2015年 都議会文教委員会での論戦

文教委員会速記録第1号

2015年2月13日(金) 

◆カヌースラローム競技を仮設施設で開催することを求める陳情について 

○里吉委員 私からも、カヌースラローム競技を仮設施設にて開催することに関する陳情について幾つか質問を行いたいと思います。
 葛西臨海公園内に新設予定だったカヌースラローム会場は、この葛西臨海公園が整備された歴史的背景に加えて公園の自然環境に配慮し、隣接する下水道局用地を活用して新設することになったとのご説明がありました。
 葛西臨海公園内での整備には地元区や日本野鳥の会などを初めとする多くの都民から反対の声があり、変更になったことは重要だと認識しています。
 陳情は、下水道局用地に新設したとしても周辺の自然環境や水環境に悪影響を及ぼす心配があることや、建設コストや大会後の維持管理費への懸念から、より負担の少ない仮設施設にすることを検討してほしいというものです。
 変更になった理由は先ほど伺いましたので、環境問題について、まず伺います。
 陳情者は、この近隣には環境省や都が発行しているレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されている生物が周囲に複数生息し、環境保全のためのミティゲーションを考慮する必要があると述べておりますが、どのような生物が生息しているのでしょうか。
 また、環境保全の対策はどのように考えているのでしょうか、伺います。

○荒井輸送担当部長 公園内での整備を前提といたしました初期段階環境アセスメントによりますと、環境省及び都のレッドリストにおいて絶滅危惧種として選定されているコアジサシなどの鳥類が施設整備エリアで観測されました。
 今回、下水道局用地に配置変更したことに伴い、オリンピック・パラリンピック環境アセスメント指針に基づき、ここを新たな整備予定地として実施段階アセスメントを行うこととしております。この中で改めて予測評価を行い、必要に応じて適切な対策を検討してまいります。

○里吉委員 次に、水環境なんですが、淡水を循環させるような施設では、次亜塩素酸ナトリウム液などの消毒水を用いる可能性が高く、そのような人工水が大量に排水された場合、周辺域の生態系に悪影響を及ぼす危険があるということを陳情者は危惧しております。
 この計画では、淡水の処理はどのようになるのか、それから、生態系に影響のない対策が考えられているのか、2点伺います。

○荒井輸送担当部長 カヌースラローム施設で使用する水につきましては、一般の遊泳用プールと同様に、循環利用することを想定しております。
 排水につきましても、施設から海や川などへ直接流すことはなく、公共下水道へ排出し、水再生センター等で適切に処理することとしております。

○里吉委員 次に、初期段階環境アセスメントなんですが、先ほどもご答弁の中にありましたとおり、葛西臨海公園内に設置するという想定で、さきの初期段階環境アセスメントは行われました。
 場所を下水道局用地に変更した上での環境アセスメントはどのように考えているのか、また、都民や周辺区民、江戸川区などの関係者の意見なども聞いて取り組むべきだと考えますが、対応について伺います。

○荒井輸送担当部長 先ほどご答弁したとおり、下水道局用地をカヌースラローム施設の整備計画地として、実施段階オリンピック・パラリンピック環境アセスメントを行ってまいります。
 オリンピック・パラリンピック環境アセスメント指針に定めたとおり、評価書案の作成後、案に対する意見を都民から聞いた上で、評価書案を取りまとめてまいります。

○里吉委員 それから、冒頭の現在の状況のご説明では、環境面のお話はありましたが、建設コスト、維持管理費の説明はありませんでした。恒久施設にした場合の、大会後の維持管理費についてはどのように考えているのか伺います。

○小室連絡調整担当部長 先ほど答弁しましたとおり、都は、大会後の効果的、効率的な施設運営を図るため、新規恒久施設等に関するアドバイザリー会議を設置しております。民間企業のノウハウや競技団体、地元自治体の意見なども踏まえながら、後利用の検討を幅広い視点から進めているところでございます。
 この検討内容を基本設計に生かすとともに、今後、基本設計を踏まえた収支見込みや運営形態の検討につなげてまいります。

○里吉委員 今いろいろ聞いてまいりましたが、葛西臨海公園の自然の豊かさについては皆さんもご承知のことと思いますが、日本野鳥の会によれば、葛西臨海公園では226種の野鳥のほか、昆虫140種、クモ80種、樹木91種、野草132種を記録しています。
 その中には、トラツグミ、チョウトンボ、コガネグモ、ウラギクなど、東京都23区では絶滅危惧種に指定されている生物26種も含まれているとのことです。
 海側の葛西海浜公園には、冬には2万羽のスズガモが飛来するなど、ラムサール条約湿地にも匹敵する、そういう状況です。
 重要なのは、これらが一つの生態系として豊かな自然が形成されていて、どれかが欠けると他の動植物にも大きな影響を与えてしまうということです。やはり葛西臨海公園の自然はさらに豊かに大きく育てていきたいというのが都民の願いだと思います。
 排水はそのまま海へは流しませんということでしたが、全体として環境アセスメントもこれからということなので、どのような施設にすれば環境への影響を抑えられるかは慎重な検討が必要だと思います。  大会後の利用についても、ご答弁にありましたアドバイザリー会議では、全体として採算をとるには単体のスポーツ施設ではなく、集客のできる多機能複合型の施設にすることが必要だという意見が出され、カヌースラローム施設もカヌー競技場として活用するとともに、家族で楽しめるレジャー施設にしてほしい、また、飲食店やショップなどを併設した1日滞在型の施設にしたらどうかなどのアイデアが出されていました。そうした場合は、環境にはどれだけの影響があるのかが懸念されますし、また、そうしなければ維持管理費がかさむという裏腹な側面も懸念されます。
 また、カヌー競技にもレガシーを残し、振興していかなければならないということでは、この問題についてはすぐに結論を出さず、環境アセスもこれからですから、さまざまな角度から調査、検討していくことが必要だと思います。
 したがって、この陳情は継続審査とすることを要望し、私の質問を終わります。

◆私立高校での40人学級推進を求める請願について 

○里吉委員 それでは、請願審査、まず、私立高校から始めていきたいと思います。
 私立高校での40人学級の推進についてです。
 都立高校では、工業高校など専門課程の高校については35人学級となっていますが、それ以外は4人学級です。東京の高校生の6割が私立高校に通っていますから、私立高校でも40人学級を推進するということは、教育環境の整備という点で重要だと考えます。
 そこで、私立高校に対する40人学級推進特別補助、この制度の目的、単価について、またその補助を受けているクラスの全学級に占める割合はどれくらいになるのか、あわせて伺います。 

○武市私学部長 40人学級編制推進補助は、私立高等学校における40人以下学級の編制を推進するため、実生徒数が40人以下の学級の数に応じて、1学級につき60万円を補助するものでございまして、平成25年度は、全学級の71・7%に補助を行っております。

○里吉委員 都としても40人学級を推進するために取り組んで、現在、全学級の71・7%まで進んできましたというご答弁でした。
 最初の説明でも、状況を踏まえ、充実に努めているといわれましたが、具体的には、請願にあるように、現在、1学級につき60万円という補助金の増額や、助成金の評価項目、評価方法の改善が必要だと考えます。ぜひその方向で取り組んでいただきたいと思います。 

◆私立高校の財務状況を利害関係に公開することを求める請願について 

 次に、私立高校の財務状況を利害関係者に公開するようになった経緯について伺います。

○武市私学部長 平成17年4月に私立学校法が改正され、学校法人に対し、財務情報の利害関係人への公開の義務が課せられることとなりました。
 これは、社会経済状況の変化等を踏まえ、学校法人が公共性の高い法人としての説明責任を果たし、関係者の理解と協力を一層得られるようにしていく観点から行われたものでございます。 

○里吉委員 実際には現在、財務情報は利害関係人への公開が義務づけされているということです。請願では、より詳細に行われることを促進する制度を検討することを求めています。
 私、私学関係者の方からお話を伺ったんですが、公開は義務なので、情報を出さない私立学校はもちろんないそうですが、出されてきたものが、黒塗りが多くてよくわからない資料だったとか、閲覧は認めるが、書き写すことは禁止しているなど、今ご説明いただいた法の趣旨に照らしても、説明責任を果たしているとはいえない対応が幾つもあるそうです。
 今答弁で、法改正は学校法人が公共性の高い法人としての説明責任を果たし、関係者の理解と協力を一層得られるようにしていく観点から行われたものと述べていますが、そのためには、現在の情報公開がより詳細に、また適切に行われるように、私学部にも対策をしていただきたいということを求めておきます。

◆私立高校生の学費負担軽減を求める請願について 

 次に、学費の負担軽減について伺ってまいります。
 私立高校生に対して、国の高校就学支援金や都の授業料補助、いわゆる特別奨学金、これらの充実や奨学給付金の新設により補助額がふえました。
 しかし、生活保護世帯以外は、年収250万未満は授業料全額補助には今なっていません。また、年収250万以上350万未満の世帯などは奨学支援金の対象にもならず、支援はまだまだ1分とはいえません。補助を拡充するべきではないでしょうか。
 都として、少なくとも授業料全額補助となるようにすべきと考えますが、都の見解を伺います。

○武市私学部長 都では、国の就学支援金に加え、所得に応じて区分を設け補助する特別奨学金により、保護者の授業料負担軽減を図っております。
 平成26年度には、年収250万円以上350万円未満の低所得者層の世帯について、就学支援金制度の見直しを踏まえ、所得区分ごとのバランスを勘案し、補助率を2分の1から3分の2に引き上げるとともに、250万円未満の世帯については、奨学給付金を創設し、さらに充実を図っております。

○里吉委員 今、いろいろ拡充しているというご答弁をいただきましたけれども、最初にも述べましたが、実際には、生活保護世帯以外は年収250万円未満も授業料が全額補助になっていないわけです。
 今年度から国が低所得者の就学支援金を増額しましたが、このことに伴い、年収250万円未満の世帯は、都の授業料補助である特別奨学金が13万9400円から8万8000円に、5万1400円も減らされました。
 就学給付金、新しく新設されたこれは、学用品や修学旅行費など、授業料以外の教育に必要な経費の負担を軽減するためのものですから、これがあるからよしとはいえません。
 授業料が全額賄えないだけではありません。この授業料の中には施設費など、学校に必ず納めなければならないお金が含まれていませんから、負担はさらに大きいわけです。生活保護世帯も授業料は全額補助となっていますが、国の就学支援金の増額に伴って、都の補助は5万9400円減らされています。
 そこで伺いますが、私立学校の教育に係る費用のうち、授業料として徴収すべきもの、施設費やその他の名目で徴収すべきものという公的な区分があるのかお答えください。

○武市私学部長 授業料、入学料、その他費用徴収に関する事項は、学校教育法施行規則により、学則に記載することとされておりまして、これに基づいて各学校が定めております。

○里吉委員 学則で定めるということですから、学校がそれぞれの判断で決めていいというご答弁でした。つまり明確な区分はないということなんですね。学校それぞれで判断できると。
 それで、これまでも何度もいってまいりましたけれども、都の授業料補助である特別奨学金の対象に施設費なども含めるべきではないでしょうか。なぜ施設費が含まれないのか、改めて伺います。

○武市私学部長 都は、これまでも私立高校に対し全国でも高い水準となっている経常費補助を通じて授業料や施設費等学校納付金の抑制に努めてまいりました。
 また、国の就学支援金や都の特別奨学金により、授業料の保護者負担軽減を図るほか、育英資金や今年度創設した奨学給付金により、授業料以外の教育費負担についても軽減を図っております。
 都といたしましては、こうした幅広い施策を総合的に活用し、保護者負担の軽減に努めており、今後もこの考え方に基づき実施してまいります。

○里吉委員 東京都がさまざまな施策を使って私学助成を行っているのは、私、1分理解しております。
 しかし、現実は、生活保護以外の年収250万円以下の方は授業料が発生している。それ以外に入学金も施設費も払っている。この現実をどう考えるのか、それを聞いているんです。
 先ほど授業料と施設整備費の明確な区分はないと答弁がありました。どちらも高校で学ぶためには必ず納めなければならない費用ですから、あわせて必要な学費と捉えるべきです。
 東京都の授業料軽減助成の対象に施設費を入れることは本当に理にかなっていると思うんですね。だからこそ、私立高校が独自に行っている減免制度、これについては、その対象にことしから施設費も加えることになったのではないでしょうか。これは本当に一歩前進だと思います。
 しかし、この対象になるのは学校が独自に授業料減免を持っていて、それを使っている生徒さんだけなんですね。ですから、来年度は、都の特別奨学金、授業料補助も、その対象に施設整備費も加えて、学費全体を補助対象に広げることを強く求めておきます。
 次に行きます。
 今年度から国の高校就学支援金制度に所得制限が導入され、新たに生活保護世帯や低所得者への給付制奨学金が設けられたことにより、私立高校の学費は、国の高校就学支援金、都独自の授業料軽減補助、また、国が補助金を出し都の事業として行っている奨学給付金事業の3つの制度を通じて、全体として負担軽減が図られることとなりました。
 それぞれの申請方法について、まず伺います。

○武市私学部長 国の制度である就学支援金は各学校を通じて、都の制度である特別奨学金及び奨学給付金は保護者が直接公益財団法人東京都私学財団へ申請書類を提出することとなっております。

○里吉委員 国の高校就学支援金は、今年度から年収910万円の所得制限が導入されました。保護者は学校に書類を出し、学校を通じて支給される仕組みです。所得の基準となる住民税額が6月に決まるため、1年生は4月から6月までの課税証明と7月以降の課税証明の2枚を出さなければなりません。
 それから、都独自の授業料軽減補助は、申請は7月に東京都私学財団に直接郵送で行い、補助金は12月に保護者の銀行口座に振り込まれます。課税証明の添付は国の奨学支援金を申請していれば省略できますが、世帯人数によって所得制限の額が異なるため、住民票の提出が必要です。
 奨学給付金は、申請が9月から10月にかけてで、就学支援金と授業料軽減補助を申請していれば課税証明と住民票の添付は省略できますが、23歳未満の姉、兄がいれば健康保険証の写しが必要だと。そして、給付金は2月中旬に保護者の銀行口座に振り込まれるということです。
 申請の時期も違えば、提出先も必要な書類も違うものを3回出さなければならないということなんですね。また、自分は3種類のうちどれがもらえるのか、細かい書類を理解して、申請するかどうかの判断をしなければなりません。
 家族構成など、所得制限に影響する要素が国と東京都で違うので、国の高校就学支援金には該当するけれども、東京都の授業料軽減補助には該当しない、こういう世帯もあれば、逆に国の就学支援金には該当しないが、東京都の授業料補助には該当する、こういう世帯も出てきます。各家庭では両方よくよく確認しなければならないということです。
 しかも、両方とも住民税額を基準としているといいますが、何と国の就学支援金は区市町村住民税、東京都の授業料補助は都民税と区市町村住民税の合計額と、違うものが使われている。これも私、この間説明を聞いて初めてわかったんですが、本当にわかりにくくて複雑な制度だなというふうに思います。
 より支援を必要としている低所得者ほど、時間的にも他の面でも余裕のない場合が多いわけですが、そういう世帯ほどたくさんの書類を読んで理解して、申請を何回も出さなければならないと。
 私がお話を伺ったある私立高校の事務の方は、今は親御さんが外国人の生徒さんや、祖父母が保護者となっている生徒もふえていて、入学後に細かい文字の書類をどんどん渡されて、1回出せばよいと思ってしまったり、支給を受けられるのに受けられないと思ってしまう保護者もいるなど、本当に心配だとおっしゃっていました。
 経済格差が教育格差につながらないようにしようと、高校生の学びを支えようという制度なのに、余りにも書類の煩雑さで制度がよくわからない。十分利用できないようなことがあってはならないと思うんですね。
 制度がわかりにくい、何度も出すのは大変という声や、1回出せば3つの制度に対応してもらえるなど、手続を簡素化してほしいという要望に応えた改善が必要だと思いますが、今後の対応について伺います。

○武市私学部長 創設の経緯が異なる3つの制度が併存しているため、それぞれに申請が必要となっております。その中でも共通する証明書類等の添付は1枚でよいとするなど、申請手続については簡素化を図っているところでございます。
 保護者負担軽減の制度が充実することにあわせ、複数の制度が存在することで複雑な面もあろうかと思いますが、都としては、申請者や学校の負担軽減、審査の迅速化などの視点で、事務の工夫をできる限り行っているところでございまして、今後も引き続き適切に対応してまいります。

○里吉委員 事務の簡素化に今も努めているし、これからもその方向で努めていきたいというご答弁でしたので、低所得者の方が特に多いわけですから、ぜひ3つの制度を生徒さんがちゃんと使えるように改善していただきたいと思います。
 例えば、制度は3つだけれども、書類は学校に1回まとめて出せばいいようにする。1枚出せば所得に応じて該当する制度が受けられるようになるのが1番ですが、3つ書くにしても、まとめて学校に出せば保護者は多分楽になるのではないでしょうか。プライバシーが心配なら封をして出すようにするなど、やり方はあると思います。3つの制度とも結局東京都私学財団で処理をするわけですから、いろいろ工夫ができると思います。
 国の就学支援金の年収250万円以下の世帯と、就学支援金の対象となる世帯は同じなわけですから、自動的に2つ支給できるようにするなど、その部分も簡略化できないかと思います。ぜひ検討をお願いします。
 また、学校側の事務の手続も大変だと伺っています。所得制限がなかった昨年までは、就学支援金の対応では11万8800円に生徒数を掛ければ支給の計算ができたわけです。そのため、6月には支給額が学校に給付されました。ですから、生徒からは授業料と就学支援金を相殺した金額を徴収すればよかった。
 ところが今年度は、所得制限があるために支給額を概算することが難しい。学校に支援金が来たのは11月末だと伺いました。各家庭が申請して、就学支援金センターが審査して、誰が幾ら支給されるか確定して、決定通知があったのは10月末、実際にお金が来たのは11月末。
 学校としては、それまでお金が入らないと教育に支障が出るので、一旦生徒から授業料を全額徴収して、11月末にその分を各家庭の口座に返す。支給額も4段階に分かれているので、一人一人振り込み額が違う。手間もかかる。振り込み手数料もばかにならない。こんな事務で本当に苦労しているということです。
 東京都では、高校就学支援金に係る事務費の助成を行って、来年度予算案では増額もされていますが、この一層の充実をお願いするとともに、就学支援金もできるだけ早い時期に学校に渡せるように、国とも協力して工夫していただけるように要望します。
 請願項目にも、高校就学支援金の所得制限の廃止ということがあります。これまで何度も申し上げてきたように、学費無償化は世界の流れです。国際人権規約の中等教育の漸進的無償化を日本は批准したわけですから、教育を受ける権利を保障するために所得制限を廃止するのは当然です。
 同時に、所得制限を導入したことが手続をふやし、煩雑さをふやし、困難な家庭を制度から遠ざけかねない心配を生じさせているのではないか。
 就学支援金の申請に当たり、保護者が離婚している場合は、何年何月何日に離婚したから、課税証明は1人分しかありませんと書くように指示されていることも、思い出したくないプライバシーをなぜそこまで書かなければならないのかと、国会でも問題になりました。
 書類の難しさや手続の煩雑さを初め、そういうこと一つ一つが子供たちを制度から遠ざけかねず、都としても、所得制限の撤廃、それから、請願にあるように加算額の増額、加算対象の拡大をぜひ国にも求めていただきたいと思います。 

◆私立幼稚園への更なる支援拡充を求める請願について 

 それでは、次に、幼稚園について幾つか伺ってまいります。
 私立幼稚園について伺います。
 幼稚園に通うおおむね3歳から6歳というのは、本当に日々心も体も大きく成長する時期です。幼稚園というのは初めて家族以外の大人や同年齢のお友達と過ごす場所です。仲間とのかかわりを通じて、みんなで遊ぶことの楽しさや自分の思いを伝えること、相手の意見を受け入れることなども少しずつ学んでいきます。
 他人の役に立つうれしさや何かをやり遂げたときの心地よさなど、人間形成の基礎をつくるのが幼児期であり、幼稚園は重要な役割を担っている。そして、東京都内では、その幼稚園児のうち90%以上が私立幼稚園に通っているわけです。
 そこで、この私立幼稚園の経営にとって欠かせない、私学助成の中でも基幹的な補助である、都内の学校法人に対する経常費補助は、園児1人当たりの単価が幾らになったのか、また全国平均は幾らなのか伺います。

○武市私学部長 文部科学省の調査によりますと、平成25年度における私立幼稚園への経常費補助の園児1人当たり単価は、東京都が16万9662円、全国平均では16万7741円となっております。

○里吉委員 昨年もこの質疑を行ったんですが、そのときは、東京都が6万31383円、全国平均が16万5906円、全国平均より約2500円少なかったわけですが、今お伺いしましたところ、やっと全国平均を1921円上回ったということがわかりました。
 この経常費補助については、標準的運営費の2分の1を補助するという基本的な考えに基づいて、その充実に努めるというご説明がありましたが、どのような項目で増額したのか伺います。
 また、物価の高い東京の条件も考えれば、さらなる充実を図るべきと思いますが、都の見解をあわせて伺います。

○武市私学部長 文部科学省の調査では、経常費の対象範囲などが都道府県によりまちまちであること、また、都においては、私立幼稚園の他の補助制度も充実していることから、この園児1人当たり単価のみをもって評価することは適切ではないと考えますが、私立幼稚園に対する経常費補助は、東京の幼児教育に大きな役割を果たしている私立幼稚園の運営を支える基幹的な補助でありまして、これまでも教職員手当の算入率を引き上げるなどの充実を図ってまいりました。
 今後とも、私立幼稚園の振興を図るため、これまで同様、適切に対応してまいります。

○里吉委員 教職員手当の算入率を引き上げたというご答弁でした。人件費を充実したわけで、これは大変重要なことだと思います。
 今、保育園の保育士の低賃金が問題になっていますが、幼稚園も同様で、本当はベテランと若手、男女の先生がそろっていれば、教育内容もより豊かにできるけれども、実際にはなかなか長く働けない。特に男性教諭は結婚したら生活できないと、結婚を機に退職してしまうという話もよく聞いております。
 かつては、東京の私立幼稚園経常費補助の園児1人当たりの単価は、47都道府県中3位でした。教育のかなめとなる先生が安心して長期間働いて、幼稚園教育に情熱を注げるよう、ぜひ、さらなる充実に努めていただきたいと思います。
 次に、3歳児保育の拡充について伺います。
 3歳児保育の拡充のため、保育者の増員など、補助の拡充を図ることとの請願に対して、経常費補助、振興事業費補助に3歳児就園促進補助を設けるなど、その拡充に努めるというご回答でしたけれども、そもそも幼稚園で3歳児1クラス35人というこのことが、小学校1、2年生と同じで多過ぎるのではないかという声が出されていますが、この基準はいつからなのか、まず伺います。

○武市私学部長 平成7年に幼稚園設置基準が改正され、1学級の幼児数については、幼児一人一人の発達の特性に応じ、行き届いた教育を推進するため、原則として35人以下に引き下げられました。

○里吉委員 約2年前から同じ基準だということです。
 国は数年前、小学校1年生を35人学級にしたわけですから、幼稚園の基準もそのときにあわせて見直すべきだったのではないかと考えます。
 東京都は、経常費補助で3歳児特別補助を行っていると伺いましたが、どのような目的で行っているのか伺います。

○武市私学部長 3歳児就園促進補助は、少子化などの社会の変化や3歳児からの就園に対する保護者のニーズを踏まえ、私立幼稚園における3歳児からの受け入れを促進するための補助でございます。

○里吉委員 3歳児からの受け入れを促進するための補助というご説明でしたが、補助額を伺いましたら、3歳児1人当たり年間3000円ということでした。仮に35人いたとしても年間10万5000円です。
 経常費補助と、それから3歳児就園促進補助を設けるなど、その拡充に努めるという回答でしたけれども、経常費補助の対象は35人に1人の教諭分のみですよね。あとは幼稚園として3クラスに1人の加配があるだけです。これでは余りに少な過ぎるのではないでしょうか。
 私、幼稚園の先生にもお話を伺いましたが、やはり3歳児クラスというのは、おむつが十分にとれていない子もいて、お漏らしをしてしまうこともあるそうです。その子の対応をしていると、今度は別の子が転んで頭をぶつけたなど、本当に同時にいろんなことが起こると。先生は忙しくて朝出勤してから帰るまで1回もトイレに行けない。これが普通になっているとおっしゃっていました。
 3歳児保育の拡充のために、3歳児1クラス35人という基準を見直すことを国に求めるべきです。
 また、同時に、3歳児就園促進補助は、金額を抜本的に引き上げるなど、都としての補助を拡充することを求めておきます。
 そして、入園料補助についても伺います。
 私立幼稚園の入園料への自治体補助は、区部に比べて多摩地域ではなかなか進んでいません。入園料の金額を比べてみましたが、東京都私立幼稚園連合会の調査で、2012年の調査ですが、区部平均では11万5678円、市部では9万1610円です。多少市部の方が入園料は低いとはいっても、平均10万円近い入園料を払っているわけです。
 こうしたところで、東京都が補助制度を設けて全体の負担軽減を進めるべきと考えますが、見解を伺います。

○武市私学部長 都は、これまでも私立幼稚園に対する経常費補助を通じて保育料や入園料の抑制に努めるとともに、私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業により、保育料に係る保護者負担の軽減を図っているところでございまして、入園料補助の実施は考えてございません。

○里吉委員 23区で入園料補助がないのは1代田区、中央区、港区と3区だけです。23区で20区が入園料の補助を行っているというのは、やはりこれが保護者負担が重いと判断しているからではないでしょうか。
 多摩地域の保護者の皆さんだって負担は大変だと思うんですね。経常費補助を通じ入園料を抑制しているといいますけれども、結局、実際には平均10万円を超えているわけです。
 この幼稚園の署名、24万人以上の都民の署名が出されているわけですから、こうした都民の声を受けとめて、少なくとも都として、入園料補助の必要性について検討すべきではないでしょうか。このことを強く申し上げておきます。 

◆私立小中学校の授業料軽減を求める請願について 

 最後に、私立小中学校の授業料軽減について伺います。
 請願では私立小学校、私立中学校の授業料を軽減する制度を新たにつくることを求めていますが、それに対して、経済的に困窮している家庭には区市町村が就学援助を実施しているというご説明がありました。
 そこで伺いますが、私立に通う小中学生は区市町村が行う就学援助の対象になるんでしょうか、お答えください。

○武市私学部長 学校教育法では、経済的理由によって就学困難と認められる小中学生の保護者に対し、区市町村は必要な援助を与えなければならないとされております。

○里吉委員 与えなければならないとされていますということですけれども、それは義務なんでしょうか、お伺いします。

○武市私学部長 小中学校は義務教育でございます。そして、学校教育法では、経済的理由によって就学困難と認められる小中学生、この保護者に対し区市町村は必要な援助を与えなければならないとされております。

○里吉委員 もう一度お伺いしますが、私立の小中学生を就学援助の対象にすることは区市町村に義務づけられているのか、全ての市区町村で私立小中学校が対象になって支払われているのかお答えください。

○武市私学部長 就学援助は区市町村の事業として行われております。

○里吉委員 事前にお伺いしたときにはちゃんと局の方も知っていたんですけれども、知っていらっしゃると思うんですけれども部長さんも。これは区市町村の事業なので、私立の小中学校を対象にするかはそれぞれの判断に任せられているわけですよね。義務じゃないわけですよね。
 ですから、私も今ホームページなどでちょっと調べたんですけれども、各自治体でどうなっているか。23区では、私立小中学生が対象になっていない--ホームページでわかるだけで16区、市部でも少なくとも15自治体は公立または国公立のみとなっていました。少なくとも半数以上の自治体では私立小中学生には就学援助は使えないということです。
 先日、お子さんを私立小学校に通わせているお母さんたちからお話を伺いました。うちの子は軽度の発達障害があって、特別支援学校なども考えたが、今通っている私立が丁寧な指導をしてくれるということで、経済的には苦しいが、私学に通わせることにしたというお話でした。お子さんは今、毎日楽しく学校に通っているそうですが、経済的な負担は本当に大きいと。
 小中学校から私学に通わせていると経済的余裕があるように思われがちですが、決してそうではない家庭のお子さんも通っているわけです。授業料など軽減する制度をぜひつくること強く求めます。
 また、少なくとも就学支援制度、就学援助の制度を持っているところ、この自治体に対して少なくとも私学に広報していただきたい。また、都としても、私学に通う小中学生も就学援助の対象となるように区市町村に求めていただきたい。このことを強く要望しておきます。 

◆私立専修学校、各種学校の学生への授業料軽減制度について 

 最後に、私立専修学校、各種学校の学生への授業料軽減制度をつくってほしいという大変強い要望、繰り返し請願で出されています。
 私も昨年の請願審査で都としての対応を求めましたが、なかなかこれは難しいと、国の事業だということでした。
 私立専修学校修学支援実証研究事業というのが国の方で始まるということで、いよいよ専修学校、各種学校への授業料支援も出されるという流れが出てきました。詳細はまだ未定ということでしたが、専修学校は、職業等に必要な知識、技能を習得する場であり、職業人の育成等の面で大きな役割を果たしています。ぜひ、東京都内の専門学校生、各種学校に通っている生徒の皆さんが活用できるように要望しておきます。
 今るる述べてまいりましたけれども、私学助成の制度、まだまだ改善しなければならない点がたくさんあって、数十万という都民の皆さんから請願が出されています。ぜひ一つ一つの制度を少しでも拡充するために頑張っていただきたいということをご要望いたしまして、私の質問を終わります。

このページの▲
トップに戻る 


文教委員会速記録第2号

2015年2月17日(火)

◆特別支援学校の寄宿舎への入舎要件の緩和、スクールバスの改善について 

○里吉委員 それではまず、特別支援学校の寄宿舎や教室不足の問題などに関連して伺います。  特別支援学校の寄宿舎は都内に11舎ありましたが、統廃合され、現在6舎、第3次計画では5舎まで減らすことになっています。
 通学困難な子供たちのためだった寄宿舎でしたが、その後は、教育的入舎や家庭の事情による入舎がふえていきました。障害のある子たちが生活リズムを身につける、生活をする力を身につける場など、子供たちの成長にとって貴重な場になっています。
 今でもそれは変わらないと思いますが、都の基準が変更されたために、現在は通学困難に限定されています。その内容は、島しょに住んでいる、常に90分以上の通学時間がかかる、視覚障害の場合、家庭の事情となっています。
 保護者の方などからいつもいわれるのですが、スクールバスは60分以内を目指すというのに、どうして通学困難は通学時間90分以上なのか。60分以上かかったら通学困難と認めてほしいということです。
 そこでまず、スクールバスの乗車時間60分以内を目標としている根拠は何か伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 スクールバスの乗車時間につきましては、利用する児童生徒の精神的、身体的な負担を考慮いたしまして、現在、乗車時間の目標を60分以内としております。

○里吉委員 精神的、身体的な負担の軽減を図るために60分以内にすべきだと、こういう考えだということを確認しました。実際には、60分以内を目指していますけれども、解決できていないのが現状だと思います。
 現在、通学に60分以上かかってしまう児童生徒はどれくらいいるでしょうか。毎回でなくても、道路の混雑ぐあいで60分以上かかる児童生徒、どれくらいいるのか伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 児童生徒一人一人のスクールバス乗車時間は、道路の混雑状況等によりまして日々異なりますため、平均時間といたしまして把握しております。
 今年度、平均乗車時間が60分を超える児童生徒の数は、スクールバスを利用する児童生徒5562人のうち500人、約9%でございます。

○里吉委員 現在でも、スクールバスで通っている児童生徒のうち、500人も、9%というお子さんが平均乗車時間60分以上かかっているということでした。
 では、スクールバスで60分以内に全員が通学するためには、あと何が必要なんでしょうか。学校関係者の方からは、学校の敷地の問題もあり、これ以上バスの本数をふやせないという話も聞いていますが、都はこの問題をどうやって解決しようとしているのか伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、スクールバスの乗車時間を60分以内にするため、増車による運行コースの細分化や経路設定の工夫とともに、新たな特別支援学校の開校に伴う通学区域の再編などによりまして、スクールバスを利用する児童生徒の乗車時間の短縮に努めております。
 なお、全てのスクールバスを停車すると、学校内に保護者が送迎する際に必要なスペースがとれない場合などは、登下校時以外、車両を運行業者の営業所等に戻すようにしております。

○里吉委員 学校に駐車スペースがない場合は業者の営業所に戻す、こういう工夫もしているというお話でした。まだそうした対応ができていない学校もあるようですから、引き続き進めていただきたいと思います。
 先日視察させていただいた葛飾盲学校では、ことしのスクールバスの運行を見ますと、始発場所から学校の近くまで1時間程度で来るんですが、学校には寄らず、その先まで行ってから学校に戻ってくる、こういうコースで、始発から学校到着までちょうど90分になっていました。こういった場合はバスを2台にふやすなど、対応をお願いしたいと思います。
 そして、こうしたスクールバスでの通学時間短縮は引き続き行っていただきながらも、いまだに50人ものお子さんが平均乗車時間60分以上かかっている。こういう現状ですから、この解決をどうするのかということが問題になってくるわけです。この皆さんは寄宿舎に入りたいと希望しても、入舎理由が90分以上になっているために通学困難とは認めてもらえない。
 ここで改めて伺いますが、寄宿舎の入舎理由で通学困難といわれているのは、なぜ片道90分以上となっているんでしょうか。伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 入舎基準にございます通学時間につきましては、児童生徒の健康面及び学習面への影響を考慮して設定しております。
 なお、都教育委員会といたしましては、特別支援学校の適正配置やスクールバスの増車などを進めながら通学時間の短縮に努めております。

○里吉委員 60分以内で通えるように努力されているとか、いろいろありましたけれども、今、60分以内の理由と、90分の理由と、2つの理由を聞きました。今の入舎基準の方は、児童生徒の健康、学習面への影響を考慮すると90分が入舎基準だと。スクールバスは、精神的、身体的な負担の軽減を図るため、60分以内を目指すと。
 どうしてこういうことになるのか、本当によくわからない。お母さんたち、いつもいっていますけれども、そのとおりだと思うんですね。60分以上は生徒たちに、子供たちに精神的、身体的な負担がかかるんだと。だから60分以内を目指すんだということで一生懸命スクールバスを配車していただいていますけれども、それでもなお、それを超える場合は、素直に通学困難と認めて、入舎基準の緩和をするべきではないでしょうか。
 入舎基準の緩和という点では私、前回いろいろほかの問題も取り上げましたけれども、少なくとも通学時間60分以上かかっている方は希望すれば入舎できるようにすべきだと思いますが、見解を伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 寄宿舎への入舎基準につきましては、児童生徒の健康面及び学習面への影響を考慮して設定しております。都教育委員会といたしましては、児童生徒はできる限り自宅から通学することが望ましいことから、こういった見解をとっております。
 スクールバスの乗車時間につきましては、引き続き短縮に努めてまいりたいと存じます。

○里吉委員 今、できる限り自宅から通学するのが望ましいということをいわれました。それはそのとおりだと思います。
 しかし、今、ひとり親でお子さんを育てている方、複雑な家庭の事情とか、親の病気とか、そういう中でお子さんに障害があるということで、保護者の負担が大変だと。そういう中で寄宿舎の存在が本当に大きいものになっているんです。障害があっても安心して学べる環境をつくることは行政の責任です。寄宿舎の存在も、そういう見地からもう一度その存在意義に光を当ててほしいと思うわけです。
 家庭にはいろいろ困難があったけれども、寄宿舎があったから学校に通えた。そういう存在に、東京都のこの特別支援学校の寄宿舎はなるべきではないでしょうか。寄宿舎を必要としている子供は決して減ってはいません。これ以上の寄宿舎の統廃合はすべきでない、請願でこう出ていますが、もう一度都の見解を伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 寄宿舎は、通学困難な児童生徒の就学を保障することを目的として設置しております。都教育委員会は、これまで特別支援学校の適正配置やスクールバスの増車などによりまして、通学困難の解消に努めてまいりました。
 その結果、通学困難を理由とする入舎が減少した状況を踏まえまして、東京都特別支援教育推進計画第3次実施計画におきまして、平成28年度末をもって5舎に再編することといたしております。

○里吉委員 通学困難による入舎が減少したというお答えでしたが、都が基準を厳しく変更してしまったために入舎が減少したのであって、寄宿舎に入りたいという入舎希望の児童生徒数が減っているわけではありません。
 入舎したいと相談しても認めてもらえなかったという話も幾つも聞いています。これからますます入舎を厳しく制限し、舎生を減らして、また寄宿舎を減らすのではないかと、請願に来られた皆さんは本当に心配していらっしゃいました。
 現在、盲学校には全て寄宿舎がありますが、昨年、文京盲学校では、入舎を希望したが入れなかった生徒さんが9名いらっしゃいました。今までそんなことはなかったのに、どうしてなんだ。次は盲学校の寄宿舎も統廃合するつもりではないか。こんな話まで出ているんです。
 寄宿舎を必要としている児童生徒は本来もっといるわけですから、くれぐれもこれ以上寄宿舎を統廃合しないこと、そして、必要としている児童生徒が入舎できるよう、基準の改善を強く求めておきます。

◆特別支援学校の教室不足問題について

 次に、特別支援学校の教室不足問題についてです。
 昨年の予算特別委員会での共産党の質疑で、第3次計画での整備が完了しても、まだ特別支援学校の教室は221足りないということが明らかになりました。カーテンでの間仕切り教室が問題なのはいうまでもないことですが、特別教室の転用が余りにも多いことに私自身も大変驚きました。
 町田の丘学園に伺ったときに、校長先生が校内を歩きながら、また学校図を示しながら、ここは音楽室だったとか、プレールームだったとか説明してくださいました。転用した教室は特別教室で10教室、その他の部屋、更衣室などで転用した部屋が5つもありました。
 もともと必要な特別教室を普通教室に転用してしまうわけですから、全く問題ないということはないと思います。具体的にはどのような問題が起きているのか伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 普通教室に転用されております特別教室は、プレールーム、美術室、音楽室などでございます。
 例えば美術室を転用した場合は、絵を描く学習などは普通教室で実施し、作業を伴う学習は共通の用具を使用する木工室や陶芸室などを活用して授業を行っております。
 このように特別教室を普通教室に転用する場合には、児童生徒の障害の種類や程度に応じた指導計画上の必要性を勘案して適用する教室を選定するなど、最大限の配慮を行い、可能な限り教育活動に支障が生じないようにしております。

○里吉委員 今、最大限の配慮を行っているということをおっしゃいましたけれども、最大限の配慮を行っているから問題はないということでしょうか。転用する場合、少しでも影響が出ないように配慮するのは当然だと思いますし、学校現場でそれぞれいろんな工夫をされています。
 しかし、だから、それでよしというのが都教育委員会の考えなのでしょうか。私はいろいろ問題が起きていると思いますが、そういう認識はないのか改めて伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 都教育委員会といたしましては、東京都特別支援教育推進計画第3次実施計画に基づきまして、新設、増設を含めまして、教室の整備に努めているところでございます。

○里吉委員 話がまたもとに戻ってしまったんですけれども、その第3次計画で221、教室が足りないわけです。
 それで、先ほどの答弁でも私、また感じたんですけれども、特別教室の転用は仕方ないと思っているんじゃないかというふうに感じざるを得ないんですね。公立の小中学校で普通教室が不足したからといって、特別教室を転用するなどということはあり得ないわけです。
 ですから、早期にこの教室不足を解消するための対策、第3次計画だけでは不十分なわけですから、学校を新設する、普通教室や、特別教室や、体育館、プール、校庭なども含めて教育環境を保障する新たな計画をぜひとも立てていただきたい。このことを求めておきます。 

◆久留米特別支援学校と光明特別支援学校の統合について 

 次に、久留米病弱特別支援学校についてなんですが、久留米特別支援学校は、先ほどの請願の説明のところでございましたけれども、医療の進歩や社会状況の変遷により在籍数が減り、適正な学習集団の確保が難しいという説明がありました。これは病弱の児童生徒にとって適切な学習集団というのがあるということだと思うんですが、それはどのようなものだと捉えているのか伺います。
 それとあわせて、大規模設置校によって、より効果的に教育活動ができるというふうにご説明いただきましたけれども、それは具体的にはどういうことなのか、あわせて伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 久留米特別支援学校では、教科学習を主とした指導を実施しており、児童生徒は前籍校への復帰や進学などを目指しております。
 しかし現在、児童生徒数は学年によっては皆無、あるいは1、2名など極めて少なく、今後も大幅な増加が見込まれない状況でございます。児童生徒が学習内容を確実に身につけ、自立と社会参加に向けた社会性を育むためには、集団の中で互いに切磋琢磨できるよう、学級編制基準に基づく一定規模の学習集団を確保することが必要でございます。
 光明特別支援学校に病弱教育部門を併置し、久留米特別支援学校の教育機能を移転することによりまして、両部門において進学等を目指す児童生徒に対して、適正な学習集団により教科指導の充実を図ることができます。
 また、特別支援学校で実施しております病院内における病弱教育と、久留米特別支援学校で実施しております病弱教育が連携し、小児がんや糖尿病等の病気の理解や生活管理等について相互に学ぶなど、教員の専門性の向上を図ることができます。
 さらに、肢体不自由教育と病弱教育のそれぞれの部門の専門性を活用した連携や、児童生徒の交流を積極的に行うなど、併置校の特色を生かした教育活動を実施してまいります。

○里吉委員 今、適切な学習集団が必要だと。しかし、病弱教育部門では今後も大幅な増加が見込めないというお話がありました。
 しかし、これは以前も指摘したかもしれませんが、実際は、児童生徒はふえるのではないかといわれているんです。関係者の方にお話を聞くと、教育相談などで久留米を紹介する数が減っているという話もありました。久留米を希望したのに、決定するまで1年近くかかったという方もいました。
 光明特別支援学校の肢体不自由教育部門の障害の軽いお子さんたちと、久留米特別支援学校の病弱教育部門の子供たちでクラスを編成して授業を行うから適正な学習集団ができるというようなお答えだと思いましたけれども、どちらも本当に準ずる教育を受けている子は少なくて、光明は中高合わせて5人と伺いました。光明に行けば切磋琢磨できるという単純なものではないと思うんですね。
 それから、病弱の子は、小中学校などで学校生活が難しくなって久留米に来て、また元気になって、もとの小中学校に帰る。そういうお子さんですから、求められることは切磋琢磨よりも、その子のペースで学習して、生活を整えられるきめ細かい教育ではないかと考えます。
 請願では、病弱単独校の寄宿舎を存続し、専門的な教育を保障することとあります。この保護者の思いを強く酌んでいただきたいと思います。
 また、寄宿舎や校舎の整備が予定よりおくれていると聞いています。施設が整わないまま開校したことで、例えば私が知っている例では、鹿本学園ではいろいろと大変だったという話を聞いています。都教育委員会はそのような話は認識しているでしょうか、伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 併置化している大規模校、鹿本学園についてですが、1人の校長のリーダーシップのもとで開校することによりまして、異なる教育部門の間での連携や交流を進め、より効果的な教育活動を行うことができております。
 開校後に新しい校舎の一部が完成する場合、できる限り早く教育環境の充実を図るため、年度途中で教室を移転することもございます。その場合、移転前に児童生徒が新しい校舎を見学するなど、学習環境の変化について見通しを持ち、円滑に適応できるようにするとともに、移転の体験を学習に取り入れるなどの取り組みを行っております。

○里吉委員 私がお話を伺った鹿本学園では、開校してから校舎が完成するまで8カ月間あったわけですが、その間どんな様子だったのかといいますと、知的教育部門のお子さんが4月に1回目の引っ越し、翌年の1月に2回目の引っ越しをしたと。知的障害のあるお子さんですから、環境の変化が大変苦手です。教室の引っ越しは本当に負担が大きかった、大変だったというふうに伺いました。
 移転の体験を学習に取り入れるなどの取り組みを行っているというご答弁もありましたが、それも結果として、先生たちがそういう機会を前向きに捉えて対応されたのだと思いますが、子供たちに大きな負担となったのは明らかだと思います。
 また、校舎が完成するまでの間、肢体不自由教育部門の教室を借りていたと伺いました。その間、特別教室を貸していたわけで、肢体不自由の子供たちからすれば、特別教室を普通教室に転用する。こういうことがここでもあったと。
 何といいますか、先ほどもいいましたけれども、この転用が、余り重大問題として扱われていないような印象をやっぱり持ってしまうんです。少なくとも施設や環境がしっかり整うまでは移転や開校はするべきではないということを強く申し上げたいと思います。
 統廃合で寄宿舎を減らし、学校は大規模併置校をどんどんつくってきたのが今進行中の第3次計画ですが、毎年議会にはその問題点や改善を求める請願が出されているわけです。
 新たな計画は関係者の声や要望をきちんと聞いてつくるよう強く求め、次の質問に移ります。 

◆都立高校の増設について

 次に、都立高校の増設について伺います。
 我が党はこれまでも都立高校を増設することの必要性を繰り返し求めてきましたが、都は増設ではなく、学級増で対応することを繰り返してきました。都教育委員会は、1学年6学級の3学年の学校、つまり18学級の学校を標準としていますが、現在それを超える都立高校は何校あるのか伺います。

○早川都立学校教育部長 毎年度の就学計画に基づき、1校当たり3学年合計で18学級を基本としつつも、それぞれの学校の状況に応じ、最大24学級程度、最小12学級程度で調整し、各学校において適切に受け入れております。
 平成26年度の全日制課程高校175校のうち、19学級以上の学校は82校でございます。 

○里吉委員 いろいろと調整しているということでお答えいただきましたけれども、都立高校統廃合でどんどん都立高校がなくなっていく中で、都教育委員会は、1学年6学級掛ける3学年、18学級が標準なんだといってきたわけですよね。今お話を伺いましたら、半分近くがその適正規模を超えているということがわかりました。
 今お答えいただいたように、最大は24学級を上限としていると伺いました。1学年8クラスですよね。しかし、これも超える1学年9クラスという学校も今あります。現在、1学年9学級の学校は幾つあるのか伺いたいと思います。また、その学校では選択授業や少人数授業などを行うときの教室、どのような対応をしているのか、あわせて伺います。

○早川都立学校教育部長 平成26年度の全日制課程の高校175校におきまして、9学級の学年がある学校は9校でございます。
 習熟度別少人数指導や選択科目授業等に当たりましては、普通教室や講義室、特別教室等を使用し、適切に実施しております。

○里吉委員 都が上限と決めた最大24学級を超える高校も9校生まれているというご答弁でした。学校では本当に苦労して、工夫しながら授業をやっているのが実情だと思います。
 平成23年に出された都立高校白書の資料によりますと、来年度入学者までは増加傾向が続いて、さらに、減りますけれどもその後、平成33年度以降に大幅増加になる見通しと書かれております。平成23年に出されたこの白書には平成36年までしか記載はありませんけれども、出生数から見ますと、その後も高どまりが予想されます。
 請願にもありますように、私は、都立高校を増設する必要があると思うんですね。3年以上も前に、東京都自身が都立高校白書でこのような予測を明らかにしたわけです。今から5年、6年先のことですから、今から準備をしなければ間に合いません。少なくとも、適正規模の学校で対応できるように計画を持つべきではありませんか。都立高校の増設計画を策定すべきと考えます。都の見解を伺います。 ○早川都立学校教育部長 学ぶ意欲と熱意のある生徒を一人でも多く受け入れていくため、毎年度、都内の公立中学校卒業予定者のうち、都立高校及び都内私立高校で受け入れる人数を定めた就学計画を私学側と協議の上、策定しております。この就学計画に基づきまして、都内公立中学校の卒業予定者の増減に応じて募集学級数を定めております。
 先ほど申し上げたとおり、18学級を基本としつつも、最大24学級、最小12学級程度で調整し、各学校において適切に受け入れてまいります。

○里吉委員 15の春を泣かせないということで、都立高校をもっとつくってほしいという運動がかつてあって、都立高校がたくさんつくられました。現在では、都立高校統廃合で、それを余りにも減らし過ぎてしまったんじゃないか、こういう声が出されています。実際に全日制の都立高校に行きたいけれども行けなかった、こういう声は毎年この時期出てくるわけです。
 改めて、都が行ってきた統廃合計画、人口の予測が正しかったのかどうか見直す時期に来ているのではないかと思います。この質疑はまた別のところで別の機会に行いたいと思います。 

◆夜間定時制高校の廃止計画について 

 次に、定時制高校について伺います。
 現在、定時制高校が果たしている役割について、都の認識を伺います。

○早川都立学校教育部長 定時制高校に入学する生徒は、勤労青少年が大幅に減少している一方、学習習慣や生活習慣等に課題がある生徒や、全日制高校から転学してきた生徒、外国人の生徒など、多様な生徒が在籍するようになり、大きく変化してきております。
 定時制高校は、こうした状況を踏まえ、個々の生徒の状況に応じたきめ細かい学習指導や生活指導を行っており、真に社会人として自立した人材に育成する上で重要な役割を果たしていると認識しております。

○里吉委員 かつての働く青年が学ぶといった役割から、今では、さまざまな課題を抱えた子供たちが学ぶ、そして、外国人も含めていろいろな方が学ぶ場ということで、きめ細かい学習指導により、社会人として自立した人材を育成する上で重要な役割を果たしている。それが定時制高校だというご答弁をいただきました。
 この定時制高校が、統廃合で大分なくなってしまったということで、請願では8王子地区の夜間定時制課程が統廃合として廃課になってしまった。これを再開してほしい。こういう請願です。この統廃合で、八王子地区の夜間定時制がなくなってしまった、この経緯について伺います。

○早川都立学校教育部長 都教育委員会では、平成9年度からの都立高校改革推進計画に基づき、新しいタイプの高校を新設するなど、都立高校の適正な規模と配置を進めてまいりました。
 定時制高校におきましても、多様化する生徒、保護者のニーズに応えるため、午前部、午後部、夜間部の授業時間帯を選択できる3部制の昼夜間定時制独立校を新設するなど、定時制の教育条件を改善するという考え方のもと、全都的視点に立って配置と規模の適正化を図ってまいりました。

○里吉委員 今、適正な規模と配置ということでおっしゃいましたけれども、八王子市内では、普通科では南多摩高校、富士森高校、そしてそのほか、八王子工業高校、第2商業高校、合わせて4校の夜間定時制がなくなったと。現在、八王子市内には夜間定時制高校はなくなって、八王子拓真高校という昼夜間定時制が1校あるのみということなんですね。
 これで適正といえるんでしょうか。ちょっと減らし過ぎじゃないかなというふうに思うんですが、具体的にこういう請願が出ているわけですから、実態を調べて、八王子地区の定時制を再開すべきだと思うんですが、都の見解を伺います。

○早川都立学校教育部長 平成26年度実施の入学者選抜では、東京都全体における夜間の時間帯で独立して募集枠を設けている定時制の第1次募集につきましては、募集人員2646人に対し、応募人員は1175人、応募倍率は0・44倍でございます。
 当初から夜間定時制を希望する生徒につきましては、総体として募集枠は、第2次募集、第3次募集も含めて十分に確保されていることから、中学校段階で適切な進路指導を行うことにより、現在の募集枠で受け入れることが可能と考えております。

○里吉委員 十分可能だといいますが、八王子市内にある唯一の定時制、八王子拓真高校の1次募集の倍率はどうなっているのか伺います。

○早川都立学校教育部長 八王子拓真高校は、午前部、午後部、夜間部の授業時間帯を選択できる3部制の昼夜間定時制高校でございます。
 平成26年度実施の入学者選抜における同校の分割前期の応募倍率は、夜間の時間帯で授業を行う3部につきましては1・75倍でございます。

○里吉委員 さっき0・44倍という話がありましたけれども、八王子拓真では1・75倍だと、やっぱり高いんですね。
 それで、この地域でいろいろな教育活動をされている方にお話を聞きましたが、今、定時制高校を希望しても入れない子供たちがどこに行っているか。通信制高校に多く行っている現状があるんですね。これは都の資料を見ましても、年度ごとに通信制に行っている子供たちがふえているのがわかると思いますので、ご存じだと思います。
 この通信制高校なんですが、なかなか勉強するのが大変な子供が、通信制高校で卒業まで行くのは大変だと。サポート校というのがありまして、それをフォローするんですが、通信制高校に行くお金と、サポート校に行くお金と、払えるご家庭はまだいいんですが、そうでなければ、なかなか卒業まで結びつかない。片や定時制に行けば、本当に、先ほどご紹介がありましたようなきめ細かな教育環境があるわけです。定時制の今日的な役割もあるということを先ほどご答弁いただきました。
 そういうことですから、ぜひこういう高校を、必要な子供たちが通えるように、改めて再開を検討していただきたいということを求めておきます。

◆30人学級、少人数学級について 

 最後に、30人学級について伺います。少人数学級についてです。
 10数年間もの間、この議会でもそうだと思うんですが、毎年のように少人数学級を求める請願が出されています。子供たちにはゆったりと落ちついた環境で生活してほしい、どの子にも先生の目が行き届く少人数学級は多くの都民の長年の願いです。私がいろんな場で、都議会で文教委員会に所属していますと自己紹介しますと、本当に多くの方から少人数学級を進めてほしいという要望が出されるんです。
 特に小学校2年生の保護者の方は、せっかく少人数で今、2年生で落ちついて学校生活を送っているのに、どうして小学校3年生になったら40人学級に戻ってしまうのかと、こういう怒りといいますか、そういうものを私にぶつけてくるんですね。
 私も、本当にそのとおりだということをいうわけですけれども、学校の視察に行っても、別の用事で学校に行っても、校長先生が小学校1、2年生のゆったりした教室と、3年生以上のぎゅうぎゅうした教室をわざわざ案内してくれるんですね。何とか東京都として3年生以上の少人数学級に踏み出してほしい。幾つもの学校でこういうことを経験しました。
 全国で少人数学級に取り組まれていますが、どこでも子供一人一人の発言回数がふえたとか、不登校が減ったとか、いじめや問題行動などに早く気づくことができるので早期対応ができるようになったなど、いろんな効果が報告されています。
 かつて東京都が少人数学級を行っていなかったときに、少人数学級を求める我が党の質問に対して、30人学級も当然効果はあるでしょうと。しかし、限られた教員をいかに有効に活用するかといった場合には、少人数指導が最もいい指導方法である。こんなふうに答弁していました。
 現在は、東京都も小学校1、2年生などで少人数学級にも取り組んでおりますので、改めて少人数学級と少人数授業のそれぞれの効果の違いについて、都の認識を伺いたいと思います。

○金子指導部長 私どもが把握している範囲では、学級規模の大小と学力、問題行動などの相関を直接示すデータはさまざまございますが、結果もさまざまであり、明確な結論は出ておりません。
 なお、入学後の落ちつかない状況がいつまでも解消されずに継続するという状態の改善のために、都は各学校の状況に応じて学級規模の縮小とチームティーチングの活用のいずれかを選択できる柔軟な制度を実施しておりまして、この制度により、教員の加配を受けた学校からは小1問題、中1ギャップの予防、解決に効果があったとの報告を受けております。
 一方、一人一人の習熟の程度に応じた指導を行う少人数指導は、学習到達度に着目し、個々の状況に応じて、前の学年の内容に立ち戻る指導を行うなど、指導方法や教材を変えることにより、都が行う調査において正答率が上昇するなど、確かな学力の向上に効果がございます。

○里吉委員 今の答弁はちょっと驚きました。データはさまざまあるが、結果もさまざまだと。少人数学級の効果は都としてはわからないというご答弁でしたよね。
 しかし、全国で少人数学級を実施している自治体はそれぞれ調査を行って、どれもその効果を明確に示していると思いますよ。各県で効果があるという結果が出ているから、県独自で予算も組んで、国の基準以上に加配をして、35人学級だったり、33人学級だったり、さまざまな少人数学級に取り組んでいるんだと思います。
 財務省が、効果が明確でないなどとして40人学級に戻そうという動きもありましたが、県などで少人数学級の効果がわからないから、チームティーチングなどに変えた、こういうところはありますか。知っていたら教えてください。

○小竹委員長 どなたがお答えいただけるんでしょうか。

○里吉委員 知らないなら知らないと答えてくれればいいんだけど。

○小竹委員長 ないですか。

○里吉委員 今、ご答弁がないようなので、わからないということだと思うんですね。
 時間がないので先に進みますけれども、本当に小学校1、2年生、中学校1年生、せっかく東京都も少人数学級を始めたわけですよね。小学校1、2年生は、国の予算ですけれども、独自の予算も使って少人数学級を始めたわけですから、その効果がどうなのかということをぜひ検証していただきたいと思うんです。
 それで、先ほど、都が推進している少人数指導、習熟度別のことについては大変細かく説明がありましたけれども、ぜひそれと同じように、少人数学級についても、その内容、どのような効果があるのか都として検証していただきたい。
 少人数学級は全国各地で取り組まれて、本当に大きな効果が生まれていて、東京都にも毎年こういう要求が出ているわけですから、ぜひ改めて小学校3年生以上、中学校2年生以上の少人数学級、都として取り組んでいただきたいということを申し上げます。
 ぜひそのことを強く申し上げまして、私の質問を終わります。

このページの▲
トップに戻る 


文教委員会速記録第4号

2015年3月17日(火)

◆駒沢オリンピック公園総合運動場の屋外プールについて 

○里吉委員 私からも、まず地域スポーツの振興について伺ってまいります。
 まず、駒沢オリンピック公園総合運動場の屋外プールについて伺います。
 現在、駒沢オリンピック公園総合運動場では、改修、改築計画に基づき工事が行われています。一方、屋外プールについては廃止することが決まって以降、その後も、計画も明らかにされずにいます。
 駒沢オリンピック公園の屋外プールの廃止前の利用実績についてまず伺います。

○3浦スポーツ施設担当部長 駒沢オリンピック公園総合運動場の屋外プールは、昭和41年度に開設し、平成22年度末で廃止しております。
 開始当初の利用者は年間で約19万人でありましたが、その後は減少し、廃止前には開始当初の約4分の1となる4万7000人程度にまで減少しておりました。

○里吉委員 4万71人の方の利用実績があったということでした。
 廃止になったのは22年度末ですから4年ほど前になるわけですが、その後、地域から、世田谷区内だけでなく、近隣の、お隣の目黒区の方からもプールを再開してほしいという声が出されております。
 屋外プールの改修が難しければ改築になるのかもしれませんが、再開することは検討できないか伺います。

○3浦スポーツ施設担当部長 屋外プールにつきましては、平成22年第3回定例会の文教委員会で報告をしておりますが、駒沢オリンピック公園総合運動場改修・改築基本計画におきまして、老朽化が著しく、また、周辺に年間を通して利用できる屋内プール施設の整備が進んでいることなどから、当該施設を廃止することとしたものであります。

○里吉委員 私も廃止に至った経緯は十分理解しております。しかし、その後改めてプールを要望する声が出されているわけですね。
 駒沢オリンピック公園総合運動場内の改修が進む中で、地域住民の皆さんから見ますと、あのプールだけがそのまま放置されているように見えるわけです。全体が改修されている中で、あそこだけ計画が決まっていないわけですね。
 年間を通じて利用できる屋内プール施設整備が進んでいるといいますが、確かに昭和41年に比べればふえているとは思います。しかし、世田谷の方からも、目黒の方からも、区内幾つかプールはあるけれども、駒沢公園のあの付近にはないので、ぜひ欲しいという要望が出されておりますので、ぜひ検討を要望しておきたいと思います。 

◆区市町村のスポーツ施設整備補助について 

 次に、区市町村のスポーツ施設整備補助について伺います。
 区市町村の体育施設の面積拡大やバリアフリーに補助を行う区市町村スポーツ施設整備補助は、今年度予算2億円に対して来年度は12億円と6倍となります。
 予算をふやすと同時に、補助の対象も拡大するとのことですが、どのようにするのか伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 区市町村スポーツ施設整備費補助につきましては、競技スペースを拡大する工事やバリアフリー工事に加え、来年度から照明設備の設置など、利用時間の延長等に資する工事も対象としております。

○里吉委員 利用時間の延長等に資する工事も対象ということなんですが、プールの温水化、例えばそういった整備もスポーツの場を拡大するものとして補助の対象に加えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、見解を伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、区市町村スポーツ施設整備費補助につきましては、来年度から利用時間の延長等に資する工事も対象に加えております。
 屋外プールを屋内プールに改修し、温水化を行う工事がある場合は、そのことにより夏季だけの利用から年間を通した利用が可能となることから、当然に利用時間の延長等に資する工事の対象になるものです。

○里吉委員 さまざまな工事にこの施設整備補助が使えることがわかりました。区市町村の担当者の方にもしっかり情報提供していただくよう要望しておきます。 

◆障害者スポーツの振興について 

 次に、障害者スポーツの振興について伺います。
 障害者のスポーツ参加は、健常者に比べてまだまだ少ないのが現状です。知事も健常者と同じようにスポーツが楽しめることが重要とおっしゃっていましたが、そういう構えで取り組むことが大切だと私も思います。
 障害者のスポーツの実施率がどうなっているのか、現状把握する必要があると思います。障害者のスポーツ実施調査では、東京都が行った障害のある人の実態調査によると、週に1日以上スポーツを行っている方42・2%とありましたが、文部科学省の委託調査では、過去1年間に週1回以上スポーツ・レクリエーションを行っている方が18・2%となっておりました。どうしてこのような差が生まれるのかお伺いしたいと思います。

○早崎スポーツ推進部長 文部科学省の調査は、インターネット会社が保有する全国のリサーチモニターを対象として、本人や家族の状況について回答しています。
 東京都が行った調査は、都内の障害者福祉施設に入所、通所する方や障害者団体に加盟している方を対象としたもので、障害者スポーツの推進に係る課題を把握し、都の施策に反映するために実施したものでございます。
 2つの調査は、調査対象、方法等が異なり、一概に比較することはできないと考えております。

○里吉委員 それぞれの調査の目的があって調査を行っているわけですから、調査の方法が異なるので、一概に比較できないというお答えもそのとおりだと思いますが、文部科学省の調査は、施設などに入所していない方、通所していない方も含めて調査をしているということで、そこでは、週1回スポーツなどを行った方の割合が、東京の調査の半分以下ということですから、そういう意味では、障害者のスポーツ実施状況は本当に少ないということを改めて認識して取り組むことが大切だと思います。
 その上で、障害者スポーツの推進のためには区市町村での取り組みが欠かせないと思います。そこで私は、東京都のホームページ、障スポ・ナビを使って、障害者スポーツの実施状況をさまざま調べてみました。
 そこで、障害者のスポーツ教室を行っている自治体を調べてみたんですが、11区でした。それ以外は年1回程度の大会とか、イベントのみという結果でした。
 障害のある方がスポーツにかかわる導入として、イベントなども大変大事だと思いますが、恒常的にスポーツできるような場や機会の提供への支援が今求められているのではないかと思いますが、都の見解を伺います。

○早崎スポーツ推進部長 都はこれまでも、障害のある方が身近な地域で継続的にスポーツを楽しむための環境を整備するため、区市町村が障害者スポーツ事業を実施する際の企画立案の支援など、さまざまな取り組みを既に行ってきました。
 来年度は、新たに主体的に障害者スポーツに取り組む区市町村への補助制度を創設することとしています。具体的には、区市町村における障害者スポーツの振興については、都としてより一層促進するため、経費の5分の4を補助する制度を創設し、障害のある人が継続的に参加できるスポーツ教室などへの支援を行っていくこととしています。
 なお、障害者スポーツの振興には、競技の普及啓発も大きな課題であり、チャレスポTOKYOやスポーツ博覧会等のイベントを通じた障害者スポーツを体験する機会の提供にも今後も力を入れていきます。
 都は、イベントによる普及啓発、地域における障害者スポーツの環境づくりなど、総合的な視点から障害者スポーツの振興を進めてまいります。

○里吉委員 継続的に参加できるスポーツ教室などを行う区市町村に補助を出すという制度が創設されるということでした。スポーツイベント等に参加する障害者の方が続けてスポーツに取り組みたいと思ったときに、やはり身近な区市町村で参加できるスポーツ教室などがあれば参加しやすいと思います。大事な取り組みだと思います。 

◆障害者スポーツ指導員などの拡充について 

 それから、障害者の方がスポーツに参加するときに、サポートする側の人の問題もあると思います。事務事業質疑で、指導員の資格を取っても、実際にスポーツ教室を実施しようとする際に不安の声が多いという答弁がありましたが、指導員をサポートして、スポーツ教室などを企画する地域開拓推進員の役割が重要だと考えます。
 こうした方々の増員なども必要ではないかと思いますが、見解を伺います。

○早崎スポーツ推進部長 都はこれまで、区市町村等が行う障害者スポーツへの取り組みに対し、地域開拓推進員を通じ、企画立案や障害者スポーツ指導員の派遣、用具の貸し出しなどの支援をしてまいりました。
 さきの事務事業質疑の中で課題として挙げた障害者スポーツ指導員の資格取得後の不安につきましては、来年度から指導員を対象とするフォローアップ研修を行うことで、不安の解消を図ることとしています。
 なお、来年度はこれまで実施してきた障害者スポーツ地域開拓推進事業に加え、障害者スポーツ事業を実施する区市町村への補助事業を創設することとしており、こうしたさまざまな取り組みにより、地域における障害者スポーツの推進を図ってまいります。

○里吉委員 その指導員の話なんですが、東京の人口当たりの障害者スポーツ指導推進員は、全国平均より少ないというふうに書かれておりました。
 長期ビジョンでは、2020年までに都内全59地区に指導員の資格を持つスポーツ推進員を配置するというふうにしていますが、全体として指導員を何人程度配置するのか、目標と計画を持って取り組むことが必要だと思いますが、都の計画について伺います。

○早崎スポーツ推進部長 都の長期ビジョンでは、障害者スポーツ指導員の資格取得を促進するとともに、情報提供や指導員のネットワーク構築を進め、障害者スポーツを支える人材の育成と資質向上を推進するとしています。
 副委員長ご指摘の長期ビジョンの目標は、各地区に最低限1名の障害者スポーツ指導員の資格を有するスポーツ推進委員を配置することで、そのスポーツ推進委員が地区内のほかのスポーツ推進委員と協力して、地域における障害者スポーツへの取り組みを推進していくことを目指して設定したものでございます。
 今後、この長期ビジョンに基づき、中長期的な視点から障害者スポーツ指導員の拡充を図ってまいります。

○里吉委員 各地区最低1名の指導員資格のあるスポーツ推進委員を配置するということで、今ご答弁にあったように地域の中心で取り組んでいる方を配置するという点で大変重要だと思います。
 あわせて、障害者スポーツ指導員をどのように配置するかという点では、障害のある方が地域のスポーツ施設に行って、どこでもスポーツを楽しめるようにするためには、個々の施設に指導員がいるかどうかも大切な要素となってまいります。そうした点も含めて、今後指導員の拡充を進めていっていただきたいと思います。
 指導員の資格者が必ずしも障害者スポーツにかかわる仕事をしているわけでもない、このこともいわれてきたことです。  区市町村のスポーツ施策担当者やスポーツ施設職員の資格取得状況をふやすことや、またふだんは別の仕事をしている資格取得者に、さまざまな形で障害者スポーツにかかわってもらえるような工夫も必要だと思いますが、都の取り組みを伺います。

○早崎スポーツ推進部長 都は、今年度から区市町村のスポーツ主管課職員やスポーツ施設職員を対象に、初級障害者スポーツ指導員の資格取得に向けた養成講習会を開催しているところです。
 また、障害者スポーツ指導員に対して、障害者スポーツ事業の情報を提供し、活動を促す取り組みも行っております。

○里吉委員 さらに裾野を広げるために、障害者スポーツには指導員はもちろん、支えてくれる介助者やボランティアの育成も欠かせません。
 区市町村ごとに指導者や介助者、ボランティアの育成ができる講習会開催の体制や登録制度など整備することが有効だと考えますが、都の取り組みについて伺います。

○早崎スポーツ推進部長 都は来年度、区市町村が主体的に取り組む障害者スポーツ事業に対し補助する制度を創設することとしています。
 この補助制度では、障害者スポーツを支える人材の育成に係る事業も対象としており、副委員長お話しの区市町村による指導者の養成や介助者などのボランティア育成に係る講習会開催等について、補助制度を通じて支援していくこととしています。

○里吉委員 人材育成の面でも、区市町村補助の制度、新しく創設する制度が使えるというお答えでした。
 各区市町村でそれぞれ指導者講習など人材育成に取り組むようになれば、その方たちと一緒に地域に根差した活動も進みやすいのではないかと思います。区市町村で積極的に取り組まれるよう、情報提供をお願いしたいと思います。
 私は、障害者スポーツの関係者の方から、葛飾区の取り組みが参考になると聞きまして、実際に担当者の方にお会いしてお話を伺ってきました。そこで、地域で取り組む上で大事だと思う点について伺ってまいります。
 葛飾区では、長期計画に障害者スポーツを位置づけるとともに、作業所や特別支援学級などを回って、ニーズの把握、施設のスケジュールに合わせた企画の設定、チラシの配布など、区の職員のきめ細かい対応が振興の鍵となっていました。
 こうしたノウハウの情報交換の場を設けて、全区市町村に普及していくことも重要だと思いますが、都の見解を伺います。

○早崎スポーツ推進部長 都では、区市町村等が地域における障害者スポーツの振興を行う際に、ほかの団体の取り組みを参考にできるよう、平成23年度に取り組み事例集を作成し、その改定版を近日中に発行する予定でございます。
 また、区市町村職員を対象とした障害者スポーツセミナーの中で、区市町村の取り組み事例発表の機会を設けるなど、情報交換の機会を提供しております。
 都は今後とも、区市町村の先進的事例を広く情報提供するなど、障害者スポーツ推進の取り組みが各地域に広がっていくよう努めてまいります。

○里吉委員 葛飾区で障害者スポーツに取り組むようになったきっかけは、1人の職員の方がスポーツセンターの外を散歩していた障害者の親子とたまたま会話をしたことがきっかけだったそうです。
 当時は、障害者の方が参加できる施設などほとんどなく、せっかくスポーツ施設に来ても、外を散歩するくらいしかなかった、でも、本当は何かできることがあれば、運動させてあげたい、こういうお母さんの話を聞いて、この葛飾区の職員の方が何かできないか、こういうことで始めたのがきっかけだったと伺いました。
 常に障害者の方がどうしたら参加しやすいか、区にできることはないか、一つ一つ切り開いてきたお話は、聞いていて私も胸が熱くなりました。こうした方の経験を聞くことや、先ほどお話があったような経験交流など、現場の職員の皆さんの実践に役立つようなセミナーにぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 それから、多くの区市町村立体育館が指定管理者により運営されているもとでは、指定管理者への委託の条件に、障害者スポーツを位置づけることが必要です。こうしたノウハウも区市町村に啓発することが大事だと思いますが、都の見解を伺います。

○早崎スポーツ推進部長 都は、来年度、施設管理者が障害者の利用に際して配慮すべき点をまとめたマニュアルを作成し、区市町村等に配布することで、ほかの施設に関するノウハウ等の情報提供を行っていくこととしています。
 また、既に区市町村職員や公立スポーツ施設管理者を対象とした障害者スポーツの理解を深めるセミナーを行っており、今年度はセミナーの中で区市町村の取り組み事例の発表の場を設けるなど、障害者スポーツ情報の共有を進めております。

○里吉委員 区市町村が障害者スポーツに位置づけて取り組めば、相当なことができるということを私も葛飾で目の当たりにしてまいりました。ぜひどの施設でも積極的に取り組めるようお願いしたいと思います。

◆スポーツ施設のバリアフリー化について 

 次に、施設関係、施設のバリアフリーについて伺います。
 スロープや誰でもトイレ、これは当然のことだと思いますが、今、施設では家族更衣室などが求められています。こうした整備も促進するべきと考えますが、都の見解を伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 区市町村立スポーツ施設のバリアフリー工事につきましては、スポーツ施設整備費補助制度を活用することにより整備の促進を図ってまいります。
 なお、バリアフリー工事の具体的な補助対象につきましては、スロープや誰でもトイレなど、東京都福祉のまちづくり条例等の整備水準に準じた工事のほか、障害者が利用しやすい施設整備を促進させる観点から、家族更衣室などの整備についても対象としております。

○里吉委員 それから、施設の中の器具の話なんですが、葛飾区の体育館を視察させていただきましたら、車椅子でも利用できるトレーニングマシンが導入されて、実際に車椅子の方が利用しておりました。
 都立施設でもこうしたものを積極的に整備して、障害者の方でも来てもらえるようにPRしてはどうかと考えますが、見解を伺います。

○三浦スポーツ施設担当部長 都立体育施設のトレーニングルームにおきましても、これまで多くの障害者の方々に利用していただいております。
 例えば東京体育館では、トレーニングルームとプールをあわせて利用できますが、昨年度実績で約37万人の利用者のうち、障害者及びその介助者による利用は約4万人となっております。  障害者の方がトレーニングマシンを利用する場合には、安全かつ快適に利用できるよう、適宜スタッフがサポートしております。
 今後も引き続き障害のある方にとっても使いやすい施設運営を行うとともに、より多くの方々に使っていただけるようPRに努めてまいります。

○里吉委員 東京体育館で既にきめ細かい援助もして、多くの障害者の方に利用していただいているということでした。
 それとプラスして、障害者といってもさまざまな方がおりますので、車椅子の方にとっては車椅子のまま扱えるトレーニングマシンは大変便利だと、使いやすいものだと思いますので、今後の導入もぜひ検討していただきたいと思います。

◆総合型地域スポーツクラブについて

 次に、総合型地域スポーツクラブについて伺います。
 総合型地域スポーツクラブは、障害者にも門戸を開いておりますが、ある方にお話を聞きましたら、会費などがネックになって、なかなか入会が進まないと聞きました。
 地域スポーツクラブで障害者割引を行うクラブには、都としてその額を補填するなど、こうした支援のありようを検討してはいかがかと思いますが、見解を伺います。

○早崎スポーツ推進部長 地域スポーツクラブは、子供から高齢者、障害者も含め、誰もが身近にスポーツに親しみ、交流を図れる場として、地域住民が主体的、自主的に運営しているものでございます。
 会費の取り扱いを初めとしたクラブ運営に関しては、本来地域スポーツクラブが自主的に判断し、その財政状況等を踏まえて決めていくものでございます。

○里吉委員 総合型地域スポーツクラブが障害者の方と一緒に取り組むイベント、こういうことを開催したときに経費の一部を補助するなど、導入の支援としてこういった取り組みも有効だと考えますが、いかがでしょうか、見解を伺います。

○早崎スポーツ推進部長 都は、スポーツの裾野の拡大を図るため、地域スポーツクラブがその会員以外を対象に実施する地域におけるスポーツの参加促進を目的とした事業に対し、50万円を上限として補助しております。
 既に一部のクラブでは、この制度を活用し、ボッチャなどの障害者スポーツをプログラムに組み入れるなど、会員以外に障害者も参加できるスポーツイベントを開催しています。
 また、都は、障害者スポーツ地域開拓推進事業として、身近な地域において地域スポーツクラブ等が実施する健常者と障害者がともにスポーツに親しむ事業に対し、企画立案のアドバイスを行っているところです。
 こうした事業を通じて、地域スポーツクラブが障害のあるなしにかかわらず、誰もがスポーツを楽しめる場として、その活動の充実が図れるよう、今後とも引き続き支援を行ってまいります。

○里吉委員 先ほど資料要求で出していただいた地域のスポーツクラブの設置数、まだまだ地域によってばらつきがあるんですが、あわせて障害者の方と一緒にやっているクラブも偏っているというふうに聞いております。
 導入部分として、今提案しました取り組みについては、地域のスポーツクラブが会員以外を対象に実施する、そのものを障害者でも参加できるイベントにして既に行っている、そういうスポーツクラブもあるということでしたから、こういうことをぜひ広く周知していただきたいと思います。
 そして、ほかにも指導者確保や情報の提供、人材育成とプログラムをどうやってつくるのかなど、総合型地域スポーツクラブで障害のある方にも参加してもらうための課題、これ、今も東京都が一つ一つ取り組んでいらっしゃることですけれども、さらに現場の声も聞いて、支援していただくよう要望しておきます。
 次に、団体への支援についてですが、都段階の障害者団体が大会を開催する場合、都の後援や会場の優先的な提供、財政支援などを行うことも、障害者スポーツの振興に有効ではないかと考えますが、都の取り組みについて伺います。

○早崎スポーツ推進部長 都は、障害者団体が主催するスポーツ大会など、東京都の障害者スポーツの振興に寄与するものについては、後援名義の使用承認を行っています。
 都立体育施設の使用に関しては、全都的な大会等について優先申し込みを受け付けるとともに、全都的に組織された障害者スポーツ団体等の大会利用に際しては、施設利用料金を減額しているところでございます。

○里吉委員 全都的に組織された障害者スポーツ団体には減免があるというお答えでした。
 東京都にいろいろとやっていただいているんですが、実は障害者の大会というのは、人数が少ない。例えば聴覚障害とか視覚障害の大会など開く場合に、関東から集まってくる、そういう大会を開くときに、会場の減免とあわせて、審判員の方、補助者の方に出さなければならない謝礼ですとか、いろいろなお金がかかるということで、さまざまな支援、全部出してくれということではなくて、そういったものに対しての支援をしてほしいという要望も出ております。
 これから障害者スポーツをさらにどんどん広げていく中でこうした声も出てくると思いますので、ぜひそういう声も酌み上げて、具体化していただきたいと思います。  最後に、障害者スポーツの用具について伺います。
 障害者のスポーツは、本当に特別な用具を必要とするものが多くて、これをどう用意するのか、ここへの補助も重要ではないかと思いますが、都の取り組みについて伺います。

○早崎スポーツ推進部長 都では、地域開拓推進事業を通じて、スポーツ用車椅子やフロアホッケーの用具などの貸し出しを行っているところです。

○里吉委員 地域開拓推進事業を通じて行っているというお話でしたが、この取り組みは、文字どおり地域開拓ということで、その地域で障害者の方にスポーツを始めていただくための導入の取り組みですよね。
 ですから、そこに、もちろん用具を持っていないわけですから、貸し出すことは大変大事なんですが、スポーツ教室など継続的なスポーツを進めるときに用具をどうするのかということも、これから検討しなければならない課題だと思いますので、ぜひ今後検討していただきたいと思います。
 さまざま障害者スポーツについて伺ってまいりましたが、障害のある方、今、東京都が障害者スポーツに光を当てて、本当に取り組んでいただいているということで、さまざまなご要望が出てまいりました。
 それを取り上げてきょうは質問させていただきましたが、障害のある方も、誰もが気軽にスポーツできる、そういう東京を皆さん目指していらっしゃると思いますので、ぜひその方向で頑張っていただくよう求めて、私の質問を終わります。

◆東京都消費生活条例の一部を改正する条例について 

○里吉委員 それでは、私からはまず、東京都消費生活条例の一部を改正する条例について伺ってまいります。
 この条例案は、悪質事業者などによる不適正な取引行為に対する取り締まり強化に加えて、消費者教育についても改正されますので、その消費者教育の部分について伺ってまいります。
 まず、消費生活条例において、今回、消費者教育はどのような考え方に基づいて規定されたのか伺います。

○山本消費生活部長 近年、消費者を取り巻く環境は大きく変化してきており、この変化に対応して、消費者教育の充実を図っていくことが重要であります。
 こうした考え方に基づき、今般制定されました消費者教育推進法等を踏まえ、消費者教育の基本的な事項や消費者、消費者団体、事業者団体等の役割などを追加して、消費者教育に関する規定の充実を図るものでございます。

○里吉委員 私も消費生活審議会に出席して、議論に参加いたしましたが、消費者の役割の規定に関しては、さまざまな立場からの意見がありました。それらを踏まえた答申では、消費者教育を受ける立場である消費者については、教育の機会を積極的に活用されることが期待される一方、消費者団体や事業者、事業団体における責務とは異なると。消費者に努力義務を課すことで、消費者トラブルは消費者の自己責任であるといった誤解を生む危惧を踏まえ、消費者に期待される役割として規定することが適切であるとされました。
 消費者を守るべき条例が、責任を消費者に押しつけることがあってはなりません。改正条例では、このことについてはどのような配慮がなされたのか伺います。

○山本消費生活部長 昨年12月に出されました消費生活対策審議会の答申を踏まえ、消費者につきましては、主体的に消費者教育に参画するものであることを規定しております。
 一方で、消費者団体、事業者、事業者団体に対しましては、消費者教育の協力や情報提供に努めること等を求めており、両者の規定上の位置づけは異なっております。

○里吉委員 今回資料でもいただきましたが、平成25年度の相談の中に判断不十分者契約の相談が1276件とありました。また、認知症高齢者の方もふえております。
 消費者といってもさまざまですから、消費者に努力義務を課すということではなくて、主体的に参加することを期待する、こういう規定が重要だと考えます。
 そこで、消費者教育の推進に対しては、区市町村の役割が大変重要だと考えます。条例の第4条にも区市町村との連携をうたっておりますが、この一層の支援が求められると思いますが、都の見解を伺います。

○山本消費生活部長 消費者教育の推進には、区市町村の役割が大変重要でございます。  このため都は、区市町村の先駆的な取り組みを消費者教育モデル事業として認定し、その成果について他の区市町村へ普及を図っております。
 また、東京都消費生活総合センターでは、区市町村に対し、ウエブ版の消費者教育読本やDVD等の教材を作成、提供してございます。
 こうした取り組みによりまして、区市町村の取り組みを支援してまいります。

○里吉委員 資料の2ページに、東京都消費生活総合センターにおける消費者教育事業の実績について示していただきました。ここにいただいたようにさまざまな支援を行っているわけですね。市区町村との共催の講座というのも、平成25年度、17回、519人の方が参加されているということでした。それ以外にも、DVDの作成ですとか、ウエブ版の消費者教育読本があるということで、ここにも紹介されています。
 私、若者向け悪徳商法の被害防止のためのDVD、これはインターネットで見られるものがありまして、見せていただきましたが、大変よくできているなというふうに思いました。問題は、これをどうやって被害に遭うかもしれない若い方々に見てもらうかが課題だということを伺いました。
 まだまだ消費者教育という点では、区市町村でばらつきがある中で、東京都がなお一層消費者教育について支援していくことが重要だと考えます。答申では、消費者教育については、東京都がさらに一歩踏み込んだ支援を行うべきだという文言もございますので、この取り組みをさらに進めていただくことを求めて、次の質問に移ります。

◆東京都文化ビジョン素案について

 次は東京都文化ビジョン素案について伺ってまいります。
 今回、東京都が文化ビジョンを作成し、芸術文化の振興を総合的に都政に位置づけようとしていることは重要です。2020年オリンピック・パラリンピックに向けた文化活動の推進はもちろん、2020年以降の都民の芸術文化活動の発展につながるものにしていただきたいと思います。
 そのために、まず、土台となる東京都文化振興条例に立ち返ってみたいと思います。東京都文化振興条例の目的について伺います。

○鳥田文化振興部長 東京都文化振興条例第1条は、民主的で文化的な国家を建設して世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする日本国憲法の精神にのっとり、文化の振興に関する東京都の施策の基本を明らかにすることによって、都民が東京の自然及び歴史的風土に培われた、国際都市にふさわしい個性豊かな文化を創造することに寄与し、もって都民の生活の向上に資することを目的とすると規定しております。

○里吉委員 世界の平和と人類の幸福に貢献するという憲法の精神に基づいているという大変重要なことも書かれております。文化ビジョン素案にも、芸術文化の力を世界平和の実現につなげていくという言葉がありますが、共通する考え方だと思います。
 そして、条例では都民が文化を創造することに寄与する東京都の施策を明らかにして、それにより都民生活の向上に資することを目的とすると、都民が中心になっていることがわかります。今回の文化ビジョンもこの方向に沿って、都民の文化創造と生活の向上という視点を中心に据えていくことが重要だと思います。
 私は、都民の方や創作活動に携わる方、専門家の方などにこの素案を読んだ感想やご意見を伺ってまいりました。すると、東京都が文化政策に本腰を入れたということで期待しつつも、同時に全体から受ける印象は、芸術文化を都市戦略に役立つものとして利用する方向性で違和感を持つ、個人が創作活動、文化芸術活動をしようとしたときに、直面する問題の分析や解決の方向が十分見出せるものにはなっていないなどの意見も寄せられました。
 もちろん、この素案にはその内容だけではなくてさまざま書かれています。確かに発信力を強化とか、グローバルな競争力を高めるとか、都市としての価値を高めるとか、いわゆる都市間競争なわけですよね。そういう言葉が並んでいるのを見ると、芸術文化は競争なんだろうかと。むしろ人間同士の友好や交流、相互理解を深めるものではないのかという感じがいたします。
 発信力の高いフェスティバルなど、都市の価値を高めるといわれると、必ずしもそういうことをしたくて創作活動をしている方ばかりではないだろうというふうに思うわけです。
 また、イベント重視ではないか、外国からお客さんを呼び込める魅力づくりがしたいのではないかと感じたという方もいらっしゃいました。
 芸術文化は、さまざまな形で私たちの生活の中に存在して、ビジネスと密接な関係のあるもの、全く関係のないもの、さまざまな複雑な要素が絡み合う中で、成り立ち、提供され、享受され、発展しています。
 自治体が芸術文化を振興する場合、都市政策や観光などの産業振興に資する方向での文化振興も否定するものではありませんが、それだけにとどまらない多様な芸術文化活動を保障し、振興していく視点が求められると思いますが、都の見解を伺います。

○鳥田文化振興部長 これまでも都は、幅広い分野において若手芸術家や子供、外国人、障害者を初めとしたさまざまな芸術文化の担い手と鑑賞者に対して多様な文化活動の展開をしております。
 東京文化ビジョンの素案でも、文化戦略としてあらゆる人が芸術文化を享受できる社会基盤の構築を掲げており、今後も東京で行われる多様な芸術文化活動を推進してまいります。

○里吉委員 素案でもあらゆる人が芸術文化を享受できる社会基盤の構築を掲げていて、今後も推進していくというお答えでした。文化振興条例の目的にも沿ったこの方向での拡充をぜひお願いしたいと思います。
 そこで、あらゆる人といった場合、今回、特に障害者の文化芸術活動に光が当たったことは、これまでにないこととして評価する声を聞きました。言葉を発することのできない障害者の方が、絵画など作品を通して自己を表現する、また周囲の人たちと心を通い合わせる、また、音楽でも演劇でも気軽に楽しむことができる、そのような東京を目指していただくことを要望します。
 また、子供の文化振興も重要です。あらゆる人がという視点に立つと、貧困、特に子供たちの6人に1人が貧困という現状の中で、全ての子供が芸術文化に触れる機会として、学校での活動は重要です。どのように拡充するのか伺います。 ○鳥田文化振興部長 都では、学校や地域、実演家団体との連携や文化施設の活用により、幅広い教育プログラムや体験プログラムの実施をしてまいりました。
 文化ビジョン素案でも、学校における教育活動等において、子供たちが日本の伝統文化はもとより、さまざまな芸術文化に触れる機会を拡充することとしております。
 来年度からは、都内全域の小中学校等を対象とした伝統芸能体験プログラムを展開いたします。

○里吉委員 学校における教育活動等において、芸術文化に触れる機会を拡充するということで、ぜひお願いしたいと思います。
 東京都はかつて、小中学校を対象とした音楽やバレエの鑑賞教室の事業を行っていましたが、現在は廃止となっております。今でもそうした事業を求める声は多方面から聞かれます。
 また、学校行事の時間には限りがありますから、伝統芸能などに限定されてしまうと、他の分野が締め出されてしまうのではないかという声も聞きます。
 伝統芸能も大切です。オーケストラや演劇、バレエなど、さまざまな本物の文化に子供たちを触れさせたい、こういう要望も聞いております。ぜひ伝統芸能も含めてですけれども、多様な芸術文化に触れる機会を拡充していただきたいと思います。
 あわせて、高校生向けの芸術教育、鑑賞機会が小中学生に比べて貧しいということが芸術文化の関係者からも指摘されています。現在、定時制、通信制課程の生徒の演劇鑑賞教室がございますけれども、それだけなんですね。
 高等学校の鑑賞教室や高校生向けの体験事業などへの支援も充実していただきたいと思いますが、都の見解を伺います。

○鳥田文化振興部長 これまでも都は、高校生を対象とした体験事業を実施してまいりました。文化ビジョン素案でも、全ての子供や青少年が芸術文化に主体的にかかわることができる教育プログラムを充実していくこととしております。

○里吉委員 芸術文化関係者からも要望が出ておりますし、高校を卒業して社会に出るという子供たちの場合は、なかなか機会がないだろうということで、定時制、通信制課程の生徒への演劇鑑賞会が残っているのかなという気もいたしますが、本当に感性のみずみずしい若いときに本物の文化に触れておくこと、芸術に触れておくことということが大変大事だと思いますので、ぜひ多様な機会の拡充をお願いしたいと思います。
 また、子供たちに豊かな芸術文化をと活動している団体が都内にはたくさんあります。学校演劇に取り組む劇団やオーケストラ、楽団、人形劇団、子供向け鑑賞サークルなど、子供の芸術活動を支える団体への支援、応援も重要だと思いますが、都の見解を伺います。

○鳥田文化振興部長 都はこれまでも、アーツカウンシル東京による助成や都民芸術フェスティバルなどの実施により、芸術文化団体の支援をしてまいりました。
 文化ビジョン素案でも、全ての子供や青少年が芸術文化にかかわることができるよう、多様なジャンルのアーティストとの交流や多彩な芸術文化体験を支援していくこととしております。

○里吉委員 子供たちを対象にした活動というのは、料金を高くすることができないということで、なかなか経営が厳しい。だけれども、子供たちのために頑張って活動している、こういう団体がたくさんあります。ぜひこういった、子供たちのために頑張っている団体にも積極的な支援を考えていただきたいと思います。
 そして、あらゆる人がということでは、手ごろな料金で音楽や演劇、落語など楽しむことができ、長年好評を博している都民芸術フェスティバル、これも位置づけて拡充していくことが求められていると思います。
 また、エデュケーションプログラム事業について、体験型芸術プログラム事業もその一つといえると思うんですね。ぜひこれも拡充すべきと思いますが、都の見解を伺います。

○鳥田文化振興部長 子供から大人まで身近に芸術文化に触れる機会を提供するため、都民芸術フェスティバルや体験型芸術プログラムについては、引き続き継続してまいります。
 さらに、文化ビジョン素案に記載の教育プログラムの充実や都立文化施設の魅力向上等の取り組みにより、都民が芸術文化を享受するための取り組みを拡充してまいります。

○里吉委員 都民芸術フェスティバルを大変楽しみにしている方とか関係者の方からは、このビジョンの中にその文言が入っていないということで心配されている方がいらっしゃいました。当然続けるということだと思ったんですけれども、ぜひこれまで都とさまざまな団体と力を合わせて長年培ってきた、つくってきた都民芸術フェスティバル、また体験型芸術プログラムですから、しっかりと拡充をしていただきたいということを要望しておきます。
 次に、アーティストの活動について伺ってまいります。
 芸術文化の振興には、芸術家、アーティスト抜きにその振興はあり得ません。アーティストの方々が活動する上で最も重要なものが表現の自由です。自由に作品をつくって発表できるかどうかについて、芸術家の皆さんは大変敏感です。  芸術文化の発展のためには、表現の自由が守られることが絶対に必要だと思いますが、都の見解を伺います。

○鳥田文化振興部長 東京都文化振興条例においては、都は、都民の自主性と創造性を最大限に尊重すること、条例の運用に当たり、文化の内容に介入し、または干渉することのないよう十分配慮することが規定されております。

○里吉委員 都民の自主性と創造性を最大限に尊重すること、文化の内容に介入し、または干渉することのないよう十分配慮することとのことでした。アーツカウンシルもそれを保障するためにヨーロッパで生み出された制度だと思います。
 もし都市の魅力というのなら、東京は創造と鑑賞の自由が保障された都市であること、多様な文化や価値観を尊重し、受け入れる都市であることが芸術文化振興の大前提であるとともに、大きな魅力となるのではないでしょうか。
 東京に住む人を初め、まち中に自由な雰囲気がみなぎっていることは、芸術家を引きつけますし、逆に見た目は美しいものに彩られていても、どこか息苦しいまちは文化都市とはいえないというご意見を、私も都民の方からいただきました。文化ビジョンにもそのことを書き込むなど、ぜひ重視していただきたいと思います。  そうした点で、都美術館の展示作品への介入などは、私も昨年質問させていただきましたが、あってはならないし、また、舛添知事も言及されていましたけれども、ヘイトスピーチなどを容認するまちであってはいけない。  お互いの権利を尊重する、少数者も含めた異文化、多文化を理解し、尊重する都民の世論と気風をつくり上げることが重要だということを指摘しておきます。
 また、芸術家がイベントに限らず、持続的に活躍していける東京にすることも求められています。アーティストの中には、質の高い活動をしながら生活が厳しいという方もいます。
 素案の中にビジネスチャンスを提供という言葉がありますけれども、芸術をビジネスと結びつけるのも一つの方法ですが、公的支援が必要な文化もあります。表現の自由とも関係していきますが、ビジネスを意識すると、大衆に受け入れられやすいものばかりになる可能性もありますし、鑑賞する側もビジネスに役立つものばかり押しつけられるという結果になることは不幸です。
 制作場所や練習場所の支援としては、現在、日本橋高校の跡地に一つつくられていますけれども、ふやしてほしいという要望も伺っています。
 芸術家のための住宅の提供なども一つの形かもしれません。芸術家が継続して活動に打ち込める環境への支援もお願いしたいと思います。
 また、発表の場の確保という点では、芸術文化の発表の場をどうやって確保するのか、このことも大変重要です。

◆劇場、ホールの閉館問題について 

 その一つとして、今、都内で大変心配されているのが劇場、ホールの閉館問題です。
 演劇や音楽、バレエなどの舞台芸術に欠かせない劇場、ホールの閉館が相次いでいます。
 東京ではこの10年間、新宿西口にありました朝日生命ホール、文京区にありました三百人劇場、新宿コマ劇場とシアターアプル、シアタートップス、これも新宿です。東京厚生年金会館、カザルスホール、前進座劇場、ルテアトル銀座などが閉館しています。今月末には1駄ヶ谷にある室内楽の聖地といわれております津田ホール、これが、閉館が決まっております。また9月には、ゆうぽうとホールの予約が停止になります。
 決して必要とされなくなって閉館したわけではなく、建物の老朽化や耐震改修の費用の捻出が難しいとか、劇場を所有している企業の経営全体の中での判断とか、それぞれの事情はありますが、本当に惜しまれながらの閉館なのです。
 昨年秋には、新宿南口の紀伊國屋サザンシアターで日本劇団協議会が存続を願う嘆願運動を行っています。
 多様な舞台芸術、表現の発表にはそれぞれの条件を満たす劇場が必要です。文化芸術の発展のためには、民間施設も含めた文化芸術団体の発表の場、また都民の鑑賞の場として大切にしていくことが重要だと考えますが、都の見解を伺います。

○鳥田文化振興部長 都は、東京文化会館や東京芸術劇場といった東京を代表するホールで質の高い公演を都民に提供するとともに、アーツカウンシル東京による助成や都民芸術フェスティバル、東京文化発信プロジェクトなどの実施により、芸術文化団体に発表の場、都民に鑑賞の場を提供してまいりました。
 今後も引き続き都民が創造、発表できる舞台や鑑賞の場を提供してまいります。

○里吉委員 発表の場、鑑賞の場を提供しているとのお答えでした。それも重要ですが、実際に民間のホールの閉館により、発表の場が失われる、(発言する者あり)どこに確保できるのかが大問題になっている劇団なども……   

 〔発言する者多し〕

○小竹委員長 お静かに願います。

○里吉委員 たくさんあるのです。
 劇場は、舞台と観客があればよいというものではありません。照明や音響、舞台機構などの維持管理だけで年間数1万円は必要で、施設を年間フル稼働させても、収支はとんとんとのことです。

(発言する者あり)

 ある演劇関係者は、公演する劇団の経営も大変なので、できるだけ安く貸し出したいが、そうすると劇場の経営が成り立たない、せめて税制面での優遇措置があれば助かると述べています。  民間の劇場……    

〔発言する者あり〕

○小竹委員長 お静かに願います。

○里吉委員 ホールは商業施設扱いで、固定資産税などの減免もありません。一定の条件を満たす劇場やホールを文化施設と認め、主税局などともぜひ協議をして、固定資産税の減免をしていただけるよう提案したいと思います。
 また、施設の改修や舞台装置などの発達も日進月歩ですから、その高度化に対応するための支援なども重要だと思いますので、ぜひ検討をお願いします。
 この文化ビジョンには、都民はたくさん、さまざまなバレエですとか音楽、そういうものを子供のころから習っている子供たちがたくさんいる、こういうことが書かれておりましたが、その子供たちのバレエの発表の場がなくなってしまっている、こういうことで、ゆうぽうと、ここが大変人気があったということで、9月にこれが閉館してしまうということで、これは新聞で報道されておりました。そういう意味では、ぜひ東京都としてできる対策がないのか検討をしていただきたいと思います。
 また、施設という点では、都立の芸術文化施設は23区に集中しています。多摩地域には、江戸東京博物館のたてもの園があるだけです。多摩地域にも、都立の芸術文化施設が必要だという要望もございますので、ぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○濱田文化施設改革担当部長 東京には国公立、民間によって設置された博物館や美術館、劇場などの文化施設が数多く存在しております。都立文化施設は、首都東京全体の広域的な観点に立って、都民の教養、学術、文化の発展や文化の振興に寄与することなどを目的に、それぞれ設置条例を制定し、都内各地に各施設を配置、整備してきたものでございまして、東京の歴史や芸術文化の未来への継承、芸術文化の創造発信拠点、教育普及などの役割を果たすとともに、地域の特性とも連携した事業を展開してまいりました。
 都立文化施設の設置につきましては、このような観点から行うべきものと考えております。

○里吉委員 都立文化施設の設置の考え方のご説明をいただきました。文化施設の必要性については、時代の発展とともに変化、発展するものだと思いますので、ぜひご検討をお願いしたいと思います。

◆都として文化の蓄積について 

 次に、文化の蓄積について伺います。
 東京が文化的に発展していくためには、文化の蓄積も大切です。素案には、東京都美術館のリニューアルオープン記念として開催されたマウリッツハイス美術館展、世界でも最も来場者が多かったイタリアのウフィツィ美術館の78万9241人に次ぐ75万8266人を記録との記述がありました。
 都美術館の展覧会に76万人近い方が訪れたということは、大変すばらしいことだと思いますが、これは企画展なんですね。オランダのマウリッツハイス美術館、ここでは収蔵品を見ることができるということで、皆さん訪れているわけです。
 こうした企画展、オランダに行かなくても東京で世界のすばらしい美術を鑑賞できる企画展ももちろん大変重要ですが、その美術館自身が所有している収蔵品が大きな魅力となって高く評価され、世界中からたくさんの人々が訪れる美術館、こうした美術館を目指して、東京の美術館自身も魅力を高めていくことが重要ではないかと考えます。
 東京でも、現代美術館や写真美術館など、今ある美術館の収蔵計画を拡充するとともに、すぐれた作品を後世に残すために、東京都がどのような役割を果たすのか、この機会に検討することも必要ではないかと考えますが、都の見解を伺います。

○濱田文化施設改革担当部長 都は、写真美術館、現代美術館、江戸東京博物館におきまして、各施設の設置目的にのっとり、すぐれた芸術作品や歴史的資料の未来への継承、東京の芸術文化や歴史の内外への発信、若手作家への支援、施設の魅力向上等の観点から収集方針を定め、これに基づき計画的に収蔵品を購入しております。
 今後ともこの収集方針に基づきまして、各施設において資料や作品の購入を計画的に続け、収蔵品の充実に努めてまいります。

○里吉委員 ぜひ収蔵品の充実に努めていただきたいと思います。
 また私は、有名な絵画を買いあさるというようなコレクションの収集を求めているわけでは決してありませんが、東京ならではの役割などについて、この機会に検討していただきたいと思います。
 次に、芸術文化を支える学芸員などの育成の支援も重要だと思います。
 美術館や博物館などで作品や資料の収集や保管、展示、さらに調査研究などを行い、芸術文化の創作活動、また鑑賞活動を支えているのが学芸員の皆さんです。
 どんな作品を購入し収集するか、また作品をどのような形で展示し、来館者に見せていくか、どんなテーマで企画していくかなど、専門家の立場から検討し、実際の収集活動や展示活動などを行っています。
 都立文化施設を運営している東京都歴史文化財団の学芸員の正規職員、契約職員、非常勤職員はそれぞれ何人なのかお伺いをいたします。

○鳥田文化振興部長 歴史文化財団における学芸員の内訳についてでございますが、平成27年3月1日現在で固有職員60名、常勤契約職員30名、短時間契約職員9名となっております。 

○里吉委員 調査研究の蓄積やコレクションの形成、その文化施設ならではのカラーをつくっていくこと、他の文化施設との関係づくりなどのためには、同じ施設に長期間継続して同じ学芸員が勤務していることが必要です。
 学芸員は、正規職員として雇用することが重要だと考えますが、都の見解を伺います。

○鳥田文化振興部長 歴史文化財団は、指定管理者として、江戸東京博物館、現代美術館、写真美術館など、それぞれ独自の専門性を持つ美術館、博物館を運営しております。
 美術館、博物館、ホールの学芸員の専門性の高さやキャリアプラン、海外との人材交流の観点などから、正規職員だけではなく、多様な雇用体系の確保が必要であります。

○里吉委員 指定管理者制度などで契約期間が区切られて、同一の事業者が長期に運営することが難しい、学芸員も安定的に雇用することができない、文化施設の質にも影響するということで、例えば指定管理者などは文化施設や図書館にはなじまないと指摘されているわけですね。
 東京都はこの点を配慮していると認識しておりますけれども、江戸東京博物館などもかつてはもっとたくさんの正規職員の学芸員さんがいらっしゃいました。改めて、学芸員の育成と雇用の安定も重視していただきたいとお願いをしておきます。
 このテーマの最後に、東京文化ビジョンの実現に向けて伺ってまいります。
 知事は記者会見の中で、今後はこの東京文化ビジョンの実現に向けて、全員参加による取り組みが必要でありますので、芸術文化を多くの都民とともにつくり上げるための仕組みを検討したいと述べております。
 また素案では、さまざまな主体と大胆なパートナーシップによる全員参加体制の構築について、相互の意見交換が可能な環境を日常の身近な場所やインターネット上につくっていくとありますが、都と関係を持っているさまざまな芸術文化団体との懇談や、それ以外の広くさまざまな活動をしている都民との意見交換の場をどのように具体化するのか、東京都からも広く積極的に呼びかけて、多様な声を酌み上げる仕組みをつくることが必要だと考えますが、都の見解を伺います。

○鳥田文化振興部長 文化ビジョンの実現に向け、国、自治体、企業、教育機関、アーティスト、芸術文化団体等、さまざまな主体に幅広く呼びかけ、官民一体となった文化戦略を推進するための仕組みづくりを今後進めてまいります。

○里吉委員 まだ素案の中には具体的なものが見えてこないんですが、意見交換はインターネット上だけに限らず、例えば知事と語る会のような場も一つの案でしょうし、公募委員さんのような形で参加者を募ることも考えられると思います。
 文化の担い手はさまざまで、著名な方や超一流といわれるプロの意見ももちろん重要ですが、専ら鑑賞を楽しんでいる都民、アマチュアで創作活動を行っている方の意見も重要です。
 全ての都民の豊かで文化的な生活と多様な芸術文化の取り組みを保障し合えることのできるよう、ビジョンの実現を図っていただくことをお願いし、次の質問に移ります。 

◆私立専修学校の授業料補助事業について 

 最後ですが、私立専修学校修学支援実証研究事業補助について伺います。
 この事業は、経済的に修学困難な専門課程の生徒に対し、授業料の一部を補助するものです。私立専門学校生への授業料を補助するという国の支援は初めてのことで、画期的なことだと思います。
 まず、この国の制度の目的と概要について伺います。

○武市私学部長 国は、専門学校生への効果的な経済的支援のあり方に関する実証研究事業といたしまして、意欲と能力のある専門学校生が経済的理由により修学を断念することがないよう、専門学校生に対する経済的支援策について総合的な検討を進めるため、実証的な研究として経済的支援及びその効果検証等を行うとしています。
 このうち経済的支援については、都道府県への委託が予定されていることから、都は、私立専修学校修学支援実証研究事業費補助を27年度予算に計上しております。

○里吉委員 この事業の対象となる専門学校というのはどのような条件なのか、また都内にはおよそ何校ぐらいあるのかお伺いします。あわせて、経済的な支援だということなんですが、どれぐらいの減免が受けられるものなのか、概要がわかればあわせてお伺いしたいと思います。

○武市私学部長 対象となる学校の要件には、生徒への学校独自の授業料減免を実施していること、授業料等負担軽減に関する情報を公開していること、学校評価など質保証、向上に関する取り組み等を行っていることが挙げられておりますが、国からはこれらの詳細が示されておらず、都内の学校数については把握しておりません。
 また、補助率についてでございますが、そちらもまだ示されておりません。

○里吉委員 まだ正式なものはおりていないということだと思うんですけれども、私がインターネットで見ましたところ、国は該当生徒に対し、学校が実施した授業料等減免額を基礎として算定した金額の2分の1以内を支援するということでした。
 全国の専門学校は2811校、学生数は58万7000人、約2割の高等学校卒業生が専門学校に進学をしているといわれております。
 都内30校、40校といわれる専門学校が対象になると思うんですけれども、これから把握するというご答弁でした。
 では、この事業を行うに当たって、都内の私立高校生の現状、特に経済的困難で修学が難しい学生への支援を行うということですから、経済的な実態がどのようになっているのか、都としては調査を行っているのでしょうか、伺います。

○武市私学部長 先ほど答弁申し上げましたとおり、実証研究事業は経済的支援及びその効果検証等から成り立っておりまして、この事業の中で現状の調査も行うことになっております。

○里吉委員 国では、昨年8月に専修学校生への経済的支援の在り方について(中間まとめ)というのが出されました。それを読みますと、さまざまな調査が行われています。
 家庭の年間収入が30万円未満の学生数の割合は、大学生が8・7%に対し専門学校生が17・4%、専修学校で学ぶ学生は、同じ年齢層の生徒、学生が学ぶ学校種と比べて低所得層の者が多いこと。
 一方、学費は、平均納入金が私立大学が約132万円、私立短期大学が112万円に対して、私立専門学校は平均110万円、平成25年度の平均だそうですけれども、ほとんど変わらないということなんですね。
 また、専門学校はカリキュラムが大変多いので、朝早くから夕方まで授業がある、こういうことで、専門学校生にとって、夜間や休日のアルバイトで生活費を賄うという現状は、学習時間の確保という点で大きな課題を残していると、この中間まとめでは指摘をしておりました。
 専修学校の中退者はわずかであるが増加している、経済的理由は約1割、平成24年の実績で日本学生支援機構の奨学金を受けている割合が大変大きいと。貸与対象家庭、日本学生支援機構からお金を借りることができる専門学校に通っている子供たちが全国で53万人いるそうですが、そのうち20万人の学生が奨学金を借りている、3人に1人借りている、こういうことが載っておりました。
 なぜこういう結果が出るのかということについても、家計が苦しいからこそ、資格などを得て働きたいという学生が多いのではないかという分析をしていて、私もなるほどと思いました。
 子供の貧困が社会問題となっている中で、貧困の連鎖を断ち切るためにも、経済的理由で意欲と能力のある専門学校生が修学を断念することのないよう支援することが今緊急に求められています。
 この中間のまとめでは、専門学校生への経済的支援に係る国、地方公共団体、学校の役割という項目の中で、都道府県は、専門学校の設置認可権を有する所轄庁であり、専門学校は地域にとっても有用な人材の育成を行い、産業等の政策とも関係していることも踏まえ、都道府県が一定の役割を果たすことが期待される。したがって、国においては新たに講ずる専門学校生への経済的支援については、専門学校が授業料減免を行うことを前提としつつ、実施に当たっては、国、都道府県及び学校が適切に役割を果たしていくことが求められる。これは国の、さっきいいました中間のまとめに書いてある言葉です。
 国の動きもまだ不透明で、実証研究事業費補助となっていますが、この国の動きに対して、私立専門学校生への授業料補助など、しっかりと制度化することを求めるべきだと思います。  また、国の支援額に上乗せをして、都としても補助することも検討すべきだと考えますが、あわせて都の見解を伺います。 ○武市私学部長 専修学校専門課程は、大学、短期大学と並ぶ高等教育機関としての役割を果たしており、大学等と同様、国の責任において補助を行うべきであります。
 都は、補助制度の創設、実施について、既に国に対して要望しております。 ○里吉委員 国に対しては制度をつくるよう要望しているということでしたが、この基本は、まず専門学校が経済的理由による授業料減免制度を設けていることが大前提になるわけですね。
 国の調査ですと、経済的理由による授業料減免制度を設けている学校は、全体の4分の1ということでした。これをぜひ広げてもらうように学校側に働きかけることや、高校生にもこういう制度を持っている専門学校があるということを広く周知することも重要だと考えますが、いかがでしょうか、都の見解を伺います。

○武市私学部長 実証研究事業の実施に当たり、その目的や内容について専修学校へ周知を行いますが、そもそも授業料減免制度を創設するかどうかは、各学校の設置者が判断すべきことであり、その周知についても同様です。

○里吉委員 国がこれから実証実験ということで行うわけですが、その裾野を広げるために、東京都としてでき得る情報提供をぜひしていただきたいと思います。
 学校の判断というお答えでしたけれども、東京の子供たちの修学支援につながるわけですから、ぜひ経済的減免制度を進める立場で情報提供を行っていただきたいと思います。
 意欲と能力のある専門学校生が経済的理由で修学を断念することがないように、専門学校生向けに国が初めて授業料補助を行うという制度ができるかどうかということで、実証実験は3年間行われるそうです。
 私が先ほど読み上げました専修学校生への経済的支援のあり方について、この検討委員会はことし3月31日に終了する予定でしたが、3年間延期をして、この実証実験の結果を見て、そして国としても判断していくということでしたから、私も文部科学省の担当者の方と電話でお話をさせていただきましたけれども、東京都としても手を挙げてこの事業を行うということでありますから、ぜひ都として、国にも再度この制度が実現するように要望していただきたいということを求めまして、質問を終わります。

このページの▲
トップに戻る 


文教委員会速記録第5号

2015年3月18日(水)

◆教員の多忙化、健康管理の問題について 

○里吉委員 それでは、まず、私からは、昨年の事務事業質疑でも伺いましたが、教員の健康管理の問題、多忙化の問題について伺います。
 子供たちの豊かな学びを保障するために、教員の多忙化、長時間労働、そして精神疾患も含む病気休職者数の高どまりは早急に解決が求められる問題です。
 教員の長時間労働は、OECDの調査でも、参加国34カ国中、日本が最長、参加国平均の1・4倍ということでした。
 前回の質問では、健康診断やストレスチェック、校務改善推進プラン、また、精神疾患で休職中だった教員の職場復帰と、再び休職することのないよう、防止のための取り組みを行っているリワークプラザ東京などについて伺いました。都立高校の業務の縮減や精査、改善を図るための調査を行っているということも伺いました。
 さまざまな努力をされているということを伺ってきたわけですが、都教育委員会として、都立学校で働く教員一人一人の勤務実態について調査すべきではないかという質問に対しては、勤務時間を管理、把握するのは学校長の責任で、適正に把握、管理されているというお答えでした。  しかし、実際には、学校長といえども、一人一人の教員がどれくらい働いているのかということはつかめていないと思います。校長が把握するというのであれば、例えば、タイムカードなどを使ってできるのではないかと思います。
 そこで伺いますが、都立学校の教員の勤務実態をタイムカードなどで把握しない理由は何なのか伺いたいと思います。

○粉川人事企画担当部長 都教育委員会は、服務監督権者である校長に対し、所属職員の勤務時間の適正な割り振りと運用に万全を期すよう通知を発出し、校長、副校長はその通知に基づき、教員の勤務実態の適切な把握、管理に努めております。
 なお、教員の職務は、自発性、創造性に期待する面が大きいため、タイムカードなどによる時間管理の手法だけでは、教員一人一人の勤務実態を全て正確に把握することは困難であり、各学校では、校長等が校内巡回や教員への声かけなどにより、所属教員の勤務実態の把握に努めております。

○里吉委員 これは前回も申し上げたことなんですけれども、労働安全衛生法、教員も対象になっているわけですが、ここでは教員についても労働時間の適正な把握を行うよう通達が出されています。
 また、厚生労働省は、過重労働による健康障害防止のための総合対策を推進していますが、ここでは、時間外労働が月45時間を超えているおそれがある現場に対して指導しなければならない、このようにあります。
 教員の勤務実態は、学校内勤務だけではないかもしれませんが、少なくとも一人一人の教員が1カ月どれだけ学校内で働いているのか、時間外労働がどれくらいなのか、これはつかんでみなければわからないのではないでしょうか。いかがでしょうか。

○粉川人事企画担当部長 先ほどもご答弁いたしましたが、教員の職務は、自発性、創造性に期待する面が大きいため、時間管理の手法だけでは、教員の勤務実態を全て正確に把握することは困難でございます。  なお、校長は、常に所属教員の勤務状況の把握に努め、疲労の蓄積が認められ、健康上の不安を有する教員に対しましては、産業医による面接指導の申し出を行うよう勧奨することとしております。 ○里吉委員 校長というのは、その職場で教員の健康管理の責任者という役割も担っておりますから、その点では、今お話しされた健康上の不安を有している教員に対して、産業医による面接指導をしっかりと勧める、そういうことは取り組んでいただきたいと思います。
 しかし、校長とそこで働く教員との関係もさまざまございます。また、教員一人一人がどれだけ働いているのか、それが顔に出る方もいるでしょうし、出ない方もいらっしゃるんじゃないかと思います。それだけでは正確な労働時間はつかめません。
 先ほどお話ししましたOECDの調査、ここで出された教員の労働時間は、たしか中学校の教員の方だったと思いますが、週53・9時間といわれていました。単純に計算しますと、4週間掛けて時間外労働を割り出しますと、55・6時間というふうになるわけです。実際、都立高校の教員の皆さんの労働実態もこれに近い結果が出る可能性もあるのではないでしょうか。
 改めて、まずは都立高校の教員の勤務実態は、学校で勤務している時間を把握して、健康管理に責任を持つ、この取り組みを早急に検討していただきたいということを要望しておきます。 

◆教育委員会制度の改革にかかわる条例改定について 

 次の質問に移ります。
 次は、教育委員会制度の改革にかかわる条例改定についてです。東京都教育委員会組織条例の一部を改正する条例を初めとする国の地方教育行政法の改定による教育委員会制度改革に伴う条例改正案について伺います。
 昨年の国会における教育委員会制度改革にかかわる地教行法の改定では、教育委員会の独立性が焦点になりました。国や首長による教育内容への政治介入を許すことなく、教育委員会の教育の自主性を守るべきだという大きな世論が巻き起こり、日本弁護士会を初め、さまざまな団体が意見書などを上げました。
 その国会の中で文部科学省は、教育委員会制度発足の3つの根本方針は、法改正によっても変わらないと答弁しています。この3つの根本方針とは、一つ、中央集権でなく地方分権、2つ目、民意の反映、レイマンコントロールといわれています。3つ目、一般行政すなわち首長からの独立、この3つです。これに間違いがないか確認したいと思いますが、いかがでしょうか。

○白川教育政策担当部長 平成26年4月16日の衆議院文部科学委員会において、文部科学省から、教育行政の地方分権、教育委員会の地方公共団体の長からの独立性、住民の意思の反映については、基本的には変わらないとの答弁がございました。 ○里吉委員 地方分権、民意の反映、首長からの独立、この3つの根本方針は、基本的に変わらないというご答弁をいただきました。
 木村教育委員長が会長を務めております全国都道府県教育委員長協議会、それから、比留間教育長が会長を務めております全国都道府県教育長協議会、この2つは、今回の教育委員会制度改革に当たり、国に対して、現行の教育委員会制度は、教育の政治的中立性と継続性、安定性の確保、多様な意見の教育行政への反映という観点から、極めて重要な役割、機能を果たしてきた。見直しに当たっては、この役割、機能が損なわれることがないようにしていただきたいと求めてきました。
 都教委としても、教育委員会の役割としてこの観点が重要と考えているということでよろしいでしょうか。また、法改正後もこの教育委員会の役割、機能は変わらないと考えてよろしいでしょうか。あわせて伺います。

○白川教育政策担当部長 今般の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正後におきましても、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保するため、教育委員会は引き続き執行機関として存続しており、また、教育行政における教育委員会の職務権限に変更はございません。

○里吉委員 ちょっとわかりにくいお話になっていると思うんですが、今おっしゃった教育委員会の職務権限というのは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、地教行法の第23条で規定されている教育委員会が管理し、執行する事務の内容のことに変更はない。つまり、教育委員の集まりである教育委員会が教育行政の最高意思決定機関であるということに変わりはないということを確認しておきたいと思います。
 ちなみに、地教行法の第24条では、地方自治体の長の職務権限が定められています。4月以降も教育行政に関する両者の職務権限に変更はない、例えば教育委員会の権限の一部が首長に移るなどということはないことも確認しておきたいと思います。
 そして、都道府県教育委員長協議会のいう教育の政治的中立性と継続性、安定性の確保、多様な意見の教育行政への反映というのは、地方教育行政制度の趣旨である教育の自主性、自立性を維持し、子供の教育を受ける権利の充足を図るときに必要なものであって、それを保障する教育委員会制度の役割の重要性と権限は変わらないということで、これは大変重要なことだと思います。
 そして、この地教行法の改正では、新たに自治体の教育の目標、施策の根本的な方針を示す大綱の策定を、東京でいえば都知事に義務づけました。都知事は、これから教育委員会が参加する総合調整会議を設けて、そこで大綱の策定や教育の条件整備などについて協議をすることになります。
 大綱は本来、教育委員会と首長が対等な関係で共同し、住民参加のもとで策定するべきものです。この点で、文部科学省が昨年7月に出した地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律についてという通知、ここでも大綱の策定に地域住民の意向のより一層の反映を図ることを位置づけております。ぜひ都教委の皆さんにも、この方向で努力していただきたいと思います。
 ここで確認しておきたいのは、首長と教育委員会の教育についての意見が一致しない場合、4月以降、知事が大綱を定めることになりますが、知事が教育委員会と調整のついていない事項を大綱に記載した場合は、教育委員会はそれを尊重しなければならないのかどうか伺います。

○白川教育政策担当部長 東京都におきましては、これまでも知事と教育委員会との間で緊密に連携協力しながら教育行政を進めておりまして、ご質問のような事態が生じることは想定しにくいと考えております。
 万一、教育委員会と調整のつかない事項が大綱に記載されるというようなことがあったといたしましても、先ほどお話しの平成26年7月17日に文部科学省から発出された通知によりますと、教育委員会は、当該事項を尊重する義務を負うものではないとされております。 ○里吉委員 知事が教育委員会と調整がついていない事項を大綱に記載した場合は、尊重する義務はないということを確認しました。
 教育に関する事務の執行機関は変わらず教育委員会が持っているので、教育委員会が独自に判断するということです。
 最近でも、大阪市の橋下市長が求めた教職員への思想信条に係るアンケート、この調査を、大阪市教育委員会が拒否を決定するということがありましたが、こうした権限は4月以降も変更がない。もし、知事が理不尽な介入をしようとしたときに、必ず従う必要はないということを確認させていただきました。
 首長が任命する新教育長も、合議制の教育委員会の一員ということでは何か強い権限を持っているわけではありません。教育委員会の多数決の決定に従って仕事をするよう、みずからを戒めるように求めておきたいと思います。
 総合教育会議も首長と教育委員会の対等、平等な協議体であって、緊急な場合に首長と新教育長の2人で会議を開く場合も、先ほどの文科省の通知にもあるとおり、新教育長は教育委員会の意思に拘束されることも確認しておきたいと思います。

◆教育委員会の活性化について 

 次に、教育委員会の活性化について伺ってまいります。
 教育委員会が冒頭申し上げました3つの根本原則、地方分権、民意の尊重、首長からの独立という根本原則にのっとって教育行政に当たるためには、住民の教育への願いや要求を吸い上げて活動する住民自治の機関として組織を活性化させることが改めて重要です。
 そうした点でいえば、都教委も改善すべき点があるのではないか。その一つが請願への対応です。
 教育委員会に請願をしても、教育委員会の会議で審議されないというのは、都民にとって本当に納得できないという訴えを幾つも伺っております。都民の声を受けとめるためには、請願は事項を一つ一つ審査すべきではないでしょうか。
 また、都民からの要望は、東京都のほかの部局などが当然行っているのと同じように、担当課の職員が直接話を聞くことを基本とするべきだと思いますが、見解を伺います。

○白川教育政策担当部長 都教育委員会に提出された請願につきましては、東京都教育委員会請願処理規則、同請願取扱要綱及び東京都教育委員会事案決定規程に基づきまして、教育委員会決定とされる特に重要な事項は教育委員会に報告し、決定しております。
 また、既に教育委員会で決定された基本方針に基づく事項につきましては、同請願取扱要綱及び同事案決定規程に基づきまして、主管課におきまして当該事案について決定権限を有する者が適正に処理をするということになっております。
 主管課におきまして処理した請願につきましては、都民の声とともに、件数及び主な内容を定期的に教育委員会に報告しております。
 また、同請願取扱要綱に基づき、広聴を所管する総務部教育情報課を窓口といたしまして、請願者から請願の趣旨やご意見、ご要望を十分に聴取し、その内容を文書に取りまとめ、請願書とともに事業の主管課に送付しておりまして、請願者の意図は主管課に適切に伝えているところでございます。

○里吉委員 主管課にちゃんと伝わっているというんですけれども、都民の側からすれば、ほかの都庁の部局では、自分の話をしたいそこの担当の課長さんとお話ができる。しかし、教育庁に来ると、そこの担当の課長さんは多分一番話がよくわかっている方だと思うんですが、その方は出てこないで、とにかく話を承りますと、後で文書でお返事が来ますという形なんですね。
 これはぜひ、教育長さんがその気になれば変更できることだと思いますので、変えていただきたいと思いますし、教育委員会で決まっている方針も改善の必要があれば、それは改善するべきではないでしょうか。
 請願が、必要な改善を求める合理的な理由のあるものであっても、現在の処理方針では、教育委員とは関係ないところで、事務方で、これは現在こういう方針になっておりますと回答して、これでおしまいになっているんですね。これでは住民に開かれた民主的な制度とはいえないんじゃないでしょうか。
 改めて教育委員会に今、光が当たっております。教育委員会のあり方、本当に住民に開かれた教育委員会となるよう改善を求めたいと思います。
 また、文科省の通知では、教育委員会会議をより多くの住民が傍聴できるようにすることが望ましいとしています。現在、都教育委員会は、どんなに傍聴希望者が多いときでも抽せんで20名しか傍聴はさせません。希望者が多いときには会議室を変更するなどの対応も含めて、より多くの人が傍聴できるような改善を図ることを求めますが、いかがでしょうか。

○白川教育政策担当部長 都教育委員会は、東京都教育委員会会議規則におきまして、会議の傍聴人の定員を20人と規定しておりますが、会議の内容は、非公開と決定したものを除きまして、ホームページに会議録として掲載するなど、委員会活動を広く都民に公開することに積極的に取り組んでおります。
 傍聴人の定員をふやすことにつきましては、教育委員会室の施設的制約から現状では困難でございます。

○里吉委員 だから、施設的なものが難しいということですから、毎回ではないです。本当に希望者が多いと予想されるときには部屋を変えることも含めて、希望者が多いときにはふやして傍聴できるようにする、こういう対応が必要じゃないでしょうか。
 毎回20人以上の希望があるわけではありませんから、教育委員会の部屋が狭いという理由だけでそれを拒むというのは、開かれた教育委員会を目指そうという立場とも違うんじゃないかなというふうに思います。ぜひこれも検討していただきたい、実行していただきたいと思います。
 それから、開かれた教育委員会の実現のためには、教育委員と学校関係者や保護者、地域住民との意見交換の場を設けることも効果があると考えますが、見解を伺います。

○白川教育政策担当部長 都教育委員会ではこれまでも、東京都教育の日などの機会を利用いたしまして、教育委員が授業や学校行事等を視察する際に、校長などの教職員や児童生徒、保護者のほか、地域住民と広く意見交換を行っているところでございます。
 また、いじめといった重要な課題につきましては、大学の教員などの有識者から専門的な意見を聴取するとともに、課題の解決に向け、有識者との議論、討論を行っております。
 今後とも、学校関係者のみならず、保護者や地域の住民等の意見を幅広く聞きながら、都の教育行政を推進してまいります。

○里吉委員 今、学校関係者のみならず地域住民等の意見もしっかり聞きながらというご答弁でしたから、今後とも、ぜひそういう立場で学校関係者、そして地域住民の意見を聞いていただきたいと思います。
 あわせて、教育についていろいろ関心がある方が教育委員会に請願などをしているわけですから、その対応についても改善を求めておきたいと思います。
 また、文部科学省の通知では、新教育長の留意事項に、新教育長の資質、能力を十全にチェックするために、例えば、候補者が所信表明を行った上で審議を行うなど、丁寧な手続を経ることも考えられるというふうにしています。
 現在の教育委員は、知事から提案があり、質疑などもなく議決されていますが、新教育長の任命と同意に当たっては、所信表明と質疑の機会を設けることなども民意の反映の一つとして提案したいと思います。
 今回の教育委員会制度改革の議論では、国や首長による教育内容への政治介入を許すことなく、教育委員会の教育の自主性を守るべきという大きな世論のもとに、教育委員会制度と、その権限は変更されることなく存続しました。
 都教育委員会においては、その意味を深く受けとめて、教育の自由と自主性を守り、子供の教育を受ける権利、豊かに成長する権利を重視する立場から、東京の教育を推進していただくことを求め、この質問を終わります。

◆特別支援学校での障害者スポーツの振興について 

 次に、特別支援学校での障害者スポーツの振興について伺ってまいります。
 東京都長期ビジョンでは、都立特別支援学校における障害者スポーツの振興として、障害のある児童生徒のスポーツ教育推進校を地域におけるスポーツ活動の拠点の一つに位置づけ、卒業生を初めとした地域の障害のある人々が障害の種類や程度に応じて、生涯にわたりスポーツに親しむことができる環境を整備していくとしています。特別支援学校を地域の障害者スポーツ活動の拠点に位置づけるということは本当に重要だと思います。
 そこで、来年度から実施する予定の都立特別支援学校におけるスポーツ推進事業では、どのような取り組みを進めようとしているのか、まず伺います。

○金子指導部長 都立特別支援学校におけるスポーツ教育推進事業では、来年度、特別支援学校10校を推進校に指定し、障害のある子供のスポーツ体験の拡充や競技力の高い選手の育成、障害者スポーツを通じた近隣小中学校との交流、地域の障害者スポーツ団体への施設開放の促進などに取り組んでまいります。
 こうした取り組みにより、東京パラリンピックに向けて、特別支援学校を地域の活動拠点の一つとして、障害者スポーツの振興を図ってまいります。

○里吉委員 特別支援学校10校を推進校に指定して取り組みを進めていくということで、障害のある児童生徒のスポーツ教育推進校は、来年度は10校、長期ビジョンによれば、2020年までに30校指定すると。そこを地域における障害者スポーツの一つの拠点としていくというお答えでした。
 特別支援学校を地域の拠点に位置づけることについては、障害者の皆さん、それから障害者を支えて活動している皆さん、大変期待していらっしゃいます。オリンピック・パラリンピックを機に、自分たちのスポーツ要求に光が当たって位置づけてもらえたということで、大変喜んでいらっしゃいます。  というのは、現在、障害者スポーツセンターは、都立のセンターが北区と国立市に一つずつあるだけで、区市町村のスポーツ施設、少しずつ開かれてまいりましたけれども、必ずしも障害者のスポーツに対応できるわけではありません。  そこで、東京都が障害者スポーツに本腰を入れて拠点を整備してくれると長期ビジョンで発表されたということで、しかも、2020年までに30カ所だということで、結構これで身近なところでスポーツができるかもしれない、こういう期待の声を幾つも聞いております。
 それで、具体的に伺ってまいります。障害者スポーツ団体への施設開放を行っているということですけれども、現在、都立特別支援学校ではプール開放事業を行っていると思いますが、これは現在どういう実績か伺います。

○前田地域教育支援部長 特別支援学校では、障害者を対象にプール開放事業を実施しております。平成26年度は、27校において208回施設開放を行っております。

○里吉委員 27校、208回ということですから、平均1校当たり7、8回だと思います。これは、プール開放事業は具体的にはどのように実施しているんでしょうか、伺います。 ○前田地域教育支援部長 夏季休業期間中において、都内在住、在勤等の障害者団体を対象に、利用希望を踏まえ、プール施設を開放しております。

○里吉委員 夏季休業期間中ということなんですね。現在行っているプール開放事業も大変大事な事業だと思いますが、地域の拠点に位置づけるというのであれば、さらなる拡充が必要だと思います。
 プールというのは障害のある方に大変人気のスポーツです。重度の障害があっても、水の中なら浮力がつきますし、体の緊張がとれるので、ふだんよりずっと自由に体が動かせる。地上で車椅子に乗っていたときはとてもできないと思っていたことができたり、また、体を動かすので丈夫になって、体調を崩さなくなるなど、障害者の可能性を引き出し、健康にもいいと。
 ところが、現在の特別支援学校のプールは夏しか入れないということなんですね。よく、保育園や小中学校のプールは、水温プラス気温が50度以上なら入れるということでありますけれども、肢体不自由の子供などは、水温がもう少し高くないと体が緊張してしまって入れないと。
 最近は知的と肢体の併置校などもありますが、こういうところでは、プールの時間も天候に合わせて簡単には移動できないということで、その日に入れなければ次の週に入らなければいけないというケースもあって、1夏に2回とか3回しか入れない場合も少なくない。これはお母さんたちからも伺いました。そのため、特別支援学校の子供たちのためにも、プールを温水化してほしいという要望が出てきております。私たちも要望してきました。プールの深さも、一番深いところで120センチしかない学校もあるわけですね。
 地域の拠点にするということで、地域の障害者の方にとっても、子供たちにとっても、このプールを例えば温水化して、年間通じて利用できるようにしたり、深さも可動式の床にするなど、小学生から大人まで対応できるようにするなど、改修も必要だと考えますが、いかがでしょうか、見解を伺います。

○前田地域教育支援部長 特別支援学校のプールは、在籍する児童生徒の夏季におけるプール指導で使用することを目的として設置しております。プールを含めた体育施設の開放事業は、地域の障害者の利便性に配慮し、既存の施設を有効に活用しながら進めてまいります。

○里吉委員 学校の施設だから、学校教育上支障のない範囲で都民に開放するということであれば、これまでのプール開放事業と変わらないんじゃないでしょうか。
 私の住む世田谷区では、近くに温水プールがない地域の区立中学校4カ所が温水プールとして整備されています。夏は中学生が授業で使っているので、私たちは使えないんですが、逆に、夏の授業で使う期間以外は丸々地域に開放されています。特にそこのプールでは、高齢者の方などが水泳や水中ウオーキングなどで活用しておりまして、とても人気の施設となっています。
 特別支援学校のプールも全部とはいいませんから、幾つかでも温水化して、1年通じて入れる、地域にもっと開放できるようにすることをぜひ検討していただきたいと思います。  地域の拠点とするということであれば、働いている障害者の方もおりますから、夜間とか土日に気軽に利用できることも必要です。そのためには、施設の適切な管理が求められます。
 先日、葛飾盲学校を視察させていただいたときに、体育館を地域の方に開放していて、活発に利用していただいていると伺いました。もともと地域開放を想定して建てられておりまして、道路から学校の出入り口のすぐ横に体育館の出入り口があって、地域の方のための靴箱なども備えてあって、学校のほかの施設から切り離して、そこだけ開放できるようになっておりました。
 反対側にやはり地域開放を想定した小さなホールもあったんですが、そこは校舎の一部であるため、気軽には、貸し出したいと思っても、セキュリティーなどの管理が難しいというお話を伺いました。
 障害者の方がスポーツを楽しむために、こういった管理、セキュリティーもしっかりとして施設整備していくことが大事だと思うんですね。それから、用具を整備して管理する場所を確保したり、大人用の更衣室やロッカー、誰でもトイレ、周辺施設の整備も求められると思います。この点についてはどのように検討されているんでしょうか、見解を伺います。

○前田地域教育支援部長 体育施設の開放に当たりましては、学校の判断を踏まえ、地域の障害者が利用しやすいように施設や備品の整備等を行っております。

○里吉委員 ぜひ地域の方が利用しやすいようにお願いしたいと思います。
 それから、障害者の方がスポーツを楽しむために、運営指導、ボランティアの体制などが整っていることも必要だと思います。健常者のサークルであれば、場所を貸すだけでもそれなりに楽しめると思いますが、障害者の場合はそう簡単ではありません。
 障害のある方がスポーツを楽しむときに、毎回家族が付き添わなければいけないとなれば、家族の方も疲れてしまいますし、なかなか気軽に行けません。プールも本当に幅広い重度の方なども含めて、スポーツをしたい全ての障害者が利用できるようにするためには、マンツーマンの指導や介助の体制も必要になってくると思うんですね。
 また、中途障害など、その特別支援学校の卒業生でない方にとっては、なかなかそこは敷居が高いという話も伺いました。こうした方々も特別支援学校のスポーツ施設を利用できるようにするには、そこに行けば対応してくれる指導者の存在、こういうのも重要だと思うんです。
 特別支援学校を拠点としていくために、こうした人の体制も整備する必要があると思いますが、見解を伺います。

○前田地域教育支援部長 特別支援学校では、障害者が個人で参加してもスポーツを楽しむことができるスポーツ教室などの公開講座を実施しております。
 また、障害者のスポーツ活動を支援できる人材を育成するため、ボランティア養成講座も実施しております。

○里吉委員 公開講座、昨年の実績を見せていただきました。私の地元世田谷区にある光明特別支援学校では、スポーツ活動とハンドサッカーと2つの公開講座が行われていました。2つ合わせて50人近い障害者の方が参加していました。
 ほかの特別支援学校でも、ティーボール、フットベースボール、フットサル、文化とか芸術とかいろいろあるんですけれども、スポーツの分野でもさまざまな公開講座が行われていました。こうした取り組みもぜひ拡充していただきたいと思います。
 ただ、長期ビジョンにこのことを書き込んだというのは、今やっていることを書いたわけではないと思うんですね。地域の障害者の皆さん大変期待しているんです。温水プール化など、特別支援学校の子供たちの教育の充実にもなるわけです。障害のある人が身近な地域でスポーツに親しめる環境の整備とうたっているわけですから、本当に喜ばれ、利用される拠点となるような検討を進めていただくよう改めて要望いたしまして、次の質問に移ります。 

◆特別支援学校のスクールバスの契約について 

 次は、特別支援学校のスクールバスの契約について伺います。
 特別支援学校のスクールバスについては、競争的な入札による単年度契約での運行がされるようになってから、毎年のように事業者が入れかわり、そのたびに一から子供たちの障害や特性を理解してもらって、信頼関係をつくっていかなければならないので大変だ。また、一部のスクールバス会社の質が余りにも低い、同じコースで年間何人もの運転手が交代する会社があり運行が安定しない、人権意識の薄い乗務員がいる、バス停を飛ばす、バスコースを間違うなどの問題が起きているなどの訴えを私たちの会派も保護者の皆さんから繰り返し伺ってまいりました。
 無計画に落札した事業者が契約したものの、バスを用意できず、学校が急遽別のバス会社に臨時的にお願いせざるを得ない事態になったこともありました。
 保護者の方々からは、安全運行や障害者理解など、乗務員の質を高める研修を都教委の責任で実施してほしい、落札価格がどんどん低くなっているが、安かろう悪かろうではなく、質を確保できる契約方式にしてほしいなどの要望があり、我が党としても研修の改善や総合評価制度の導入、保護者と事業者との意見交換の場の設置など、改善を求めてきたところです。
 そして、ついに今年度は、昨年の夏から年末にかけて、10校、29コースのスクールバスが契約解除になり、急遽福祉タクシーなどを手配したり、先生や介護職員の方が同乗したりという事態になりました。この経過と対応についての説明をお願いします。

○松川特別支援教育推進担当部長 昨年7月末、契約したバス会社、事業者のうちの1社が経営不振に陥り、一部のコースにおいてスクールバスの運行に支障を生じかねないことから、当該コースの契約を解除した上で、新たな事業者と速やかに契約を締結し、新学期からスクールバスの運行を確保いたしました。
 さらに、10月と12月にも当該事業者との契約を解除せざるを得ない事態が発生したため、新たな事業者によってスクールバスを運行するまでの間、福祉タクシーや代替バスを確保し、児童生徒への影響が最小限となるようにいたしました。

○里吉委員 経営不振によりバスのリースが引き上げられてしまい、運行できなくなったと伺っています。
 子供たちやご家族の皆さんの負担はもちろん、学校の教職員の皆さんも早朝から勤務して福祉タクシーに添乗したり、また、都教委の皆さんも影響を最小限に食いとめるために大変ご苦労なさったと伺いました。やはり安定した質の高いスクールバスの運行を担保できるような契約方法の改善が必要だと私も強く感じました。
 都教育委員会では、スクールバスの運行について来年度からはどのような契約方法にするのか、今年度に比べてどこを改善するのかを伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 来年度の肢体不自由特別支援学校のリフトつきバスの契約につきましては、入札価格に加え、安全運行や利用者サービスに対する取り組み等も審査の上、落札業者を決定する総合評価制度を導入しております。
 また、リフトつきバスは、コースごとに定員や仕様が異なり、事業者が新たに車両を調達する際、車両の改造が必要となることから、事業者の投資的な経費負担を考慮して、3年間の長期継続契約もあわせて導入しております。
 リフトつきバス以外のいわゆる観光型バスにつきましても、児童生徒の障害に配慮した接し方など、各社が主体的に実施する乗務員研修の年間計画や、事故、災害発生時における連絡体制と避難訓練計画の策定、提出を新たに義務づけいたしました。

○里吉委員 リフトつきバスの契約は総合評価制度を導入し、契約期間も3年間にする。普通の観光バス型のスクールバスも仕様書を細かくするなど、改善したということでした。安全、安定的な運行と乗務員の適正な対応に課題があったということで、価格だけでなく質が重視されることが大事だと思います。
 新しい評価方式では、入札金額を点数化した評価点と業者の履行能力その他の条件を点数化した技術点の合計で落札業者を決定すると伺っています。質は具体的にどのように担保されるのか伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 総合評価では、車両の安全対策や運行管理体制及び障害のある児童生徒への適切な接し方に関する取り組みを、事業者が提出した提案書に基づきヒアリングを実施し、評価を行いました。
 今後は、落札者が提出した提案書に記載した内容を確実に履行するよう、学校及び学校経営支援センターが確認を行ってまいります。

○里吉委員 事業者が提出した提案書に基づいてヒアリングを実施して評価するとのことです。
 また、質の向上のための研修や都教委のマニュアルなどについてもお伺いしましたところ、毎年変更していると、実情に即した見直しを行っていると、今後もそのように実施していくということで伺いました。ぜひその方向で行っていただきたいと思います。
 今後も保護者や学校現場の先生方の意見を聞いて、一層の改善に努めていただきたいと思いますが、伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、これまでもスクールバスの運行に関する保護者からのさまざまな意見につきまして、要望、懇談の場などで直接聞いております。
 また、学校、保護者、バス事業者による意見交換の場を学期ごとに開催し、その結果につきまして、各校から報告を受けております。
 これらの意見や報告を踏まえまして、スクールバスの安全、安定的な運行に役立てております。

○里吉委員 研修にしても、意見交換の場にしても、保護者の皆さんが、忙しい学校に任せるのではなく、都教委としても責任を持って研修を実施してほしい、せめて学校、保護者、バス事業者による意見交換の場を設けてほしいということで要望し、少しずつ改善できたということだと思います。
 そして、何年も前から、事業者の質を担保するために、評価制度などを導入してほしいということも要望し、我が党の畔上議員も議会で求めましたが、必要性はないと冷たいご答弁だったこともあったわけです。あのときもっと保護者の皆さんの意見を重視して検討していただけたら、今回の契約解除のような混乱を招かずに済んだかもしれません。
 そうした意味では、今後とも保護者や現場の意見をしっかり聞いて、例えば評価の観点なども改善の余地があるかもしれませんので、一層の改善に努めていただくよう重ねて要望しておきたいと思います。
 最後に、資料もいただきましたとおり、来年度のスクールバス予算が大幅に増加していますが、この要因について伺います。    

〔発言する者あり〕

○松川特別支援教育推進担当部長 平成26年3月の国土交通省関東運輸局長の公示によりまして、一般貸切旅客運送事業に係るバスの運賃、料金制度が改正され、下限額が一定の水準に引き上げられたこと及び運行……    

〔発言する者あり〕

○小竹委員長 お静かに願います。

○松川特別支援教育推進担当部長 台数の増加によるものでございます。

○里吉委員 台数の増加はわずかですから、国土交通省関東運輸局の公示で、バスの運賃、料金制度が改正されたことへの対応が主な要因だと思います。
 それを反映することは大事なことで、それを反映させる予算でもこんなに上がるのかと、今までいかに安かったのかとびっくりすることですけれども、実際にバス会社で働いている方に伺いますと、やはりこれまで、運転手でも、添乗員でも、正社員から非正規の雇用に置きかわってきた、大型2種免許を持って人の命を預かる仕事をしているのに、時給も安く不安定なのはきつい、もっと仕事に誇りを持てるような働き方ができることこそ必要ではないかという話を伺いました。
 今回の改善で安全性や質を評価し、また、その評価にふさわしい報酬を乗務員さんが得られる制度となったと思います。そのことが、今後も子供たちが安心して学校に通えるスクールバスの運行になるというふうに思います。
 このことをさらに進めていただきたいということを要望して、最後の質問に移ります。 

◆都立高校の新教科「人間と社会」の試行について 

 最後は、新教科、人間と社会の試行について伺います。
 都は、これまで行ってきた教科、奉仕を発展させて、道徳教育とキャリア教育の一体化を図り、人間としてのあり方、生き方に関する新教科、人間と社会を来年度、全都立高等学校で試行実施するとしています。
 そこでまず、新教科、人間と社会を教科として設置するのはなぜか伺います。

○金子指導部長 これからの社会を担っていく高校生には、社会の一員であることを自覚し、礼儀や規範を大切にすることや、困難を乗り越えて役割と責任を果たすことなど、よりよい社会を築くことが求められております。
 そのためには、都立高校生一人一人が、人としての生き方の指針となる価値観を高め、社会とのかかわりの中で、自分の生き方を主体的に選択し行動する力を身につけることが重要でございます。
 このような力を身につけるためには、目標や指導内容を明確にして、体系的、計画的に指導する必要があることから、教科として設置することといたしました。

○里吉委員 道徳教育とキャリア教育の一体化の新教科とのことですが、そもそも道徳教育が教科として教える対象となるのかという点も考える必要があります。道徳教育は大切です。人間の尊厳、人間の生命、互いの人格と権利を尊重することなど、子供たちには身につけてほしいと思います。
 しかし、それは教科書で善悪を教えれば身につくというものではありません。道徳性というのは、学校教育でいえば、全教科を通じて、生活指導活動なども含め、学校生活全体を通じて学んでいくものではないでしょうか。
 文部科学省が小中学校の道徳を特別の教科である道徳にしようとしていますが、この動きに対しても、日本弁護士連合会を初めさまざまな団体から、教科として、子供の心や価値観が評価の対象となることは、国家が肯定する特定の価値観を子供たちに強制する危険性がある、こういう反対の声が出されております。
 教科となれば教科書を使うわけですが、新教科、人間と社会においても同一のテキストを教科書として用いるということであれば、それは教科書に書いてある価値観を生徒に受け入れることを強制するおそれがあると考えます。
 現在、試行版のテキストサンプルが示されていますが、このテキストの位置づけはどのようなものか伺います。

○金子指導部長 新教科、人間と社会(仮称)は、都教育委員会が独自に開発した教科でございます。
 新教科、人間と社会(仮称)におきましては、文部科学省検定済み教科書が発行されていないことから、都教育委員会が新教科の主たる教材として作成、発行するテキストが教科書となります。

○里吉委員 ほかの教科の場合は、検定教科書というものがいろいろ種類があって、その中から選ぶという形になっていますが、この教科には当然、都教育委員会が作成、発行するテキストしかないわけですね。
 授業では必ずこのテキストを使用しなければならないのでしょうか、伺います。

○金子指導部長 このテキストは、都教育委員会が独自に開発した新教科、人間と社会(仮称)の主たる教材であるので、学校教育法に基づき、授業では必ず使用することとなります。

○里吉委員 つまり、都教育委員会が作成、発行するテキストを使用して授業を行わなければならないということです。
 都教育委員会の方からこの教科の説明も伺いました。社会に出たら答えが一つということはないので、多様な価値観があるので、自分なりに考えを持ってもらうことが大事だ、そういう自分なりの考えを持ってもらうための授業をしていきたい、こういうお話を伺いました。
 しかし、一つの教科書しか使わないということになれば、道徳という側面を持つこの新教科は、生徒の内面、精神の自由、全人格に関する領域で、都教育委員会の考える正しいことやあるべき姿が示されることになって、多様な価値観、みんなで考える、こういうことにならないおそれがあるのではないでしょうか。
 また、教科なので、成績をつけるわけですけれども、この成績のつけ方についても伺います。 

○金子指導部長 新教科、人間と社会(仮称)の評価に当たりましては、5、4、3、2、1といった数値による評定によらず、文章記述による評価とすることを考えております。

○里吉委員 文章記述による評価だということですが、これも、つける先生方も大変だと思います。これが成績には加味されないということも伺いましたが、子供の内心について何を評価するのか、子供の心や価値観を評価していいのかと、これも国の道徳の教科化をめぐって、おかしいのではないかという声が出ているわけですね。
 高校生に道徳性を身につけてもらうことは大切なことです。しかし、一人一人の高校生は、多様な価値観を持っています。特定の教科書で教えるようなやり方は、本来の道徳教育にはふさわしくないのではないでしょうか、都の見解を伺います。

○金子指導部長 新教科、人間と社会(仮称)で扱う内容は、人間としてのあり方、生き方について考えさせるものでございます。教科として位置づけることによりまして、教科書が作成されるなど、より目標や指導内容が明確となり、体系的、計画的に指導ができるようになると考えております。

○里吉委員 高校生に人間としてのあり方、生き方について考えさせること、そのことは本当に大事なことだと思います。道徳教育も、キャリア教育も必要です。これは先ほど申し上げましたように、あらゆる場を通じて行うものでありますし、考えて議論することが大切だというのであれば、特定の教科書を使うことになる、また評価することになる教科化はやめるべきです。
 憲法や子どもの権利条約に沿い、基本的人権の尊重や民主主義の精神に立脚した市民道徳教育の推進、働く者の権利も含めた労働教育など、それぞれの学校現場で生徒の実態に合わせて行えるようにするべきだということを強く申し上げまして、私の質問を終わります。

このページの▲
トップに戻る 


文教委員会速記録第8号

2015年6月19日(金)

◆卒業式などで君が代斉唱時に起立しなかったことによる処分をめぐる裁判について 

○里吉委員 それでは、私からも質問させていただきます。
 この訴訟は、10・23通達に基づく職務命令に従わなかった、つまり、卒業式などで君が代斉唱時に起立しなかったことにより懲戒処分を受けた原告22名が、この懲戒処分のみを理由に、定年退職後、再雇用職員及び日勤講師の採用を不合格とされたり、採用を取り消されたりしたことが不当だとして、再雇用職員等として採用されていれば得られたはずの賃金分と慰謝料1人当たり10円の合計2億7000万円余の賠償を都に求めるというものです。
 東京地方裁判所は、5月25日、東京都に、原告1人当たり約211万円から260万円、総額5370万円の賠償を命じました。
 賠償額が3000万円以上なので、控訴するには議会の承認が必要ですが、都は、期間内に議会を招集する余裕がないため、知事の専決処分により控訴し、今議会に報告、承認を求めています。
 判決では、再雇用拒否の都教委の判断は、定年退職者の生活保障と知識、経験等の活用という再雇用制度等の趣旨に反し、また、国旗掲揚、国歌斉唱に関する10・23通達が発出される以前の再雇用制度の運用実態とも大きく異なっていることから、法的保護の対象となる原告らの合理的な期待を大きく侵害しており、裁量権の逸脱、濫用に当たり、違法であるといたしました。
 そこで、再雇用制度についてですが、再雇用について、どのような選考で採用しているのか、これは先ほど答弁がありました。再雇用の選考は、従前の勤務実績等に基づく選考による能力実証を経て実施というご答弁が先ほどありましたので、それに基づいて、次の質問をさせていただきます。
 従前の勤務成績等に基づく選考ということですが、今回の裁判の原告よりも重い処分を受けている人が合格しているという話も聞いています。その内容はどのようなものか、また、原告の懲戒処分はどのようなものか伺います。

○加藤人事部長 内容につきましては、交通事故や争議行為などでございます。また、原告らの懲戒処分は戒告処分でございます。

○里吉委員 裁判の中で原告らは、過去に争議行為で2回の停職処分を受けた者や交通事故で懲戒処分を受けた者も採用候補者選考に合格し、再雇用職員等に採用されていることに対し、不起立等は積極的行為でも犯罪行為でもないのに、そのことを理由に本件不合格とされており、選考の公平さに疑問があるとしております。
 このことに対する都教委の見解を伺います。 ○加藤人事部長 再雇用制度等は、一旦退職した教員を新たに非常勤の教員として採用する制度でございます。
 選考に当たって、都教育委員会は広範な裁量権を有しており、原告らが校長の職務命令に違反し、不起立という国旗・国歌の指導を妨げる行為を、生徒、保護者、その他の学校の関係者の面前で公然と行ったことは重大な非違行為であり、在職時における勤務成績が良好であるとの要件を大きく欠くものでございます。
 その採否については、総合的な判断のもとに、原告らを不合格等としたことは、裁量権の範囲での公平な判断と考えております。

○里吉委員 確認したいんですけれども、裁判の中で原告が述べている、原告らより重い処分を受けた者が再雇用制度等で採用されたのは事実でしょうか、確認いたします。

○加藤人事部長 処分のみをもってということであれば事実でございます。

○里吉委員 事実ということが確認されました。
 都教委は広範な裁量権があるといいますが、合否の判断は合理的で公平でなければならないことは当然です。停職処分を2回受けた者が採用され、1回の戒告処分のみの者が不採用とは通常理解されないのではないか、どこが総合的な判断なのか、お答えください。

○加藤人事部長 都教育委員会は、新たな採用となる本件選考において、原告らの勤務成績等が良好であるかどうかについて、諸要素を総合的に勘案して判断した結果、在職時の勤務成績が良好であるとの要件を欠くとして不合格としたものであって、そのことは他の処分との比較において判断されるものではないと考えております。

○里吉委員 この争点については、また後で議論したいと思いますが、再雇用制度は、現在定年退職が60歳なのに、年金支給開始が基本的には65歳からになっていることを踏まえ、退職する教職員が希望する場合には、これらの教職員の退職後の雇用を確保し、その生活の安定を図るという制度の趣旨を踏まえて、基本的には、教職員の希望を尊重し、特段の支障がない限り、再雇用職員として積極的に採用する形で運用されてきたものです。現在、民間でも同じ趣旨の制度が法律で義務づけられております。
 先ほどの答弁で、原告らは、不起立という国旗・国歌の指導を妨げる行為を公然と行ったことから、総合的な判断のもとに不合格と述べていますが、今回の判決では、学習指導要領の中に国旗・国歌についての記載はあるが、その扱いは他の内容に比べて特段区別した位置づけが与えられているとは認められないとしていますが、このことについて、都の見解を伺います。

○伊東指導部長 学習指導要領には、入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものと明確に示されております。
 学校においては、さまざまな教育活動が行われております。特に、入学式や卒業式は、学校生活における重要な節目として、全校の児童生徒及び教職員が一堂に会して行う教育活動であり、厳粛かつ清新な雰囲気の中で、学校、社会、国家など集団への所属感を深める上で貴重な教育の機会であります。
 こうしたことから、入学式や卒業式は重要な行事として位置づけられており、国旗掲揚及び国歌斉唱は、学習指導要領に基づき適正に実施しなければなりません。

○里吉委員 学習指導要領、私も読ませていただきましたけれども、ここの中に明示されているのはわかっています。そして、特別活動の中には、ホームルーム活動、生徒会活動、学校行事、さまざま書かれています。
 その中で、これを読む限り、国旗・国歌が特段区別した位置づけ、重い位置づけが与えられているというふうには認められない。私も読んでそう思います。
 都教育委員会として重要な位置づけだということはわかりますけれども、学習指導要領の中の位置づけが特段重くなっているということはご説明できるでしょうか、もう一度伺います。

〔発言する者あり〕

○小竹委員長 お静かにお願いします。

○伊東指導部長 学校におきましては、さまざまな教育活動が行われておりますが、どの教育活動も子供たちにとってかけがえのない学びの場でございます。
 特に、入学式や卒業式は、学校生活における重要な節目として、全校の児童生徒及び教職員が一堂に会して行う教育活動であり、厳粛かつ清新な雰囲気の中で、学校、社会、国家など集団への所属感を深める上で貴重な教育の機会でございます。

○里吉委員 判決では、次のようなことが書かれています。学習指導要領において定められた特別活動のうち、学校行事の一つである儀式的行事の内容や、国旗・国歌条項の全体における位置づけに加え、他の特別活動、ホームルーム活動、生徒会活動、各種学校行事についても、それぞれ目標や狙いが具体的に定められており、いずれの活動または行事についても、その重要性に関して、特段に軽重が設けられていないことからすれば、学習指導要領のうち、特別活動に限定してみても、入学式、卒業式の実施や、国旗・国歌条項が、他の特別行事の実施や配慮すべき事項の内容と対比して特段区別した位置づけが与えられているとまでは認められない。職務命令違反それ自体を当該教職員の従前の勤務成績を決定的に左右するような内容のもの、それのみをもって勤務成績の判断をするような位置づけは与えられていない。
 つまり、学習指導要領には、国旗・国歌についての記載はあるが、特別区別した位置づけが与えられているわけでもないのに、その部分だけで職務命令違反があったことをもって、それ以外のいいか悪いか、総合的な判断、多種多様な考慮要素は一切無視してしまうというような位置づけが与えられていると評価するのは困難だということです。
 また、判決では、君が代起立斉唱の職務命令は、思想及び良心の間接的な制約となっている。つまり思想、信条の自由を侵しているので、その職務命令違反をもって大きな不利益を科してはいけないという趣旨を述べています。
 平成23年5月30日の最高裁判決など、この間の最高裁判決では、10・23通達に基づく国旗に向かって起立し、国歌を斉唱することなどを命じた職務命令が、思想及び良心の自由について間接的な制約となり得ること認めました。
 この職務命令違反のみをもって再任用を拒否するというのは、裁量権の逸脱、濫用であるとした今回の判決は、最高裁判決にも沿っているものであり、妥当であると考えますが、都教育委員会の見解を伺います。

○加藤人事部長 原告らが校長の職務命令に違反したことは、影響力の大きい非違行為であり、都教育委員会に裁量権の逸脱、濫用はなく、原告らが抱く採用への期待が法的保護を受ける権利であるとは解されません。
 今回の判決は、従来の類似事件の裁判所の判断とも異なることから、これを不服として控訴したものでございます。

○里吉委員 先ほど私が読み上げた最高裁判決の部分で、君が代起立斉唱の職務命令が思想、信条の制約になっていること、質問で先ほど申し上げましたけれども、このことについては、都は認めるという立場でよろしいんでしょうか、確認します。

○加藤人事部長 最高裁の判例では、起立斉唱は、国旗・国歌に対する敬意の表明の要素を含む行為であり、思想及び良心の自由を間接的に制約する面もあるが、本件職務命令は、教育上の行事にふさわしい秩序の確保や、式典の円滑な進行を図るものであり、制約を許容し得る程度の必要性、合理性が認められ、憲法19条に反しないということでございますので、これは認識はしていますが--制約はありますが、こういったことで適法であると考えております。

○里吉委員 思想、信条の自由のあらわし方の問題ではいろいろ判決で出ておりますので、まだこれから議論されるところだと思いますけれども、私は、教員が自分の意思に反して起立させられること、またそれを子供に強制すること、そのことは思想、信条の自由に反する内容だと思います。
 そして、影響力の大きい非違行為といいますけれども、原告らの不起立が、他の教職員や生徒らに不起立を促すものでも、卒業式の進行を阻害し、または混乱させるようなものでもなく、厳粛な雰囲気の中で行われるべき卒業式の狙いを大きく阻害するような影響を与えたとは認められないと判決でも述べられています。
 2012年1月16日の最高裁判決では、不起立は個人の歴史観ないし世界観に起因するとしました。この認識は、君が代、日の丸が、戦前、侵略戦争のシンボルとして用いられてきたことから、それらに拒否感を持つ国民がいることを政府が認めてきたことにも合致いたします。また、不起立は、物質的に式次第の進行を妨げるものではないとしました。
 日本共産党都議団は、今回の東京地裁の判決は妥当なものと考えます。質疑を通じて、再雇用拒否の理由が、再雇用制度の趣旨や他の希望者との比較が合理的で公平なのかどうかという点で、もっと重い処分を受けた人でも再雇用がされているなど、合理性のないことがわかりました。
 また、判決が、学習指導要領における国旗・国歌の扱いが他の内容に比べて、特段重いとは認められていないとしていることについて、都教育委員会の見解をただしましたが、納得のいくお答えはありませんでした。
 さらに、起立の職務命令が思想、信条を侵すものであり、職務命令違反を理由に大きな不利益を科してはいけない。これは、この間の最高裁判決で判断されていることであり、最低限このことは踏まえなければいけないと考えます。
 したがって、今回の知事の専決処分は承認できません。東京都は直ちに控訴を取り下げ、原告に誠意を持って謝罪、賠償金を支払うことを求めます。
 共産党は、第1回定例会の代表質問でも、都教育委員会の処分を振りかざした管理統制が学校現場を萎縮させていることを指摘しました。また、不起立を理由とした減給処分などを取り消した最高裁判決でも、補足意見で、いたずらに不起立と懲戒処分の繰り返しが行われていく事態が教育の現場のあり方として容認されるものではないと指摘し、自由で闊達な教育が実施されるよう努力することを求めています。
 原告の方たちは、都教育委員会との話し合いを求めていますが、都教育委員会は、それも拒否しています。全く民主的な態度とはいえません。
 都教育委員会は、10・23通達を撤回し、校長の職務命令、累進加重処分、再発防止研修……

〔発言する者あり〕

○小竹委員長 お静かに願います。

○里吉委員 再雇用拒否などの日の丸、君が代を強制するための一連のやり方を抜本的に改めることを強く求めます。
 下村文科大臣が、国立大学の卒業式、入学式での国旗掲揚、国歌斉唱を要請したことが報道されました。これは大学の自治、学問の自由に対する不当な介入に当たります。
 また、舛添知事が定例記者会見の中で、国旗・国歌法があるから歌うのは当然というような発言をしましたが、国旗・国歌法が法律で定められているということは、国が公的な場で、国の象徴として公式に用いるということを意味するものであり、国民への強制は一切許されていません。
 国旗・国歌に対する一人一人の態度については一切強制しないというのが民主主義の原則です。学校現場、教育現場で、この民主主義の原則が貫かれるべきです。
 さらに、教育長は、一昨日の都議会本会議で、中学校や高校の部活動の大会での国旗・国歌の指導の充実に向け、東京都の中学校や高校の体育連盟などに働きかけを行っていくと答弁しました。
 部活動の大会で国旗・国歌を指導するなどということは、学習指導要領にも全く根拠がありません。大会のプログラムなどは……    

〔発言する者あり〕

○小竹委員長 お静かに願います。

○里吉委員 それぞれの団体が判断すればよいことであり、都教委が圧力をかけて押しつけるべきではない。不当な介入に当たるということで、これも行わないように強く要求し、質問を終わります。

◆都立高校入試における採点誤りについて 

○里吉委員 私からも、平成27年度に実施する都立高等学校入学者選抜における実施方針について伺ってまいります。
 都立高校入試の採点誤りによって、過去3年間、3000件を超える採点誤り、追加合格となった受検者が22名にも上ったという、あってはならないことが起きて、2度とこのような事態を起こさないためのさまざまな検討が行われてきました。
 都立高校入試調査・改善委員会なども設置して、きょうご報告いただきましたように、学力検査翌日から合格発表日までの日数を1日ふやし4日にしたこと、また、その2日間は生徒を登校させない、また、モデル校でマークシート方式の導入、2系統による採点、点検方式の導入などが実施されました。
 この結果を受けて、今度の春、実施いたします都立高校の入学選抜における実施方針がまとめられたと思いますが、これをまとめるに当たって、実際、取り組んだ学校現場の声はどのように集約されたのか伺います。

○早川都立学校教育部長 来年春に実施いたします入学者選抜の実施方針を策定するに当たりましては、採点誤りに関する再発防止改善策の効果検証や課題把握が必要なことから、高等学校の校長を初め、中学校長、マークシート方式で受検し都立高校に入学した生徒を対象にアンケート調査を行いました。
 また、実際に採点、点検を行った教員から直接意見を聞くことが重要であることから、マークシートモデル実施校だけでなく、従来どおりの紙の解答用紙による採点、点検を実施した学校の教務担当教諭を対象とした意見交換も実施いたしました。

○里吉委員 校長を初め、現場の教員の皆さんからも直接意見を聞いて、また、マークシートを体験された生徒の皆さんにもアンケートを行ってまとめられたということで、大切なことだと思います。
 その上で、来年春行われる、これからの入学選抜に向けて幾つか伺っていきたいと思うんですが、今回、実施する前には記述式問題の採点を2系統で行うと混乱するのではないかという心配の声もありましたけれども、実際これを2系統で行ってみてどうだったのでしょうか、伺います。

○早川都立学校教育部長 2系統による採点、点検の後に、それぞれの系統の担当者同士が行う採点内容についての協議に、これまで以上に時間を要する場合はございましたが、採点基準とのずれの防止に成果があったという意見が多うございました。

○里吉委員 成果はあったと。しかし、これまで以上に時間がかかったというお答えでした。  今度は、今年度の入学者選抜で実施する採点、点検方法は、部分点である記述問題について、誤字、脱字などチェックすることも考えて、3系統にするということになっております。
 これによって採点の量がふえるのではないか、人手が足りなくなるのではないかという心配もあるんですね。このことに対しては、どのように体制をとるのか伺います。

○早川都立学校教育部長 部分点のある記述式問題につきましては、校内で定めた採点基準に基づき、必要に応じて誤字、脱字等の表記の確認に特化した系統を加えることといたします。
 マークシート方式の導入に伴い、これまで記号選択式問題の採点、点検を担当していた教員をこの確認作業に充てることができるため、人員が不足することはないと考えております。

○里吉委員 マークシートの導入で、記入採点問題の採点、点検を担当している教員がこれに当たると。人手不足にはならないということでしたが、先ほどもご答弁いただいたように、2系統でもこれまで以上に時間がかかったというわけですから、時間がかかることは否めないと思います。
 それから、いただいたこの報告を読ませていただきましたら、都立高校の校長を対象にしたアンケート結果で、新たな採点、点検方式により、今までより時間がかかり、4日間でも時間的に厳しいという意見が多かったとありました。
 このことに対しては、どのように対応していくのか伺います。

○早川都立学校教育部長 2日間の採点、点検日のうちに各教科の合計得点を確定することができなかった要因は、2系統による採点、点検を取り入れた結果、記述式問題の採点、点検に時間を要したことなどにございます。
 今後、マークシート方式を導入することにより、記号選択式問題の採点、点検時間は大幅に短縮できますが、記述式問題については、引き続き人力による採点、点検が必要となります。
 このため、限られた時間で確実な採点、点検や合否判定を行えるよう、記号選択式問題であっても思考力を見ることができる出題となるよう工夫して、マークシート方式で解答する問題をふやし、結果として、記述式については、解答を記述させることに意義のある問題に厳選いたします。
 また、数値のみを解答する問題等についても、マークシートによる解答に変更するなど、解答形式の改善を講じてまいります。

○里吉委員 採点までの必要日数をふやすということはしないで、マークシート方式で解答する問題をふやすなど、解答形式を改善して時間内に採点、点検ができるようにするというお答えでした。
 さらに今回、学校で採点、点検した上で、他校同士での相互点検も行いました。これについても、学年末の忙しい中、日程的にも厳しいのではないかという声がありましたけれども、実際はどうであったのか、また、今度の入試でも実施するのか伺います。

○早川都立学校教育部長 他校同士の相互点検につきましては、年度末の業務と時期が重なることにより、点検者の確保が難しいという面はございましたが、校内では見つからなかった誤りの発見に加えて、校内における採点、点検時の教員の緊張感や責任感の向上にも寄与したという成果が見られました。
 年度内の実施により、採点誤りに伴う受検者への影響を最小限に抑えるための重要なセーフティーネットの一つであることから、継続して実施していく必要があると考えております。

○里吉委員 新たな誤りの発見もあったということで、重要なセーフティーネットの一つであるということも確認されたということでした。
 ただ、本当に忙しい時期での対応となっていますので、改善策はまだその途上ですから、どのように行っていくのかは、今後検討していただきたいと思います。
 これまで幾つか伺ってきましたが、都立学校入試は、全ての学校で来年春、初めて全学校でマークシート方式が導入される。また、記述式の問題では、3系統での採点、点検が行われます。ことし2月に行ったやり方とも違う方法になるわけですね。
 子供たちの将来がかかった大切な高校入試ですから、2度と採点誤りを生まないように、また、そのためにも現場に過度な負担とならないように、常に現場の声も聞きながら改善していくことが必要だと思います。
 そこで、今後も、学校現場、中学校の校長先生や、高校の校長先生や、採点を実際行っている先生方など、学校現場の皆さんと都教育委員会との意見交換の場を設ける必要があると思いますが、見解を伺います。

○早川都立学校教育部長 再発防止改善策の実効性を高めるためには、学校現場の意見等を聞き、さらなる改善につなげていくことが重要でございます。
 そのため、今後も、学校現場と都教育委員会が課題等を共有しながら、採点誤りの再発防止に取り組めるよう、これまでと同様、さまざまな意見交換の場を設定してまいります。

○里吉委員 さまざまな意見交換の場を設定していくということでした。
 この問題が発覚したときに、実は入試制度についていろいろ意見があったけれども、いいにくかったとか、届かなかったという声が現場から聞こえてまいりました。
 この問題だけに限らず、いろんな問題で学校現場と都教育委員会が課題を共有して、さまざまな課題改善に取り組んでいただくように要望し、私の質問を終わります。

このページの▲
トップに戻る 


文教委員会速記録第9号

2015年6月22日(月)

◆「日の丸・君が代」裁判について、都の控訴に反対する

○里吉委員 都の控訴提起に関する報告及び承認について、反対の意見を申し上げます。
 判決は、再雇用拒否の都教委の判断は、定年退職者の生活保障と知識、経験等の活用という再雇用制度の趣旨に反し、また、国旗掲揚、国歌斉唱に関する10・23通達が発出される以前の再雇用制度等の運用実態とも大きく異なっていることから、法的保護の対象となる原告らの合理的な期待を大きく侵害しており、裁量権の逸脱、濫用に当たり、違法であるとしています。
 また、判決は、学習指導要領における国旗・国歌の扱いが他の内容に比べて特段区別した位置づけが与えられているとは認められず、また、君が代斉唱の職務命令が思想及び良心の自由についての間接的な制約となることは否定できず、その思想、信条等に従ってされた行為を理由に大きな不利益を課すことは、とりわけ慎重な考慮を要すると述べています。
 よって、日本共産党都議団は、知事の専決処分の承認には反対し、控訴の取り下げ、原告への謝罪と賠償金の支払いを求めます。
 以上、意見といたします。

このページの▲
トップに戻る 


文教委員会速記録第11号

2015年10月5日(月)

◆都立日野台高校、都立小平南高校の改修について 

○里吉委員 契約案件172号、173号は、東京都立日野台高等学校と東京都立小平南高等学校をそれぞれ改修するというものです。どちらも校庭に仮設校舎を建てて改修を行う計画になっております。
 改修工事の期間中に体育館が使用できなくなったり、グラウンドも仮設校舎があるため一部しか使えなくなりますが、体育の授業や部活動のための代替はどのように準備されているのか伺います。

○早川都立学校教育部長 体育の授業などは、市営のグラウンドなど学校周辺の施設を借用して行う予定でございます。

○里吉委員 部活については、市営のグラウンドなどを市民の皆さんと同じように借りられるかどうかということで、申し込んで借りられるように努力するという話も事前に伺いましたけれども、日常的には市民の方々が使っている市営のグラウンドを借用しないと体育の授業もできないということです。
 体育の授業時間を確保することは大切なことですので、ぜひ調整していただきたいんですが、近隣市とも協議をして、市民の皆さんへの影響を最小限に抑えるよう求めておきます。こうしたこともありますので、ぜひ近隣のグラウンドなども広げていきたいということも一言申し上げておきます。  以上です。

◆都立城東特別支援学校の開校について 

○里吉委員 それでは、都立城東特別支援学校について伺ってまいります。
 資料をご用意いただきまして、ありがとうございました。
 この間、特別支援学校の教室不足について、さまざまな機会に取り上げてまいりました。対象となる子供がふえ続けています。資料にもありますように、数年間子供の数はふえ続けるように、ここにも記載がありますけれども、城東特別支援学校は教室不足になることはないのか、改めて伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 校舎の建築に当たりましては、将来の児童生徒数の増減に対応できるよう計画しておりますため、平成32年度までの学級数及び児童生徒数の推計に対しまして必要な教室を確保しております。

○里吉委員 必要な教室数を確保しているというお答えでしたけれども、私が聞いたところでも、最近改築した学校で、既に特別教室の転用の心配があるという話も聞いておりますので、あえて伺いました。せっかく新築するのですから、将来の児童生徒の増加を見越して校舎を準備しておくことが大切です。しっかり対応していただきたいことを改めて要望いたします。  次に、年度途中の移転ということについて伺います。
 6月竣工ということで、年度途中で学校の場所が変わることで子供たちには混乱が生じないかと心配です。子供たちへの影響が最小限に抑えられるよう対策をとるべきだと思いますが、どのような対策をとるのか伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 城東特別支援学校へ移転するに当たり、事前に児童生徒及び保護者が新しい校舎内を見学したり、新しい教室で過ごしたりする機会を複数回設け、新校舎での学校生活に見通しが持てるようにしてまいります。
 また、移転する全ての児童生徒の保護者を対象に校長面談を行い、児童生徒への影響が最小限となるよう努めております。
 児童生徒が新校舎での学校生活を円滑に送ることができるよう、引き続き丁寧な対応を行ってまいります。

○里吉委員 特別支援学校は本当にいろいろなお子さんがいます。保護者も子供本人も少しでも心配なく新校舎での生活に移行できるようにしていただきたいと思います。
 次に、給食についてですが、給食の調理業務が民間委託されていますが、9月から混乱なく給食が出せるようになるのか。これまでですと、他校で業者が変わったときに、時間がおくれたり、調理の失敗がありました。
 万全の体制で給食提供を行っていただきたいと思いますが、対応はどのようになっているのか伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 都立学校における給食調理業務の委託に当たりましては、学校給食実施基準に適合し、学校給食衛生管理基準を満たす給食調理がなされるよう業務仕様を定め、履行を求めております。
 受託業者が新たに調理業務を開始する際には、給食室を徹底して清掃するとともに、事前調理実習の機会を設けた上で、実際の調理を開始することとしております。
 城東特別支援学校におきましても、移転時から安全な給食提供を確保してまいります。

○里吉委員 いろいろ対応していただいているということですので、ぜひスムーズに給食が提供できるようにしていただきたいと思います。
 最後に、江東特別支援学校が高等部単独校になりますけれども、スクールバス利用者がいた場合の対応はどうなるのか伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 城東特別支援学校開校後の江東特別支援学校高等部につきましても、スクールバスの利用が必要な生徒に対し、これまでと同様に適切に対応してまいります。

○里吉委員 高等部単独校になっても、必要な生徒がいる場合にはスクールバスを配車するということですね。
 これまでも小中でスクールバスを使って学校に通わせていた多くの保護者の方から高校単独校へのスクールバスの配車を要望されてきました。障害の重いお子さんもふえていますので、他校でも、高等部生でも必要な場合はスクールバスで通学できるよう要望いたします。
 特別支援学校の教室不足は深刻ですから、工事がおくれた結果、4月から新校舎が使えなくても、もう1年おくらせるよりは2学期からでも新校舎に移行した方が教育環境の改善になるという判断で今回のことが行われると思いますが、対策についていろいろご対応いただきました。
 くれぐれも子供たちが円滑に新しい生活に移行できるよう求めまして、質問を終わります。

このページの▲
トップに戻る 


文教委員会速記録第12号

2015年10月6日(火)

◆特定非営利活動促進法条例の一部改正に反対する(マイナンバー制度の施行に伴うため) 

○里吉委員 第161号議案、特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例に反対の立場から発言いたします。
 この条例改正は、特定の個人を識別するための番号の利用に関する法律、いわゆるマイナンバー制度の施行に伴うものです。
 特定非営利活動法人設立認証申請や役員変更届けを行うとき、新しく法人の役員に就任について、住所または居所を証明することが必要なとき、他の都道府県から本人確認の求めがあったとき、これまでは知事から委任を受けた指定情報処理機関が提供することになっていましたが、住民基本台帳法の改正後は、地方公共団体情報システム機構が提供業務を行うことになります。ここに個人を確認する情報の中にマイナンバーが加わります。
 マイナンバー制度については、個人番号を記載した通知カードの郵送が開始されましたが、内閣府の最近の調査でも半数以上の国民は制度を詳しく知らず、むしろ個人情報の漏えいによるプライバシーの侵害へのおそれ等の不安が広がっています。
 分散していた情報の収集を容易にするマイナンバーが一たび外部に漏れ出せば、悪用され、個人のプライバシーが侵害される危険は飛躍的に大きくなります。万が一、マイナンバー情報が漏えいした場合の影響は、はかり知れません。国民の理解も対策も進んでいないもとで、制度の実施を急ぐ必要もありません。
 我が党はマイナンバー制度そのものに対しても反対であり、この制度を使うことになる今回の条例改正に反対いたします。
 以上、意見といたします。

このページの▲
トップに戻る 


文教委員会速記録第15号

2015年11月12日(木)

◆専修学校、高等課程への補助の拡充について

○里吉委員 資料をご用意いただきありがとうございました。
 私からは、まず本日は、専修学校に関連して大きく2つ質問いたします。
 専修学校は、学校教育法の中で、職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ることを目的とする学校であるとされ、実践的な職業教育、専門的な技術教育を行う教育機関として、多岐にわたる分野でスペシャリストを育成しております。
 専修学校は、入学資格によって、専門課程、いわゆる専門学校と、高等課程、いわゆる高等専修学校、そして一般課程の3つに分類されます。そのうち、まず専修学校の高等課程、いわゆる高等専修学校について質問いたします。
 専修学校の高等課程とはどのようなものか、あわせて都内の私立高等専修学校と生徒数についてまず伺います。

○加藤私学部長 専修学校高等課程は、中学校を卒業した者、または同等以上の学力があると認められた者などに対し、職業や生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図る教育を行う課程でございます。
 平成26年度学校基本調査によりますと、都内に高等課程を持つ私立専修学校は44校あり、2991人の生徒が在籍しております。

○里吉委員 高等課程を持つ私立専修学校は44校あるとのお答えでした。この中には、修学年限が1年とか1年半、2年、こういう学校も含まれております。
 一方で、一定の要件を満たす高等専修学校の修了者は、大学、短大への入学ができますし、修学年限が3年以上の高等専修学校の修了者は専門学校への進学が可能ということです。その点では、これらは高等学校と何ら変わりない学校と、こういうところがたくさんあるわけです。
 しかし、この学校は、法律上は高等学校ではありませんから、都からの補助も私立学校に対する補助とは仕組みが違います。
 先日、私は、武蔵野東高等専修学校という学校に視察に行ってまいりました。この学校は、健常児と自閉症児がともに学び合う混合教育を特徴とする学校で、多くの自閉症の子供、不登校経験のある子や高校を中退した子などが通っている学校です。卒業生の中には、大学に進学して、今度は教員となって学校に戻ってきた生徒もいるということです。
 校長先生からは、高等専修学校についても詳しくお話を伺ってきました。高等専修学校は、学校数も少ないため一般には認知度が低いと思いますが、中学校を卒業した子供たちで高い就職意識を持った者や、不登校、高校中退者など、さまざまな事情を抱えた子供たちの受け皿として重要な役割を果たしていることがよくわかりました。
 そこで、東京都は、この私立専修学校高等課程に対してどのような支援を行っているのか伺います。

○加藤私学部長 都は、教育条件の維持向上、生徒の経済的負担の軽減及び学校経営の安定性と健全性を図るため、私立専修学校高等課程の設置者に対しまして、私立専修学校教育振興費補助として学校運営費の一部を補助するとともに、校舎等の耐震化に係る助成などを行っております。
 また、私立高等学校と同様に、就学支援金、特別奨学金、奨学給付金の支給により保護者負担の軽減を図っております。

○里吉委員 私立高校の授業料補助に当たるものと経常費補助に当たるもの、そのどちらの補助も行っているということがわかりました。
 授業料軽減については、私立高校生と同等の補助が出ているということですが、そもそも東京の私立高校の学費は低所得者の家庭であってもまだ無償にはなっていません。
 この間何回も取り上げていますが、幾つかの自治体では既に無償となっています。大阪府では年収610万円未満まで保護者負担がかかりません。この部分については、私立高校の授業料補助を拡充することとあわせて改善することが必要だと考えます。
 きょうは、もう一方の経常費補助に当たる私立専修学校教育振興費補助についてなんですが、これは、私立高校に比べとても低いんだと。そのために学校経営が厳しいというお話を校長先生から伺ってまいりました。
 この私立専修学校教育振興費補助はどのように算定しているのか、また、生徒1人当たりの単価については私立高等学校と違いがあるのか、その中身についてもあわせてお伺いします。

○加藤私学部長 都では、この補助制度が現在の形となった昭和63年度の生徒1人当たりの経常的経費に、毎年度、人件費及び物件費の変動率を反映させ、その50%を補助単価とし、生徒数を乗じて算定しております。
 27年度予算における私立専修学校教育振興費補助の生徒1人当たり単価は15万8600円、私立高等学校経常費補助の生徒1人当たり単価は38万4174円でございます。

○里吉委員 平成27年度で比較すると、今、お答えいただきましたけれども、私立高等学校は1人当たり38万4174円なのに対して、私立高等専修学校は1人当たり15万8600円と、実に半分以下なんですね。
 私立高校にとって経常費補助は基幹的補助であり、学校運営にとって重要な補助といつもご答弁いただいていますが、ここの部分が私立高校の半分以下というのは、やっぱり低過ぎるのではないかと考えます。
 先ほどお話しした武蔵野東高等専修学校は、自閉症児などの対応もあるということで、教員は原則全員正規職員として身分保障もしているそうです。
 生徒一人一人と担任の教員が、毎日学校生活を振り返る日誌を交換するなどきめ細かな指導も行って、大学や専門学校への進学、障害があっても一般就労を目指す子がたくさんいました。
 自閉症児と健常児が2人で組をつくり、バディーとして一緒に生活する混合教育が注目もされ、NHKスペシャルでも取り上げられました。
 また、職業教育も今改めて見直されてきております。
 そこで、都としても、私立高等学校の生徒一人当たりの経常費助成額に比べて余りに低いこの補助額を引き上げるべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○加藤私学部長 専修学校高等課程は、高等学校とは学校教育法上、認可要件など位置づけが異なっております。
 なお、専修学校高等課程には、高等学校のような経常費の国の助成制度がなく、都は国に対して助成制度の創設を要望しております。

○里吉委員 専修学校高等課程に対する助成制度の創設を国に要望しているということは重要だと思います。
 また、制度がなくても、この部分の補助を出しているということも大事なことだと思います。
 ただ、さらに一歩進んで、大阪府を見てみますと、保護者負担の軽減だけでなく、大阪府ではこの私立専修学校教育振興費補助も私立高校と全く同じ金額になっているということです。
 いろいろその都道府県によって考え方が違うということは、担当者の方からお伺いをいたしましたけれども、大阪府ではこのことによって、本当に学校の教育の中身で私立高校と高等専修学校を比較して選んでいただいていると。その結果、今、高等専修学校の生徒数もふえているということを伺いました。
 今も努力していただいているとは思いますが、ぜひもう少し思い切った増額を行っていただきたいと思います。
 また、先ほど耐震化に関する助成などは私立高校と同等とご答弁いただきましたが、私立高校が対象のAEDや防犯システム等の設置を進める補助事業では、専修学校が対象外になっていると。生徒の命や安全にかかわる部分では同等にしてほしいとの要望がございました。ぜひ専修学校を対象に加えるよう、この点についても要望しておきます。 

◆専修学校、いわゆる専門学校生への経済支援について 

 次に、専修学校の専門課程、いわゆる専門学校生に対する経済支援について伺いたいと思います。
 私立専門学校の授業料などの納付金は年間平均0万円を超えるなど、私立大学などとほとんど変わりません。
 しかし、公的な経済的支援としては、日本学生支援機構の奨学金が大きな役割を占めており、それ以外はほとんどないのが現状です。
 国公立大学については、大学における授業料等免除の実施に対する国の助成措置があります。
 私立大学についても、私立大学等経常費補助金の枠組みの中で、経済的に修学困難な学生を対象に、大学が実施する授業料減免事業に対して、所要経費の2分の1以内の金額が助成されています。
 このことに比べましても、専門学校生に対する経済的補助がないということをどうしていくかということが大きな問題となっていました。
 私は、ことし3月の文教委員会でもこの問題を取り上げましたが、意欲と能力のある専門学校生が経済的理由により修学を断念することのないよう、専門学校生に対する経済的支援策について、総合的な検討を進めるためということで、今年度から実証研究事業が始まりました。
 東京都もこれに予算をつけておりますので、きょうはその進捗状況について伺いたいと思います。
 まず、今年度から実施している都の私立専修学校支援実証研究事業補助の内容はどのようなものなのか、都の実証研究事業の内容について伺います。

○加藤私学部長 都は、今年度から、国の専門学校生への経済的支援のあり方に関する実証研究事業のうち、経済的支援に係る部分を受託しております。
 具体的には、私立専修学校専門課程に在籍する生徒を対象に、ファイナンシャルプランナーによる生活設計などに関するアドバイスや、経済的理由により修学困難な生徒に対して、学校が授業料の一部を減免した場合に、その2分の1以内の額の補助を行うなどでございます。 ○里吉委員 経済的支援に係る部分を受託して行うということですが、実際にこの事業の対象となる専門学校、また生徒はどのような要件なのか伺います。

○加藤私学部長 まず、学校の要件といたしましては、経済的理由による授業料減免を実施していること、財務情報等を公表していること、さらに学校関係者評価の実施や結果の公表など、質保証、向上の取り組みを行っていることでございます。
 また、生徒の要件といたしましては、学校から経済的理由により授業料減免を受けた生活保護受給世帯や住民税所得割非課税世帯等の生徒でございます。

○里吉委員 都内にはたくさんの専門学校があると思うんですが、今お話しいただいた学校の要件である、経済的な理由を要件とした授業料減免制度を持っている専門学校は都内でどれぐらいあるのでしょうか。伺います。

○加藤私学部長 本年5月1日時点におきまして、都内の専門課程を持つ私立専修学校351校のうち、経済的な理由を要件とした授業料減免制度を有している学校は43校でございます。

○里吉委員 この制度の対象となる経済的な理由を要件とした授業料減免制度を持っている学校は、専門学校43校ということで、351校のうち実にまだ12%しかないということなんですね。
 さらに、その学校で対象となる生徒が何人ぐらいいるかということについては、この学校そのものが、まだこの実証実験の対象になるかどうかということも決定していないわけですが、今年度入学した専門学校生が対象ということなので、43校で授業料減免制度を使っている学生が何人いるかということはわかるんじゃないかと思うんですね。
 実際に、この実証実験の対象になる生徒は少なくなるかもしれませんが、減免を受けている生徒の数をつかんでいたら伺いたいと思います。

○加藤私学部長 授業料の減免制度は各学校が独自で行っているものでございまして、都は、これら各学校の減免制度の対象となっている生徒数につきましては把握しておりません。

○里吉委員 対象となる生徒数は把握していないということです。当然、まだ補助金も出していないということだと思うんですね。
 今年度は初年度ということで、この制度で生徒に授業料減免の補助金を出すということはこれから行われるということなんですが、実証実験は3年ありますから、来年と再来年の2年間は情報を得て、国の減免制度が使えることを前提で入学してくる学生も出てくるのではないかと思うんです。
 生徒への補助金はどのような形で支払われるのかは、学校によってさまざまということでご説明いただいたんですけれども、この制度の仕組み、性格からいっても、最初から学校と国の補助金を除いた金額を生徒が支払えばいいという形にぜひしていただきたいと。一旦全額生徒が払って後から戻ってくるという形ではなくて、お金を用意するのが大変な家庭のお子さんたちですから、最初から子供たちが、学生が、払う金額が少なくなるような、そういう形にしていただくように、それぞれの学校にも指導していただきたいと要望しておきます。
 全国高等専修学校協会が行ったアンケート調査の報告書というものがありまして、これは平成25年度版なんですが、ここに、経済的な理由で進学できなかった事例が具体的に記載されていました。
 専門学校への入学試験に合格していたが、初年度納付金の納入ができなかったので、入学を諦めて就職せざるを得なかった、親がブラックリストに載っており資金の調達が不可能だった、進学希望の生徒が経済的な理由から断念したケースがいろいろと書かれていましたが、これは本当に氷山の一角だと思います。
 前回の質問のときにも紹介しましたが、国の検討会の報告では、家庭の年収が300万円未満の学生数の割合は、大学生が8・7%なのに対し、専門学校生は17・4%と2倍いるということなんです。
 家計が苦しいからこそ、資格などを得て働きたいという学生が多いのではないかという分析も述べられていましたが、本当にそうだと思うんですね。
 3年間の実証研究事業ということでスタートしたばかりの制度ですが、実際には何人がこの制度で補助金を受けられるのかわからないようですが、対象となる専門学校自体も全体の1割ちょっとということを考えますと、この制度で授業料減免を受けられるのは、経済的困難を抱えている専門学校生のごく一部になると思います。
 前回も対象となる専門学校が広がるよう、都としての対策を要望いたしましたが、引き続きお願いしたいと思います。
 また、今回の経済的支援は、学校が減免した授業料の2分の1以内の額を補助するというものですから、学生本人の授業料負担が残ります。
 資格を取る専門学校では、授業のこま数も多く、アルバイトと勉強の両立が大変ともいわれております。親の貧困を子供に連鎖させないためにも、意欲を持って学ぼうとしている学生への経済的支援はさらなる拡充が求められます。
 そこで、国の支援策に上乗せして、都としても補助を出すことを検討すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○加藤私学部長 この事業は、先ほども申し上げましたとおり、国の実証研究事業の一部を受託しているものでございます。
 そもそも専修学校専門課程は、大学、短期大学と並ぶ高等教育機関としての役割を果たしており、大学などと同様、国の責任において補助を行うべきであり、都としても補助制度の創設、実施を国に対して要望しております。

○里吉委員 教育基本法第4条3項には、国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的な理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならないとあります。
 国に対して助成制度の創設、実施を要望していることは重要ですが、改めて、都としてもふさわしい支援を行うことを求め、次の質問に移ります。 

◆都立美術館の公募展示場の利用について 

 最後に、東京都美術館について質問いたします。
 今回は、東京都美術館の公募展示室の利用について伺いたいと思います。
 東京都美術館は、戦前の1926年、大正15年に東京府美術館として開館しました。日本で最初の公立美術館である東京府美術館は、基本的に美術展覧会の会場、ギャラリーとしての役割を果たしてきました。自前の収蔵品はなく、いわゆる館の自主企画も行われていなかったそうです。
 現在の東京都美術館を見てみますと、公募展示室やギャラリーを使っての展示が今も大変盛んに行われております。多くの美術団体が作品を発表する歴史ある美術館として大変重要な役割を果たしております。
 東京都は、ことし3月、東京文化ビジョンを発表し、東京がさらなる成長の柱として芸術文化を位置づけると強調いたしました。その点で、市民が美術作品を展示できる場として、東京都美術館の果たす役割はますます大きくなると思います。
 そこで、今回、公募展示室の利用について伺いますが、まず初めに、昨年度の公募展示室の利用に向けた使用申請提出団体数、それから実際に利用した団体数について伺います。

○越文化施設改革担当部長 平成26年度の東京都美術館公募展示室の利用に向けまして、使用申請を提出した団体数は259団体でございました。最終的に公募団体展を開催した団体数は、使用辞退などによりまして255団体でございます。

○里吉委員 申請した団体は、ほぼ展覧会を開催できていることがわかりました。
 ただ、辞退する団体は、自分たちが希望する日程と実際に借りることのできる日程が合わずに、調整がつかなかったためにやむを得ず辞退する場合が多いと伺っております。
 展示会の開催はできても、その開催日程をどこにするかが団体にとっては重要なわけですね。秋に開催したいとか、春に開催したいとか、団体ごとにあると思います。
 また、開催期間に土日を含むことができるかどうかは、平日だけでは鑑賞に来ることのできない人も多いので、大変切実な問題だと伺っています。
 この東京都美術館の公募団体展は、一定の審査が行われた上で利用されていると聞いておりますが、審査の上で開催日程も決めるということなんですね。使用割り当てを行うという仕組みになっているということですが、まずこの仕組みはどのようなものか伺います。

○越文化施設改革担当部長 東京都美術館における公募団体への展示室の割り当てにつきましては、公平公正を図るため、一定規模の公募展の実績があることや、芸術文化の裾野の拡大を図るものであることなどの審査基準に基づきまして、外部有識者による審査等を経て実施しているところでございます。
 具体的には、審査により上位から下位まで4つのグループに分けまして、グループごとに抽せん等で個々の団体の使用割り当て順位を決め、順番に団体に対し会期及び展示室の割り当てを行っております。
 最終的には、東京都美術館運営委員会の付議を経て使用割り当てを確定し、使用承認をいたしております。

○里吉委員 第一グループから第4グループまで4つに分けて、第一グループに選ばれた団体の中でまず抽せんを行って、希望する日程を申し込む。それが全部終わったら、次に第2グループの中で抽せんを行って、順番にあいているところに申し込むということだと思うんですね。
 そうしますと、第4グループになりますと、残りの開催日程が少なくなります。それから、1団体が長期に使用してしまうと多くの団体が使用できない、こういうことも考えられます。
 そこで伺いますが、審査の結果、展覧会を開催できない場合はあるのか、また1団体当たりの割り当て日数は何日間なのか、あわせて伺います。

○越文化施設改革担当部長 公募団体の割り当ての仕組み上、申し込みが多い場合などには割り当てされないケースが発生することも想定されます。
 1会期当たりの割り当て日数につきましては、昨年度の実績では6日間から10日間となっており、上限の2会期使用した団体と1会期使用の団体がございました。

○里吉委員 最大でも2会期までの使用ということでしたから、そんなに長く使うところはないということが確認できました。
 昨年は、ほとんどの団体が使用できたということですが、割り当ての仕組み上、展示できない団体も出てくるということです。そうすると、何で自分たちが第4グループになってしまったんだというふうな不満の声も出てくると思うんですね。
 審査の過程がわからないという団体もあると聞いていますが、美術館ではどのような対応を行っているのか伺います。

○越文化施設改革担当部長 審査基準につきましては、募集要項等においてあらかじめ公表いたしております。
 さらに、申込手続や審査等について、公募団体向けの利用割り当て説明会を開催し説明を行っているほか、各団体からのさまざまな質問などにも個別に随時対応いたしております。

○里吉委員 私も公募団体展募集要項を見せていただきました。審査基準は2つあって、1つは団体としての運営力、実績、もう1つが東京都美術館の基本的使命との合致と書いてありまして、この基本的使命というところでは、芸術文化の創造活動を促進、支援し、裾野拡大を図るもの、文化芸術の質の向上を図るものであること、新しい芸術表現や表現者の発掘、育成を図るものであること、鑑賞者と作品、アーティストとのコミュニケーションを図るものであることとありました。
 これらに照らして専門家が公平公正に審査をしているということなんですが、それに対していろいろなご意見や疑問が出されたときに、美術館と利用者とでいろいろなことについて話し合う利用者懇談会を開いてはどうかという提案をいただきました。
 ほかにも、審査方法だけでなく展示室の利用方法などについてもいろいろと意見をいいたいという声もありましたが、質問や要望に対しては現在どのように対応しているのか伺います。

○越文化施設改革担当部長 東京都美術館では、昨年度、全利用団体に対しましてアンケートを行っております。また、利用割り当て説明会において、各団体から寄せられました質問の一覧を配布し回答を行っているほか、各団体の展覧会の開催前には事前打ち合わせなどを行い、個別にご質問や要望をお伺いしております。
 その他、随時、個別にご相談に応じるなど、丁寧な対応に努めております。

○里吉委員 アンケートに答えていただいているということなんですが、その結果、改善が行われた点があれば伺いたいと思います。

○越文化施設改革担当部長 東京都美術館では、利用団体からの要望等により、公募団体展用のチラシラックを館内に設置したほか、今後、展覧会の会期に必ず土日を含めていくことなど、さまざまな改善を図っております。

○里吉委員 多くの団体からの要望で、会期に土日が含まれるようになったことは大きな改善だと思います。今後、さらに展示会を希望する団体がふえてくることも予想されますが、引き続き公正公平な審査で、さまざまな工夫もしていただき、多くの団体が気持ちよく東京都美術館を使っての展示が行えるようにしていただきたいと思います。
 都民が芸術に親しむ活動を発展させてきたのは、この東京都美術館があったからだと思います。引き続き、これから本当に都民が文化に親しむため、都民が作品を発表し、鑑賞し、交流する場として提供し、こうした活動を東京都美術館がしっかりと支えていただきたいと思います。
 そういう点で、引き続き活動の拡充を改めてお願いして、私の質問を終わります。

このページの▲
トップに戻る 


文教委員会速記録第16号

2015年11月19日(木)  

◆2020東京大会の競技場整備について 

○里吉委員 それでは、私から、まず2020年東京オリンピック・パラリンピックの競技会場整備について伺いたいと思います。
 当初のこれらの計画では、BumB東京スポーツ文化館や体育館、フットサルコート、大井の野球場など、都民のスポーツ施設が取り壊されてオリンピックの競技場になる、こういう計画が幾つかございました。6月以降、会場計画の見直しが検討されて、都民のスポーツ施設が現存し、もしくは期間中一部使えないだけで、その後も使えるようになったことは大変重要なことだと思います。
 これまで、都民生活への影響に配慮して会場計画の見直しを行ったと思いますが、その具体的な変更内容についてまず伺います。

○根本競技担当部長 大井ホッケー競技場につきましては、地元からの要望もあり、野球場利用者への影響を極力抑制するよう公園内での施設配置を変更し、野球場につきましては、大会後は現状どおり利用できる見込みでございます。
 夢の島公園アーチェリー会場につきましては、公園の緑や利用者への影響に配慮して配置を変更し、立候補ファイル時点に比べ、樹木の伐採は大幅に抑制できる見込みでございます。
 また、公園内に予定していた夢の島ユース・プラザ・アリーナA、Bにつきましては、有明アリーナを含めた3つの施設の競合により負の遺産となることを回避するため、新設を中止し、既存の東京スポーツ文化館の利用者への影響にも配慮いたしました。
 有明テニスの森につきましては、競技団体や地元の要望もあり、大会後は、現状と同じ49面に復旧するとともに、イベント広場につきましても、従来どおり利用できる見込みでございます。
 葛西臨海公園スラローム会場につきましては、公園の緑等、自然環境に配慮し、隣接する都有地を活用して整備することといたしました。
 引き続き競技団体、地元自治体等の意見を聞きながら、後利用を含め、設計を進める中で、都民生活への影響に配慮した計画とするよう検討してまいります。

○里吉委員 私もかつて文教委員会で、夢の島ユース・プラザなどについて取り上げました。東京都の青年の家が幾つも廃止されて、今、区部で唯一残っている施設であり、存続を求めてきたわけですが、こういった都民の声なども聞いて見直しが進められてきたと思います。引き続き、都民のスポーツ利用について配慮していただきたいと思います。
 また、大井ホッケー競技場予定地については、その後の利用について、第1球技場など、ホッケーとサッカーと両方できるようにしてほしいという要望も強く、検討が既にされたと伺っておりますが、後利用の方向性について改めて確認いたします。

○小室施設調整担当部長 大井ホッケー競技場の大会後の利用の方向性につきましては、ホッケーの振興拠点としていくことはもとより、サッカーなど、各種競技の普及強化の拠点とすることを既にお示ししております。
 大井ふ頭中央海浜公園の現在の2つの球技場の利用状況にも配慮し、メーンピッチ、サブピッチを含め、ホッケーはもとより、サッカー、ラクロスなど、さまざまなスポーツの利用が可能となるよう今後検討してまいります。

○里吉委員 次に、工事中など、一定の期間使えなくなる都民のスポーツ施設について伺います。
 有明テニスの森テニスコートなどは、工事中は使えないと伺っておりますが、およそ何年ぐらい使えないのか。また、都として代替施設を用意するですとか、他の施設を紹介するなど、都としても極力利用者の立場に立って対応していただきたいと思いますが、都の見解を伺います。 ○根本競技担当部長 有明テニスの森につきましては、平成29年度から工事に着手する予定でございますが、現在行っている基本設計の中で工事期間の詳細は検討してまいります。
 今後、都が施設を整備するに当たりまして、影響を受ける既存スポーツ施設等の利用者に対しましては、工事の施工計画に応じて、使用できない範囲や期間、他施設の情報など、できるだけ早く情報提供を行うよう努めてまいります。

○里吉委員 これから実施設計ということですが、広いテニスコートですから、半分コートを利用しながら、もう半分工事を行うなど、いろいろ多分検討されていると思いますが、極力影響が少なくなるようにしていただきたいと思います。
 また、カヌースラローム会場を新設する下水道用地なんですが、ここは現在、区民の方が利用する少年野球場が2面あって、この野球場は、会場整備によって2面とも廃止となってしまうのか、今、この野球場を使っている方々、関係者の中から不安の声が出ておりますが、この会場整備について2面とも廃止されるのかどうか、決まっていれば伺いたいと思います。

○根本競技担当部長 野球場2面は、現在、都が所有する未利用地の一時利用といたしまして区が土地を借り受け、設置しているものでございます。
 都が整備を行うカヌースラローム会場につきましては、基本設計に着手したところでございまして、施設の配置等を含め、国内、国際競技団体等と検討を行っているところでございます。  オリンピック競技会場に求められる要件を踏まえますと、敷地に余剰を見出すことは難しい状況でございますが、引き続き施設の設置者である地元区と十分協議を行ってまいります。

○里吉委員 地元区と協議をするということですので、ぜひ丁寧な対応をお願いしたいと思います。

◆都民スポーツへの支援について 

 続きまして、都民スポーツへの支援について伺いたいと思います。
 昨年度のスポーツ大会等への都の補助金等の実績を資料で出していただきました。ありがとうございます。
 これを拝見いたしますと、JA全農2014世界卓球団体選手権東京大会への補助金が31万円、セイコーゴールデングランプリ陸上2014東京への補助金は11万円などとなっております。
 東京都は、国際スポーツ大会の開催にも力を入れているわけですが、都内で行われるこうした国際スポーツ大会でも、後援や共催に名前を連ねて補助を行わない場合もありますし、一方、数千万円から億単位で補助金を出している場合もあります。
 そこで、まず伺いますが、このような世界大会などに補助金を出すのはどういった場合なのか、補助額はどのように決めるのか伺います。

○土屋国際大会準備担当部長 都は、スポーツ推進計画におきまして、国際的なスポーツ大会の積極的誘致という方針に基づきまして、特に都のスポーツ振興施策に大きく寄与すると考えられる大会につきましては、都が共催者として大会を支援してございます。
 具体的には、スポーツ大会の主催者などからの共催の申し出に応じまして、当該大会が国際的に認知された大会であること。また、都のスポーツ振興施策に大きく寄与し、かつスポーツ都市東京を国際的にアピールできる大会であること。そして、さらに観戦の招待やアスリートによる子供たちへの競技指導教室など、都民への還元事業がどこまで実施できるかなどを勘案の上、共催できるかどうかを判断してございます。
 大会運営経費に対する共催分担金につきましては、総経費の2分の1を上限といたしまして、ただいま申し上げましたような観点も含め、対象となる経費を精査の上、協議により額を決定してございます。

○里吉委員 東京都のスポーツ振興施策に大きく寄与すると考えられる国際大会は、共催して総経費の2分の1を上限に共催分担金を支出しているということでした。また、このいただいた資料の表にある国際大会以外を見ますと、東京都が主催する大会に費用を出しているということで伺っております。
 一方、アマチュアの団体なんですが、現在、国内の一般のアマチュア団体などのスポーツ大会に対する補助や、何らかの支援はあるのか伺います。

○早崎スポーツ推進部長 多くのアスリートが集い、競い合うスポーツ大会は、都民の日ごろのスポーツ活動の成果を発揮する機会となるとともに、試合や記録への挑戦を通じて、向上心の発揚や選手間の交流の場となるなど、スポーツ振興にとって重要な役割を果たすものであります。
 このため都は、都内で開催されるスポーツ大会の中で、公益性があり、都のスポーツ振興の推進に寄与するものに対し、後援名義の使用承認を行っています。また、都立体育施設の使用に際しては、全国的、全都的な大会等の優先申し込みを受け付けるとともに、全国的、全都的に組織されたスポーツ団体等が開催する大会で利用する際の施設利用料金を減額しております。

○里吉委員 後援、それから都立体育館の利用料の減免をしているということで、これも大事なことだと思います。
 私は、身体能力にすぐれた人ばかりでなく、いろんな人が参加しているアマチュアスポーツ団体の、参加する誰もがスポーツを楽しむための工夫や努力というのが、学ぶことも多いと思いますし、スポーツの裾野を広げるためにも重要だと考えています。例えば、フットアセットという7人制のサッカーを行っているある団体は、接触プレーを禁止し、審判を置かずにセルフジャッジで試合を行うそうです。自分がファウルしたと思ったら、ごめんと手を挙げて知らせます。反則覚悟のラフプレーがなくなるので、けがをする危険を減らすことにもなるということで、このルールを取り入れたのは、サッカーは接触プレーによるけがが多いというある愛好家の方の声がきっかけだったそうです。
 また、ある卓球団体は、大会をトーナメント制で行うのではなく、リーグ戦で行うことで、その人に合ったレベルで大会を楽しめる方法を生み出して、参加者がとてもふえているそうです。まずリーグ戦で順位を確定し、その後、他のリーグの同じ順位同士で対戦をする。このことで、トーナメントを勝ち抜いた人だけでなく、どのレベルの人も試合を何回も、しかも、自分に合ったレベルの対戦相手と楽しめるそうです。現在では、全国1万6000人が登録し、大会を行っているとのことでした。
 私は、都民スポーツを向上させるためには、こうした都民の自主的なスポーツ大会などを支援し、発展させていくことが重要だと思います。例えば、こうした大会や団体への補助、会場確保の支援、会場費の補助、指導者への謝礼、審判への謝礼などがあるだけでもとても助かると伺っております。
 都民スポーツ、また、後から述べますが、障害者スポーツを発展させるために、活動状況や補助金の使途など、一定の条件を設けて、条件を満たした大会、団体には助成を行うことを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。見解を伺います。

○早崎スポーツ推進部長 都では、スポーツ団体の活動を効果的に支援するため、財政的な支援の対象を、東京都体育協会や東京都障害者スポーツ協会など、東京都全域を対象とする統括的なスポーツ団体として当該団体の活動を支援するほか、当該団体を通じて、地域のスポーツ団体等への活動を支援しております。
 また、地域住民が主体的に運営し、子供から高齢者、障害者を含め、誰もが身近にスポーツに親しみ交流を図れる場として、地域スポーツの推進に欠くことのできない存在である地域スポーツクラブに対しては、スポーツ教室への指導者派遣や、都民のスポーツ参加を促すスポーツイベントの開催等への財政的な支援などを行っております。
 今後もこのような取り組みを通じまして、スポーツ団体の自主的な活動に対する支援を行ってまいります。

○里吉委員 都体協や地域スポーツクラブへの補助も大変重要だと考えます。その枠組みにとらわれない多くの大会やサークルがもう一つあるわけですね。都民スポーツ振興のために、これらの団体にも、改めて一定の条件を設けて支援していただくことを要望しておきます。 

◆障害者スポーツ大会への支援について 

 障害者スポーツ大会について伺います。
 私は、聴覚障害者の団体の方からお話を伺いました。その団体は、東京都はもちろん、全国に組織があって、何年かごとに関東、もしくは全国レベルの大会を東京で開催しています。
 障害者スポーツが福祉保健局の所管だったときには、これらの大会に対して東京都の補助があったとのことですが、所管がオリンピック・パラリンピック準備局、当時はスポーツ振興局でしたけれども、こちらの局に移管されてから開催した関東大会には、福祉保健局のときと同様な補助を申請したけれども、もらえなかったとのことでした。スポーツ振興局から記念品の提供や、東京都障害者スポーツ協会より、一部の競技に対して補助金をいただくなどの支援はあったそうですが、それでも会場の規模縮小や節減による参加者へのサービス低下などを余儀なくされたと伺いました。その後、世界ろう者卓球選手権を開催したときには、国際大会だからということで30万円の補助金をいただいたということでした。
 ここで伺いますが、障害者スポーツが福祉保健局の所管だった時代には行われていたスポーツ大会への補助が、オリンピック・パラリンピック準備局の所管になってからは行われなくなった、この理由について伺います。

○萱場パラリンピック担当部長障害者スポーツ担当部長兼務 平成22年7月から障害者スポーツを担当する現在のオリンピック・パラリンピック準備局では、スポーツの振興に資することを目的として事業を展開してございます。そのため、健常者のスポーツの場合と同じく、都のスポーツ振興施策に大きく寄与すると考えられる大会について、都が共催者として大会を支援し共催分担金を支出するとともに、国際大会ではない都内で開催される障害者スポーツ大会に対しては、後援名義の使用承認、都立施設利用の優先受け付け、一部利用料の減額を行っているところでございます。
 さらに、当局に障害者スポーツが移管された後は、障害者福祉、あるいはリハビリテーション医療の域を超え、障害者スポーツ振興という観点から、競技団体を通じた支援など、さまざまな施策を充実させてまいりました。
 具体的には、全国障害者スポーツ大会に向けた競技団体が行う強化練習会への支援、障害のある人が、身近な地域でスポーツに親しむための地域開拓推進事業、障害者、スポーツ関係者へのセミナー開催など、幅広く重層的な観点から、多くの新規事業を展開してございます。
 今後も、障害者スポーツをより一層振興していくため、競技団体への支援など、取り組みを充実させてまいります。

○里吉委員 現在障害者スポーツの振興のために、さまざまな取り組みが拡充していることは私もよく理解しております。ただ、大会への補助という点ですと、国際大会については、条件が合えば共催分担金を支出しているんだけれども、一般のスポーツと同じで、それ以外は出していないわけです。ですから、障害者スポーツ大会も、世界大会のときには30万円補助したということです。
 福祉保健局のときには、関東大会にも30万円から40万円程度の支援があったそうですから、規模から見たら大変少ないものかもしれませんが、あったということなんですね。そして、関東大会は国際大会ではないので、制度がないから、局がかわってからは補助がないということなんです。
 2012年に行われた聴覚障害者の関東大会ですが、野球、卓球、バレーボール、サッカー、バスケット、実にさまざまな種目で行われ、会場も、大井ふ頭海浜公園の野球場や球技場、舎人公園のテニス場など、都内施設から区立の体育館など、たくさんの会場を借りて行われました。参加者も、審判、要員を含む役員が400名、選手が900名、応援団200名と大変大きな大会でした。
 福祉保健局時代には、会場費初め、大会に係る経費の1部を補助してもらっていたとのことでしたが、2012年大会は、障害者スポーツ協会の補助金をもらうために、部員一人一人の障害者手帳の内容を書き写し、練習のスケジュール帳を提出したり、とても手間をかけて、サッカー部5万円、野球部5万円を獲得し、また、企業やお店などの広告なども一生懸命集めたけれども、結局、大会記念の報告書の厚さは半分でした。また、写真を1円で買ってもらうなどして開催費を賄ったということでした。
 聴覚障害者の場合、まず、障害者の絶対数が多くありませんから、例えば聴覚障害者の野球チーム、サッカーチームなど、人数をそろえるのも大変です。対戦するチームを探すのもとても大変とのことです。区レベルではとても難しく、都レベルの広域的な支援が必要です。先ほど答弁されました優先受け付けや一部利用料減免も、オリ・パラ局所管以外のいろいろな施設でもやっていますから、必ずしも受けられるわけでもありません。もちろん健常者と一緒にプレーするのも楽しいかもしれませんが、同じハンデを持った者同士のスポーツでの交流もとても意義があり、皆さん楽しみにしているというお話でした。
 特に、この聴覚障害者団体スポーツ大会への助成は、これまで行われていたものが、スポーツ振興局に来たらだめになった、後退してしまったと。毎年、この団体からは補助を再開してほしいという要望が出されております。ぜひこういった制度を整えていただくことを改めて要望し、私の質問を終わります。

◆学校現場でのLGBTへの理解促進について 

○里吉委員 では、私からは、まず、学校現場でのLGBTへの理解促進を求めて質問いたします。
 近年、LGBT、いわゆる性的マイノリティーへの権利を保障し、理解を促進する運動が広がっています。日本では、各種調査から人口の5%程度、電通総研の2015年の調査では人口の7・6%がLGBTであるとされています。
 私自身も、世田谷区議会議員時代に、同期で当選した議員が性同一性障害をカミングアウトして立候補したという経歴の持ち主だったため、いろいろ身近に見聞きをしてまいりました。また、この数年、世田谷区内では、NPO法人がLGBTのための成人式を行っておりまして、私も来賓として参加させていただき、当事者の方のスピーチを毎回聞かせていただいています。
 そこで感じるのは、LGBT、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーなどのいわゆる性的マイノリティーの方々が、いかに自分らしさ、自分が自分でいいという気持ちが持てずに苦しんできたのかということです。特に小学校、中学校、高校という学校生活の中で、本当の自分を出すことができない、誰にもいえないとしたら、想像しただけで胸が苦しくなります。
 私の息子は女の子という手記を読みました。体は男の子、心は女の子の小学校1年生のお子さんを持つお母さんの手記です。小さいときから周りの男の子と違って車や電車には全く興味を持たず、女の子のキャラクターで遊んでいたそうです。保育園でも年長さんになると、大好きなスカートをはいていると、おかまなのとか、男の子がピンクを着たらだめだよなどというお友達も出てきたそうです。子供も、自分の心の性に対する違和感を少しずつ言葉にするようになり、女の子に生まれ変わりたいというようになってきたそうです。
 小学校は、保育園以上に男女に分かれた活動を避けられない場面もたくさんあります。この彼女は、ランドセルはパステルラベンダー色、スカートははいて行きませんが、髪の毛はセミロングにカチューシャ、かわいいリボン柄の靴下をはいて登校しているそうですが、お友達の反応もいろいろあるし、ご両親もインターネットで信頼できる先生を探したりと、いろいろ努力されているそうです。
 実際は、ここまで自分らしい格好をできる子供ばかりではないと思いますが、こうした子供たちが一定数、どの学校にも、どのクラスにもいることを、学校の教職員の方々には認識していただきたいと思うのです。今紹介した彼女も、学校に一人でもLGBTについてしっかり理解している先生がいてくれれば、それだけで心強いと思います。
 そこで、学校現場での取り組みについて伺いたいと思います。
 文部科学省はことし、性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等についてとの通知を出しておりますが、この通知が出された目的とその内容について伺います。
 また、都教育委員会として、この通知に基づいて具体的に行っていることがあればお答えください。

○伊東指導部長 平成27年4月30日に文部科学省が発出いたしました性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等についてという通知は、学校の教職員が性同一性障害に係る児童生徒に適切に対応ができるようにすることを目的といたしまして、支援体制や医療機関との連携など、具体的な配慮事項等をまとめたものでございます。
 都教育委員会は、この通知文を区市町村教育委員会及び都立学校に送付いたしますとともに、区市町村教育委員会の指導室課長会、都立学校の校長連絡会、副校長連絡会で周知いたしました。また、都内全公立学校の生活指導担当者連絡会、スクールカウンセラー連絡会、養護教諭の研究会でも同様に周知いたしました。

○里吉委員 いろいろな場面でこれを今、周知徹底していただいているというお答えでした。この通知には、悩みや不安を受けとめる必要性は、性同一性障害に係る児童生徒だけでなく、いわゆる性的マイノリティーとされる児童生徒全般に共通するものと書かれております。
 相談体制の充実についても、学級、ホームルームにおいては、いかなる理由でも、いじめや差別を許さない適切な生徒指導、人権教育等を推進することが、悩みや不安を抱える児童生徒に対する支援の土台となることとしています。
 こうしたことからも、何よりも学校の現場の教職員がLGBTについて正しく認識しているかどうかが決定的に重要です。
 都教育委員会では、学校の教員に対して、LGBTへの理解促進のため具体的にはどのような取り組みを行っているのか伺います。

○伊東指導部長 性同一性障害等の理解を促進するため、5月に校長、6月に副校長、10月に主幹教諭等を対象として実施した人権教育の研修会におきまして、文部科学省が発出した通知文の内容を周知いたしました。また、校長や主幹教諭を対象に実施いたしました研修会では、医療や心理等の専門家を講師として招聘し、性同一性障害等に関する理解を深めるための講演などを行っております。

○里吉委員 研修は参加者も大変多かったし、とても勉強になった、よくわかったと、評判もよかったということを伺いました。裏を返せば、まだまだLGBTについて学べる場が少ないのではないかと思います。
 ある教員対象の調査では、同性愛は治療の対象か、などの質問に、自信を持って回答できる先生が大変少ない。最低限の必要な知識すら持っていないのが現状だと書かれていました。
 世界保健機構、WHOでは、1992年に疾病分類の見直しを行い、同性愛は治療の対象とはならないと宣言し、厚生労働省も1994年に公式基準として採用しました。同性愛者は異常ではない、治療の対象ではないと、国際社会と日本が公式に認識したのはわずか20年前ですから、今でも同性愛者は特殊な少数派という偏見は根強いと思います。
 だからこそ、LGBTの児童生徒に対応する際に、最低限備えておくべき基本的な知識を全ての教員に持ってもらうためのさらなる研修の拡充が必要です。どのように進めていくのか、都の見解を伺います。

○伊東指導部長 性的少数者の児童生徒にきめ細かに対応していくためには、直接指導する教員が正しい理解と認識を持つことが必要でございます。
 都教育委員会は、これまでも、人権教育プログラムに性同一性障害に関する資料を掲載いたしますとともに、性同一性障害等に関する理解を深めるための研修などを行ってまいりました。今後とも、文部科学省の通知を周知徹底いたしますとともに、教職員への研修を引き続き充実してまいります。

○里吉委員 ぜひ進めていただきたいと思います。「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」というところが2014年5月にLGBTの学校生活に関する実態調査結果報告書を発表いたしました。実はこれは、平成25年度東京都地域自殺対策緊急強化補助事業の一環として実施されたものなんですが、この報告書によりますと、自分がLGBTであるかもしれないと気がついた年齢が、性別に違和感のある男子の場合が、小学校入学前で25%、約半数が小学校卒業までに性的違和感を自覚したと回答しております。68%がいじめや暴力を受けた経験がある。その結果、自殺も考えたことがある、32%、リストカットなどわざと自分を傷つけた、22%との結果も出されています。
 LGBTへの誤解や偏見が根強い中で、自分の自然な性的指向や性自認を否定的に捉え、強い疎外感や社会不信、自己否定の気持ちに駆られる人も少なくないことがうかがえます。
 世の中には異性愛者がいるように、同性愛者もいることなど、LGBTのことを学校でも教えるべきだと考えますが、現在の取り組み状況について伺います。

○伊東指導部長 全ての公立学校では、人権教育を通して、一人一人がかけがえのない存在であり、互いに尊重し合って生活する必要があることを児童生徒に指導しております。こうした考え方に基づき、個別の人権課題につきましては、学習指導要領を踏まえ、児童生徒の発達段階や学校の実態等に応じて適切に取り組んでおります。

○里吉委員 現在の学校教育の中では特に位置づけられているわけではないということですが、実際に、どの学校にも、どのクラスにも、当事者がいておかしくないわけですから、そのことについて、先生だけでなく児童生徒にも啓発が必要です。例えば、図書館にチラシを置くなどして児童生徒への啓発を行うことはできないでしょうか、伺います。

○伊東指導部長 学校でどのようなチラシ等を配布するかにつきましては、その内容や必要性などを踏まえて校長が個別に判断するものでございます。

○里吉委員 個別に判断するということですので、そういう対応もぜひ学校ごとでやっていただきたいと私は思いますけれども、世田谷区内でLGBTの成人式を行っている団体は、LGBTの子供もありのままで大人になれる社会を目指そう、こういうことをいって活動しております。最初に紹介した手記でも、保育園で園児が、男の子はピンクを着たらだめだよといっていましたが、例えば、ランドセルは男の子が黒で女の子は赤といって、体の性に合わせた色を選ばされることも、実は、性同一性障害の子供にとってはとても苦痛なことです。男だから、女だからに縛られることなく、自分らしく生きることができる社会がLGBTの人にとっても、また誰にとっても生きやすい社会のはずです。
 これからも、性の多様性について、またLGBTについて、さまざまな機会を捉えて理解が進むよう取り組んでいただくことを求めて、次の質問に移ります。 

◆教員採用における、期限付き任用教員について 

 次は、教員採用で、期限つき任用教員について伺いたいと思います。
 東京都の教員採用は、採用選考結果により、名簿登載者と期限つき任用名簿登載者に分けられ、名簿登載者は4月1日の正規採用となります。期限つき任用教員は、東京都公立学校教員採用候補者選考実施要綱によれば、年度途中の教員の病気休職及び退職、学級増等、教員の欠員が生じた場合に、学校に勤務しますとあります。つまり、年度途中のやむを得ない事情により教員の欠員が生じた場合に採用されるという位置づけです。
 仕事の内容は正規職員と全く同じであり、授業を行うだけでなく、学級担任も担当します。任期は最長で1年です。この任期つき教員制度は2007年度から導入されましたが、導入当初から、4月からの、当然正規採用で配置されるべき先生が期限つきになっている、学級数の見込みの誤差により名簿登載者が不足したというレベルではない、余りにも期限つきの先生が多過ぎる、採用計画はどうなっているのかとの声が聞こえてきています。
 そこで伺いますが、2014年度の採用選考を受けて期限つき任用教員名簿に登載され、2014年度内に採用された教員は何人でしょうか。そのうち4月1日に採用された方、4月1日も含め4月中に採用されたのは何人か、それぞれお答えください。

○江藤人事部長 期限つき任用教員採用候補者名簿に登載された1547名のうち、採用された者は767人でございます。採用された者のうち、4月1日に採用されたのが457人で、それを含め4月中に採用されたのは744人となっております。

○里吉委員 期限つき任用教員名簿に登載され採用された767名のうち、744人、実に97%が4月中に採用されているわけです。引き算すれば、5月以降の採用はたった23人です。中でも4月1日の採用が457人と6割にも上っています。これらは、本来であれば当然正規採用すべき教員なのではないでしょうか。年度途中の欠員補充ではなく、4月採用に期限つき任用というのはふさわしくないと思いますが、見解を伺います。

○江藤人事部長 学校の規模は、4月1日に在籍する児童生徒数により編制される学級数をもって決定いたしますが、採用者の合否判定は前年の10月ごろに確定する必要がございます。このため、退職者数に加え、児童生徒数の変動に伴う学級増減や長期病欠の発生などをこの時点で見込む必要があり、正確に算出することが非常に困難でございます。
 さらに、平成26年度は、年金支給開始年齢の引き上げに伴う再任用制度の見直しの初年度に当たり、再任用職員数の見込みが困難であったことに加え、学級増や辞退者の増加などの要因も加わり、結果として、年度当初の欠員数が大きくなったものでございます。

○里吉委員 たまたまいろいろな事情が重なって欠員がたくさん出てしまったかのようなお答えでしたけれども、これは何も2014年度だけのことではありません。毎年、4月採用者だけで600人、700人、800人と期限つき任用を充てているのが実態です。きちんと計画を立てて、少なくとも4月採用の教員は正規採用するのが当然だと考えます。
 さらに、先ほどお答えいただきました期限つき任用名簿に登載され採用された人数、4月中の採用でいえば744人ですが、この数字と、きょういただいた資料の2014年度、平成26年度4月採用者数971人には、227人のずれがあります。この資料は、期限つき教員数には、教員採用試験で期限つき名簿に登載され採用された教員以外の教員も含まれているためだと思いますが、それはどのような教員なのか伺います。

○江藤人事部長 年度途中で欠員が発生した場合には、期限つき任用教員採用候補者名簿に登載されている者から任用することになっておりますが、必要な校種、教科に対応する登載者が不足する場合がございます。このような特別の場合に、都教育委員会が認める者を新たに名簿に追加し任用できる特別認定制度があり、それにより任用する教員も含まれております。

○里吉委員 教員免許は当然持っているけれども採用試験は受けていない、いわば現場の校長先生や副校長先生などがさまざまなつてを頼って探してお願いした先生ということだと思います。
 もちろん担任もしますし、仕事内容は正規の先生と同じです。こうした重い責任を担ってくれる先生を探すのはとても大変で、4月だというのに担任不在の状態で、見つかるまで副校長先生などが支援に入って何とかしのぐ場合もあると伺っております。
 期限つき任用名簿からの採用だけでは足りず、さらに4月中に特任教員を200人以上もお願いしなければならないというのは、やはり余りにも採用計画がずさんではないかと考えますが、都の見解を伺います。

○江藤人事部長 繰り返しになりますが、採用者の合否判定は前年の10月ごろに確定する必要があるため、正確に算出することは非常に困難でございます。
 平成26年度は、年金支給開始年齢の引き上げに伴う再任用制度の見直しの初年度に当たり、再任用職員数の見込みが困難であったことに加え、学級増や辞退者の増加などの要因も加わり、結果として、年度当初の欠員数が大きくなったものでございます。

○里吉委員 同じ答弁を繰り返されましたけれども、きょういただいた資料の18ページのところを見ていただくとわかるんですが、採用者数2355人に対して、4月に採用された期限つき教員は971人ですから、計算しますと4月末までの採用で29・2%、3人に1人が名簿からの任用と特任を合わせた期限つき教員という状況です。これはやはり多過ぎると思います。
 4月から特任教員を採用しなければならないのも、また2014年だけではありません。毎年のことだと伺っています。こんな不安定な状態が常態化していては、子供たちに十分な教育を保障できないと考えます。4月にはきちんと正規採用の先生がそろっていて、新しい年度をスタートできるようにするのが、学校に対する都教育委員会の当然の責任ではないでしょうか。きちんと正規採用の教員を配置するよう強く求めておきます。
 それでは、期限つき教員が学校に勤務してからのことについて伺いたいと思いますが、特任教員の方はともかく、期限つき名簿から採用された期限つき任用教員は、先生になりたくて採用試験を受けた志ある若者です。こうした方々が正規採用と全く同じ仕事をし、同じ責任を負いながら、期限つきで雇用される今の制度は、大変つらく理不尽なものだと私は思います。
 例えば、期限つき任用の先生が受けることのできる支援、サポートはどうなっているのかお答えください。

○江藤人事部長 期限つき任用教員は、年間10回の教職員研修センター等が実施する研修と、校内における年間120時間以上の授業に関する研修を受講します。また、校長は、期限つき任用教員の指導助言に当たる指導教員を1名、命じることとなっております。
 なお、正規採用された初任者は、このほかに、2泊3日程度の宿泊研修、年間6回の課題別研修、校内における年間60時間以上の授業以外の研修を受講しております。

○里吉委員 年10回の研修などは一緒ですけれども、正規採用の初任者が受ける宿泊研修は受けられない。ほかにも、授業に関すること以外の研修は受けられない。また、再任用のベテラン教員が社会人経験がない新採教員をサポートする学級経営研修制度も、期限つき教員は対象外ということなんですね。子供たちには同じ教育者として向き合い、責任を持たなければならないけれども、受けられる支援が違うということです。
 また、都教育委員会は、期限つき任用教員になれば、次の年の面接だけで正規採用になれるアドバンテージがあると伺っていますが、その仕組みとタイムスケジュールについて伺います。

○江藤人事部長 昨年度の教員採用選考が不合格となりましたが、期限つき任用教員採用候補者名簿に登載され、ことしの5月1日時点で期限つき任用教員として任用されていた者は、今年度の教員採用選考において、8月に実施した個人面接のみで受験しております。その面接結果と任用されている学校での勤務実績に基づき合否を判定し、10月16日に合格発表を行いました。  合格した場合は、翌年度の4月1日から正規教員として任用されることになり、その配属先は、原則として期限つき任用教員として働いていた学校と同一となります。
 なお、不合格となった場合には、原則として翌年度は一般選考で受験することとなります。

○里吉委員 4月に採用されて、8月に面接、10月に合格、不合格の発表ということです。勤務校での勤務実績というのは校長先生の判断だと聞いていますが、これは8月が面接ですから、その前の勤務、つまり着任して2、3カ月の、本来ならこれから教師集団の中で若い先生を育てようというときに既に評価され、ふるい落とされる。しかも、合否がわかるのは10月で、もし不合格でも、次の年の3月までは学級担任を続けなければなりません。つまり、あなたは東京都の教員には適当ではありませんと宣言しておきながら、仕事だけは担任としてちゃんと3月までやってねというわけです。随分虫のいい話ではないでしょうか。本人にしてみれば、モチベーションを保つのが大変です。
 そこで伺いますが、期限つき任用名簿登載者のうち、次の年に正規教員に合格したのは何人ですか、過去3年の実績を伺います。

○江藤人事部長 期限つき任用教員採用候補者名簿登載者のうち、任用された者の選考合格実績といたしましては、平成25年度選考は、受験者918名のうち693名が合格し、合格率は75・5%、平成26年度選考は、受験者980名のうち725名が合格し、合格率は74・0%、平成27年度選考は、受験者1001名のうち735名が合格し、合格率は73・4%となっております。

○里吉委員 75%程度とのことでした。25%の方が不合格です。25%、4人に1人の方が不合格になっているということについて、保護者や同僚の先生たちは大変深刻に受けとめています。保護者や同僚の先生から見て、とても熱心に頑張っている先生なのに、なぜ不合格なのかわからないと感じる場合が大半だと聞いています。
 そもそも若い先生に、すぐにだめというレッテルを張るのではなくて育てるべきだ、こういう声が幾人もの方から寄せられておりますが、このご意見は私も本当にそのとおりだと思います。
 今、学校は、一校に3人、4人と新規採用の先生がいることも珍しくありませんし、若い先生が産休、育休に入り、代替の先生が来ることも大変多くなっています。私がお話を伺った、あるお子さんの学年では、4クラス中、3クラスが新採と年度途中からの産休育休代替の先生だったそうです。  そういう中で、期限つきの先生が1年でいなくなって、また新しい先生が来て1年からやり直しというのは、学校運営も周りの先生方も、また一から教えて関係もつくらなければならない、そういうことで大変ですし、子供たちも落ちつかないというお話も聞きました。1年任期で不安定なことが、当事者の期限つき教員だけでなく、学校の組織全体や子供たちにもよくない影響をもたらしていると思います。
 そもそも、現在の採用選考で期限つき任用名簿登載者に当たる人たちは、2006年度までは補欠者として位置づけられ、採用された時点で正規採用されておりました。しかし、なぜ1年の期限つき任用制度に変更したのか、その理由について伺います。

○江藤人事部長 期限つき任用教員制度と補欠制度は、年度途中の欠員の補充や病気休職教員の補充等に充てる目的において同様でございますが、期限つき任用教員は、任用された年度の3月31日までの期限を定めた任用であり、任用された場合に正規教員となる補欠制度とは異なります。
 補欠制度は、正規雇用への期待が高い反面、1年待っても採用に至らない場合があることから、補欠者から不安の声が寄せられていました。さらに、大量退職による大量採用を行うことに伴い、教員の質の確保という点においても課題があったことから、都教育委員会は、平成19年度から期限つき任用制度を導入しております。 ○里吉委員 補欠制度でも期限つき任用制度でも、名簿登載者は原則4月1日採用、補欠者や期限つき名簿登載者は採用に至らない場合もある、このことは同じです。変更の合理的理由にはならないと思います。
 さらに、今、質の担保ということをおっしゃいましたが、期限つき任用教員制度によりなぜ質の担保が図れるのか伺います。

○江藤人事部長 補欠制度は、年度途中に発生する欠員数や発生するタイミングの把握が困難であり、任用時期が未確定なことに加え、結果として採用に至らない補欠者が出るため、この制度を敬遠し、他の道府県や民間企業へ優秀な人材が流出する要因の一つとなっておりました。
 また、団塊の世代の大量退職に伴う欠員を全て新規採用で補っていく結果となるため、年齢構成の不均衡が一層加速されることになりました。年齢構成の平準化を図る意味からも、4月1日に採用する正規名簿登載者を確実かつ的確に設定した上で補欠制度を廃止して、採用選考において一定の能力水準を持っていることを実証している者については期限つき任用教員として確保し、校長の指導を受けながら、実際に学校現場を経験できる制度といたしました。
 期限つき任用教員が、翌年度教員採用を目指す場合は面接のみで受験できるようにするとともに、面接結果に加え、期限つき任用期間中における学校での実績を合否判定に適切に反映させることで、教員としての適性を見きわめることができ、質の確保が可能となります。

○里吉委員 補欠制度は未採用となる者が出るため、民間企業等へ優秀な人材が流出というご答弁がありましたが、それは期限つき任用制度でも同じです。数字を調べましたが、4月1日に必ず採用される名簿登載者から1割程度流出しているのも補欠制度時代と同じですし、期限つき名簿登載者も2014年度は1547人ですが、東京都の教員になったのは、先ほどのご答弁でもあったように767人と約半数にすぎません。さらに、若干、産休、育休の代替に回っている方もいると思いますが、あとは流出して、結局足りなくなって特任教員を採用しているのがずっと続いているではありませんか。
 より適正な採用者数とおっしゃいましたが、実際には必要数の3分の2強という、適正どころか大幅に少ない人数しか正規採用していないんです。適正どころではないと思いますよ。結局、大量採用しなければならないときに、必要数を全て新規採用で賄うと年齢構成が不均衡になると。だから、1年でやめさせる教員をできるだけつくりたいということではないかと。それを質の確保などと、まるで採用されない本人が悪いようないい方で、志のある若者の神経をすり減らせ、使い捨てるようなやり方は適切ではないと考えます。
 結局、期限つき任用制度、この教員の皆さんは調整弁のように扱われているのではありませんか。かつての補欠者と同じように、一度教壇に立ったら正規採用としてきちんと先生として働いてもらう、こうすべきだと思いますが、いかがでしょうか。見解を伺います。

○江藤人事部長 期限つき任用教員制度は、1年間の期限つき任用の経験の中、学校現場で校長の指導を受けながら教職への理解と自信を深め、翌年度に再度チャレンジできる制度であり、教員の質の確保の観点からも大いに有効であると考えております。
 一方、補欠制度は、正規雇用への期待が高い反面、1年待っても採用に至らない場合があることから、補欠者から不満の声が寄せられるなど、さまざまな課題を抱えておりました。
 こうしたことから、都教育委員会は、年度途中の学校現場の欠員等に的確に対応していくため、期限つき任用教員制度が望ましいと考え、導入したものでございます。今後とも教員の任用を適切に行ってまいります。

○里吉委員 そもそも現在の教員の採用制度は、正規採用されても初年度は条件つき採用で、1年後に正式採用になる、教員に向いていないと判断されれば正規採用されない制度になっています。この制度の問題点もいろいろ指摘されていますが、少なくとも現在はそういう制度になっているので、その点からも、期限つき任用で2重に条件を課し、若い先生を苦しめることは適当でないと考えます。
 期限つき教員の先生としての仕事は、正規採用の先生と全く同じなんです。子供たちの前に学級担任として立ち、校務も、仕事をして、子供たちの教育に正規の先生と同じ責任を持って仕事しているわけです。クラスの担任を受け持って、子供たちと学校運営に責任を持って、先の見通しを持って伸び伸びと充実した教育活動を行うためには、やはりきちんと正規で身分が保障された先生が配置されることが重要です。期限つき任用はやめ、教員採用は正規採用で行うことを強く求めて、次の質問に移ります。

◆久留米特別支援学校と光明特別支援学校の併置について 

 次に、光明特別支援学校の肢体不自由部門と、久留米特別支援学校の病弱部門の併置の問題について伺っていきたいと思います。
 まず、2017年度開校予定の光明学園特別支援学校(仮称)、この校舎等の整備スケジュール、そして整備が完成するのはいつの予定か伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 平成29年度の仮称光明学園特別支援学校の開設に向けて、今年度から来年度にかけて、現在の光明特別支援学校の校舎の一部及び寄宿舎を改修してまいります。
 平成29年度からは、第1期工事として旧梅ケ丘病院跡地に新校舎を建築し、その後、第2期、第3期工事として、平成31年度から現在の光明特別支援学校の校舎を改築し、平成35年度に整備が完成する予定でございます。

○里吉委員 29年度から工事ということで、開校してから、どんなに早くとも6年間はずっと学校のどこかが工事を行っている中で障害のある子供たちが学校生活を行うということなんですね。しかも、最近の開校例を見ておりますと、計画どおり工事が進んでいないケースも多々ありますので、さらに延びる可能性もあるわけです。これは、子供の学習環境として問題だと思います。
 しかも、障害のあるお子さんが通う特別支援学校ですから、どうしてこのように無理やり開校させるのか私には理解できません。保護者の方などからも不満の声が出されていますが、当然です。
 久留米特別支援学校の移転統合は、新しい校舎を整備してから行うのが自然だと思いますし、児童生徒への負担も少ないと思いますが、なぜ移転してからの校舎の改修、改築となっているのか伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 久留米特別支援学校の在籍者数は、本年5月1日現在、13名と非常に少なくなっており、学力向上や社会性の育成等のための適正な学習集団の確保が難しい状況にございます。一方、肢体不自由特別支援学校である光明特別支援学校におきましても、進学などを目指す児童生徒に対して適正な学習集団による教科指導の充実が求められております。
 こうした状況は、東京都特別支援教育推進計画第3次実施計画策定当時と変わっていないことから、同計画に基づき、平成29年度に光明学園特別支援学校を開設することといたしました。光明学園特別支援学校の開設に当たりましては、既存校舎の改修等により、病弱教育部門の受け入れのための環境を整えてまいります。

○里吉委員 校舎が完成していなくても病弱教育部門が移転してくる理由として挙げられた、病弱教育部門の児童生徒が少なくなって学力向上や社会性の育成などのための適正な学習集団の確保が難しいですとか、肢体不自由の部門で進学を目指す児童生徒の適正な学習集団の確保が必要だ、だから、引っ越してくるんだという説明をされましたけれども、これはどこの判断なのでしょうか。少なくとも学校現場や保護者からはそのような要望は出ていないと思いますが、伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 肢体不自由教育部門と病弱教育部門を併置する光明学園特別支援学校の開設は、平成22年11月に策定した東京都特別支援教育推進計画第3次実施計画に基づくものであり、本計画は東京都教育委員会において決定したものでございます。
 本計画は、学校長からの意見も聞きながら、現場の実情を踏まえて検討を進めるとともに、計画の骨子案について説明会やパブリックコメントを実施し、保護者も含め、広く都民の意見を伺って策定したものでございます。

○里吉委員 第3次計画で決めたというお答えでした。この東京都特別支援教育推進計画第3次計画に対しては、パブリックコメントとアンケートで、この年、376人の方から611件の意見が出されております。抜本的見直しを求めるものも多かったではないですか。
 9月半ばにパブリックコメントが行われ、11月には決定しているわけで、その間、1カ月ちょっとしかありません。寄せられた意見を取り入れたかどうかも、計画の公表のときまで都民は知ることができませんでした。実際にできた計画は、寄せられた意見を踏まえたものといえるのか大変疑問です。結局、都教育委員会が決めたわけです。
 障害種別の違う学校を併置することについても、PTAからは、当時から、併置になってメリットは感じないばかりか不安と不満でいっぱいだという声が寄せられていました。学校現場からも、保護者からも、併置を求める声が出ていたわけではありません。都教育委員会が第3次計画に盛り込んだことに見直しを求める声もたくさんあったのに、その意見は聞きおくだけで決定したということではないでしょうか。
 病弱教育部門でも肢体不自由教育部門でも、児童生徒が少ないための解決が必要な課題があるという説明をさっきされましたけれども、具体的にはどのような問題なのか改めて伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 病弱教育部門である久留米特別支援学校では、小学校、中学校、高等学校に準ずる教育課程に基づく指導が行われておりますが、その在籍者は、本年5月1日現在で小学部から高等部までを合わせても13名で、在籍者が皆無の学年もあるなど、極めて少なくなっております。
 また、肢体不自由教育部門におきましても、準ずる教育課程の対象となる児童生徒の人数が同様に少ない状況にございます。このため、児童生徒が集団の中で切磋琢磨しながら学力の向上や社会性を育むことが難しいといった課題がございます。

○里吉委員 現在の人数では、集団の中で切磋琢磨しながら学力の向上や社会性を育むことが難しいというお答えでした。久留米に通っている病弱教育部門の子供たちにとって、自然豊かな現在の久留米特別支援学校の場所で学ぶことをやめて、もっと大きい集団で学ぶことがそれほど重要なこと、解決しなければならない課題でしょうか。島しょや地方に行けば、少人数でもすばらしい教育をしている学校はたくさんあります。全く理由になっていません。
 しかも、保護者の方に伺いますと、我が子が病弱であっても、久留米特別支援学校の存在は知らなかったし、なかなか教えてもらえなかった。手続など転校のハードルも高かった。でも、地域の小中学校に在籍していたときにはペースについていけず休みがちだったのが、久留米に転校して見違えるように楽しい学校生活を送れるようになった。久留米の存在を知らせれば、そういう生徒児童、たくさんニーズはある。こういう声が寄せられているんです。13名が少ないというのであれば、こういうニーズに応える努力こそするべきではないでしょうか。
 もう一度いいますが、これから最低でも6年間ずっと、新校舎の建設、現在の校舎を2期に分けて、計3期にわたって3分の1ずつ改築する。子供たちが学ぶ環境としてこれは本当に良好とはいえない。3分の1の学校を改築している間、残りの3分の2に現在の子たちがぎゅっと詰まって、それをずっと繰り返しながら6年間以上学ぶわけですよね。そんなことをしなくても、病弱教育部門の子供たちには現在通っている久留米の校舎があるわけですから、本当にそんなに急いで来る必要があるのか、ここが本当に疑問なんですね。
 改めて伺いますけれども、2017年度の開校には、まだ新しい校舎は一つもできていませんから、現在の光明特別支援学校内で病弱教育部門の児童生徒も学ぶことになると思いますが、それでよろしいでしょうか。確認します。

○松川特別支援教育推進担当部長 今年度から病弱教育部門の児童生徒を受け入れるための教室等の改修工事を行っており、平成29年度の開校時には、現在の光明特別支援学校内で病弱教育部門の児童生徒も学ぶこととしております。

○里吉委員 開校前に改修工事を行うというお答えですから、現在の肢体不自由教育部門の子供たちが学んでいる、今ある光明特別支援学校の、学校の中を改修して、病弱教育部門の子供たちも一緒に学ぶと。単純に考えれば、その分、詰め込まれるといえるのではないかと思います。
 旧梅ケ丘病院跡地の一部に新規建設するわけですから、新規校舎が完成したら、まず肢体不自由の子供たちを半分移して、現在の光明特別支援学校の校舎の1期目の工事を行う。1期目が完成したら、そこにもう半分の子供たちを移して、2期目の工事を行う。全体が完成した後に、初めて病弱教育部門の子供が移転してくるというやり方もあるのではないでしょうか。
 肢体不自由の子供たちにとっては、学校で授業を受けている横で工事を行うことになりますが、スペースの余裕もできますし、現在の計画よりは子供たちへの影響は格段少なくなると思います。今、久留米の学校は、本当に病弱の子供たちが楽しく学んでいる環境ですから、ここで工事が完成するまで学ばせてあげるべきだと思います。
 ここで、病弱で久留米に通っている高校生が、ある集会で行ったスピーチの一部を紹介します。
 皆さんは病気になって今の学校へ入学されたと思います。病気になってつらいことしかなかったという方も少なくありません。私もその一人で、何で自分は病気になったんだろう、いっそ、自分なんかいなくなってしまえばいい、そんなふうに思うときもありました。
 ですが、たどり着いた答えが、今の自分の居場所です。病気にならなければ、もっと普通の人生を歩めたかもしれない。だけど、今の自分にとって病気はありがたく思います。
 なぜなら、病気じゃなかったら久留米にはいなかったからです。病気でよかったなんていったら、何いってんだって思われるかもしれません。でも、自分の病気のおかげで久留米で楽しく過ごしているし、今の私がいる。病気じゃなかったら、こういった体験はありません。
 病気になったそのこと自体は幸せでないのかもしれない。だけど、そこからどうはい上がるかで、自分の生き方を変えることができる。かかわり方が変わる。人とのかかわり方が変わる。普通の人生じゃ味わえない経験が、病気には含まれているのだと私は思います。
 こういって、今、久留米で本当に元気に、病弱の子ですけれども、毎日学習をしているわけです。こういう子供たちから学校を奪わないでほしいと思いますし、こういう環境があるわけですから、改築が全部終わるまで、ぜひ、今、久留米で学んでいる病弱の子供たちは、その場所で学ばせてあげていただきたいということを強く要望しておきます。
 この問題の最後に、寄宿舎の問題について伺っていきたいと思います。
 この改築工事にあわせて、併置にあわせて、来年4月から光明特別支援学校の寄宿舎が工事に入るため、その間、寄宿生は久我山青光学園の寄宿舎で生活することになると伺っています。対象となるのは何人の見込みか伺います。 ○松川特別支援教育推進担当部長 現在、光明特別支援学校の寄宿舎生は7名であり、うち5名は高等部3年生で、今年度末に卒業する見込みでございます。先日、光明特別支援学校において平成28年度寄宿舎入舎募集を行いましたところ、現在入舎している2名から申し込みがあったと聞いております。このため、来年度、久我山青光学園の寄宿舎を利用する可能性のある児童生徒は2名程度になると見込んでおります。

○里吉委員 卒業生以外の現在の舎生2名が申し込んでいるということで、久我山青光学園の寄宿舎利用は2名程度との答弁でした。
 寄宿舎の入舎基準が厳しくなって、申し込みもだんだん減っているのではないかと大変気になっていますが、城北特別支援学校の寄宿舎が廃止され、肢体不自由児の寄宿舎は、今、光明特別支援学校だけとなりました。そのときに、通学困難者については、転校または学区外の入学を認め、必要な場合は必ず寄宿舎で受け入れるよう、我が党の畔上委員が質疑を行いました。そのとき都は、同一の障害部門の寄宿舎を設置する他の特別支援学校への転学についても一つの選択肢として検討すると答弁し、実際に転校して光明の寄宿舎に入ったお子さんもいらっしゃったと伺っています。久我山青光学園の寄宿舎に1年通うことにはなりますが、必要な児童生徒が寄宿舎へきちんと入舎できるように情報発信を行い、本人や家族の希望に沿った対応を行うよう求めます。
 次に、光明の寄宿生が学校と寄宿舎の移動--ちょっと離れているわけですね、登下校するとき、これはどのように行うのか。また、久我山青光学園の寄宿舎では形態食の食事がないと聞いておりますけれども、対象の児童生徒がいた場合はどう対応するのか、あわせて伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 寄宿舎からの通学につきましては、スクールバスや福祉タクシーなどの通学手段を確保する予定であり、現在、来年度の通学方法について光明特別支援学校と協議しております。児童生徒の負担に配慮した上で、障害の特性や交通事情なども考慮して、適切な交通手段を確保してまいります。
 寄宿舎における食事の提供につきましては、形態食の提供が必要な児童生徒が入舎する場合も想定し、現在、調理業務委託の契約内容の見直しや必要となる物品の手配など、今後の対応策について検討を進めております。

○里吉委員 今まで学校のすぐ近くの寄宿舎だったわけですから、移動するだけでも体の負担が大きいと思います。児童生徒の状況に配慮した対応をしていただきたいと思います。
 最後に、私は今でも病弱教育部門は久留米に残すべきだと考えています。知的障害者部門と久留米で併置という選択肢もあると思います。工事が続く中で学校生活6年間も送らせるということは、病弱の子にとっても肢体不自由の子にとっても、学校現場としてこういう環境をわざわざつくる、こういうことは本当に私は許せません。
 改めて、久留米特別支援学校の病弱部門の移転は取りやめ、今の久留米の場所で存続させること、少なくとも改築など全ての工事が終わってからの移転とすること、移転や工事に伴い、肢体不自由の子も病弱の子も学校や寄宿舎への受け入れを縮小することのないよう強く要望して、質問を終わります。

このページの▲
トップに戻る 


文教委員会速記録第17号

2017年11月27日(金曜日)

◆東京方式中学校英語科少人数・習熟度別指導に関する陳情について 

○里吉委員 それでは、請願27第7号、東京方式中学校英語科少人数・習熟度別指導に関する請願についてお伺いしてまいります。
 この請願は、来年度から実施される中学校英語少人数指導について、2つの学級を3つに分ける2学級3展開だけでなく、1つの学級を2つに分ける1学級2展開の少人数指導の道を開くことを求めたものです。
 そこでまず、基本的なことからお伺いいたします。
 少人数指導を行うためには先生の人数が多く必要になるわけですが、都教育委員会は、国の加配定数を利用して、学校からの申請に基づき教員の加配を行っていると思いますが、現在、中学校への教員加配にはどのようなものがありますか。教科別、それぞれ何人を何校に加配しているのか伺います。

○江藤人事部長 平成27年度に習熟度別指導を実施するに当たり、英語は348人を347校に、数学は498人を498校に、理科は76人を76校に加配しております。

○里吉委員 都内の中学校数は621校ですから、英語の場合は347校、来年度も20数名ふやす予定と伺っておりますので、半分強の学校に1人ずつ加配を行っているということです。  これらの加配は昨年までも行われており、都教育委員会は1学級を2人の先生で教えるチームティーチングにも少人数指導の加配を行ってきました。
 しかし、今回示されているこの東京方式では、基本的にチームティーチングではなく、少人数、習熟度別授業を行うこととしております。なぜ少人数、習熟度別に限定しているのか、その理由を伺います。

○伊東指導部長 中学校英語科の指導におきまして、聞く、話す、読む、書くなどのコミュニケーション能力を総合的に育成するためには、生徒一人一人が実際に英語を使用して活動する機会を十分に確保することが重要でございます。
 こうしたことから、チームティーチングよりも、少人数学習集団による指導が有効であると考えております。

○里吉委員 学習集団を小さくすることが有効だとのことでした。その学習集団を小さくする場合に、今回の東京方式では、基本的に2学級3展開にすることになっていることから、学校現場ではさまざまな難しい問題が生じていて、今回の請願につながっているわけです。
 同じ少人数でも、1学級2展開だったら、よりきめ細かく効果的な学習ができる場合も少なくないと思います。2学級3展開する学校や学年があってもいいけれども、1学級2展開も認めてほしいというのが今回の請願です。
 この会には中学校の英語の先生もたくさん加わっていらっしゃるとのことで、また、1学級2展開も認めてほしいというのは校長会などからも要望を承っておりますので、学校現場の共通の願いなのだと感じております。
 お話を伺いますと、特定の授業だけ学級のまとまりを崩す2学級3展開では、安心して学習に取り組める学習集団を成り立たせ、また、学習効果を上げようと先生方は努力するわけですが、本当に大変な困難と苦労が伴うとのことでした。
 例えば、学校には当然課題を抱える生徒もおりますし、場合によってはいじめなどの人間関係も大変複雑な場合もあります。毎年のクラス編制では、先生方は、学力の平均化はもちろん、そうした生徒のさまざまな状況に配慮して、考えに考え抜いてクラス編制を行って、行事などでクラスの団結を図るなどして、生徒が気持ちよく勉強でき、また成長できる学級づくりに心を砕いているそうです。
 ところが、習熟度別の2学級3展開の場合、主に学力のみを基準にして学習グループをつくらなければいけないので、その集団が崩れてしまうという弊害があるとのことです。このことに対する都教育委員会の認識を伺います。

○伊東指導部長 都教育委員会は、少人数、習熟度別指導を実施するための学習集団を編制するに当たりましては、各学校において、教員が生徒それぞれの人間関係を的確に把握するとともに、生徒本人への面談や家庭との連携などにより、適切に決定するよう指導しております。

○里吉委員 人間関係を把握して編制するように指導しているということで、都教育委員会の皆さんも、思春期の中学生の複雑な人間関係への配慮が必要なことは認識していらっしゃるんだと思います。
 実際、都教育委員会がつくっているこの東京方式を進めるに当たってガイドラインをつくっていらっしゃいますが、この中にグループの編制が4つ載っていました。そのうち3つまでは、生徒同士の人間関係上の課題等を考慮しつつ編制する方式というふうになっています。そう書いてあります。
 残りの一つは学力だけを基準に分けるやり方で、4つのやり方が載っておりました。
 現場の先生にお伺いしたところ、既に人間関係に配慮して編制されている1学級を2つに分ける方が、2学級を3つに組み合わせ直すよりはるかにやりやすいし、うまく分けることができるとのことでした。これは普通に考えてもそうだろうと思います。だとしたら、やはり1学級2展開も都教育委員会として認めていくべきではないでしょうか。
 また、英語の授業だけ2学級3展開の学習グループで、一から人間関係をつくらなければならないことが、都教育委員会が重視している実際に英語を使ってコミュニケーションする量をふやすことも難しくするんだというお話も現場の先生から伺いました。
 英語学習は翻訳マシンではありませんから、感情と切り離して言葉を発することはできません。生徒同士がペアで、またグループで話す場合も、違う学級の知らない相手同士ではなかなか言葉が出てこないそうです。特に学年3学級の場合は、2学級3展開の学級の組み合わせと1学級2展開の組み合わせを入れかえたりして、何回も組分けをすることが多いそうです。そうなると、さらに大変だというお話を伺いました。
 1学級2展開なら、既にさまざまな学級活動を通じて知り合った者同士なので、そこがスムーズに進みやすい、こういうお話でした。
 また、習熟度別授業で学力差のみに着目してグループ分けをすると、一瞬効果が上がる場合もあるとは思いますが、長期的に見ると必ずしもそうではないというのは大学の先生の研究結果などでも示されておりますが、現場の先生の経験でも、やはりそうだということなんですね。
 習熟度別グループを分けた場合、上中下という言葉は余り使いたくありませんが、勉強がおくれているクラスの場合、小さな充実感はあるが、劣等感を持ちやすい。やんちゃな子が集まって、席に座りなさいとか、教科書を出しなさいとか、生活指導だけで時間が過ぎてしまうこともあると。
 また、じっくり教えたいと思っても、進度をそろえなければいけないので難しい。こういうお話でした。真ん中のグループでは、自分もあんなふうに話せるようになりたいというモデルとなる生徒がなかなか存在しないので目標を持ちにくい。英語の得意なグループは他人よりぬきんでようという意識が強くなって、自分の力を他人のために使おうとする姿勢が弱くなりがちであるというお話も伺いました。
 このようなことを聞いて、東京都教育委員会は、この心配の声をどのように認識しているのか伺います。

○伊東指導部長 学習集団が編制される場合には、一般的に生活指導が大変な生徒や、リーダー性を持たない生徒ばかりが習熟の遅いコースに集まったりしているわけではございません。
 また、習熟の遅いコースにつきましては、指導力の高い教員を配置するなど、適材適所の対応を行っております。
 いずれにいたしましても、各学校におきましては、生徒一人一人の習熟の程度や生徒が直面する課題に寄り添い、丁寧な指導を展開しております。

○里吉委員 もちろん先生は頑張って教えていらっしゃると思います。生徒の習熟の程度や、生徒が直面する課題に寄り添って丁寧な指導をやっていると思います。
 でも、それであっても、今起きている学力差のみのグループ分けにはこうした懸念があることは否定できないわけですね。そもそも学校は、さまざまな子供たちが通っていて、どんな生徒でも受け入れて、その成長と発達を保障するために頑張っているところです。
 その中で、生徒同士の学力向上や人間的な成長を最も図ることができると思われる学級編制、集団づくりに先生方は心を砕いているわけです。学びというのは先生から教えてもらうというだけではなくて、仲間からの学びが一番大きいといいます。2学級3展開の習熟度別編制にこだわるのではなく、1学級2展開も含め、生徒の状況に合わせて、学校の判断で一番適切な形態の学習集団を編制しての少人数指導が望ましいのではないかと考えます。
 また、請願者の皆さんは、2学級3展開では、1グループが22人とか27人になってしまって、少人数とはいえないと。1学級2展開なら1グループが15人に近づくので、英語教育に有効だとおっしゃっております。確かに、15人の方が実際に英語を使う、先生と会話する機会もふやせることは明らかです。
 そこで、改めてお伺いしますが、1学級2展開ではなく、2学級3展開を基本としたのはなぜなのか伺います。

○伊東指導部長 中学校英語科の指導において1学級2展開を実施いたしますと、年間授業時数や学級数等の関係から、時間割りの編成や教室の確保が困難になる場合がございます。
 そのため、都教育委員会は、少人数、習熟度別指導に係る教員の加配に当たりましては、加配した学校の全ての学年で少人数、習熟度別指導を実施し、生徒一人一人の習熟に応じた指導が可能となるよう2学級3展開を基本としております。

○里吉委員 今のお答えを伺いますと、1学級2展開にしなかったのは、加配の人数もあると思いますが、教室の数など、物理的な理由によるものということですね。これは確認したいと思います。
 私は、都教育委員会が今おっしゃった物理的な理由は、学校の工夫、裁量でどうにでもなると思います。そもそも1学級2展開が2学級3展開より時間割りなどの制約が大きいというのは、本当にそうなのだろうかと疑問にも思いますし、例えば週4時間の英語のうち2時間は一斉授業で文法などの学習、2時間は1学級2展開にして実際の英語を話す活動をするなども考えられると思いますし、学校の裁量で一番効果的だと考えられるやり方をすればよいことだと思います。  ほかにも、学校の先生からお話を聞きましたら、2学級3展開を続けると、学級担任なのに、自分が担任する生徒の中に1年間ほとんど教えることのない生徒が出てしまうというお話、担任としてその生徒のことをよく知った上での的確な生活指導が難しくなり、大変つらいというお話も伺いました。
 また、そもそも2学級3展開だと、同じ教材が同時に3つ必要になるが、3つ買う予算もなく、教材が用意できないまま授業を行わざるを得ないという実態もあると伺いました。
 現場の先生方は、目の前の生徒たちの状況や、これらさまざまな状況や条件を総合的に考えて、どうすればよりよい教育ができるか判断しております。現場で英語を教えている教員の方々から出された声に応えて、1学級2展開も行えるようにすべきと考えます。もっと柔軟に対応していただきたいと考えますが、見解を伺います。

○伊東指導部長 先ほどもお答えいたしましたけれども、都教育委員会は、少人数、習熟度別指導に係る加配に当たりましては、加配した学校の全ての学年で少人数、習熟度別指導を実施し、生徒一人一人の習熟に応じた指導が可能となるよう、2学級3展開を基本としております。

○里吉委員 同じ答弁の繰り返しをされましたけれども、私、今の答弁は説得力ないと思いますよ。困難とおっしゃいますけれども、学校が加配を提案するわけですから、工夫してこうやりますといえば、当然認めるべきだと思います。
 子供たちに直接向き合う先生が、その子供たちに合った教育を考えて実践し、子供たちの学力向上や人間的成長を支えていく、それが学校の役割です。その条件を整備し、後押しするのが都教育委員会の役割ではありませんか。
 この英語の東京方式のガイドラインは、先生方の意見も反映させてつくられたともお伺いいたしました。だとしたら、それをもう一歩進めて、少人数の学習集団のつくり方も1学級2展開も含めて柔軟に認めていくことを強く要望し、この請願は採択を主張して質問を終わります。

○里吉委員 陳情27第35号の2について一言意見を申し上げます。
 この陳情は、ヘイトスピーチを許さないという意識改革を学校教育で取り組むよう、国に意見書を提出することを求めております。
 ヘイトスピーチへの対応については、都議会としても外国人の人権が十分尊重されることを求める意見書を提出しております。特定の民族や国籍の人々を排斥する民族差別をあおるヘイトスピーチは断じて許されない行為です。都教育委員会としても人権教育を行っている旨のご説明がありましたが、この問題の根本にある人種差別につながる偏見を根絶することが大切です。
 学校教育の中で、世界にはさまざまな国があること、人種や宗教があること、その多様性について理解を進めることが大切だと考えます。オリンピック憲章でも、人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別を禁じており、オリンピック教育の一環としても取り組むべき課題です。
 以上から陳情は趣旨採択とすることを求め、意見といたします。

◆夜間定時制校の給食についての陳情について 

○里吉委員 それでは、私からも質疑を行っていきたいと思いますが、まず、夜間定時制の給食について伺ってまいります。
 定時制高校の給食はさまざまな理由から喫食率が低下しているとご説明がありましたが、かつては全ての学校で自校方式で、デザートに至るまで手づくりだったこともありました。それが効率化の名のもとに、グループ方式や外部委託方式に変わってきたことも私は影響しているのではないかと考えます。
 そこでまず、現在の定時制高校の給食は、その学校で調理する単独方式やグループ方式、外部調理方式などがあると思いますが、それぞれ何校あるのか、また、生徒全体の喫食率はどのように推移しているのか伺います。

○早川都立学校教育部長 都教育委員会は、定時制高校における勤労青少年の在籍割合の低下や生徒のライフスタイルの多様化等を踏まえ、調理方式を見直すとともに、衛生管理の徹底と、鮮度や味覚の保持にも努め、給食の提供を適切に行っております。
 定時制高校のうち、自校内の給食室で調理を行い、自校の生徒のみに提供する単独方式の学校は19校でございます。
 また、自校内で調理した給食を他校にも提供するグループ方式の学校は、調理を担当する学校15校と、他校で調理された給食が提供される学校20校、合わせて35校でございます。
 調理業務委託業者の施設で調理された給食が配送される外部調理方式の学校は1校でございます。
 喫食率の推移でございますが、平成22年度は30・2%、平成26年度は26・4%で3・8ポイントの減であり、年々低下しております。

○里吉委員 さまざまな理由から喫食率が年々微減しているということですが、給食の調理方式ごとの喫食率は特に調査していないということで、それはわからないということなんですが、この年々減っているという喫食率を引き上げるための取り組みを進めるべきだと思います。
 定時制高校に通う生徒は、家庭環境など、さまざまな問題を抱えている生徒も少なくありません。今、子供の貧困が社会問題となっていますが、小中学生の中でも学校給食だけがまともな食事という子供たちに対して、栄養のあるおいしい食事を無料で、もしくは安価で提供する子供食堂の取り組みも広がっております。
 定時制高校生の中にも、同じような貧困など困難を抱えた生徒が一定数おります。そういう生徒に給食を食べてもらうための取り組みをぜひ進めていただきたいと思います。  私が幾つか入学式や卒業式でお伺いした定時制高校の校長先生からは、まとめての支払いが困難で給食を申し込まない生徒も多い、こういう話も伺っております。
 現在の生徒の負担は1食当たり幾らになるのか、この数年で値上がりはしているのかどうか、また、給食費の補助は1食当たり幾らなのか、金額はこの数年で変化しているのか、あわせて伺います。

○早川都立学校教育部長 都教育委員会では、都立学校給食事務の手引を定め、給食費の徴収回数の設定に関して、保護者等に過度な負担がかからないことに留意するよう各学校に指示しております。
 給食費は、それぞれの地域において学校給食にふさわしい食材の調達に必要な経費をもとに各学校が決定しており、平成26年度における給食費の平均単価は1食当たり約383円、前年度の約373円に比べ、およそ10円の増でございます。
 勤労青少年の定時制課程への就学を促進し、教育の機会均等を保障するため、有職者、求職中の者等を対象に、給食費のうち1食当たり60円を補助しており、補助額は平成18年度以降、同額でございます。

○里吉委員 補助率は10年間ほど変わっていないということで、1食当たり平均383円ですと、20日間給食があるとすると、1カ月で7660円、60円の補助があっても6460円と、この1カ月ごとの徴収にしたとしても、まとめて支払うことがきつい、こういうお話を伺ってきました。
 さらに、一度払ってしまうと、食べなくても一度払った代金は戻ってこないということを考えますと、それだったらカップ麺やコンビニのお弁当などを買って食べようと、毎食お金を出してその都度食べようということで、そういう生徒がふえてくるわけですね。
 これが毎食ということですと、本当に栄養的にも心配です。ここを生徒のライフスタイルの多様性で仕方ないと見るのではなく、育ち盛りの生徒の体をつくる給食を食べてもらうにはどうしたらいいか、ぜひ考えていただきたいと思います。
 改めて小中学校の就学援助のように、一定の所得以下の家庭については給食費免除、または減額するなどの対策も必要だと思います。国においては昨年から給付制の奨学金が始まりました。これが低所得のお宅に出るわけです。今、第1子の場合は給付額が3万7400円、大学生など兄弟がいる第2子は12万6000円と格差があって、第1子、第2子とも同じ金額に引き上げるべきだという議論もあって、これは文部科学省も来年度予算概要で要求しております。
 こういうものも引き上げて、給付制奨学金なども使って、ぜひこういう制度も活用して、東京都としても、お金がなくて給食が食べられない、こういう生徒がいなくなるように努力していただきたいということを要望しておきます。
 少なくとも陳情にありますように給食制度、給食費補助制度の堅持及び給食の安全性を確保していただきたいということを強く求めておきます。 

◆全日制・夜間定時制の併置校におけるスクールカウンセラーの拡充を求める陳情、夜間定時制専用スペースを求める陳情について

 次に、定時制高校へのスクールカウンセラーの配置、相談日数について伺います。
 これは先ほど質問がありましたので、重なる部分は割愛させていただきますが、全日制と夜間定時制高校を併設している高校において、スクールカウンセラーが定時制高校の課程の生徒から受けた相談件数、具体的にどれくらいあるのか、相談内容はどのようなものがあったのか伺います。

○伊東指導部長 全日制課程と夜間定時制課程を併置している都立高校42校におきまして、スクールカウンセラーが平成27年4月から9月までに定時制課程の生徒から受けた相談件数の合計は846件、1校当たりの平均相談件数は約20・1件でございます。
 また、平成26年度からは、いじめの未然防止や早期発見などを目的としまして、第1学年に在籍する全ての生徒を対象に面接を実施しております。
 生徒からの相談内容につきましては、友人関係に関すること、進路希望と成績に関すること、学業と仕事の両立に関することなど、さまざまでございます。

○里吉委員 特に仕事と学業の両立にかかわることなどの相談というのは、定時制高校に通う生徒独特の本当に悩みだと思うんですけれども、この件数を見ますと、やっぱり、本来、1日きちんといれば、もっと相談に乗ってあげられるんじゃないかなというふうに思います。
 また学校では、こうした問題に対して、スクールカウンセラーとともにスクールソーシャルワーカーも注目されておりまして、今幾つかの学校に試行で入れていると、定時制高校にも入れていると伺っております。
 今年度、都立学校においては、スクールソーシャルワーカーの活用をどのように行っているのか、目的について伺いたいと思います。

○伊東指導部長 スクールソーシャルワーカーの活用の目的は、学校だけでは解決が困難な福祉分野からの支援を必要とする問題に対応することでございます。

○里吉委員 スクールソーシャルワーカーの活用、学校だけで解決が困難な福祉分野の支援に必要な対応をしていただけるということで、定時制課程の生徒は、こういった対応も本当に必要だと思います。
 全日制課程の生徒に比べて、さまざまな問題を抱えている。家庭にも抱えていたり、本人も不登校を経験していたり、いじめられたことを経験していたりと、そういう生徒たちも多く、中退者も多いことを考えますと、全日制以上に、スクールソーシャルワーカーもそうですし、スクールカウンセラーも必要としている生徒が多いと考えます。
 この点については学校からも要望が多いのではないかと思いますが、伺います。

○伊東指導部長 定時制課程に限らず、小中学校を含めて多くの学校から、スクールカウンセラーをより効果的に活用できるようにするために、スクールカウンセラーの常駐や、さらなる資質、能力を向上させるための方策など、さまざまな要望を受けております。

○里吉委員 さまざまな要望があって、都教育委員会としても前向きに検討しているということですから、ぜひスクールカウンセラーのさらなる配置、そしてスクールソーシャルワーカーも含めて、その配置を要望したいと思います。
 また、学校図書館については、意見を述べさせていただきますが、民間委託ではなく、正規の職員で定時制高校に司書を配置することを求めます。
 学校図書館法が改正されて、学校の図書館司書が法制化されました。この法律でいう学校司書は、学校設置者が雇用する職員であり、事業者が雇用して学校図書館に勤務する者は校長の指揮監督下にならないことから、学校司書に該当しないとされています。実際に業務委託導入校では、1年のうち学校司書が何人も入れかわるなどの事態も起きております。改正された学校図書館法にのっとった改善を求めます。
 その他の項目も、前年も含めてこれまで質疑してまいりましたが、毎年陳情が出てくるというその背景には、まだ改善の余地がある、もっと取り組んでほしいというご要望だと思います。
 定時制高校生にとって専用スペースの確保や、部活動のための施設などの整備は、学校生活を営む上で欠かせないと思います。さらに工夫し、改善していただくよう求めます。
 以上、陳情の全項目の趣旨採択を主張して質問を終わります。

このページの▲
トップに戻る 


文教委員会速記録第18号

2015年12月11日(金)

◆都の運営する体育施設の指定管理の指定について

○里吉委員 私からも指定管理者の問題についてお伺いしていきます。
 資料を用意していただきありがとうございました。東京辰巳国際水泳場は、今までのオーエンス、セントラルと都水協のグループだったものが、東京都スポーツ文化事業団を加えた理由についてお伺いしようと思いましたが、先ほどご回答がありましたので、オリンピック・パラリンピックに向けて調整を担うに適した団体として構成員に加えたということで理解いたしました。
 それと、同じこの東京辰巳国際水泳場に先ほど申し上げた都水協が入っていること、それから、有明テニスの森公園テニス施設の指定管理者にはテニス協会が入っていると、それぞれ競技関係団体が入っていると思いますが、その経緯についてまずお伺いいたします。

○田中スポーツ施設担当部長 東京辰巳国際水泳場及び有明テニスの森公園テニス施設の両施設は、それぞれ水泳及びテニスの国際大会の開催が可能な国内で最大級の施設でございます。
 そのため、国際大会や全国大会などの大規模大会の誘致や運営能力が求められております。
 また、両施設には、施設管理業務の一つである自主事業やスポーツ振興事業として、魅力あるイベントや教室の開催なども求められております。
 競技関係団体は、こうした競技大会やイベント等について専門的かつ豊富な知識や経験を有していることから、指定管理者の構成員となったものでございます。

○里吉委員 その一方で、東京体育館と東京武道館については、当初からティップネスという民間の企業が入っていますが、この理由について伺いたいと思います。

○田中スポーツ施設担当部長 東京体育館及び東京武道館の両施設については、平成18年度から指定管理者による施設運営を行っており、株式会社ティップネスは、構成団体の1団体として主にトレーニングルーム運営業務を担っております。
 トレーニングルームの運営に当たっては、当初の指定管理者選定時より、株式会社ティップネスからフィットネスクラブ運営の実績とノウハウを生かし、豊富なプログラムやトレーナーの設置、健康、体力相談などの提案がございました。
 指定管理者の構成団体は、指定管理者に応募しようとする者が必要に応じて任意に結成するものであり、東京体育館及び東京武道館につきましては、株式会社ティップネスの提案が、他の構成団体との間で相乗効果を生み出し高い計画内容となったことから、同社を含む指定管理者が選定されたものでございます。
 指定管理者制度の導入により施設利用の活性化が図られ、例えば東京体育館では、平成18年度に利用時間の延長をするなど、個人利用者のニーズに応じた創意工夫が図られてきました。

○里吉委員 我が党はこれまで、導入したときと5年前と2度にわたって、この質疑のときに、最初、ティップネスの自主事業のために、施設の大幅な改修、修繕を都の負担で行って優遇してきた経緯について、また、施設は1番収益の上がるところを担わせるなど、自主事業という名目で民間事業者のために公の施設を提供するというものではないかと指摘してまいりました。
 今回、しかも、エステサロンやリラクゼーションなど、本来の趣旨と異なることまで計画して、これらも含めて自主事業の利用料や費用、利益率は明らかにしないまま行わせようとしていることは問題ではないかと指摘したいと思います。
 それでお伺いしたいんですけれども、今回の指定管理者、今までと同様、スポーツ文化事業団とグループを組んでおりますが、先ほど指摘しました利益率、どれくらいティップネスがこの施設で利益を上げているのかなどについて、東京都はつかんでいるのか、つかむ仕組みはあるのか伺いたいと思います。

○田中スポーツ施設担当部長 指定管理者制度は、住民の福祉の増進を図るため、民間事業者の活力や費用対効果の向上などを目的に創設されたものでございます。
 このような制度の趣旨に基づき、各施設の指定管理業務については、指定管理者を構成する各団体別の収支等を管理するのではなく、指定管理者全体としてその収支や管理運営状況等について把握することによって、適正に管理を行うものとされております。
 なお、指定管理候補者から提出された収支計画につきましては、公認会計士を含む外部有識者等で構成される選定委員会において審査しており、適切な水準となっております。

○里吉委員 結局、表には出てこないわけですね。
 それから、前回の指定管理の指定のときの質疑でも、当時、いわゆる官製ワーキングプアが問題になっていて、職員の人員体制、ローテーション、非常勤の問題なども問いただしましたけれども、わかりませんでした。
 今回、事業計画書を私も見せていただきましたけれども、やはり白紙で何も書かれていない状態なので、改善されたかも1切わからないわけです。指定管理制度そのものが、こうした問題点を関係者から指摘されてきただけに、その改善が行われたかどうかということで、私たちは個別に判断していきたいと考えております。
 この問題では共通して、こうした課題を抱えている東京体育館と東京武道館については認められないということを申し上げて質問を終わります。

◆都立南花畑学園特別支援学校の契約について 

○里吉委員 第216号議案、都立南花畑学園特別支援学校(仮称)改築工事請負契約について意見を申し上げます。
 この学校は、現在隣接している城北特別支援学校と南花畑特別支援学校を1体のものとして大規模併置校として改築するものです。
 我が党はこれまで、大規模併置校で管理職や栄養職員などが削減されること、2つの学校の交流であれば、別々であっても隣接する学校同士で行えることなどから、大規模併置校にする必要はないと、特別支援学校の大規模併置校の設置に反対してまいりました。
 今回改築によって教室数がふえることなどは当然のことですし、評価いたしますが、1つ1つ別々の学校として改築すべきであり、この工事を進める契約案件には反対いたします。
 以上、意見といたします。

◆「日の丸・君が代」裁判について 

○里吉委員 それでは私からは、まず、本日報告のありました再雇用職員等の採用選考不合格等を理由とする損害賠償請求控訴事件に係る上告受理の申し立てについて質疑を行いたいと思います。
 ことし6月19日の文教委員会で、この裁判の高裁への控訴について、その承認について審議を行いました。
 我が党は、都が控訴する前の5月19日に都知事と教育長宛てに、日の丸・君が代にかかわる再雇用拒否裁判等の控訴、上告をしないことを求める申し入れを行い、この委員会でも、この専決処分は承認できない、都は直ちに控訴を取り下げ、原告に謝罪、賠償金を支払うべきと主張いたしました。
 まずお伺いいたしますが、この裁判にかかった費用は幾らでしょうか。また、6月に控訴して以降、昨日までにかかった費用は幾らか、あわせて伺います。 ○江藤人事部長 この訴訟は総務局が対応しております。
 訴訟の費用といたしましては、弁護士3名に訴訟を委任しておりますので、一審でその費用300万円、控訴審では、現時点で150万円を支出しているとのことでございます。

○里吉委員 これまでこの裁判だけで弁護士費用で450万円かかっているということです。  それでは、損害賠償額については5370万円と聞いておりますが、年5%の利息がついているなど、支払わなければならないのは損害賠償額だけではありません。
 今支払った場合、総額幾らになるのか、また、その金額は1年ごとに幾らふえるのか、お答えください。

○江藤人事部長 損害賠償額につきましては、原告一人一人の損害賠償額の計算の式や金額が異なること、また、現在訴訟中でもあることから、概算となりますが、12月11日時点で約7400万円でございます。また、1年間の利息につきましては、概算で約260万円となります。 

○里吉委員 お答えいただきましたように利子がついておりますので、長引かせて敗訴したら、さらに都民の税金を余計に使うことになります。
 また、同じような日の丸・君が代関連の裁判で、つい先日、12月4日に判決があった裁判は、ことし1月16日に地裁判決で26人の減給、停職処分が取り消されたうち、5名のみを都教育委員会が控訴したものでした。なぜ5名のみを控訴したのか、その理由を伺います。

○江藤人事部長 卒業式等での不起立に関する懲戒処分につきましては、平成24年1月の最高裁判決におきまして、過去の処分歴等に鑑み、当該処分を選択することの相当性を基礎づける具体的な事情が認められる場合には、減給処分等も許されるとの判断が示されました。
 ことし1月16日に減給処分を取り消した東京地裁判決につきまして、都教育委員会では、国旗掲揚等に反対する旨を表示したブラウスを着用して入学式に臨む、生徒に対して卒業式での不起立は個人の判断の問題であるといった趣旨の発言をするなどした5名の教員に関して、最高裁判決の示す具体的な事情が認められると判断し、控訴したものでございます。

○里吉委員 具体的な事情が認められるとして、26人のうち5人について控訴したわけですが、今のご答弁によれば、この5人の方は、卒業式などの国歌斉唱時にただ黙って座っていたというよりも、もう少し積極的に自分の考えを表明したという方々だと受け取れます。そうした方々であっても、減給や停職などの、より大きい処分はしてはいけないというのが12月4日の判決です。
 ましてや今回、報告事項となっている裁判の原告の皆さんは、国歌斉唱時に座っていただけで、再雇用拒否という面で大変大きな不利益をこうむっているのです。これが最高裁でも違法と判断されたのは当然だと思いますし、控訴しても原告の皆さんをいたずらに苦しめ、時間と都民の税金を無駄に使うだけだと思います。
 それでは伺いますが、6月の控訴から今回の判決まで、口頭弁論は何回行われたのでしょうか。新たな証拠調べは行われたのでしょうか。伺います。

○江藤人事部長 口頭弁論は1回でございます。証拠調べは行われておりません。

○里吉委員 それでは、今回の判決で前回と裁判所の評価や見解が変わった部分はどこか伺います。

○江藤人事部長 判決の判断理由につきましては、一部、原判決を修正、付加した上で、原判決の判断を引用しております。

○里吉委員 私も昨日急いでこれを取り寄せていただきまして読みましたけれども、新たな証拠調べも行われず、地裁と高裁とでは評価や見解が変わった部分もほとんどなかった、特になかったということです。
 判決を読みましたが、都教委の主張が約10ページ分にまとめられていました。しかし、それについて、その結果が控訴棄却です。判決は、再雇用拒否の都教委の判断は、定年退職者の生活保障と、知識、経験等の活用という再雇用制度の趣旨に反し、また国旗掲揚、国歌斉唱に関する10・23通達が発出される以前の再雇用制度等の運用実態とも大きく異なっていることから、法的保護の対象となる原告らの合理的な期待を大きく侵害しており、裁量権の逸脱、濫用に当たり、違法であるとしています。
 また、学習指導要領における国旗・国歌の扱いが、他の内容に比べ特段区別した位置づけが与えられているとは認められず、また君が代斉唱の職務命令が思想及び良心の自由についての間接的な制約となることは否定できず、その思想、信条等に従ってされた行為を理由に大きな不利益を課すことは、とりわけ慎重な考慮を要するべきと述べています。
 都と都教育委員会は判決を謙虚に受け入れ、原告に誠意を持って謝罪し、賠償金を支払うべきです。10・23通達を撤回し、日の丸・君が代を強制する一連のやり方を抜本的に改めることを強く求め、次の質問に移ります。 

◆都立高校改革新実施計画案―夜間定時制高校の廃止計画案について 

 次に、都立高校改革計画新実施計画案について伺います。
 ここでは、夜間定時制高校の廃止が示されましたが、立川高校定時制の廃止に反対する会が早速結成され、都議会に陳情が出され、一昨日の本会議でも文書表が配られました。
 そこでまず伺いますが、今回の廃止計画の対象が小山台高校、雪谷高校など4校となっている理由について伺います。

○出張教育改革推進担当部長 閉課程を行う予定の4校の夜間定時制課程は、東京都全体として夜間の定時制時間帯に必要な応募定員を確保することを前提に、交通機関の状況などを配慮して、全日制課程と定時制課程の併置を解消することを目的に選定いたしました。

○里吉委員 交通機関の状況を考慮して選定したということですが、例えば小山台高校、武蔵小山駅のすぐ駅前、立川高校も多摩地域の交通の要衝である立川駅から徒歩数分のところにあるなど、とても通学の便のよい学校なんですね。
 もし仮に夜間定時制を減らすことが是とされた場合であっても、より広範囲から通うことのできるこういう学校は残した方がいいという立地の学校だと思うんですね。
 交通機関の状況に配慮して4校が選ばれたということがちょっと理解できないんですけれども、交通機関の状況を配慮してとはどういうことなのか改めてご説明いただきたいと思います。 

○出張教育改革推進担当部長 ただいま申し上げましたように、4校の夜間定時制課程について、東京都全体としての夜間の時間帯に必要な応募定員を確保することを前提といたしまして、交通機関の状況を配慮しまして、全日制課程、定時制課程の併置校を解消するということでしております。

○里吉委員 併置校の夜間定時制をなくすというのが前提にあるということなんですけれども、何でこの4校の場所が選ばれたのかということについては、ちょっと今のでは合理的な説明ではないと私は思いますよ。こういうよくわからない理由でこの4校が名指しされて、廃止だけ決められるということではとても都民は納得できないと思います。
 次に、夜間定時制をなくすかわりに学級増を行う昼夜間定時制、チャレンジスクールがあります。本日資料も出していただきましたが、どの学校で何人ずつふやすのか示されました。
 この学校についても、7つがどうして選ばれたのか。また、それぞれの、4つの夜間定時制高校と学級増を行う昼夜間定時制、チャレンジスクール、どこがどの学校に対応するのか、お答えいただきたいと思います。 ○出張教育改革推進担当部長 学級増を行う予定のチャレンジスクールと昼夜間定時制高校は、夜間部の学校数が午前部、午後部よりも少なく、設置量や学校運営の改善、工夫により学級数を拡大できる高校の中から、施設規模や学校規模等を考慮して選定いたしました。
 夜間の時間帯の規模を拡大する予定のチャレンジスクールや昼夜間定時制高校と、閉課程する予定の夜間定時制課程は、同じ年度ごとに全体として必要な応募人員を確保し、適正に配置できるよう、学級数と募集停止を行う時期について検討し、決定してまいります。

○里吉委員 廃校予定の学校に来る生徒たちは、多分ここの昼夜間定時制なりチャレンジスクールなら通えるだろうから、ここに学級増しようという考え方ではないということでしょうか。もう一度お答えください。

○出張教育改革推進担当部長 ただいま申し上げましたように、東京都全体の学校の状況を見まして適正に配置していくということでございますので、チャレンジスクールと昼夜間定時制の学級数を拡大できる学校を選びまして、その施設、学校規模を考慮してつくりまして、その分につきまして夜間定時制課程を閉課程して、全体を通して必要な応募人員を確保し、適正に配置するということでしているところでございます。

○里吉委員 今繰り返しお答えいただきましたけれども、まず、夜間部の学級数が午前部、午後部よりも少ない。だから、夜間にもう一つ学級数をふやせる学校を選んだということですよね。
 その上で、東京全体で夜間定時制高校の廃止と、それから学級増の時期を合わせて、人数は合わせるというふうにしか聞こえませんでした。私は、この計画が出たときに、少なくとも都教委はクラスをふやす学校名も明らかにしていたので、主にこの夜間定時制高校に通っていた子が多い地域は、こちらの昼夜間と対応する学校を考えているのではないかと思ったんですが、そうではなかったということが明らかになりました。
 3部制の学校で、午前部と午後部が3クラス、夜間部は今2クラス、あとここには工夫すればもう1クラスふやせる。こういうところを選んで夜間の時間帯に必要な募集人数を確保するというだけではありませんか。夜間定時制に通おうとする子供のことなど全く、考えているとは到底思えません。
 目黒区の方からは、既に目黒区には夜間定時制がない、小山台高校は品川区と目黒区の境にあるので通っている子が大変多い、これがなくなったら本当に困る、こういう声が既に出されています。
 しかも、学級増をするという昼夜間定時制やチャレンジスクール、午前、午後、夜間の3部制の高校は、2011年の都立高校白書で、午後の部の生徒の欠席が多くなりがちな問題とともに、3部制であることで生活指導や学校行事、部活動など、統一して実施しにくいなどの問題も存在していますと、課題も指摘されているわけですね。こういうところにさらにクラスをふやすということだと思うんです。
 それでは伺いますが、新設するチャレンジスクールは2022年、2023年と開設年度がここには示されていますけれども、廃止する学校の募集停止は示されていません。それぞれ4校、募集停止は何年度を予定しているのか伺います。

○出張教育改革推進担当部長 都立高校改革推進計画新実施計画案の骨子では、チャレンジスクールの新設及び既存のチャレンジスクールと昼夜間定時制の規模の拡大と並行して、夜間定時制課程の閉課程を行うこととしております。
 規模の拡大によりふえる学級数と、募集停止により減る学級数との均衡を図る必要があるため、夜間定時制高校の募集停止の時期は、規模を拡大する時期とともに、今後検討してまいります。
 また決定後は、例年の募集人員の公表に合わせまして周知いたしまして、中学生の進路決定に支障のないよう配慮してまいります。

○里吉委員 今のご答弁ですと、特にいつ募集停止かは決まっていないということですが、基本的には募集停止の2年前に予告することになっています。最も早い場合は、来年の募集人員の公表に合わせて周知ということもあり得るということだと思います。
 先ほどのご答弁で、募集停止のこの学校のかわりはこの学校で学級増ということは決めていないというお話でしたが、そうはいっても、立川高校の定時制の場合は、通えそうな範囲で学級増を予定している学校は、お示ししていただいた表を見る限り、砂川と新しくつくる多摩地域のチャレンジスクールしかありません。
 もともと多摩地域は交通の便も余りよくありませんし、チャレンジスクールも、昼夜間定時制も、夜間定時制も少ないのですから、立川は考慮してしかるべきだと思いますが、2023年に新しく多摩地域のチャレンジスクールの開校が示されています。
 少なくとも立川定時制高校は2023年までは募集停止しないということでよろしいでしょうか。この一点だけ確認します。

○出張教育改革推進担当部長 先ほどお答えいたしましたように、規模の拡大によるふえる学級数と、募集停止による減る学級数の均衡を図るため、夜間定時制高校の募集停止の時期は、規模を拡大する時期とともに今後検討してまいりたいと考えております。

○里吉委員 多摩地域のチャレンジスクールは誰が見ても、ここと立川定時制高校がリンクしていると思うんですが、ここについても、多摩地域のチャレンジスクールが開校するまで立川の夜間定時制は廃校にしないと約束できないというのは、本当に、都民の立場に全く立っていないといわざるを得ません。
 それで私、ちょっといいたいんですけれども、そもそもこの地域は、以前の高校改革のとき0校以上あった夜間定時制が今39校までに減らされて、多くの都民の方がもうこれ以上は減らされないだろうと信じていたわけです。まさに寝耳に水です。
 八王子にあった富士森、南多摩、八王子工業、第2商業の4つの夜間定時制高校が廃止されて、八王子市から夜間定時制に通おうと思えば、もう立川高校しか残っていないのに、その立川高校まで廃止の対象というのは本当に信じられません。
 中学生の進路決定に支障のないように配慮するというご答弁でしたが、通学できるところに夜間定時制高校がなくなってしまうということをぜひ考えていただきたいと思います。
 それでは、立川高校にどういう地域の子が通っているのか、立川定時制高校の生徒の居住地別の人数を伺いたいと思います。 ○出張教育改革推進担当部長 立川高校定時制課程在籍生徒の居住地は、平成27年5月1日現在、全生徒301人のうち、立川市49人、八王子市47人、東大和市29人、武蔵村山市24人、昭島市20人などとなっております。

○里吉委員 地元の立川と同じくらい八王子からも通ってきているということですよね。私も八王子生まれ八王子育ちですので、よくわかるんですが、八王子は広いですから、八王子、駅まで出るのに30分、40分かかる地域もたくさんあるわけです。
 それで、ことしの初めに、文教委員会には八王子地区の定時制を再開してほしい、こんな請願まで出されたわけですよ。それなのに、ここをなくしてしまうというんですから、本当に理解できません。
 そして私は入試状況を調べてみましたけれども、立川高校定時制の場合、1次募集でこそ定員より応募者が少なくなっていますけれども、2次募集では、ことしは35人の募集に対して46人が応募で、応募倍率1・31倍です。昨年は25人募集のところ37人で1・48倍、1昨年は30人募集で62人の応募、2・07倍、2012年に至っては応募がたった1人、要するに1次で定員が埋まってしまったと。あと1人しか2次募では募集できなかったということです。応募が6人で6倍の倍率になったということでした。
 3月末にある夜間定時制の2次募集といえば、中学3年生にとっては本当に最後のとりでです。
 そこで応募倍率が1倍を超えて不合格者を出さざるを得ないのです。本当であれば、立川高校で学級増をして全員を受け入れるべきです。そういう学校だということなんです。どうしてこんなに人気のある立川高校が廃止の対象になるのかお答えください。

○出張教育改革推進担当部長 平成26年度実施の入学選抜では、夜間定時制高校を第1希望とする生徒は募集人員の半数にも満たない状況にあり、当初夜間定時制を希望する生徒については、募集枠は十分に確保されていることから、中学校段階で適切な進路指導を行うことにより現行の募集枠で受けられることが可能でございます。
 また、他校を不合格となった生徒については、夜間定時制高校はセーフティーネットとしての役割を果たしており、総体として募集枠は第2次募集以降も含めて十分に確保されております。
 都立高校改革推進計画新実施計画案の骨子では、チャレンジスクールの新設及び既存のチャレンジスクールと昼夜間定時制高校の規模の拡大と並行いたしまして夜間定時制の閉課程を行うこととしておりまして、引き続き夜間の時間帯の学習ニーズに応えることのできる募集枠を確保していく予定でございます。

○里吉委員 1次では半分ぐらいだったけれども、最後のセーフティーネットとして役割を果たせているというご答弁でしたけれども、全体としてはそういう状態かもしれないけれども、立川高校ではそうではないというお話を今させていただきました。
 立川高校が廃校になった場合、例えば現実的に考えれば、やっぱり砂川高校に行く子供たちが多いんじゃないかと思うんです。ここは30人定員をふやすということになっています。
 立川高校3クラス90人の1クラス分なんですが、ところが、ことしの砂川高校の入試倍率を見ますと、1次試験と同じ日の前期試験で、午前、午後、夜を合わせて定員120人に対して206人応募がある。1・72倍の応募だったんです。3月初旬の後期試験で31人の定員に90人の応募がありました。これでは定員を30人ふやしても、とても立川定時制をなくした子がこっちに移ってくるということはできないわけですよ。
 ですから、なぜこの立川という立地のいい場所、三多摩でここしか残っていないといわれている場所をなくすのかという説明を聞きたかったんですが、ご答弁はありませんでしたので、次に行きたいと思います。  次は、チャレンジスクールのことについてお伺いしたいと思います。
 チャレンジスクールについてお伺いしますけれども……    

〔「委員長、傍聴者の私語が多いよ」と呼ぶ者あり〕

○植木委員長 ご静粛に願います。

○里吉委員 先ほど私、紹介しましたけれども、都立高校白書では3部制についての課題が示されていました。これについて、解決はどのようになっているのか伺いたいと思います。

○出張教育改革推進担当部長 都立高校白書では、3部制の定時制高校では午後の部の生徒の生活リズムが乱れやすい問題や、3部制であることで生活指導を統一して実施しにくいなどの問題を指摘しております。
 このため、都立高校改革推進計画新実施計画案骨子では、ショートホームルームの設置及びその活用や、在籍する授業時間帯以外の科目のより柔軟な受講、教育相談体制の強化など、多様な生徒の個々の状況に合わせた教育環境の提供を行い、3部制の定時制高校の課題を解決することとしております。

○里吉委員 今のご説明の中に在籍する授業時間帯以外の科目の、より柔軟な受講で問題解決というお話でしたけれども、具体的にどのように問題解決できているのかお答えください。

○出張教育改革推進担当部長 午後部に在籍する生徒が、午前部の、より早い時間帯の科目を選択できるようにすることで、朝型の生活リズムになるなどの効果がございます。

○里吉委員 今お答えいただいたことも含めていろいろ努力されているということなんですけれども、3部制であることで生活指導を統一して指導することが実施しにくいという課題は、ショートホームルームの設定、活用、教育相談などで解決を図っていくということですよね。
 現に今、ショートホームルームや授業の一こまを使ってロングホームルームも行っていますが、実際に単位制の高校ですので、生徒が3部に分かれている選択科目もあるので、なかなかまとまらないということがあります。
 教員は、午前部、午後部に対応する時間勤務の先生と、午後部、夜間部に対応する先生がいます。3部で一体の学校ですけれども、生徒全体、教員全体が集まることが難しいわけです。職員会議も午前と夜間の間の時間しかないので、教員同士の情報共有も大変苦労していると思います。
 いろいろな課題解決のために取り組んでいることは大切だと思いますが、一つの施設に3部の子供たちが通っている、詰め込んでいるわけですから、矛盾は全定の2部の学校よりも多いし、今おっしゃったような対応では、結局、行事や部活がやりにくい、先生同士の情報の共有が難しいなどの問題は解決できていないわけです。そこに生徒をさらに詰め込むということは、私は認められません。
 夜間定時制高校についても課題があるというのなら、解決のために努力をしたらいいのではないでしょうか。これまで繰り返し都教委は生徒の施設利用や学習活動の時間的制約などの課題といってきましたけれども、全定併置校のこれまでの長い歴史の中で、施設の共有という制約は相互の努力で解決してきており、定時制を廃止する理由にはなりません。
 立川高校の卒業生や学校関係者からは、立川高校は最も全日制と定時制の施設利用や時間制約の問題が解消されている学校であり、廃止は許せないという声が上がっているわけです。
 そこで、改めて伺いますけれども、立川高校も含め、今名前が挙がっている4校、そして、今後、全定併置校の夜間定時制高校は全て廃止にしていくつもりなのかお答えください。

○出張教育改革推進担当部長 全定併置の形態を解消することについては、社会情勢や生徒の状況などを見きわめながら検討してまいります。

○里吉委員 昼夜間の3部制は問題解決のために取り組むけれども、夜間定時制の廃止は社会状況を見ながら検討するということで、そちらは改善のために努力をするというふうにはお答えにならない。廃止するということでもないということなんですけれども、答えが曖昧でした。
 夜間定時制高校は、それだけで定時制高校という一つの学校なんですね。クラスもあって、少人数できめ細かい教育ができるという特徴があります。さまざまな課題を抱えた子供たち、夜間中学校の卒業生や外国人や社会人など、多様な人たちがともに学ぶのが定時制高校です。3部制の高校の夜間と夜間定時制は全く異なる学校であり、3部制やチャレンジをふやしても、夜間定時制の受け皿にはならないわけです。
 先日、立川駅前で行われた立川高校定時制を潰さないでとの宣伝、署名行動は、50年前に卒業したOBの方から現役の高校生まで30人で行ったそうです。1時間で120筆の署名が集まったと伺いましたが、その後も続々と運動が広がっております。
 改めて、さまざまな困難を抱えた子供たちの学びの場である夜間定時制高校の廃止の撤回を強く求めて、次の質問に移ります。

◆東京都教育施策大綱について

 それでは次に、東京都教育施策大綱について伺っていきたいと思います。
 これまで都教委が作成してきた東京都教育ビジョンまたは知事の長期ビジョンや今回の東京都教育施策大綱は、共通して教育の人材育成の側面が前面に押し出されています。子供たち一人一人の人間としての成長を保障するという側面が弱いように感じ、それが私は大変気になっております。
 私はこの間、勉強する機会がありまして、非常に大切だと思ったことがあります。教育基本法は、1条の教育の目的に、人格の完成と平和で民主的な国家及び社会の形成者となる国民の育成を掲げています。人格の完成とは、その人一人一人のパーソナリティーをどう育てるか、個人の尊厳をどう確立するかということです。
 国家及び社会の形成者となるということは、人間は社会的な存在なので、ある意味当然ですし、大切なことです。両方がとても大切で、もし個人の尊厳が十分に保たれない状態で国家や社会の一員としての役割が強調された場合、それは人間として生きていくのが大変苦しいことになってしまうというお話でした。
 そういう意味で、私は人材育成などを全て否定するわけではありませんが、ある特定の方向性に合わせた人材となることが子供たちへの教育として突出して強調されるということに危惧を覚えます。
 やはり常に人格の完成、その子供一人一人が人間として個人の尊厳をどう確立するか。もちろんそれは他者や社会と切り離された存在ではなく、密接に関係した中で確立されていくわけですが、それを子供一人一人がつかみ取っていくことを教育の第1に位置づけてほしいというふうに願わずにはおられません。まず、そのことを強調しておきます。
 そして、国家や社会が、教育基本法にあるとおり、十分に平和で民主的で、個人の尊厳の保持と国家及び社会の形成者として頑張ることが矛盾しないときはよいが、そこにずれが生じたときに国家や社会を変えることができる、それが民主主義であるし、それをきちんと教えることが主権者教育ではないかと考えます。
 6月に公職選挙法が改正され、選挙権の年齢が18歳からになりました。教育施策大綱では重点事項のⅡの方針2で、18歳選挙権、主権者教育が挙げられています。
 そこでまず、教育施策大綱で教育的、政治的教養を育む主権者教育を充実するということが述べられておりますが、どのように取り組むのか伺います。

○伊東指導部長 都教育委員会は、これまで全ての都立高校を対象に主権者教育にかかわる国や都の生徒用資料や教員用資料を配布するとともに、管理職や公民科等の教員を対象とした説明会を開催しております。また、都選挙管理委員会と連携し、学校が模擬選挙等の体験学習を取り入れられるよう支援しております。
 こうした取り組みを通して、都立高校における主権者教育を充実してまいります。

○里吉委員 模擬選挙なども一つの方法だと思いますが、よく考えて行わないと、議会制民主主義や公職選挙法の制度解説にとどまってしまう可能性があると心配する声を聞きました。
 というのは、そもそも教える先生はもちろん、大人全体が主権者教育をほとんど受けずに大人になり有権者になっているので、何をどう教えたらよいか難しいというのです。
 確かに今の日本では、社会全体として政治的教養を育む土壌がありません。むしろ自分の政治的な意見を自由にいうのをはばかられる雰囲気すらあり、大人の社会も変えていかなければなりません。
 高校ではさまざまなやり方があると思いますが、例えば、政治や社会のリアルタイムな現実をきちんと知り、考えること、例えば生徒会が平和や人権について討論したり、生徒自身が興味を持っている社会的な問題について、部活や文化祭などで学習して発表したりすることも政治的教養を身につける上で重要だと思います。
 また私は、高校生が国家や社会の形成者として主体的に政治にかかわっていけるようにするためには、高校生を初めとする子供たちが、子供のころから自分たちの頭で考え、議論し、自分たちの力で学校などをよりよい方向に変えていくことができたという経験を積み重ねることが大切だと思います。
 その一つとして、例えば生徒会活動において、生徒の自主的な活動を保障することが生徒の政治的教養を育む上で重要なことの一つであると考えますが、見解を伺います。

○伊東指導部長 生徒会活動は、選挙の具体的な方法や民主主義の基本的なあり方を学ぶことができ、主権者教育の一環として活用することが可能でありますが、あくまで学校の教育活動でございます。
 国の通知では、生徒が本来の目的を逸脱し、教育活動の場を利用して選挙運動や政治的活動を行うことについては、学校の政治的中立性を確保するため禁止することが必要であるとされております。

○里吉委員 生徒会は民主主義の基本的なあり方を学ぶことができるとのご答弁でした。ぜひ生徒の自主性に基づく生徒会活動の活性化に取り組んでいただきたいと思います。
 生徒会が特定の政党への投票を呼びかける選挙活動などを行っていけないのは当然ですが、例えば生徒会で取り組むにふさわしくない問題であったとしても、ただ禁止してやめさせるだけでは、せっかくの高校生の主権者としての気持ちを抑えつけることになってしまいます。
 高校生には政治活動の自由があることをきちんと伝え、どうすれば生徒の取り組みたい気持ちを形にできるか助言などすることは重要な主権者教育なのではないかと考えます。
 また、学校の教育活動は政治的に中立なのは当然であり、教員が高校生に対し、みずからの政治的主張を押しつけることなく、生徒が広い視野を持ち、自分の頭で考えられるようにすることが大切です。
 しかしそれは、教員が自分の政治的意見を一切述べてはならないということではありません。この点で、都教委は学校や教員を萎縮させるようなことがあってはならないと思います。
 教員が自分の政治的意見はいうことができない、いったら問題になるという立場に立てば、生徒はやはり政治にはかかわらない方がよい、政治のことを話すのはやばいというメッセージを受け取ってしまうと思います。それは本来の主権者教育、政治的教養を身につけるということと相反すると考えます。
 18歳選挙権と主権者教育はこれからの課題です。高校生の知的好奇心や柔軟な思考力、純粋な正義感がよりよい日本の未来を切り開いていくことを期待して、次の問題に移ります。

◆都立小中高一貫校について 

 次は、都立小中高一貫校について伺ってまいります。
 東京都では、猪瀬前知事が2012年12月の就任直後の記者会見で都立小中高一貫校の設置について触れ、都教育委員会は2013年4月に都立小中高一貫教育校基本構想検討委員会を設置、同検討委員会は同年8月に中間のまとめを発表、2014年10月の第14回会議を最後に休止状態になっていましたが、その後、先月の13日に会議が開催され、26日に同検討委員会から都立小中高一貫教育校の設置に関する検討結果が発表されました。
 私は驚いたんですが、中間のまとめでは、科学技術分野において次代を担うすぐれた人材を育成することが科学技術立国である我が国の喫緊の課題だとして、理数系の小中高一貫校を設置するとしていました。教育課程を小学校1年生から4年生、5年生から中学校2年生、中学3年生から高校3年生の4、4、4の区切りで編成することも目玉になっていました。
 ところが、今回の検討結果では、経済や文化などで諸外国との間で熾烈な競争がある一方、日本経済が伸び悩み、世界における存在感が低下しているので、その状況を打開する人材を育成することが必要だとして、英語力の育成に重点を置いた学校にするとしています。中間のまとめと今回の検討結果では、重点を置く教育が理数教育から語学力と国際感覚に大きく変わったわけですが、その理由は何なのかお伺いいたします。

○出張教育改革推進担当部長 本検討委員会の中間まとめでは、理数教育を重視するとともに、世界の人々との意思疎通を図る能力を育てる観点から、特に英語教育も重視することとしております。
 今回の検討結果は、こうした中間まとめやグローバル人材の育成を重視する東京都長期ビジョンを踏まえ、英語教育をより重視した基本構想として報告したものでございます。

○里吉委員 中間のまとめでも英語を重視していたということですが、科学技術立国として理数系教育が必要だと、中心は理数系教育でした。それがたった2年で、経済や文化での国際競争を勝ち抜くために語学教育だということで、世界の中で日本の立ち位置や目指すべき方向の分析、重点を置く教育も全く変わってしまっていると、一体どうなっているんだろうというふうに思うわけです。
 そもそも子供たちへの教育は、小中高等学校だけで12年間、大学やその先も考えればもっと長期にわたります。子供たち一人一人を一人の人間として育て、社会の一員として主体性を持って生きていけるようにするために何が必要か、長期的で広い視野を持って考えるべきです。
 それが、わずか2年で全く違うものを出してくるということ自体、非常に目先のことにとらわれた短絡的なものだったのではないかなと思わざるを得ません。教育理念という根本がこんなにあっさり変わるというのは、何でもいいから(発言する者あり)小中高一貫校をつくりたいだけなのではないかといわれても仕方ないのではないでしょうか。

○植木委員長 お静かに願います。

○里吉委員 しかも、この検討結果は手続的にも疑問があるんですね。もともとこの都立小中高一貫教育校基本構想検討委員会には、学識経験者、保護者、学校長、区市町村教育委員会15名、教育庁関係者6名で構成された委員会で、中間のまとめもそのメンバーで出されていましたけれども、教育庁職員以外の委員の任期は昨年12月で切れて、今回の検討結果は先月13日に都庁の5人の方だけで会議を開いて、そこで決めてしまっています。
 中間のまとめと教育理念などが異なる最終報告を教育庁の職員5人の委員だけで決めて、委員会の討論結果とするのはちょっとおかしいのではないかと思いますが、見解を伺います。

○出張教育改革推進担当部長 都立小中高一貫教育校基本構想検討委員会では、平成25年8月の中間まとめの発表以降、引き続き外部委員を交えて9回にわたり議論を重ねてまいりました。  本検討結果は、こうした議論を十分踏まえて作成したものでございます。

○里吉委員 中間のまとめ以降の議事録は出ていなかったので、討論骨子が公開されていたので読ませていただきましたけれども、ちょっとそれを読んでもよくわからないんですね。どんな検討会や審議会の最終報告でも、中間のまとめをやった人数がちゃんといて、それが大幅に変わったのに、たった5人の、しかも行政の職員だけで成立させるというやり方はちょっと見当たらないんじゃないかなというふうに思うんです。
 報告書そのものに対して一人一人の委員が責任を持って判断して、了承してから出すべきだと思うんですね。今回の場合は内容が本当に大きく異なっておりますから、なおさら慎重に各委員の意見を聞くことが求められたはずだと思います。
 21人いた者が任期切れで、教育庁の職員5人だけ残っていること自体も、既に委員会の体をなしていないのではないかと思ってしまいます。議事録も、議事録というか、骨子ですね。理数教育重視はやめるという議論は見当たらなかったんですね。
 また、中間まとめではパブリックコメントを行っていましたけれども、そこにどんな意見があったのか都民に知らされていませんし、議事録を見るなり、委員会でも報告された様子もうかがい知ることができませんでした。学識経験者や保護者や都民の意見を聞いたように見せながら、結局、実はそうなっていないものが報告されているのではないかといわざるを得ず、とても認められるものではありません。
 また、中間のまとめで示されていた4、4、4の区切りについては、これも見直されたということですけれども、その一方で、特に小学校高学年の成長につながらないなどの指摘が--済みません、ごめんなさい、間違えました。
 中間のまとめでは4、4、4をすることが強調されていましたが、今回はそうはならなかったわけですが、この報告書の中に、現行の学校制度を導入した当時と比べ、児童生徒の身体的発達の早期化が見られて、学校制度の区切りと現実の児童生徒の発達の状態に差異が生じているとあるんです。
 具体的にどのような点が早期化していて、どのような点に差異が生じているのか伺います。

○出張教育改革推進担当部長 国の中央教育審議会の答申におきまして、児童生徒の身長や体重の伸びの大きい時期は、昭和23年当時と比べ、また、女子の平均初潮年齢は、昭和の初めと比べて2年程度早まっていることなどが挙げられております。
 また、小学校4、5年生ころの児童に見られる体や心の大きな変化と、現行の学校制度の区切りとは、ずれが生じているとも指摘されております。

○里吉委員 2年のずれというのが昭和の初めと比べということなんですが、今の学校制度ができたのは第2次世界大戦が終わった後ですから、そのころと比べるとほとんど変わっていないんじゃないかと思います。
 私もグラフを見ましたけれども、私が子供のころの40年ほど前とは0・3歳程度しか変わっておりませんでした。
 それから、身体的発達を理由にしていろいろおっしゃっていますけれども、教育で大きく問われるのは身体の発達よりも、むしろ思考力や、自分と他人や社会との関係の捉え方など、頭や心の発達だと思うんですね。
 そういう点では、大学の先生などの中には、小学校高学年の発達段階は、自分はできる、やればできるといった自己有用感が育つ時期で、中学生と一緒の固まり、4、4、4でいけば、小学校5年生から中学校2年生までの固まりの真ん中の低学年として扱われることが、育ちにくいと、現行の小学校の高学年としてそれが十分に獲得されることが中学校入学後の成長に大きくかかわっているということをおっしゃっておりました。
 例えば飯ごう炊さん一つとっても、中学生と一緒のくくりでは、小学生の感想は中学生がつくってくれておいしかったと受け身になってしまうというようなことでした。
 また、中学校のような教科担任制、ある意味小学校よりも厳しい生徒指導が5年生から導入されることが適切でなく、荒れなど子供たちに影響が出ているとも指摘されております。
 そういう意味では、こうした根拠薄弱な、また専門家からも否定されているようなことを論拠に、何か問題が発生しているかのようにいうのはふさわしくないのではないかと思うんです。
 そして、私、これを一番心配しているんですが、小学校から選抜を行う都立の小中高一貫校を1校だけつくるということについて、小学校段階から競争をあおるのではないか、一部のエリート養成校になるのではないかという懸念の声が上がっております。都教育委員会の会議の中でもそのような意見が出たと聞きました。どのように考えているのか伺います。

○出張教育改革推進担当部長 本検討委員会の検討結果によれば、入学者の決定は学力を問うものとはせず、幼稚園教育要領等を踏まえて行うことが望ましいとされております。
 今後、都教育委員会は、こうした検討結果等を踏まえて、さらに検討してまいります。

○里吉委員 小学校の選抜ですから、国語や算数などの学力を問わないのは当然だと思うんですね。
 中高一貫校についても1998年の法改正のときに、受験エリート校化や受験競争の低年齢化が心配されて、学力検査を行わず、適性検査で選抜するとされました。
 しかし、現在では、都立中高一貫校も中学受験塾の偏差値表の中にしっかりランクづけされて、しかも受検生は適性検査で点数がとれるよう、専門の受験塾に通うということが当たり前になっています。やはりそういう受験競争の低年齢化を招くのは避けられないと懸念いたします。
 しかもこの学校は、グローバル人材育成を重視し、日本経済が伸び悩む中で、いわば日本を背負って世界を舞台に活躍できる人間を育てるということなので、まさにエリート養成教育そのものなわけですね。
 地方自治体が小学校から一部の子供たちにエリート教育を行うことは、教育を小学校段階から複線化して、全ての子供たちへの平等な公教育制度が解体されてしまうのではないかとの心配の声も上がっています。そもそも学校教育法では、小中学校及び義務教育学校は普通教育を目的とすることになっています。  中間のまとめの保護者意識調査では、将来、社会で活躍していくために必要だと思う資質や能力ということを質問しておりまして、2つまで回答できるんですけれども、自分の考えや気持ちなどうまく表現できる力と答えたのが72・2%、社会人として必要となる一般的な知識や教養と答えた方が60・7%と、他の選択肢に比べ段違いに高くなっております。
 こうしたことからも、小中高等学校教育、小学校教育では目指すべきは特定のエリート教育ではなく、まず主体的に生きることのできる一人一人の人間としての全面的な成長、発達を保障することだと思います。
 これらのことから私は、今回の都立小中高一貫校の設置には大いに問題があり、設置は見送るべきだと考えます。
 このことを申し上げて、最後の質問に移ります。 

◆東京都発達生涯教育推進計画の骨子について 

 最後は、東京都発達障害教育推進計画の骨子について伺います。
 私はこれまで、特に小学校の発達障害児の通う通級の取り組みについて文教委員会で取り上げてまいりました。今回は、小学校から高校まで通じて発達障害教育を網羅したものです。
 発達障害は、早期に発見し早期に支援していくことが大切といわれておりますが、都教育委員会としての取り組みを伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 発達障害の児童生徒を円滑な就学や社会適応につなげるためには、障害を早期に発見し、継続的に適切な指導、支援を行うことが重要でございます。
 都教育委員会は、保護者の理解を得やすい早期発見の仕組みなどについて、先駆的な取り組みを行う区市町村の事例を各区市町村に周知いたします。
 また、教育のみならず、保健、医療、福祉など、さまざまな関係機関と相互の連携を図るとともに、早期支援に向けた幼稚園、保育園等と小学校との連携についてもさらに推進してまいります。

○植木委員長 速記をとめてください。    

〔速記中止〕

○植木委員長 速記を始めてください。

○里吉委員 早期発見のための取り組み、ぜひ広げていただきたいと思います。
 そしてあわせて、発達障害の児童生徒には途切れのない支援が重要で、就学前から高等学校までの支援をつないでいくことが大切です。
 都教育委員会として、どう実効性ある取り組みとしていくのか、どう推進していくのか伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、これまで、幼稚園や保育所における指導、保育の様子などを小学校に引き継ぐ就学支援シート、学校間や学年間における指導、支援の情報を引き継ぐ学校生活支援シート及び学齢期と進学、就労先をつなぐための個別移行支援計画の活用を通して、児童生徒一人一人に対して一貫性のある継続した支援の充実を図ってまいりました。
 今後は、こうした学校間や関係機関との連携を一層強化するため、これまでの研究成果に基づき、個別の教育支援計画に基づく連携ガイドラインを作成し、乳幼児期から学校卒業まで一貫性のある継続した支援を充実してまいります。

○里吉委員 発達障害といっても、その特性は本当にさまざまで、一人一人特徴が違うため、どのような特性を持っているのか、苦手なこと得意なことなど、それまでかかわった関係者がきちんと記録し引き継ぐことができれば、一貫性のある継続した支援に役立つと思いますので、この連携ガイドライン、大いに期待をしたいと思います。
 次に、高等学校での支援について伺います。
 高等学校における発達障害の生徒の中には、友人とのコミュニケーションがうまくいかず不登校になって、ひきこもりになってしまう生徒が一定数存在すると聞いております。そうならないための支援について、都教育委員会の考えを伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 発達障害の生徒は、その障害特性から周囲の理解が得られず疎外感を感じやすい傾向があり、不登校などのさまざまな学校、学級不適応を起こす場合がございます。
 こうした発達障害の生徒一人一人の障害の状態に応じた指導、支援や進路指導の充実を図るため、組織的な対応のあり方をまとめた教員向けの手引とDVDを作成し、学校、学級不適応の予防、改善を図るとともに、障害のない生徒の理解も促進してまいります。

○里吉委員 子供たちへも理解を促進していくということでお答えいただきましたが、これは高校だけでなく、小学校から高校まで、ともに学ぶ子供たちの理解促進をすることが本当に重要だと考えます。
 そして、そのためにも、教職員全体がさまざまな発達障害を理解することが大切だと考えます。教職員の研修についてはどのように取り組んでいくのか伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 来年度から区市町村において小学校へ特別支援教室が順次導入されますことから、全ての教員が発達障害の基礎的な知識及び対応力を身につけることが必要でございます。
 このため、都教育委員会は、各学校において発達障害教育を適切に実施できるよう、校長、副校長を対象とした悉皆研修を実施しております。
 また現在、初任者研修、10年経験者研修等の経験や職層に応じた研修の中で実施している発達障害に関する知識や、通常の学級における発達障害の児童生徒とのかかわり方などに関する内容を充実し、教員の資質、能力を向上してまいります。

○里吉委員 教職員の悉皆研修を初め、取り組んでいるということでした。ぜひ充実させていただきたいと思います。実際に都教委の調査でも全てのクラスに発達障害の子供がいるという結果が出ているわけですから、研修は本当に重要なわけです。
 それから、当然のことですが、研修だけでは発達障害児の指導力は向上しません。小学校の通級では、教員が集団で指導できたために、その中で教員のスキルアップができたと、今回学校を回ることになると今までのようにはいかないわけで、2人以上で教員が各学校を巡回するなど対策がとられていますが、教員が専門性を磨けるような引き続いての対応をお願いしたいと思います。
 さらに今回、都教委が示した推進計画の骨子で、小中学校においてソーシャルスキルトレーニングの事例集を作成するということでしたが、どのようなものなのか、作成の目的について伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 発達障害の児童生徒は、その障害特性から対人関係やコミュニケーションに課題があることが多く、通常の学級の中で集団に参加できなかったり、友人とのトラブルを生じやすい傾向がございます。
 このため、都教育委員会は、大学等の研究機関と連携して、ソーシャルスキルトレーニングの事例集を作成し、学校での活用を通して、発達障害の児童生徒の社会性の向上を図ってまいります。

○里吉委員 これは非常に大切なトレーニングだと思います。現在小学校の特別支援学級の通級で行っている集団指導のメニューも、このソーシャルスキルトレーニングの一つだと思います。  私が気になるのは、この事例集を研究機関と連携して作成した後、どうやって活用するのかということです。今の小学校1、2年生が35人学級、3年生以上が40人学級では対応が難しいのではないかと思います。
 この推進計画を作成するに当たって、既に2年前に、専門家の方も含めた東京都発達障害教育推進会議というのが行われておりまして、議事録を読ませていただきましたが、ここでも、ある委員は、クラス単位は25人ぐらいになるとかなり手をかけられると発言しておりました。
 来年以降始まる小学校の特別支援教室も、対象となる子供がどんどんふえても、教員はふやさない計画です。これでは今までのような集団指導ができるか心配する声が保護者から出ております。特別支援学校のセンター的機能のための教員加配もセンター校全校には行われておりません。
 やはり、しっかり教員を配置してこそ、一人一人にきめ細かな対応ができるわけで、教員をふやすことも改めて強く要望いたしまして、私の質問を終わります。

文教委員会速記録第19号

2015年12月14日(月)

◆都立多摩署位階教育会館条例を廃止する条例についての反対意見 

○里吉委員 第202号議案、東京都立多摩社会教育会館条例を廃止する条例について意見を申し上げます。
 この条例案は、都立多摩社会教育会館の中にある多摩図書館の移転に伴い、残っている会議室、ホールを閉鎖するというものです。
 都立多摩社会教育会館は、当初、市民活動の拠点だったわけですが、都教委は、この間、その役割を縮小させてきました。現在は貸し館しか行っておらず、近隣など、3多摩地域で会議室、ホールが整備されてきたこと、稼働率が3割から5割台であることなどから廃止するということです。
 しかし、かつては市民活動のサポートコーナーとして活用されていたのに、そのときも市民活動を支えるのは区市町村だといって、社会教育、市民活動の支援という社会教育会館としての本来の仕事を廃止してしまうなど、機能を縮小させてきた経過があります。
 我が党は、多摩地域では、複数の自治体にまたがって活動している市民サークルも多いことや、他県の例も示して、都民の社会教育活動を支援することは都の責任であること、その拡充こそ必要であることを主張してまいりました。
 都立多摩図書館の移転先には、200名程度のセミナールームを設置し、都民へも貸し出す計画もあり、条例に反対はいたしませんが、改めて都として、社会教育を支援する役割を果たすこと、そのために多摩図書館でも単なる貸し館ではない取り組みとなるよう要望し、意見といたします。

このページの▲
トップに戻る