物館、写真美術館、現代美術館、東京都美術館、東京文化会館、東京芸術劇場の6施設の指定管理者として、特命で東京都歴史文化財団を指定する、指定期間は4年間との提案です。
 私も、もともと指定期間10年としていたものが4年になったところ、疑問に思っている一人です。今回、指定期間を10年ということで事業計画書は出してもらっています。審査もそれをもとに妥当と評価されたけれども、都政改革本部の内部統制プロジェクトチームの中で、歴史文化財団を含む監理団体の指導監督について検討が行われるので、そのこととオリンピック・パラリンピックの文化プログラムを着実に進めることを考慮して、4年間の指定期間としたと伺っております。
 私たち日本共産党は、これまでも文化施設や図書館などは、事業の専門性や継続性などの観点から、コスト削減が重視され、管理者が短期間で入れかわる可能性の高い指定管理者制度にはなじまないと繰り返し主張してまいりました。
 今回は、これまでも都立文化施設の運営を担ってきた都の監理団体の公益財団法人東京都歴史文化財団を特命でしたということで、これには異存はありません。
 ただ、生活文化局としても当初10年間の指定と考えていたものがなぜ4年という短期間になったのか、ここは私も大変気になるところです。
 そこでまず、指定管理者制度が導入されて10年になります。これまでの江戸東京博物館など文化施設の指定の経過について伺いたいと思います。

○越文化施設改革担当部長 平成18年度の指定管理者制度導入の際、都立文化施設については、制度導入当初であったことから、指定期間を平成18年度から平成20年度までの3年間とし、それまで都立文化施設の管理運営委託を行っていた東京都歴史文化財団を指定管理者として指定いたしました。
 その後、平成21年度からは、展覧会や公演等の事業実施に当たり、一定の準備期間を要すること、質の高い事業を実施するには関係施設等とのネットワークの蓄積が大事であることなど、文化施設の特性を踏まえ、指定期間を8年間として、東京都歴史文化財団を指定管理者に指定いたしました。

○里吉委員 地方自治法の改定により、指定管理者制度が導入された当初は、期間を3年と設定したと。これは、2005年当時の議事録を読ませていただきましたら、企画展などの準備には2年間は必要なので、現行の管理受託者、歴史文化財団のことですね、ここと新たに参入を希望する民間事業者との公平性を確保する、つまり、次は公募にする前提で、準備期間として歴史文化財団を3年間、特命で指定したということでした。
 そして、その次、指定期間を8年として公募を行って、改修予定のあった東京都美術館とか芸術劇場とかは特命でしたけれども、それ以外は公募を行いました。そして、結果として、歴史文化財団が高評価を得て指定されたという経過です。
 当時の選定のときの審査委員の総評では、指定期間について、例えば、東京文化会館では、文化事業は効果があらわれるまで長期間かかるものであるが、3団体が応募していましたけれども、どの提案も長い目で見て育てていく企画が見られなかったと。このことから、数年置きに管理運営者が選定される指定管理者制度への懸念を感じた、こういうことが書かれています。
 指定期間8年間での企画提案でも、長い目で育てる企画を提案することは難しいということだったと思います。そして、今回は、もともとは10年間としていたということです。
 歴史文化財団からの提案書類、事業計画書、これは運営戦略として10年間の指定期間を生かした各館の潜在力及び6館の総合力発揮のための運営戦略と取り組みについてとありますが、改めて指定期間10年間での提案となった理由を伺います。

○越文化施設改革担当部長 都立文化施設が行う事業は、企画や準備に一定の期間を要するほか、収蔵品の収集及び調査研究等の専門性、学術性の高い業務についても継続的な取り組みが必要でございます。あわせて、専門人材の育成にも相当の期間を要します。
 そこで、安定的、継続的で質の高いサービスを提供するため、指定期間を10年間とし、事業計画書の提出を東京都歴史文化財団へ求めたものでございます。

○里吉委員 収蔵品の収集、調査研究等の専門性、学術性の高い業務での継続的な取り組みと人材育成を重視したということですね。重要な観点だというふうに思います。
 例えば、収蔵品の収集一つとっても、どのような作品を選定するかの考え方が一貫し、また、見る目を持つ学芸員が専門性を発揮できる状況になければ、これは成り立ちません。
 また、東京文化会館や芸術劇場、東京都美術館のように、ホールや展示場を貸し出す施設も含め、長期的な視野に立って、どのように文化や文化を担う人たち、団体を育てていくのか、どのように施設の独自性や特徴を輝かせていくのか、これが大変重要です。
 あそこに行けば、何かすばらしい文化的な出会いがあると都民が期待できる施設は、そう簡単にはつくれない、そういうことだと思うんですね。
 現代美術館などは、この間若手育成に力を入れておりまして、所在地でも、先ほどご説明がありましたけれども、文化や芸術の好きな若者がたくさん集まってくる本当に魅力的な場所に成長しております。まだまだ成長する可能性を秘めた施設になっているというふうに感じております。
 8年間継続するうちに、管理運営状況の評価も毎年行われておりまして、ホームページで見ることができます。S、A、Bの3段階で、S評価の施設数がだんだんふえているということも注目すべきことだと私は思います。
 今回は、あえて反対はしませんけれども、事業計画も10年でつくっていることですし、やはり継続性を重視して、4年で途切らせることなく、その先も見越した長期的な視野を持った管理運営をお願いしたいと思います。
 そして、最後に、専門人材の育成について伺いたいと思います。これも大変重要なことです。
 8年前の公募で指定管理者の選定のときには、歴史文化財団も制度の趣旨から、コスト削減しなければ選ばれなかったかもしれないという危機感で、実は学芸員などの人員削減や給料カットを行って、大変だったと伺っております。
 しかし、選定のときの審査委員の総評では、むしろ人材確保や事業の質を重視すべきだという意見が出されました。
 東京文化会館では、指定管理者の選定は価格の競争だという思い込みがあるようだが、施設運営や事業の公共性を担保するためには、設置者の拠出、指定管理料は必要である、危険につながる舞台技術のスタッフの削減はあってはならないのはもちろんのこと、人材の十分な担保やすぐれた事業を提示し、必要な指定管理料を求める提案があってもよいと思われた、こういうふうに記述されているんですね。
 今回の選定では、歴史文化財団は蓄積されたノウハウと豊富な専門人材を最大限活用した文化振興などが期待できることが選定理由の一つというふうに書かれております。ノウハウの蓄積と専門人材が評価されているわけです。
 そこで、今回、指定管理者選定の対象となった6館の現在の学芸員等の正規職員の人数について伺います。また、現在の指定管理期間の初年度から増減はどうなっているのか、あわせて伺います。

○鳥田文化振興部長 今回の指定管理者選定の対象になった6館の平成28年度の正規職員については、東京都江戸東京博物館が28人、東京都写真美術館が13人、東京都現代美術館が13人、東京都美術館が10人、東京文化会館が11人、東京芸術劇場が8人、合計83人であり、その他の有期雇用の職員を含めると、全体で225人となっています。
 また、現在、指定管理期間の初年度である平成21年度と比較すると、東京都写真美術館が1人、東京都現代美術館が2人、東京都美術館が6人、東京文化会館が3人、東京芸術劇場が1人増員となっております。合計で13人の増員でございます。

○里吉委員 全体で正規雇用の学芸員83人、8年間で13人ふやしてきたということでした。  やはりこうした人材を大切にする努力が施設の魅力を高め、高い評価を得ることにつながっているのではないでしょうか。学芸員の皆さんに専門性を磨いてもらい、長期的視野に立って力を発揮していただくために、今後とも正規職員の拡大など、都としても支援を強めていただくことを要望し、私の質問を終わります。

◆特別支援教育推進計画(障害児の教育)について  

○里吉委員 では、私からも特別支援教育推進計画(第2期)・第1次実施計画(案)の骨子について質疑を行いたいと思います。
 私は、これまで繰り返し特別支援学校の教室不足問題を初めとしたさまざまな特別支援教育の環境整備を求めてまいりました。
 我が党は、予算委員会でも、現在の特別支援教育推進計画第3次実施計画が終了してもなお221教室、普通教室が不足していることを初めて明らかにいたしました。そして、早急に次期計画をつくり、教室不足を解決することを繰り返し求めてまいりました。
 特別支援学校の教室の確保を求めることに関する請願が全会一致で採択されたことも受け、今回の計画案で教室不足解決に向けて動き出したことは大きな前進だと評価したいと思います。

◆特別支援学校の教室不足問題について

 まず、普通教室の確保について伺います。
 知的障害特別支援学校における普通教室数の目標数ですが、これが数字ではなく、学級数分の普通教室を確保と言葉で表現されているのはなぜか改めて伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 本計画においては、将来の在籍者数の変動にも適切に対応できるよう、次期実施計画の策定時などに再度推計を行い、必要に応じて施設整備計画を見直すこととしております。
 こうした見直しにも柔軟に対応できるよう、学級数分の普通教室を確保としております。

○里吉委員 教室数の目標を決めないことで、この10年間の中で子供の数の変動に合わせて必要な教室数を確保するためだということでした。
 今度の計画では、特別教室から転用した普通教室も解消するとされています。ですから、今度は普通教室も特別教室もきちんと確保して対応していくことだということを理解いたしました。
 それでは、今の計画で本当に普通教室は不足が生じないのか改めて伺いたいと思うんです。それは、これを読んでみますと、特別支援学校の児童生徒数、今年度に比べ2028年度、2832人ふえる推計になっています。知的障害だけで2584人ふえる推計です。
 一方で施設整備計画は、学校の新設が4校、増改修が2校だけです。これだけでは2832人に対応する施設整備にはならないと考えます。
 新増設と増改修で何人程度対応できるのか、残りはどう対応するのか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 新設、増改修等により確保する教室数については、今後、建築に係る土地の法的規制や土地の形状に応じた校舎配置案等の基礎的な調査を実施した後確定するため、現時点では明らかにできません。  教室確保につきましては、本計画に基づく新設と増改修等のほか、特別支援教育推進計画第3次実施計画に基づく施設整備を引き続き実施していくこととしており、さらに校舎の改築に合わせた必要な教室の確保や既存校舎の活用を行うことで、必要教室数を整備することとしております。

○里吉委員 今、大枠は決まっているけれども、改築計画がどれくらいになるのか、今の時点では示されませんでした。ただ、改築計画もあるので、それで飲み込めると、足りるということでしたけれども、最後確認します。
 今示されていない改築計画が、最後これが骨子ではなくて実施計画が出てきたときにはそれも示されて、それで10年後までに現在の2832人増という推計に見合う施設計画となっているということでよろしいのか、最後確認したいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 繰り返しの答弁になりますが、新設、増改修等により確保する教室については、今後、建築に係る土地の法的規制や土地の形状に応じた校舎配置案等の基礎的な調査を実施した後確定するため、現時点では明らかにできません。
 ただ、教室数を答弁できないからといって必要な数を確保できないわけではありません。ちゃんと確保しております。

○里吉委員 それでは、新しく出てきたものを確認したいと思いますが、次に、学校の施設整備全体についても伺いたいと思います。
 今回の計画では、新たな施設整備標準を策定するとしております。新たな標準とは具体的にはどのような改善点が加わるのかお伺いします。

○浅野特別支援教育推進担当部長 計画案の骨子に記載のとおり、多様な学習内容に柔軟に対応可能な可変性の高い教室の整備や防災機能の強化、環境負荷を抑制するための施設設備の整備等、施設設備の充実に必要な内容を盛り込むこととしております。

○里吉委員 それ、私も読んだんですけれども、ちょっと確認したいんですけれども、可変性の高い教室というのは具体的にはどういうものなのか、どういうことを想定しているのか、ちょっと具体例を示していただきたいんですけれども、お答えください。

○浅野特別支援教育推進担当部長 例えば、多目的ルームのような比較的大きな教室を整備いたしまして、必要な場合にはそれを間仕切りすることで普通教室にもできると、そのようなものであります。

○里吉委員 大き目のプレールームをつくっておいて、それが小さくも使えるように、いろいろ使い勝手がいいようにするということでした。
 施設整備の充実に必要な内容を盛り込むということで、ここに書かれていた可変性が高い柔軟な基準や標準というのが、一歩間違えれば質の低下につながりかねない心配の声を伺いましたので、今確認させていただきました。そうならないということだと思うんですが、ぜひそうならないようにしていただきたいと思います。
 そして、現在の施設整備基準では、普通教室や特別教室については、障害種別、学校種別に教室の数や標準面積などが決められております。少なくとも普通教室を初めとする教室の面積、特別教室の種類やその室数は、現行水準を下回らないことが必要だと思いますが、どうなるのかお伺いします。

○浅野特別支援教育推進担当部長 施設設備の充実に必要な内容を盛り込むこととしておりますが、詳細については現在検討中でございます。

○里吉委員 検討中ということですが、言葉に施設整備の充実というふうにあるわけですから、これを素直に読めば現行基準は下回らないというふうに思いますが、大切なことですので確認させていただきました。詳細がまだ決まらないということなので、詳細が定まった段階で改めて確認したいと思います。
 次に、併置校の設置基準について伺いたいと思います。
 現在の設置基準というものは、併置校の考え方は特に示されていません。その当時はまだつくられていなかったからかもしれませんけれども、現実には併置校で図書室などの特別教室や体育館やプールが共有になって、授業時間が確保できない、そのために年2回しかプールに入れなかった、こういう状況が生じているということを聞いております。
 今後も戸山など併置校が計画されておりますが、十分な教育環境が確保されるように、併置校をつくる場合に標準的な考え方を示すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○浅野特別支援教育推進担当部長 施設整備標準は、障害種別ごとに教育課程の円滑な実施に必要な環境を整備することを目的に、普通教室や特別教室等の標準の面積や数を定め、校舎改築等の際の基礎調査や設計に活用しております。
 異なる障害種別を併置する学校を建設する際にも施設整備標準を踏まえ、障害種別ごとの小中高等部の児童生徒数に応じて必要な校舎の面積や設備を設計しております。
 併置校には、知的障害と肢体不自由の併置、肢体不自由と病弱の併置、視覚障害と知的障害の併置など、さまざまな組み合わせがあり、さらに設置学部や児童生徒数が各校で大きく異なるのが実情であるため、併置校の標準を作成することは困難であると考えております。

いろいろな組み合わせがあるので、併置校の標準を作成するのは困難だというお答えでした。
 しかし、それぞれの障害種別、それから小学校、中学校、高等学部、それぞれの標準はあるわけですから、体育館やプールを初め、それぞれの特別教室も独自に確保できれば、何の問題もないと思います。
 しかし、共有する事態が今あるわけですね。ですから、今後、もしそういうふうになったとき、併置校を設置する場合には少なくとも授業時間が確保できるようにとか、歯どめとなるような考え方を示すことが必要だと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
 それから、新設校が幾つか計画されていますけれども、新設校の開校年度はいつごろを考えているのでしょうか。戸山地区学園特別支援学校は開校予定が10年後となっていますが、なぜ10年もかかるのか。できるだけ早く開校できるようにすべきだと考えますが、見解を伺います。 

○浅野特別支援教育推進担当部長 本計画における新設校のうち、八王子地区第2特別支援学校(仮称)は平成32年度、南多摩地区特別支援学校(仮称)は平成36年度に開校を計画しております。
 また、墨田地区第2特別支援学校(仮称)及び北多摩地区特別支援学校(仮称)につきましては、現在、設置場所を調整中でございます。
 学校の新設に際しましては、基本計画、基本設計、実施設計、建築工事の手順を踏む必要があり、基本計画の着手から開校まで最短で8年の期間を要しております。
 現行の第3次実施計画に基づき整備する戸山地区学園特別支援学校(仮称)につきましては、学校設置場所に旧東京都心身障害者福祉センターの建物等が残っており、その解体工事の内容を確定させてから基本計画に着手するため、平成38年度に開校を計画しております。

○里吉委員 解体工事の内容を確定させてからではないと基本計画に着手できないということがちょっとよくわからなかったんですけれども、そもそもこの戸山地区学園、平成22年の第3次計画で計画されたもので、既に6年がたっているわけです。
 いろいろ事情があったことは私も承知しておりますけれども、6年たってさらに10年後というのは、やはり開校を待っている方からすれば遅過ぎると思いますので、他の施設も含めてですけれども、一刻も早く開校できるように努力していただきたいということを申し上げておきます。

◆特別支援学校の冷房化について

 次に、体育館や特別教室の冷房化について伺います。これも我が党も、そして各会派も繰り返し議会でも取り上げてきたもので、要望してまいりましたので、体育館や特別教室を冷房化するということは大変すばらしいことだと思うんですが、ちょっと確認なんですけれども、改築や改修の予定のある学校でも、2018年度までに全て冷房化するという理解でいいのかどうか確認したいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 計画案の骨子に記載のとおり、新築や改築等の工事を予定している特別支援学校につきましては、工事の際に特別教室や体育館の空調設備を整備してまいります。
 また、改築工事の際に仮設校舎を設置する学校につきましては、これまでと同様に仮設校舎に空調設備を整備し、対応してまいります。
 このような取り組みにより、長期の工事期間に入っているため実施困難な1校を除き、平成30年度までに計画的に冷房化を進めていくこととしております。

○里吉委員 1校を除き全て平成30年までに、あと2年ですね、クーラーが体育館と特別教室につくということで、これは本当に保護者の方や関係者の方たちからも強い要望があったし、子供たちの教育環境の改善という点でも本当に大きな前進だと思いますので、しっかりと進めていただきたいと思います。

◆スクールバスの改善について

 そして、次に、スクールバスについても伺いたいんですが、これは資料をいただきました。用意いただいてありがとうございます。ここでは、高校の単独のスクールバスの配車がされるようになったということで、今年度の実績を資料の2ページに載せていただきました。これも大きな前進だというふうに思います。
 そして、スクールバスの乗車時間も少しずつ短くなっていて、平均乗車時間が60分になったということであります。しかし、平均60分以内ですから、それよりも長い乗車時間のところもまだ残念ながら残されているということだと思うんですね。
 そこでお伺いしますけれども、今、現時点で一番長い乗車時間は何分で、どこの学校なのか、その学校の乗車時間が短縮できない理由はどういうことなのか伺いたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 平成28年度において最も長い乗車時間は90分で、肢体不自由教育部門と知的障害教育部門を併置する都立町田の丘学園でございます。
 肢体不自由の児童生徒が車椅子で乗車するリフトつきバスは、車椅子の乗降時のリフト操作に一定の時間を要することなどから、平均乗車時間を超えるケースもございます。

○里吉委員 特に肢体不自由のお子さんは車椅子でリフトつきのバスに乗るということで、時間がかかるということで、これからそれを改善していくということだと思うんですが、肢体不自由のほかの障害を持っているお子さんが通っているところでも、スクールバスが60分以上かかっているところがあると思うんですね。
 そういうところも含めて、今後、乗車時間は60分以内にするということをきちんと目標に据えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○浅野特別支援教育推進担当部長 肢体不自由以外の障害種別の特別支援学校においても、コース設定の工夫やバスの増車により、スクールバスの平均乗車時間は60分以内を達成しております。
 今後は、先日の代表質問で教育長が答弁したとおり、まず、優先度の高い肢体不自由特別支援学校において、全ての子供のスクールバス乗車時間を60分以内とすることから取り組んでまいります。

○里吉委員 私の地元の世田谷区では、肢体不自由校の光明特別支援学校が最長73分、知的障害と視覚障害の併置校である久我山青光学園も最長75分、新しくスタートしました青鳥特別支援学校も最長75分と伺いました。
 肢体不自由校から取り組んでいただくことはもちろん異論はございませんが、引き続きその他の障害種のスクールバスの乗車時間の短縮にも続けて取り組んでいただけるように、改めて要望したいと思います。

◆教員の配置について

 次に、教員の配置について幾つか伺っていきたいと思います。
 まず、進路指導担当教諭についてです。特別支援学校の高等部において生徒の進路指導は、先ほど来質疑もございましたけれども、大変重要です。
 そこで、進路指導担当の役割、そしてその仕事の内容についてまず伺います。

○江藤人事部長 進路指導担当教員は、障害のある生徒が将来の進路を主体的に選択することができるよう、保護者、生徒からの進路相談、新たな実習先の開拓、外部の就労支援機関との連携などを中心となって行い、進路指導の充実を図っております。

○里吉委員 進路相談だけではなく、新たな実習先の開拓だとか、いろいろご苦労されているということで、大変大事な仕事だと思いますが、進路指導の担当教諭は現在どれだけの特別支援学校に配置されているのか、全体で何人配置されているのか伺います。

○江藤人事部長 進路指導担当教員は、高等部を設置している特別支援学校のうち、43校に61人配置しております。

○里吉委員 43校に61人ということで、各校1人から2人配置されているということだと思うんですが、お伺いしましたら、国の標準法よりもまだ6人ですか、少ないですよね。
 先ほど答弁していただきましたけれども、特別支援学校の場合は、本当に一人一人状況が全く異なる中で、進路先や実習先、就労先を探すのは大変なことだと思います。少なくとも早急に、まずは国の標準法以下という状況は来年度解消していただきたいということを強く要望しておきます。
 次に、特別支援教育コーディネーターについてです。特別支援教育を充実するために、都教委は幾つかの特別支援学校に特別支援教育コーディネーターを加配して、区市町村の学校の支援など、いろいろ必要な活動を行っていると伺っております。
 そこでお伺いしますが、センター校の役割を担っている特別支援学校は何校でしょうか、そのうち特別支援教育コーディネーターが加配されているのは何校でしょうか、お答えください。

○浅野特別支援教育推進担当部長 区立を含む知的障害特別支援学校小中学部設置校をセンター校にしております。校数は25校でございます。
 特別支援教育コーディネーターは、知的障害特別支援学校の12校に加配しております。

○里吉委員 小中学校25校をセンター校にしているけれども、コーディネーターの加配は12校しかないということで、半分以下ですよね。
 区市町村の小中学校でも特別支援教育を充実するということですから、早急に全てのセンター校に特別支援教育コーディネーターを加配すべきだと考えますが、都教委の見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 区市町村立小中学校の特別支援教育の充実のためには、人的措置のみが解決策ではなく、例えば、都教育委員会による区市町村教育委員会の特別支援教育担当指導主事の協議会の開催や情報交換など、さまざまな支援策を本計画では充実することとしております。
 また、特別支援教育コーディネーターを加配していないセンター校である特別支援学校には講師時数を配当して、特別支援教育コーディネーターの持ち時数軽減を図っております。

○里吉委員 今、人的配置のみが解決策ではなくというお答えでしたけれども、都教育委員会は毎年局要求でこれを要求していますよね。毎年残念ながら切られてしまっている状況が続いていますけれども。
 ですから、都教育委員会としては、やっぱり進路指導員も進路指導担当教員もそうですし、特別支援教育コーディネーターについても必要な教員だというふうに考えているんじゃないですか。
 だから、これはきちんとどうして必要なのかということをやっぱり共有していって、こういう計画をつくるときですし、障害者教育がこれだけ注目されているときですから、必要な人の配置はきちんとしてもらうように頑張っていただきたいというふうに思います。
 さらに、この増員は都教育委員会そのものも増員要求していることだと思うんですが、私は、それ以外に特別支援学校の教育環境の整備という点では、大きな問題は教室不足と並んで、教員が大幅に削減されてきたことだというふうに思います。
 教室不足については今回の計画で大幅に改善されることになりますが、教員が減っている問題は本当に深刻だと思います。
 例えば、肢体不自由の特別支援学校では、学校介護職員が導入されて、それと引きかえに教員が削減されてきました。肢体不自由の特別支援学校で介護の専門家として導入された学校介護職員の応募資格はどんなものなのか、全てお示しください。

○浅野特別支援教育推進担当部長 学校介護職員の応募資格は、次の8項目のいずれかに該当することでございます。  
1、介護職としての勤務経験を有する方、
2、介護福祉士資格を有する方または取得見込みの方、
3、介護職員初任者研修、実務者研修、介護職員基礎研修、訪問介護員(ホームヘルパー)養成研修1級または2級課程等の介護関連研修を修了した方または修了見込みの方、
4、社会福祉士、介護支援専門員等の福祉系資格を有する方(または取得見込みの方)のうち、介護の実務経験等(実習含む)を有する方、
5、特別支援学校教諭免許を有する方または取得見込みの方、
6、各種教員免許、保育士資格を有する方(または取得見込みの方)で、介護の実務経験等(実習、介護等体験も可)を有する方、
7、特別支援学校、特別支援学級、児童福祉施設、学童、医療機関等での介助経験を有する方、
8、1から7までのいずれかと同等の経験または能力を有すると都教育委員会が認めた方、以上でございます。

○里吉委員 学校介護職員の資格を挙げていただきました。導入のときに都教育委員会は、これからは教員と介護等の専門職がそれぞれの専門性を発揮していくと、こう繰り返し説明されていました。介護の専門家だから、これまで教員が担っていた介助をやってもらうだけではなく、介護の面から児童生徒一人一人の課題を把握し教員に助言する、こういうお話でした。
 しかし、今ご説明にもあったように、例えば、保育士資格があって介護の実習経験がある方とか、児童福祉施設や学童での介助経験を有する方など、介護の専門家とまではとてもいえない方々も応募資格があるわけです。当初の話とは実際は大分違っているのではないでしょうか。それでも学校の現場では、子供たちの介助という点では助かっていると思います。
 しかし、問題は、その分教員が減らされてしまったということです。現場では、教員数が減らされたため、担当する授業を分担できず、授業の準備が膨大になったり、校務の仕事分担ができなくなったり、担任の業務についても一人でやらなければいけないということで負担が増大するなど、肝心の授業づくりに十分時間がとれないのが実態となっています。
 改めて、学校介護職員を配置したことにより、削減した教員はもとに戻す、教員をふやすべきだと考えますが、都教委の見解を伺います。

○江藤人事部長 学校介護職員を導入しております学校の指導体制は、教員がこれまで担ってきた児童生徒に対する介護業務を学校介護職員が担うことにより、教員は本来の役割である教育活動に専念できるようになり、それぞれの職の専門性が発揮されていることから、適正なものであると考えております。

○里吉委員 現場の実態とは全く違うと思うんですね。教員が減らされたことで、どれだけ大変になったかは先ほどお話ししましたけれども、学校介護職員も非常勤職員ですから、子供たちが学校にいるときに毎日いるわけじゃないんですね。きょうはAさんとBさんがいるけれども、次の日はAさんだけ、その次の日はBさんだけ、こういうこともあるわけです。さらに教員が少ないので、研修など出張に行くのも大変だと伺っています。
 学校介護職員の応募資格の中には、特別支援学校の教員免許を持っている方というのもありましたけれども、あくまで介護のための職員であって教員ではないので、授業や教育活動はこの方はできません。教員がいない間は子供たちは待機しているしかないわけです。あるお母さんは、学校に行って授業を受けたいのにデイサービスのようだというふうにいっておりましたけれども、本当にこれでは困るわけですね。

◆重度重複学級の設置について

 さらに、この推進計画を見て私が危惧しているのは、重度重複学級に対する記述が見当たらないことです。
 毎年、特別支援学校の保護者の皆さんからはさまざまな要望をいただきますが、必ず重度重複学級をふやしてほしいということが重点要望として挙げられております。現場の先生からも、本当は重度重複学級に入れるべき子供が入っていない、だから大変なんだという話を聞いております。
 今回、資料の3ページに、この10年間で重度重複学級に通っている子供の数を示していただきました。ほぼ横ばい、若干減っているわけですね、改めて驚きました。重度重複の障害があっても必ずしも重度重複学級の対象になるわけではないというのが都教育委員会の説明です。  しかし、現場では、児童生徒数はふえているのに、重度重複学級がふえないために、普通学級でお客さんになってしまっている、普通学級にいる子供の障害の程度の幅が広くなって、障害に応じた細かい指導が受けられなくなっているという訴えもあるわけです。
 このことについての都教育委員会の見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 知的障害特別支援学校や肢体不自由特別支援学校の普通学級では、これまでも障害の程度や状況が異なる児童生徒が在籍していることから、学習課題によって学習グループをその都度編成しております。
 また、肢体不自由特別支援学校では、学校介護職員を導入し、児童生徒の安全の確保と教員が授業づくりに専念できる体制を整備し、授業の質の向上を図っており、知的障害特別支援学校では、自閉症の教育課程を開発する過程で、障害特性に応じた個別の課題学習などの充実を図っております。
 これらのことにより、今後も特別支援学校では、障害が重度である場合も含め、学習指導要領に基づき個別指導計画を作成し、障害の種類と程度に応じた指導を行ってまいります。

○里吉委員 子供の数がふえていて、重度重複のお子さんもふえているにもかかわらず、学級数がふえていない。これを不思議に思わないというのは、私、本当にそういう感覚が信じられないんです。
 そもそも重度重複学級とはどういう学級か。以前もこの委員会でやりましたけれども、学校教育法施行令第22条の3に規定する障害を2つ以上あわせ有するとともに、障害の程度、状況や発達の状況などから総合的に判断し、自立活動を主とした特別の教育課程による個別指導、または小集団指導が適切な児童生徒で、普通学級とは別に編制する学級というふうにいわれております。
 それで、どういう子が対象になるかというと、最後は学校判断、校長からの申請なんですね。学級ですから、重度重複学級を認めれば、教員が1人配置されます。部屋も一つ用意しなければいけません。
 しかし、個別の指導が大事だ、個に応じたきめ細かな指導をするということであれば、ちゃんと重度重複学級を認めて教員をつけるべきだと思うんですね。校長が申請することになっていますが、学級をふやせば、先ほどもいいましたように、教室と教員配置が伴うわけで、校長先生はそのことも考えればどんどんふやすというふうには申請しにくい。今の学級数を大幅にふやすというような申請はしにくいのではないかというふうに推察いたします。
 肢体不自由校では、学校介護職員の導入と引きかえに教員が削減され、さらに重度重複学級がなかなか認められないために、その分も教員がつかないという事態になっているのではないでしょうか。
 さまざまな専門家が教育の現場に入ることを否定しているわけではありません。しかし、学校は教育を行う場であり、それはやはり教員しかできない仕事ですから、肝心の教員が削減されていては子供たちの教育は保障できません。計画的に重度重複学級をふやすことを計画に盛り込むよう強く要望いたします。
 最後に、基本理念について伺います。ここには、一人一人の能力を最大限に伸長して、社会に参加、貢献できる人間を育成というふうにありますが、私はこの文章、下の文章もあわせて読んだときに、なかなかちょっと重度の障害児への教育理念が見えてこないなというふうに率直に感じました。
 重度の障害児に対する教育の基本理念を改めてお伺いいたします。

○浅野特別支援教育推進担当部長 共生社会を実現するためには、障害のある子供たちの自立と社会参加を一層進めていくことが必要でございます。
 現在、多くの障害者が障害がありながらも企業就労、スポーツ、芸術活動、地域活動等のさまざまな形で社会に参加し、活躍している状況を踏まえると、今後の特別支援教育では、一人一人の能力を最大限に伸長して、社会への参画を可能とすることが重要でございます。
 本計画の基本理念はこうした考え方に基づくものでございますが、重度の障害者であっても、社会とのかかわりが重要であることに変わりはなく、障害の種類、程度を問わず、全ての障害者に共通する基本理念と考えております。

○里吉委員 重度の障害者であっても、社会のかかわりが重要であることは変わりなく、障害の種類、程度を問わず、全ての障害者に共通する基本理念だというお答えでした。そうであるならば、本当に重度重複学級など、重度のお子さんの個に応じた指導をする体制をきちんと考えていただきたいと思うんです。
 私、ここで何回も取り上げていますけれども、東京都は、国に先駆けて、どんなに障害が重たいお子さんも全員就学させるんだということをやりました。
 ここに東京都がつくった東京都の心身障害教育全員就学10年のあゆみ・資料集という冊子があります。ここを読みますと、当時、養護学校では入学選考が行われていて、義務教育であるにもかかわらず就学猶予、就学免除という制度があって、学校に入学できない、主には障害の重いお子さんがいたということ、都民の中で就学運動が高まって、東京都としても重度重複学級の整備の調査を始めた、そして、そういう都民の皆さんの運動にも押されて東京都として決断したということが書いてあります。
 今回の計画なんですが、一番最初のところに歴史が書かれております。2ページのところに、ここにもそのことを下の方に書いてあるんですけれども、私は、東京都が国に先駆けて全員就学を実施したことに関して、多くの保護者と学校関係者の要望と運動もあって、そして東京都がそれに対して真摯に受けとめて取り組みを発展してきた、こういうことを明記してほしい、当時運動されてきた方からもそういうご意見がありました。これは要望です。ぜひ加えていただきたいというふうに思います。
 そうやって、東京都と障害児をめぐるさまざまな方々が一緒になってつくってきたのが東京の障害児教育だと思うんですね。私は、ここで、基本理念のところで、貢献できる、活躍できるといった言葉が、重度の障害を持っている方に対し、ややもすると貢献できない人は役に立たないだめ人間だというふうにつながりかねないという危惧を持つわけです。
 どんなに障害が重度であっても、一人一人の子供の発達に合った教育を保障する、当たり前のことですけれども、改めてこの立場での施策の拡充、重たい障害の子も含めて、全ての障害児のための教育、改めて光を当てていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。

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